2011/12/15

セシウム放出量「政府推計の3倍」 欧米の研究者ら

セシウム放出量「政府推計の3倍」 欧米の研究者ら
(2011年10月30日6時58分 朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性セシウムは、内閣府の原子力安全委員会が公表した推定値の3倍になるとの試算を、ノルウェーなど欧米の研究チームが発表した。チェルノブイリ原発事故の放出量の4割にあたるという。大気物理化学の専門誌に掲載された。

 研究チームは国内の測定データのほか、核実験探知のために設置された北米や欧州などの測定器のデータを使い、事故が起きた3月11日から4月20日までのセシウムやキセノンの放出量を分析した。

 セシウムの放出量は約3万5800テラベクレル(テラは1兆)で、原子力安全委の試算値1万1千テラベクレルの約3倍。降下物は大部分が海に落ちたが、19%は日本列島に、2%は日本以外の土地に落ちた。

 キセノンの放出は地震で原子炉が緊急停止した直後に始まったとみられ、原発が地震で損傷した可能性があるという。

 4号機の使用済み核燃料プールへ注水を開始した直後から放出量が激減したといい、プール内の核燃料が損傷して放出された可能性を挙げた。ただ、燃料の外観が保たれていることは東電の調査で確認されている。

 研究チームは、これらの分析結果は、測定データが不足し、放射能汚染で信頼性の高いデータが得られないことなどから、不確かさを伴うとしている。

 今年5月にも、核実験の監視システムなどのデータをもとに、福島第一原発で原子炉の停止後に連鎖的な核反応が再び起きた「再臨界」の可能性が指摘されたが、その後、データが訂正されたことがある。


海へ放射能放出総量は1.5京ベクレル 原子力機構試算
(2011年9月9日0時2分 朝日新聞)

 東京電力福島第一原子力発電所から海へ放出された放射能の総量は、3月21日~4月30日で1.5京(けい)ベクレル(京は兆の1万倍)を超えるとの試算を、日本原子力研究開発機構などがまとめた。東電はこれまで、海に流出した汚染水中の放射能量は約4720兆ベクレルとの推定を発表しているが、今回は、これに大気からの降下分を加えた結果、3倍を超える値になった。

 同機構の小林卓也研究副主幹(海岸工学)らは、原発の放水口付近の海洋での放射能の実測値などをもとに、直接海に流出した量を推定。これとは別に、大気から降下した放射能量もシミュレーションで推定して、足し合わせた。

 その結果、放出量はヨウ素131が1京1400兆ベクレルセシウム137が3600兆ベクレルになった。セシウム134は計算していないので、総放出量は1.5京ベクレルを超えるという。

ソバから60ベクレルのセシウム検出

長野原のソバから60ベクレルのセシウム検出 /群馬
(毎日新聞 2011年12月15日 地方版)

 県は14日、県内11市町村で12日に採取した農作物21品を検査した結果、長野原町のソバから1キロ当たり60ベクレル、東吾妻町のユズから同24ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。暫定規制値(同500ベクレル)は下回った。このほか、前橋市のミズナ、トマト▽高崎市のトマト▽桐生市のジネンジョ▽太田市のホウレンソウ、イチゴ▽沼田市のサトイモ、ハクサイ▽渋川市のネギ▽安中市のネギ、ホウレンソウ▽みどり市のミニトマト、ダイコン▽長野原町のイチゴ▽東吾妻町のイチゴ、ギンナン▽昭和村のイチゴ、ネギ――は不検出(検出限界値=同20ベクレル)だった。

人にも自然にも喜ばれる「脱原発ビジネス」が広がっている  

脱原発ビジネス本格支援 城南信金・吉原毅理事長に聞く
(2011年12月14日 東京新聞朝刊)

 城南信用金庫(東京都品川区)の吉原毅理事長は本紙のインタビューに応じ、「脱原発にかじを切ることで、新たなビジネスを生み出す」と述べ、取引先の中小企業が開発した節電商品を手始めに「脱原発ビジネス」を積極的に支援していく考えを明らかにした。 (聞き手・白石亘)

 ―取引先の間にも、脱原発に呼応する動きが広がっている。

 原発問題に立ち向かうわれわれの姿勢に賛同して新商品をつくったと聞き、涙が出るほどうれしかった。取引先の異業種交流会が商品を共同開発したのは初めてのこと。連帯の輪が広がればいろんな知恵が出る。ぜひ商品を顧客に紹介したい。

 ―先日、東京電力から電気を買うのをやめると発表した狙いは?

 電気が足りなくなるから原発を止められないという議論がある。ならば東電が供給すべき電力を減らそうと考えた。東電の供給電力のうち、原発で賄っている分を減らせば原発を止められるはずだ。

 電力の小売業者である特定規模電気事業者(PPS)から電気を買う。全国に四十七社あるPPSは、原発を一つも持っておらず、企業から買い取った余剰電力などを販売している。しかも電気代は大手電力会社より安い。原発に依存しない社会にぴったりの選択肢なのに、あまり知られていない。現在、PPSのシェアは3%だが、需要が増えれば事業者は設備を増強し、供給は増える。

 ―PPSへの切り替えを促す金融商品を扱う考えは?

 検討課題になり得る。金利を優遇することが考えられる。PPSは五十キロワット以上の(高圧契約をする)需要家なら利用でき、マンションや町工場、学校も対象になる。変更の手続きも書面で簡単にできる。小冊子をつくり、店頭や営業活動で顧客に説明したい。


城南信金、東電の電気買いません 「脱原発」取り組み

福島1号機配管 (津波でなく)地震で亀裂  

福島1号機配管 地震で亀裂の可能性
(2011年12月15日 07時00分 東京新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院が、東京電力福島第一原発1号機の原子炉系配管に事故時、地震の揺れによって〇・三平方センチの亀裂が入った可能性のあることを示す解析結果をまとめていたことが分かった。東電は地震による重要機器の損傷を否定し、事故原因を「想定外の津波」と主張しているが、保安院の解析は「津波原因説」に疑問を投げかけるものだ。政府の事故調査・検証委員会が年内に発表する中間報告にも影響を与えそうだ。

 これまでの東電や保安院の説明によれば、三月十一日午後二時四十六分の地震発生後、1号機では、非常時に原子炉を冷やす「非常用復水器(IC)」が同五十二分に自動起動。運転員の判断で手動停止するまでの十一分間で、原子炉内の圧力と水位が急降下した。この後、津波などで午後三時三十七分に全交流電源が喪失し、緊急炉心冷却装置(ECCS)が使えなくなったため、炉心溶融が起きたとされる。

 一方、経産省所管の独立行政法人・原子力安全基盤機構が今月上旬にまとめた「1号機IC作動時の原子炉挙動解析」は、IC作動時の原子炉内の圧力と水位の実測値は、ICや冷却水が通る再循環系の配管に〇・三平方センチの亀裂が入った場合のシミュレーション結果と「有意な差はない」と結論付けた。圧力と水位の急降下は、〇・三平方センチの配管亀裂でも説明できるという。〇・三平方センチの亀裂からは、一時間当たり七トンもの水が漏えいする。

 東電は二日に発表した社内事故調査委員会の中間報告で、「津波原因説」を展開、地震による重要機器の損傷を重ねて否定している。
(東京新聞)


福島原発2号機は揺れで損傷か 専門家が解析


ノルウェー大気研究所
「原子炉の自動停止直後にすでに放出が始まっていた強い証拠がある」


「地震で建屋や配管、電気系統など、施設にかなりの被害を受けた」

原発の是非問う住民投票求め、署名集め開始 東京・大阪

私も呼びかけ人になっています。

原発の住民投票実施求め市民グループが署名活動
(12/10 17:47 テレ朝ニュース 動画)

 原子力発電所の是非を問う住民投票の実施を求めて、東京と大阪で市民グループが署名活動を始めました。

 住民投票は、有権者の50分の1以上の署名が集まれば自治体に条例の制定を求めることができて、さらに議会で過半数の賛成があれば投票が実施されます。この市民グループは、東京都と大阪市で条例の制定を求めるために署名活動を行っています。
 署名した人:「もう一回、日本国民全体で考え直さなければいけないものだと思います」「自分のことだと思って皆考えれば、ひとつひとつが変わっていくと思います」
 署名は最大3割ほどが無効になることがあるため、市民グループは東京都で30万人分、大阪市で6万人分を集めることを目標にしています。


原発:東京・大阪で署名活動 住民投票条例の制定求め
(毎日新聞 2011年12月10日 12時13分)

 市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」が10日、原発の賛否を問う住民投票条例の制定を東京都と大阪市に求める署名活動を始めた。同団体は6月に発足し、俳優の山本太郎さん、漫画家のちばてつやさん、映画監督の小林聖太郎さんらが請求代表者に名前を連ねている。東京・渋谷で買い物客らに署名を呼びかけた小林さんは「これは反原発運動ではない。原発賛成派も反対派も一緒になって議論しあえる場をつくりたい」と話した。

 条例制定を石原慎太郎都知事に直接請求するには、東京の有権者の50分の1(約21万4200人)以上の署名を2カ月以内に集める必要がある。署名が集まれば、知事が都議会に条例案を付議し、審議される。

 石原知事は9日の記者会見で「開かれた社会ですから、人々がそれぞれ意見を述べるのは結構なこと。ただ放射能の問題はもうちょっと冷静になった方がいい」と述べた。【武内亮】
(最終更新 12月10日 12時22分)


みんなで決めよう「原発」国民投票 会見 山本太郎他
(2011年10月14日 会見 動画)


なぜ僕たちは、「原発」住民投票の請求代表者になるのか。
山本太郎×今井一 対談

(2011年12月1日 ダイヤモンド・オンライン)

東京と大阪で市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」が音頭をとって、原発の是非を問う住民投票の条例制定を求める署名運動が始まる。12月10日から街頭などで署名活動を行い、有権者数の50分の1以上の署名(東京で約23万人以上、大阪で約4万5000人以上)を集めることを目指す。今回の東京の請求代表者を務める俳優・山本太郎氏、大阪の請求代表者を務めるジャーナリストの今井一氏に、なぜ今原発住民投票が必要なのか、語ってもらった。

この国がかなり危機的な状況になってるということを
一番意識しているのは女性

今井:もう、世間に知れ渡ってることですが、山本太郎さんは3.11以降、はっきりと「原発はいらない」という姿勢で活動してますよね。

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山本太郎 (やまもと・たろう) 1974年11月24日生まれ、兵庫県出身。俳優。 高校在学中「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に出演したことがきっかけで芸能界入り。 TVでは、NHK大河ドラマ「新撰組!」、映画『バトル・ロワイアル』に出演。05年から08年まで「トップランナー」の司会を務めた。12月10日、東京の「原発」住民投票の請求代表者を務める。
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山本:なんか僕のことを「活動家」を本職にしたと思ってる人がいますが、それは違いますからね(笑)。これまで通り俳優の仕事をちゃんとやってますし、テレビの仕事もやってます。ただ、3.11前とは日々の生活ががらりと変わりましたけどね。

今井:どんなふうに?

山本:結果として、空いている時間のほぼすべてを「原発」をなくすための活動に割いてますよね。福島を中心に、北海道の泊原発から佐賀の玄海原発まで、全国を駆け回ってます。佐賀県庁には強行突入したことになっていますが(笑)。これはデマですよ。そんなことしてません。

今井:メディアは怖いねー。制止に回ってても扇動したと報じる。それでね、この半年間私もあちこちに足を運んで感じたのは、男と女の意識の差です。福島をはじめ東北の方は当然のことなんですが首都圏の女性もね、3.11以降意識が変わったというのをすごく感じるんですよ。太郎さんはその辺どうですか?

山本:僕も強く感じてます。この国がかなり危機的な状況になってるということを一番意識しているのは女性ですよね。それは特に子どもを持つお母さん方ですが、子どもを持ってない人も女性のほうが男性よりはるかに関心が高いですね。それは女の勘というか、動物的に優れているのかもしれない。お母さん方は自分が産んだ命だから。自分の生んだ命に対しての責任感というようなものから来る意識の高さだと思うんですが、一方、男性陣は街で出会うおじさんやお兄さんと話をすると、「放射能?そんなもん大丈夫、大丈夫」という人が意外と多いんですよね。ともかく、危機に面した時の、女性の「命をつなごう」というその能力の高さにはびっくりしますよね。

本気でこの国を根本から立て直す、
ほんとの意味で立て直す。繋がり方を改める

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今井 一(いまい はじめ) 1954年生まれ。ジャーナリスト。市民グループ[みんなで決めよう「原発」国民投票]事務局長。 ポーランドにおいて独立自治労組「連帯」が誕生した81年以降、ソ連・東欧の現地取材を重ね、民主化の進行とソ連を盟主とした社会主義共同体の崩壊を見届ける。 96年からは、新潟県巻町、刈羽村、岐阜県御嵩町、名護市、徳島市、米原町、岩国市など各地で実施された住民投票を精力的に取材する。 また、04、05年には、スイス、フランス、オランダへ赴き、国民投票の実施実態を調査。 著書は、『「原発」国民投票』(集英社)ほか多数
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今井:3.11から8ヵ月が過ぎましたが、政治や行政は相変わらずの体たらくだし、一時相当数の人が原発について高い関心を抱いていたのに、最近では急速にしぼみ、特に関西圏で原発について関心を抱き続けている人は少数になっています。そんな中で、「原発について考えよう」「子どもたちを放射能から守ろう」と訴えて駆け回る自分の心が折れたり揺れたりすることはなかったですか? 

山本:やっぱり一人じゃ無理ですよね。行くところ行くところに、人生と本気で向き合っている人たちとの出会いがあるじゃないですか。で、みんな真剣なんですよね。今まで自分自身が人生というものにどう向き合ってきたか。はっきりしたのが3.11です。3.11以降、生き方が変わった、考え方が変わったっていうことで、前を向いて歩き出した。でもやっぱり世間との温度差はあるっていうのはある。それはそうなんだけども、行く先々で本気で闘ってる人たちの姿を見ると、自分の気持ちが「折れかけてた」ということも反省させられますよね。何を考えてるんだ、やっぱり燃えてなきゃダメなんだっていう出会いの連続です。だから毎日感動してます。

 とはいえ、僕も3.11以降失ったものはあります。それは収入なんですけれども…

今井:(笑)出た―!

山本:出たでしょ、「収入激減話」。だけどそれを大きく上回る財産みたいなものを、手に入れてる感じがします。

今井:そうね。お金は大事だけど、偽りのない人生、掛け替えのない仲間こそ大切。この歳になると本心そう思います。

 さて、14万人のフォロワーを擁する太郎さんのツイートを見てたら「繋がれてよかったです」という言葉がよく出てくるんですけど、「繋がる」っていい言葉やね。スクラムを組むっていうとちょっと大げさになるけれど、繋がるっていうのはなんか自然でいい。

山本: 3.11の原発事故で福島の人たちをはじめとしてみんな辛い体験をしてます。ほんとに残念で悔しいです。そんな嫌なことばかりの中で「救い」にしたいのは、これまで多くの福島の方々と道ですれ違うことさえなかった僕が、3.11以降頻繁に現地へ行って、そこでみんなと集まって、一気に人間の一番深いところで繋がり合ってます。これはすごいことですよ。いろんな人との出会いでそういうエネルギーを感じるときに、リセットというかリスタートできる、自信にかわっていきますよね。

今井:確かにわれわれは、精神的にも物質的にも大変な「負」を背負うことになったけれど、これをプラスに転ずる努力をしないと。3.11によって、この国の行政や立法、官僚、メディアの在りようがあぶり出されました。そのひどさを目の当たりにした私たち日本人は、本気でこの国を根本から立て直すきっかけにしないといけない。悲劇に覆われながらもこの機会を生かさないとね。

原発の問題は大都市住民にとって、
他人事じゃなく自分たちの問題

山本:今井さんは、「みんなで決めよう『原発』国民投票」っていう市民グループの事務局長をやってますよね。ずっと国民投票をやろうって言ってたのに、ここにきて東京と大阪で住民投票をやろうと動き始めたのはなぜなんですか?

今井: 原発の問題は大都市住民にとって、他人事じゃなく自分たちの問題だからです。例えば福島第一原発の問題は、福島の人たちだけではなく首都圏の人たちの問題でもある。そのことをわかってもらう機会にしたいと考えたのが一番の動機です。

 この国の有権者の99%以上は原発の立地地域ではなく消費地の住民です。立地地域に住む人が占める割合は1%にも満たない。にもかかわらず、これまでは、住民投票で決着をつけた巻町(新潟県)、海山町(三重県)、刈羽村(新潟県)以外はすべて、国とその立地地域の首長や議員の意思だけで原発設置やプルサーマル導入が決められてきた。それでいいのかという疑問があります。

山本:どこもかも、電力会社からいろんな名目で莫大なお金が集中的に投下されてね。玄海も上関もみんな同じパターンですよ。そのパターンで「民主的に」54基の原発が地方に造られていった。

今井:そうです。で、そのパターンで進めてきて、大都市の人間には建設の是非について、直接にも間接にも一切承認をとっていません。でも、例えばもし刈羽村で原発事故が起これば新潟市も大きな被害を受けるし、福井で起きれば琵琶湖の水が飲めなくなり大阪や京都、兵庫、滋賀も甚大な影響を受ける。それゆえ、都市住民にも建設・稼働の是非について物を言う権利があるはずです。そして、それは同時に責任をもつということでもある。福島第一原発の事故について、首都圏に住む人の多くは、東電や原発立地先に「迷惑をかけられた」と思ってはいても、福島の人々に原発を押しつけて「迷惑をかけた」とは思っていません。でも、電力の大量消費者である自分たちが原発というものを黙認して事故が起きた以上、「私は関係ありません」とは言えない。

東京都は東電株の約2.7%、
大阪市は関西電力株の約8.9%を所有する、大株主

山本:そこなんですよね。「脱原発」を理解して賛成してもらう前の段階で、まず「原発」は自分たちの問題なんだということを都会に住んでたり働いてる大勢の人にきちんとわかってもらう必要がある。そこを跳び越して運動を進めても拡がりに限界が出てくるんですよね。それは痛感してます。

今井:都市に住む私たちが[決定権者=責任者]であるべきだという根拠は、我々が東電や関電の消費者・ユーザーだということ。しかも、東京、大阪の住民の大半は基本的に東電、関電しか使えないのだから、口出しする権利がある。 それから、大株主が株式会社に対して口出しするのは資本主義の常識です。東京都は東電株の約2.7%、大阪市は関西電力株の約8.9%を所有する、それぞれ5位、1位の大株主。それなのに、都も市も主権者である私たちの意を酌んだ上で、きちんと口出ししないというのはまったくおかしな話です。

 そういうことで「原発」都民投票、「原発」市民投票をという動きをとっているのですが、何をするかというと、都議会と大阪市議会に対して、都民投票、市民投票にかけるための条例の制定を求める直接請求を行うことになります。そして、私たち市民グループが作成している条例案では、結果が「原発」賛成多数であれ反対多数であれ、東京都議会と都知事、もしくは大阪市長と市議会は、投票結果を尊重し、東京(関西)電力、国及び関係機関と協議して、都(市)民の意思が反映されるよう努めなければならない、と定めています。で、太郎さんは都民投票の請求代表者の一人になってくださいました。

「住民投票」とか「国民投票」っていうのが
一番スマートな脱原発の方法じゃないか

山本:今井さんは、「原発」大阪市民投票のほうの請求代表者に。

今井:そう、大阪市民やからね。でまあ、直接請求の代表者を務めるなんていうのはお互い初めてなんですが、この役を引き受けようと考えたのはなぜですか?

山本:原発を止めるためだったら何でもやりたいと考えて、今まで僕はいろんなとこで、デモ、集会、座り込みなんかで脱原発を訴えたり、抗議行動をやったりしてきました。だけど、やっぱり「住民投票」とか「国民投票」っていうのが一番スマートな脱原発の方法じゃないかと思うんですよね。議員任せ、政府一任じゃなくて、僕たち主権者みんなで議論して投票で決める。それで、結果責任もとる。すごくわかりやすくて公平じゃないですか。

今井:ただね、脱原発の人たちからよく言われるんだけれども、日本国民はアホで愚かだから、住民投票や国民投票なんてとんでもない。絶対に負ける。だから、お前は余計なことを仕掛けないでじっとしておれって、残念ながらそういう異論や批判を反原発グループの人たちから結構もらってます。

山本:それ、ほんとに脱原発の人ですか? 信じられへんなあ。

今井:いや事実です。その証拠に。私たちが東京と大阪でやろうとしている「原発」都民投票、「原発」市民投票の受任者(署名集めを担う有権者のこと)があまり集まらないじゃないですか。毎週毎週あちこちで何千、何万人が集まる脱原発の集会をやってるのに、そこに来てる人たちはみんな直接請求の受任者になろうとはしない。「原発」推進派の人たちが、このままの政権、国会だったらこそこそっと再開・稼働できるのに、負ける可能性がある住民投票なんてやらせたくないと考えるのはある意味当然だと思うけど、脱原発派の多くの人たちがそっぽを向いてるのがとても残念です。

山本:それは一回勝負やと思ってるからでしょうね。僕はね、最初は勝っても負けてもいいと思ってるんです。勝って脱原発ができればこれは最高。でも、万が一負けても、それはそれで受け入れたいと思ってるんです。もちろん脱原発の運動は続けますけどね。まずは一回、国民投票なり都民投票をきちんとやって、何か重大なことがあった時、そういう機運が盛り上がった時に、大事なことだから必ずみんなで決めようぜということの前例になればいいと思ってるんです。そういう習性をつけさえすれば、一度まちがった選択をしたとしても、長い時間の中では必ず賢明な判断がなされていく、生かされていくと考えてます。

今井:同感。僕もまったく同じ考えをしています。何を選択するかはもちろん大切ですが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのは決め方です。日本や人類史を左右するような原発の今後という重大案件を、いつやめるかわからない首相や市民自治を理解していない知事や市長に決めさせるわけにはいかない。そしてたどり着いたのが大都市での「原発」住民投票です。

 そんなわけで、太郎さんが東京都、私が大阪市の請求代表者を務める直接請求の署名集めを、いよいよ12月10日から始めるのですが、条例の制定つまり「原発」住民投票の実施を首長に求めるためには、東京では2ヵ月以内に23万筆以上、大阪では1ヵ月以内に5万筆以上の法定署名が必要です。労組などの支援を受けず、普通の市民が身銭を切り手弁当で頑張っています。なので、ぜひみなさんもこの運動を応援して下さい。よろしくお願いします。

◆詳細は市民グループ【みんなで決めよう「原発」国民投票】のウェブサイトhttp://kokumintohyo.com/branch/


原発の是非問う住民投票求め、署名集め開始 東京・大阪
(2011年12月10日11時4分 朝日新聞)

 原子力発電所の是非を問う住民投票を実現しようと、市民グループが10日、東京都と大阪市で実施に必要な条例の制定を求める署名集めを始めた。グループには東京電力福島第一原発の事故を受け、原発政策にみんなで関与し、発言していきたいとの思いがある。さっそく東京では渋谷・ハチ公前、大阪ではなんば高島屋前で署名を呼びかけた。

 グループはジャーナリスト・今井一さんが事務局長を務める「みんなで決めよう『原発』国民投票」。原発事故後に発足した。東京では漫画家のちばてつやさんや俳優の山本太郎さん、大阪では人形浄瑠璃文楽太夫の豊竹英大夫さんら著名人も参加。東京都と大阪市はそれぞれ東電、関西電力の大株主であることから、両自治体での住民投票実施を目指している。

写真:原発の是非を問う住民投票実現に向け、署名を呼びかける市民グループ=10日午前10時21分、東京都渋谷区のJR渋谷駅前

【動画】原発住民投票、署名集めスタート


「原発是非、都民も考えて」 住民投票求める署名集めへ
(2011年10月17日15時1分 朝日新聞)

 原子力発電の是非を問う住民投票の実現を――。12月1日から東京都と大阪市で署名集めを始める市民団体が呼びかけに力を入れている。著名な作家や俳優らも活動の先頭に立っている。

 「原発は暮らしや命を左右する重要なテーマ。是非を決めるのは国や電力会社でなく、住民の直接的な投票であるべきだ

 東京都内で14日に記者会見したジャーナリスト今井一さんは、そう訴えた。東京電力福島第一原発事故を受けて6月に発足した市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」(事務局・東京)の事務局長。17日には、来月に市長選を控える大阪市でも会見を開き、次の選挙で選ばれる大阪市長や関西電力だけが決めるのは間違っている」と語った。

 有権者の50分の1以上の署名が集まれば、首長に条例の制定・改廃などを直接請求できる。同団体は住民投票条例の制定を求めて署名活動に乗り出す。東京では21万4千人の署名が必要で、12月1日から請求代表人が渋谷、新宿、池袋などの街頭に立って署名を募る。東京・生活者ネットワークは生活協同組合の組合員らにも協力を求める。今井さんは「無効分を見込んで30万人分を目標とし、12月中に達成したい」と語る。

 東京では、請求代表人に作家の辻井喬(堤清二)さん、俳優山本太郎さん、コラムニスト天野祐吉さんといった著名人や、東京・生活者ネットワークの中村映子事務局長らが就く予定。大阪では、今井さん、人形浄瑠璃文楽太夫の豊竹英大夫さんらが就く

 なぜ、東京都と大阪市なのか。都は東京電力の発行済み株式の2.7%、大阪市は関西電力の8.9%を持つ。両社の原発の稼働の賛否を問う住民投票が実施されても、その結果に法的な拘束力はないが、今井さんは「原発の是非を決めるのは誰なのかというのが今回の活動のテーマ。首長は市民の考えに従うべきだ」と訴える。都内での会見に同席した山本さんは「東京の電力のために福島に原発があり、事故が起きた。都民がきちんとこの問題に向き合ってほしい」と語った。

 全炉停止中の中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を抱える静岡県でも、この団体のメンバーが住民投票を実現させようと準備を始めている

 事務局員の佐久間章孔(のりよし)さん(63)によると、賛同者は現在約60人。来年3月に組織を立ち上げ、夏ごろから署名集めを始める予定だ。佐久間さんは「中部電力の判断に任せるのではなく、自分たちの未来は自分たちで決めたい」と話す。

原発住民投票 署名集め、東京は30万人目標
(2011年12月8日23時33分 朝日新聞)

 東京都と大阪市で原発の是非を問う住民投票の実施を目指している市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」の署名集めが10日から始まる。有権者の50分の1の有効署名を集めれば、実施するための条例を設けるよう自治体に求められる。グループは8日、東京では30万人分、大阪では6万人分を集めるとの目標を明らかにした。

 グループの事務局によると、東京都、大阪市ともに9日に署名集めに必要な請求代表者証明書が自治体から交付される見通しで、署名簿などの準備を経て10日から集め始める。東京では10日午前10時から渋谷駅前などで署名を呼びかける。

 東京の有権者の50分の1は21万4236人分(12月現在)。来年2月9日までの2カ月間に集める必要がある。グループは過去の例から無効署名が最大3割出るとみて、目標を30万人分とした。大阪では1カ月間に4万2673人分を集める必要があり、事務局は大阪の目標を6万人と設定した。


原発是非の住民投票 署名高いハードル 好意的意見も
(2011年12月10日 朝日新聞)

 原発に賛成か反対かを問う住民投票の条例づくりに向け、市民グループが東京都と大阪市で署名集めに乗り出した。住民投票の実現には、議会の可決も必要だ。議員らには、好意的な受け止めや冷めた見方が混在している。

 大阪市議会の自民党のベテラン議員は「原発事故の後だけに、特に幼い子どもの親らは敏感だろう」と住民投票に賛意を示す。別の議員も「関心のあるテーマだけに署名はすぐに集まるだろう」とみる。「安心安全を求める民意と経済成長を求める民意とのバランスを考えながら、議会で慎重に議論したい」

 一方、市議会最大会派の大阪維新の会幹部は「原発依存度を下げていく必要があり、趣旨は理解できるが、市民生活や経済活動を考えると一足飛びに(原発を)ゼロには出来ない。市が先導し、関電に代替エネルギーへの転換を働きかけるのが現実的だ」。

 東京都の石原慎太郎知事は9日の定例会見で「放射能の問題については、もうちょっとみんな冷静になったほうがいい」と述べた。都議会最大会派の民主党の山下太郎幹事長は「意図をより明確に署名活動をされた方がいいのではないか」と困惑。都議会自民党の幹部は「脱原発を言うだけなら個人的には賛成。ただ、冷静に考えないといけない問題」と話した。

NHKの堀潤アナウンサー 「僕らメディアの責任も本当に重たい」

★メディア関係のうれしい発言

堀潤さんのツイッターから抜粋)

どうしてこんなに大切な情報が原発事故から半年になって発表されるのか。僕らメディアの責任も本当に重たい。飛ばないって思ってたけど、実は飛ぶんですって、それはないよ。。。実は飛んでましたって。。。本当に本当に申し訳ない思いで一杯です。何にも役にたってない。
10月1日


nhk_HORIJUN 堀 潤 Jun Hori
国や組織に期待してはだめだ。もうだめだ。僕らで動こう。僕らで考えよう。僕らでこの国を変えよう。だって、僕らの国なんだからさ。誰かに任せるのは、もう、やめよう。僕らは皆仲間だ。ここでこうして繋がっている皆は、何かに気が付いたからこうして繋がっている。だから、僕らが動こう。
12月12日


堀 潤 Jun Hori
原発で相次ぐトラブルについても同様だ。敦賀原発では再発防止策をまとめた報告書を国に提出した矢先の火事だ。再稼働にむけての拙速な帳尻合わせのような検証をしないでもらいたい。日本の原発は古い。古い原発を無理して使ってきた。経年劣化はどの程度なのか?そもそも劣化に対応できる対策なのか?
12月12日

堀 潤 Jun Hori
福島県で除染作業に携わっていた60代の男性が亡くなった。男性の死亡原因について国は「除染作業と関係はない」としているが何故関係がないと判断したのか、その根拠も示さなくてはいけない。チェルノブイリ事故でさえ人体への影響について研究が続けられている最中だというのに。情報公開の徹底を!
12月12日

堀 潤 Jun Hori
【22:00 福島で除染の作業員死亡】福島県伊達市下小国地区にある集会場近くで除染作業をしていた60歳の男性が車の中で倒れているのが見つかり病院に運ばれたが約1時間後に死亡が確認された。内閣府は「男性の死亡原因と除染作業に関係はない」としているが、詳しい理由は明らかにしていない。
12月12日

被災地の水産加工品缶詰がODAで途上国へ

「缶詰(サバの水煮)からも放射性物質を検出」という記事にもあるように、すでに缶詰から放射性物質が検出されている中で、外務省が「援助」と称して「途上国」に缶詰を送る計画(2012年3月から支給開始)を進めています。

これと似たことが、チェルノブイリ原発事故の後にも起こりました。
そのときも放射能汚染食品が「途上国への援助物資」として送られました。

缶詰を援助物資とする理由は、「“風評被害”を払拭するため」とのこと。
まず、多くの人に、こうしたことが進められようとしていることを知ってほしいと思います。

被災地の水産加工品缶詰がODAで途上国へ?!放射能、大丈夫?
(2011-12-06 脱原発の日のブログ)から抜粋

 皆さん、外務省が今年の第3次補正予算案で、被災地で生産された工業製品や水産加工品をODA=政府開発援助の予算を使って購入し、開発途上国に無償で提供する取り組みを打ち出したのをご存知ですか? 理由は、「“風評被害”を払拭(ふっしょく)するため」

 外務省はそのための予算として、およそ50億円(うち水産加工品に10億円)を要求し、可決されました。現在、同省は対象国の調査を始め、その結果を受けてWFP=国連世界食糧計画に業務を委託し、加工工場から缶詰を買い上げて対象国へ送るそうです。

311以降の日本の放射能安全基準値は、皆さんご存知のとおり震災後はね上がり、ヨウ素2000ベクレル、セシウム500ベクレルと、他国に比べてものすごくゆるいものとなっています。この基準値で魚介類の缶詰が他国へ提供されると、それを食べた人々の健康になんらかの影響があるかもしれません。そうなると、日本は結果的に、助けるどころか他国の人を苦しめる加害者となってしまいます。

震災後は日本からの食料品輸入を制限している国が多いのだそうですが、貧困と飢餓に苦しむ国の中には、危険を承知で受け入れざるをえないところが出るかもしれません。そして、その缶詰を直接食べる方々に、放射能に汚染されている可能性があることが知らされないとしたら・・・

今も事故が収束していない以上、震災後の放射能被害は“風評”ではなく“実質的な”被害ととらえる必要があるのではないでしょうか。どうしてわざわざ汚染されてない国に、放射能汚染されているかもしれない食品を送らないといけないのでしょう。皆さんはどうお考えになりますか?


<追加掲載記事>
被災地域からの魚をカンボジアの学校児童に:プノンペンポスト紙
(2012年7月13日 脱原発の日のブログ)から抜粋

WFP to feed schoolchildren Fukushima fish
The Phnom Penh Post
訳文:
世界食料計画(WFP)、福島の魚を子どもたちの給食に
日本政府と国連世界食料計画(WFP)は、昨年発生した東日本大震災と福島第一原発事故の影響を受けた地域の魚(缶詰)を、カンボジアの学校給食として配布する計画をしている。

この計画は、日本の反原発グループが抗議をしている。しかし、WFPは、福島第一原発事故による放射能汚染の可能性はなく、厳しい検査をしており、放射性物質はないというのがWFPの見解である。この食料援助は、日本の政府開発援助案件として、被災地の魚をカンボジア、ガーナ、コンゴ共和国、セネガル、スリランカに提供される。

今年の3月に124トンの魚(缶詰)がカンボジアに到着し、放射能汚染がされていないことを承認する前には、日本政府と日本政府ではない別の二人の検査官により検査が行われたと、WFPカンボジア代表のJean-Pierre de Margerie氏は答えた。「もしわずかでも放射能汚染されているという可能性があれば、WFPは支援物資とすることはしない。私は現場に行く時は、毎回必ず支援物資を受益者とともに食べるようにしています。そしてこの日本政府が提供する魚の場合も同じです」とJean-Pierre de Margerie氏は話した。

Jean-Pierre de Margerie氏によると、カンボジアの貧困地域では、親たちが子どもたちを学校に通わせるように、朝食を学校で支給しており、このプログラムは過去10年間行われている。日本政府が支給した魚(缶詰)は、今年3月にカンボジアに到着し、このプログラムを通し10月まで支給される

Jean-Pierre de Margerie氏は、この魚は、福島第一原発から数百キロメーター離れた北海道と青森県で採れた魚であると話した。しかし、この魚(缶詰)は、日本の新聞報道によると、茨城県近海で採れた魚で、福島第一原発から50キロしか離れていないという。

今後30年以内にマグニチュード8の地震が発生する確立が87%の地域に住むSTOP!浜岡原発の戸倉由紀枝氏は、このODA案件を、日本政府の倫理観のない、ダブルスタンダードであり、恥ずかしく思い、中止を求めている。

プノンペンの日本の大使館は本紙の質問には回答せず、またカンボジアの教育省と厚生省はこのプログラムを知らなかったと答えた。

WFPは内部規則により、この魚(缶詰)の放射線量の検査結果は公表していない。Friends Internationalの国際コミュニケーションコーディネーターのJames Sutherland氏は、もしWFPにより支援物資である食料の安全が確認されたなら、それは相当なことであり、検査結果を公表することで、安全性を再保証することになると話す。また、「なぜ途上国だけで、他の国に提供されないのだろうか、とカンボジアの人たちは疑問に思うのではないか」と、Sutherland氏は言う。

東日本大震災以降、漁船の破壊と放射能汚染の不安により、被災地の漁業関係者は深刻な影響を受けている。
昨年の3月11日に、東北地方でマグニチュード9の巨大地震が発生し、15メーターの津波が福島第一原発を襲い、冷却装置が破壊された。水素爆発が発生し、原子炉建屋の屋根と壁が吹き飛ばされ、放射性物質が大気に放出された。それ以降、メルトダウンを回避するために大量の水が原子炉の燃料棒に放水され、放射能汚染された水が、海に流された。そして、大量のヨウ素131、セシウム134、セシウム137が放出された。

食品を通して、安全基準値以上の放射性物質を摂取した場合、癌になる危険が増し、そして放射性物質は甲状腺に蓄積し、成長を妨げる。政府は、食品の安全性について懐疑的にもかかわらず、引き続き、この問題に関する情報が公開されることは少ない。

日本の厚生労働省が最近した検査やアメリカの環境保護庁の調査と放射能の専門家の調査では、魚の放射能汚染は非常に低いか、ほとんどの国で放射能汚染は確認されていない。

気象研究所の最近の調査によると、地震後、福島第一原発1号機から以前の2倍のセシウムが放出され、その7割が海に放出されたことが、わかった。


<追加記事>
放射能基準を緩めたタイでは日本からの水産物輸入が増加
(2012/02/19 風の便り)から抜粋

福島原発の事故以前は、放射能汚染食品の輸入基準が厳しかったタイが、原発事故の翌月に基準を緩和し(6ベクレル/kg → 500ベクレル/kg)日本からの輸入量を12%増やしている。

<福島原発事故から1週間後>
日本からの輸入食品に放射能検査を開始
―生産地など明記した書類が必要に(タイ)

(2011年3月18日 JETRO 日本貿易振興機構 バンコク・センター発)

保健省食品医薬品局(FDA)は3月16日、バンコク市内で食品輸入業者などを対象に説明会を開催し、日本から輸入される食品に対する放射能検査の実施を明らかにした。2段階に分かれる検査のうち、現在は1段階目にあり、検査結果を待つことなく通関できるサンプリング検査にとどまる。ただし、3月15日以降日本から輸入される食品は、輸入の際、輸入港のFDA事務所に生産地、生産日、食品の種類を明記した書類の提出が求められる。

<国内消費者の安全確保が目的>
「日本から輸入される食品の放射能汚染に関して」と題する3月16日の説明会で、FDAは今回の放射能検査の背景と内容を説明した。冒頭、FDAのピパット長官は、日本の原子力発電所の状況に関連して国内の消費者から、日本の食品の安全性と放射能汚染の有無について、多くの問い合わせがあったことを明らかにした。
同長官は「現時点で、日本の食品に放射能汚染は確認されていない」としながらも、放射能による汚染は、食品に付着する直接的なものと、大気や土壌中の放射能を農産物が取り込む間接的なものとがあるとして、今回の措置は、国内の消費者の安全確保のために必要な対応だと述べた。

<食品中のセシウム137の量で汚染を判断>
FDAは、1979年食品法(Food Act B.E.2522)に基づき、輸入食品のモニタリング検査を実施している。放射能検査についても、86年のチェルノブイリ原子力発電所の事故を受け、保健省告示第102号「放射能汚染を受けた食品に関して」が、88年にはその改正告示第116号がそれぞれ施行されている。今回の検査はこれらの告示を根拠として実施される。
告示第102号の第2項では、放射能汚染を受けた食品の規制について、セシウム137(Cs―137)の検出量が以下の基準値を超えないことと定めている

(1)生乳:7ベクレル/リットル
(2)粉乳、乳製品、幼児用食品:21ベクレル/キロ
(3)穀物およびその他の食品:6ベクレル/キロ

FDAは、基準値を超えるセシウム137を含む食品を輸入した者に対しては、5万バーツ(約 15万円)以下の罰金を科すことになると説明している。

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ところが(何があったのでしょうか)4月に入って方針が大転換します。
放射能汚染食品の輸入基準が、6ベクレル/kg → 500ベクレル/kg

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<福島原発事故から1ヵ月後>
日本からの輸入食品に新基準等を導入(タイ)

(2011年4月12日 JETRO 日本貿易振興機構 バンコク事務所発)

保健省食品医薬品局(FDA)は4月11日、放射性物質に汚染された食品に関する新基準と、放射性物質による汚染の可能性がある食品の輸入条件に関する保健省令をそれぞれ官報告示した。これらの保健省令は翌4月12日より施行されている。福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉の12都県で生産された食品の輸入に際しては、食品の種類、生産地のほか、放射性物質の量が明記された書類の提出が求められる。

<食品中のヨウ素131、セシウム134および137の量で汚染を判断>
今回施行された保健省告示「放射性物質汚染食品の基準」(注1)では、放射能汚染を受けた食品の規制にあたり、これまで食品の汚染の判断に用いてきたセシウム137のみならずセシウム134とヨウ素131も加え、これら放射性物質の検出量が以下の基準値を超えないことと定めることになった。

(1)ヨウ素131:100ベクレル/kgもしくはリットル
(2)セシウム134とセシウム137の合計:500ベクレル/kgもしくはリットル

今回の新告示の施行を受け、86年のチェルノブイリ原子力発電所の事故以来、食品中の放射性物質検査の根拠となってきた保健省告示第102号「放射能汚染を受けた食品に関して」およびその改正告示第116号は廃止されることになった。

タイ向け農林水産物・食品輸出額の品目別内訳
日本産農林水産物・食品の輸出及び販路開拓について. ―タイ・シンガポール―
日本貿易振興機構(ジェトロ)作成資料より

廃棄物に大量の核物質 未計量、IAEAに報告せず

廃棄物に大量の核物質 未計量、IAEAに報告せず
(’11/12/15 中国新聞)

 政府が国際原子力機関(IAEA)の保障措置(査察)の対象となっている全国の262施設を調査した結果、計量や報告をしていない濃縮ウランやプルトニウムなど核物質が廃棄物から大量に見つかったことが14日、分かった。政府は国際社会の批判を避けるためIAEAへの申告を急ぎ、水面下で協議を始めた。複数の政府高官が明らかにした。

 中でも政府系研究所で高濃縮ウラン約2・8キロ、原子力燃料製造企業で約4トンの低濃縮ウランがそれぞれ未計量だったケースを重視して調べている。中部、北陸、中国の3電力会社や複数の原子力関連メーカーにも未計量とみられる核物質があり、確認を進めている。

 日本が査察を受け入れる保障措置協定は1977年発効。核物質は兵器に転用されないことを保障するため計量管理し、IAEAに報告する義務がある。今回の未計量の核物質の多くは協定以前の廃棄物に含まれ、分散して処分されている。

 兵器やテロに使われる懸念や安全上の危険には直ちに結び付かないが、政府が国際社会に対して十分な説明責任を果たさなければ、IAEA理事会などで問題視される恐れがある。政府高官は、日本がIAEAに来年提出する保障措置報告にクレームがつく可能性も否定できないと述べた。

 政府高官によると、独立行政法人の日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県)で昨年10月、保障措置協定前に処分された廃棄物から未計量の核物質が見つかった。これを契機に調べたところ、原子力機構の原子力科学研究所(同)でセメント固化された計約2・8キロの高濃縮ウランや計約636グラムのプルトニウムが見つかった。高濃縮ウランは試験用サンプルとして米国から輸入したとみられる。

 査察を所管する文部科学省は、同様の事態が他の施設でも起きている恐れがあるとして今年8月、全国に調査を拡大。計14施設で協定以前の廃棄物などから未計量の核物質が見つかった。また協定後の廃棄物から核物質が検出された施設も複数あった。調査結果は非公式にIAEA側に伝え、対応を協議している。

2011/12/14

爆発10日後 ヨウ素投与「手遅れ」と断念  政府、SPEEDI生かせず

爆発10日後 やっと提案 ヨウ素投与「手遅れ」と断念
政府、SPEEDI生かせず

(12月14日西日本新聞朝刊)

東京電力福島第一原発事故で、活用の遅れが批判された緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を使った放射性物質の拡散状況の推定結果は、3月23日に首相官邸に初めて報告され、原子力安全委員会が、周辺住民の新たな避難や甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤投与を提案していたことが13日、分かった。

原子炉建屋で水素爆発が起きてから10日前後が経過しており「放射性を帯びたプルーム(雲)が通り過ぎた後で、ヨウ素剤投与はもう遅い」として見送られた。複数の政府関係者が明らかにした。

政府の事故調査・検証委員会も「無用の被ばく」を生んだ可能性があるとみてSPEEDI活用が遅れた経緯を調べている。

放射性ヨウ素の半減期は約8日間と短く、安定ヨウ素剤は放射性ヨウ素が来る前に予防的に服用するか、放出後に服用することになっている。

当時の高官らによると、内閣官房参与として官邸入りした小佐古敏荘東大教授が3月16日、SPEEDI活用の検討を提言した。これを受け、官邸側は斑目春樹原子力安全委員長に状況を問いただしたが、委員長は「活用可能なレベルではない」と慎重姿勢を示した。

SPEEDIは放射性物質の放出量や気象データから拡散状況を予測するが、今回は放出量が得られなかった。SPEEDIを開発した日本原子力研究開発機構の専門家が、ダスト・サンプリング(大気中のちりの採取)の実測値から放出量を「逆算」し、拡散状況の推定に役立てるよう提案。官邸側も同じ提案をした。しかし風向きの関係で同16~19日にちりは採れなかった。

その後採取でき、12~23日の積算線量の試算が同23日に官邸で配布された。20キロの避難区域の外でも、飯舘村など北西方向で帯状に線量が高かったが、再爆発があれば大量の被ばくを招く恐れがあるなどの見方から、追加避難は見送られた。

これまで3月12日からSPEEDIデータの一部が官邸へ届けられたとされていたが、関係者は論議の対象にならなかったとしており、実測値を使ったデータの扱いは初めて明らかになった。


12月13日 小出氏:使われなかったSPEEDIと配られなかったヨウ素剤、福島県民1589人の4カ月間推計外部被曝評価@たね蒔き
(12月13日23:21 ぼちぼちいこか)

20111213 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

【以下、お時間のない方のために内容を起こしています。ご参考まで】
今のニュースを聞かれて二つポイントあると思いますが、事態が水素爆発で悪化した10日後になってから、やっと総理官邸にSPEEDIのどんなふうに影響が出るかという、放射性物質がどのように拡散しているかの予測の結果が発表された。
この10日後というのは、どう見られます?
(小出氏)そんなことは有り得ません。

『有り得ません?』
どうしてですか?

(小出氏)SPEEDIというのは、チェルノブイリ原発事故の後、日本の原子力関係者がこぞって危機感を感じて、25年の歳月をかけて、100億円以上のお金を投入して、万一でも日本で事故が起きたら、即座にそれを動かして住民を守る、そのためにこそ開発されたものです。

100億円掛けて、25年かかって?

(小出氏)はい。SPEEDIの関係者は事故が起きた時から、きっと不眠不休でその計算をしていたはずですし、時々刻々計算結果が出ていたはずですし、その計算の重要性ということは、もちろん認識していたはずですし、認識していなかったといえば、もうそもそも話になりませんし、今のようなシナリオは全くあり得ません。

(平野解説員)先生、これは別の取材では、やはり首相官邸に届いていた、ところが、当時前線につめてた原子力安全保安院の院長が、菅総理に渡さなかった、或いは枝野さんに渡さなかったということまでも明らかになってるんですよね。

(小出氏)それはあり得ると思いますが、それは・・・

(平野解説員)FAXが流れたということが・・・あるんですね。
FAXが流れたっていう話があるんですよね。

(小出氏)はい。要するにそれは保安院がなっていないというかですね、もともと彼らがこれまで原子力を奨めてきた張本人ですし、事故をなるべく小さく見せたいし、悲劇的なシナリオは描きたくないという思いの中で動いてしまったということかもしれませんが、いずれにしても国家としての体裁を成していません。

だって、SPEEDIのこの結果、それこそ一刻も早く知らせるために・・・

(平野解説員)一番重要ですよね。
総理の首根っこ捕まえてでも、
「ほら!こうですよ!だから今すぐこうあるべきです!」
って進言しなきゃいけないことですよね。

(小出氏)そうです。

それが、10日も経ってからだというのは、こういうふうな話が出てくるという意味ですね。本当知りたいですね。何のために10日後という話になってくるのか、そこは検証しないといけないですね。

(小出氏)そういう説明をした人たちが一体自分たちの職務というか、自分たちの責任をどう感じているのか、いたのか、聞いてみたいです。

もう一つ今のニュースのポイントとしては、安定ヨウ素剤をみなさんに飲んでもらう、配るという話がありましたが、この安定ヨウ素剤を10日も経ってから、事態が悪化したのちの10日も経ってから、安定ヨウ素剤を配ろうかというふうに原子力安全委員会が言ったという話ですね。

(小出氏)「もう手遅れだからやめよう」と言ったんですよね。当然手遅れです。

そうです。これ、本来安定ヨウ素剤は、どの段階で配るべきだったんですか?
(小出氏)放射能の雲が流れてきた、それより前です。

ということは・・・
(小出氏)もう全く意味がありません。10日後は。

はぁ・・・。
そうなんですね?
だから、水素爆発をする前に・・・

(小出氏)水素爆発をして、放射性物質が流れてくるわけですけれども、「流れるぞ」ということをSPEEDIが教えるわけですね。「そっちの方向に流れるぞ」と教えたその時に、やらなければいけません。

(平野解説員)先生、でもその時やったとしても間に合わない可能性もありますよね?

(小出氏)その可能性ももちろんあります。

(平野解説員)ですから、これ、よく言われますけれども、防災対策を義務付けてる市町村に、もうあらかじめヨウ素を配っておくべきだというのがありますよね?

(小出氏)もちろんです。住民が本当に即刻でも手に入るような状態で渡しておかなければいけませんし、一番いいのが住民一人ひとりに渡しておくのがいいのですけれども、薬物ですので、それが難しいというのであれば、本当に小さな行政単位でそれを保管して、即刻飲ませられるようにしておかなければいけない、原則としてはそうなのですけれども、国家自身がこの体たらくですから、どんなことをしてもダメですね。これは。

本当に驚くばかりの唖然とする話でございます。
それから次の話にいかせていただきます。
福島県が県民の外部被曝線量の調査結果を発表いたしました。
これは、これから全ての県民の方々を対象に調査していく、その先行地区の結果なんです。震災以降4か月間の外部被曝の累積されたものを推計したという結果なんですが、これが原発作業など放射線業務に従事していらっしゃらない一般の住民の方で見ますとね、1589人の方達の結果が出たんですが、そのうち1mSv以上の外部被曝の方が、およそ4割だそうです。
この数字をどうご覧になりますか?

(小出氏)少なすぎると思います。

ほう・・・。
それはどういう意味でしょう?

(小出氏)はい。日本の国はですね、法律を一切反故にしまして、1年間に20mSvを超えるような地域は、いわば強制避難させるということにしたわけですけれども、それを下回るような地域の人は、もう避難をさせないと決めたわけで、避難するのであれば勝手にしろ、国家は何の補償もしない、そういう戦術に出たのですね。
つまり「19.9mSvのところだって居続けていい」と言ってるわけですし、そこの4カ月居るとすれば、それだけで6mSv、7mSvになってしまうのですね。
ですから、そういう汚染範囲が広大に広がっていますし、1年間に10mSvというところも広大に広がっていますし、いったいどういう人たちを検査したのかなと私は思いますが、大変申し訳ないけれども、私、その報告書自身を見ていないので、正確には申し上げられませんが・・・。

川俣町や浪江町、飯館村など、線量の高い地域の方々の一部の方なんですけど。

(小出氏)ただ、そういう人はすぐに逃げちゃったからもう大丈夫だと、そういうことになってるんではないでしょうか?

あー、そうですね。
そういう方々もいらっしゃいますよね。

(小出氏)はい。ですから、そこに1日しか居なかったということにすれば、もちろん被ばく量は減ってしまいますけれども、そうではない、取り残されてるところにいる人々はたくさんいるわけですから、そういう人々に対する調査は、本当になされているのかなということは、私は、大変不安ですし、何かこの調査の結果はおかしいと思います。

つまり、
「4カ月、どんなふうにあなたは行動しましたか?」
というふうに、後になって聞かれてもですね、どれくらいのことが答えられるのか?って。だから、そういう非常に幅のある結果だということを、この調査の仕方は、それしかしょうがないんだっていうことを私たち判って、この結果を受け止めなければいけないわけですね。

(小出氏)そうですね。それですぐに逃げちゃった人ばっかりを集めれば、もちろん少ない結果になるわけですし・・・

そうか、そうですね。

(小出氏)どういうところに居て、いつの時点で逃げた、或いはずっと居るのかということが非常に決定的になるわけで、きちっと網羅してるのかどうかということが勝負と分けると思います。

なるほど。これは本当に詳しく見ておかなければいけない調査なんですね。

(小出氏)申し訳ありません。私は報告そのものを見ていませんので、正確には申し上げられないけれども。

今日出たばかりの結果ですので・・・

(小出氏)おかしいと思います。

私たちも詳しくもっと見るようにします。

(小出氏)はい。

今の発表されてる中では、一般住民の最高が14.5mSvで、この県民健康管理調査検討委員会、座長の山下俊一さんという方は、こうおっしゃっております。
「この値からは健康影響はないと考えられる」

いかがでしょうか?

(小出氏)<苦笑>山下さんらしいといえば山下さんらしいけれども、そんなことはありません。
どんな被曝ももちろん健康に影響があります。
そして、日本に住む人というのは、1年間に1mSvしか被曝をしてはいけないと決められていたのに、わずか4カ月の間に14年、15年分の被曝をしてしまったということなわけですから、それだけを見ても途方もない被曝だと私は思うべきだと思います。


配布されなかった安定ヨウ素剤―福島原発事故後の混乱で
(2011年 9月 29日 ウォールストリートジャーナル)

 【東京】東京電力福島第1原子力発電所の3月11日の事故による放射線のリスクを最小限に抑えることができた可能性のある錠剤が数千人の地域住民に配布されていなかったことが、政府の関連文書で明らかになった。

 今回の開示で、東日本大震災後の混乱した日々に政府が緊急処置を怠ったことがまた裏付けられた格好だ。

 世界中の原発周辺地域の大半と同様に、福島第1原発周辺地域にも十分な安定ヨウ素剤の備えがあった。これは比較的安全な薬剤で、甲状腺癌の予防に効果がある。甲状腺癌は大きな原発事故の場合、最も一般的かつ深刻な影響と考えられている。

 政府の防災マニュアルでは、原発の周辺地域はこうした薬剤の服用に関し、政府の指示を待つことが規定されている。原発の安全性に関する国内の一部の専門家らは錠剤の即座の服用を勧めたが、政府は3月11日の事故から5日目まで錠剤の配布、服用を命じなかったことが今回の関係文書で明らかになった。

 その時までには、10万人近い避難住民の大半はさらに安全な場所に避難しており、福島第1原発からの放射線の放出量も当初のピーク時から減少していた。

 放射性ヨウ素が甲状腺に侵入するのを防ぐ安定ヨウ素剤は放射線にさらされる直前、もしくは被曝後2時間以内に服用するのが最も効果的だという。放射線が放出されてから何日も経って服用してもほとんど効果がない。

 複数の政府および地方自治体の当局者らと助言者らは、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、東日本大震災の様々な面の責任を負う異なる政府機関の間でコミュニケーションの行き違いが続いたことを指摘した。

 指示の遅延については、事故直後の政府の突然の動向の変化にも言及されている。その時、地方自治体の当局者らは個人が安定ヨウ素剤や汚染除去による安全措置を受けられる放射線の基準を大幅に引き上げた。

 福島第1原発から30キロ余りの距離にある川内村の村役場の井出寿一総務課長は、「そんなものを飲まなければいけないなんて、殆んど誰も知らなかった。16日に役場に届いたときには、もうみんな避難した後だった」と語った。

 井出課長は、川内村の3000人の住民用の安定ヨウ素剤の入った箱はいまだに、住民が後にした村役場にあると話す。

 福島原発周辺の町にはこうした薬剤の備えがあり、双葉町と富岡町の2つの町は、政府の指示を待たずに住民にこうした薬剤を配布した。また、福島原発からやや離れたいわき市と三春町も独自の判断で住民に錠剤を配布した。いわき市の住民は政府の指示を待つよう言い渡されたが、三春町の住民は渡された錠剤を服用し、その後、県から回収するよう注意を受けたという。

 国内の放射線の専門家らは、福島県の住民のその後のテスト結果で、薬剤なしでも甲状腺の病気を引き起こすほどの著しいリスクにつながるほどの放射線量を被曝した住民はほとんどいないことが示唆されたとしている。

 しかし、2つの政府系機関――原子力安全委員会と原子力安全・保安院――の当局者らは、特に子供に効果の高いと考えられている薬剤がなぜ地域住民に与えられなかったのか互いに問い正している。

 原子力安全・保安院の関係者は、同院がこのケースについて調査を行っていることを明らかにした。

 国際医療福祉大学クリニック院長で原子力安全委員会の緊急技術助言組織のメンバーである鈴木元氏は、「我々のような専門家にとって、一番防御しなくてはいけないのは、小児甲状腺ガンのリスクだということは明らかだった」と述べた。さらに、「肝心な住民は安定ヨウ素剤を当然飲んでいるはずだと思っていた」と続けた。

 鈴木氏は、8月にやっと分かった時には、まさか、という感じだったと話す。

 原子力安全委員会は最近になってウェブサイトで、3月13日付の手書きのメモを、錠剤の配布と摂取を勧めた証拠として掲載した。

 一方、原子力安全・保安院はこうしたメモは送られてこなかったと主張している。

 原子力安全・保安院の松岡建志・原子力防災課長は、この行方が分からなくなったメモについて、同院は引き続き調査していると言及。同課長は、「ERC(緊急時対応センター)で混乱があり、それが理由で伝わらないことがあったなら、それは申し訳なく思う」とし、「当時は、まずは避難だという考え方でみんなで動いていた」と述べた。

 安定ヨウ素剤の配布の責任者だった福島県の職員らは、当時の菅直人首相率いる政府の災害対策本部からの指示を待ち続けたと語った。

 放射線の危険性から地域住民を保護するための措置を政府がいかに怠っていたかの例は他にも表面化している。

 地方自治体の関係者らの一部は、放射線量の測定システムのデータが開示されなかったことが、放射線量の高い地域への住民避難などにつながったと非難している。

 また、放射線の危険の兆候があったにもかかわらず、当初の避難区域外の住民への政府による避難勧告に数週間かかったことを非難する向きもある。政府はさらに、牛肉をはじめとする食品が安全だと宣言し、その後、放射性セシウムが基準値を超える牛肉が販売されていたことが判明し、非難を浴びた。

 原子力安全委員会は最近、ウェブサイトに、検査で特定水準の被曝が確認される場合には、40歳以下の福島県の住民に安定ヨウ素剤が与えられるべきだと主張する3月13日付の文書を掲載した。同委員会はこの文書は、事故の最悪の日となったと考えられている同月15日以前の13日午前10時46分に、原子力安全・保安院に送付されたと主張している。3月15日には原子炉2基の爆発で福島県内の多くの町に放射性プルーム(飛散した微細な放射性物質が大気に乗って煙のように流れていく現象)が広がった。

 震災後の政府当局者間のやり取りの大半と同様、この文書は東京の災害本部に電子メールではなく、ファクスで送付された。原子力安全委員会の都筑英明・管理環境課長によると、災害本部内の原子力安全委員会の担当者がこのコピーを原子力安全・保安院の担当者に手渡した。都筑課長はインタビューで、「その後どのような判断で、どのようになったのかは、我々の知るところではない」と語った。

 原子力安全・保安院の松岡課長は、同院は同院の職員がこのメモを受け取ったかどうか確認できないとし、これに関して調査が続いていると語った。

 原子力安全・保安院は3月16日に福島原発から20キロ以内の町の住民に対し、安定ヨウ素剤の摂取に関する説明を示した。こうした町に避難勧告が出された4日近く後のことだ

 状況に詳しい関係者らは、安定ヨウ素剤の配布基準の突然の変更がこの遅延につながった一因であった可能性があると指摘している。今回の災害前に作成された公式の防災マニュアルによると、1万3000cpm(cpm=1分当たりの放射線計測回数:カウント・パー・ミニット)の水準が示された場合には、シャワーや衣服の着替えなどの除染および安定ヨウ素剤の配布が必要とされていた。

 3月14日には福島県はこの基準値を10万cpmに引き上げた。レベルが引き上げられると、1万3000?10万cpmを示した住民には衣服の表面を拭うためにウェットティッシュが配られた。錠剤は与えられなかった

 3月に1万3000cpm以上を記録した住民は約1000人となり、10万cpmを上回ったのは102人だった。

 先の原子力安全委員会の緊急技術助言組織のメンバー、鈴木氏は、「スクリーニングレベルを上げたいと言ってきたときに、かなりの汚染のレベルだということをすぐに感じた」と言及。「ロジスティクスが間に合わないほど対象者が沢山いるということを暗に言っていた。水も着替えも、人員も間に合わないという状況だった」と語った。

 長崎大学の教授で事故後、福島県でアドバイザーを務めた松田尚樹氏は、3月14日の地域住民のスクリーニングの日以降に行われた浜通りから帰着したスクリーニング部隊との会議を思い出す。同部隊はサーベイメーターの針が振り切れた、と報告した。松田教授は大学のウェブサイトに掲載したエッセイで、「それまでの1万3000cpmではまったく立ち行かないことを示していた」と記した。「避難所の住民の不安を煽らないために、アラーム音は消すこと、タイベックスーツやマスクもなるべく着用しないことなどが申し合わされた」という。

 原子力安全委員会はもともとスクリーニング基準の引き上げには慎重だった。同委員会は3月14日、福島県に対し1万3000cpmに据え置くよう助言する声明を発表し、その根拠として国際原子力機関(IAEA)が勧告する安定ヨウ素剤配布の基準値を挙げた。一方、世界保健機関(WHO)が子供に対する投与の基準として推奨しているのはその10分の1だ。

 福島県が新基準を数日間使用した後、原子力安全委員会は3月20日に態度を緩め、同委員会は声明で、10万cpmは、緊急事態の初期における国際原子力機関(IAEA)のスクリーニング基準に照らして容認できるとした。

 政府による3月16日の安定ヨウ素剤の配布に先立ち、双葉町と富岡町を除く近隣の町々は住民に同錠剤の服用を指示しなかった。その後福島県内で最も汚染がひどいと確認された浪江町もその1つだった。

 結局、政府による3月16日の指示後、福島県は福島原発から50キロ範囲内に位置する市町村全体の90万人の住民に行きわたる安定ヨウ素剤の錠剤と粉末剤を配布した。その大半は未使用のままだ。

記者: Yuka Hayashi

知られざる放射能の“都市濃縮”

多くの人に見てほしい動画

NHKクローズアップ現代 「知られざる放射能“都市濃縮”」(動画)
(12月13日 Dailymotion)


知られざる“都市濃縮”
(2011年12月12日放送 NHKクローズアップ現代)

東日本大震災から9か月。いま首都圏各地で、高い放射線量が計測される「新たなホットスポット」が次々に見つかっている。茨城県では、避難の目安、毎時3.8マイクロシーベルトに匹敵する場所が見つかり、住民の間に不安が広がっている。原因は都市そのものにあった。道をアスファルトで覆い、人工河川で排水性を高めたことで、都市特有の、放射性物質の「濃縮」が起きたと考えられている。首都圏の家庭から毎日出されるゴミに含まれる放射性物質も「都市濃縮」されている。千葉県柏市では、ごみを100分の1に減らせる最新の焼却施設で、焼却灰から高濃度の放射性物質が検出された。こうした焼却灰の一部は、すでに全国各地の埋め立て処分場に運ばれていた。事態の深刻さに気付いた秋田県の自治体では、これまで運ばれてきた200トンを超える焼却灰の返却を指示した。国は、焼却灰をコンクリートで固めて埋め立てるよう方針を示したが、首都圏でこうした施設や技術を持つ自治体はない。行き場のない焼却灰がたまり続けると、ゴミ処理そのものが止まる恐れも出ている。効率を追い求めてきた都市。その結果、新たな放射能の脅威と向き合うことになっている。番組では、「都市特有の放射能濃縮」をリポート。解決策を探っていく。
出演者 森口祐一さん(東京大学大学院 教授)


原発事故で各地に広がった放射性物質。
福島から遠く離れた首都圏のごみ焼却場で、新たな脅威を引き起こしています。

ごみに含まれる放射性物質が、最新の焼却施設によって灰に濃縮され、高い放射線量が検出されているのです。埋め立てることすらできない焼却灰が増え続けています。

首都圏のベッドタウンでも異変が起きています。
雨水を効率よく集めるために造られた人工の河川で高い放射線量が検出されています。
今、都市特有の放射性物質の濃縮が起きているのです。

原発事故から9か月を経て都市が突きつけた新たな課題。
放射能とどう向き合えばいいのか考えます。

2011年12月12日放送 NHK
ジャンル自然・科学 環境 災害
(NO.3133)

知られざる“都市濃縮”

新興都市で異変が

福島第一原発からおよそ180キロ
人口6万人余りの新興都市茨城県の守谷市です。
市民の依頼を受け放射性物質の測定を行っている東京大学助教の小豆川勝見さんです。
これまでのホットスポットより高い放射線量が検出されたと聞き駆けつけました。

住宅地に隣接するこの公園。
国が除染の目安としている値の6倍近い放射線量が検出されました。

「1.3マイクロシーベルトぐらいですので。」

守谷市が定期的に行っている測定結果によると、市内のほとんどの場所では放射線量が下がり続けています。
しかし10月この公園を測定すると広い範囲で除染の目安を上回る高い値が検出されたのです。
小豆川さんは土壌を採取し、調査
1キログラム当たり2万6000ベクレルという高い放射性セシウムが検出されました。

「福島第一原子力発電所の半径20キロ以内の警戒区域の中にあるような値が、ところどころで確認されるというのがやっぱり衝撃的で。どうしてこの値が出たのか分からない。」

●放射性物質集める都市のメカニズム

都市に放射性物質を集めるメカニズムがあるのではないか。
小豆川さんは町を覆うアスファルトに注目しました。

「0.3マイクロシーベルトパーアワーぐらいですね。」

同じ場所で僅かに残った土と比較するとアスファルトの放射線量は3分の1でした。

「アスファルトというものは非常に水はけがよいので線量のもととなる放射性物質が非常に移動しやすいということが分かります。」

小豆川さんは、土の多い農村部では放射性物質が吸着し移動しにくいのに対しアスファルトで舗装された都市では、放射性物質が雨水と共に動きやすいといいます。
守谷市が都市化されたのは80年代の終わりからでした。
大規模な宅地造成が行われ、町にはアスファルトの道路が整備されました。
雨水の排水性を高めるために、7年前には人工の河川も造られました。

小豆川さんは町の中心部を流れるこの人工の河川に注目しました。
川は網の目のように張り巡らされた排水路とつながり、およそ200ヘクタールの範囲の雨水を集めます。
そして高い放射線量が測定された公園に流れ込んでいました。

「川に近づくと高い放射線量が検出されます。」

国の定めた避難の目安となる1時間当たり3.8マイクロシーベルトに迫る値です。
小豆川さんは町に降った放射性物質が川に集まっていると考えました。
原発から飛散した放射性物質はアスファルトに降り注ぎました。
その一部は雨で洗い流され排水路を通って川に流れ込みます。
町じゅうの放射性物質が一本の川に集められ、公園に蓄積していきました。
小豆川さんの調査では、町に降り注いだ放射性物質は公園で34倍にまで濃縮されていたことが分かりました。
●新たな脅威 “都市濃縮”

市内には放射性物質がまだ残っており今後この川にさらに流れ込む可能性があると指摘しています。
汚染はすでに川や公園の広い範囲に及び、除染は容易ではありません。

「このように非常に広い面積の所が、一様に汚染されているというようなことが確認されるとなると、また除染の考え方を考え直さなければいけないんじゃないかなというふうに思いますね。」

市民の身近な場所で起きていた放射性物質の濃縮。
守谷市では高い放射線量が検出された場所を立ち入り禁止にしています。
身近な川に放射性物質が
ゲスト森口祐一さん(東京大学大学院教授)

都市で出る生活排水は下水処理場に流して、そして雨水は河川や海へと、別々に集めて流す、そういう都市づくりを進めてきたわけですね。
人々からちょっと水が離れすぎてしまった、それでやっぱり水とのふれあいの場を作ろうということで、こういう親水公園作ってきたんですけど、たまたまここの場合は、いろんな条件が重なってしまって、そこで濃縮が起きてしまった。
ただ、これはやっぱり、東日本、ほかの場所でも起きる可能性のある問題だと受け止めています。

水が勢いよく放射性物質を下流のほうへ流してくれれば、底にたまることはないんですけれども、ここの場合には、水量が少ない、そしてまた放射性物質が付きやすいような岩とか、底の土、泥ですね、こういったものがある中で、そこに蓄積してしまったということだと思います。
●“都市濃縮”意外な場所で

雨が広い面積に降って、そして屋根ですとか、コンクリートに覆われた場所ですとか、雨が広い面積に降って、そしてそれが1か所に集まってしまう、そういう場所で、やはり同じような問題が起きる可能性があります。
実は首都圏のある場所で、広い工場の屋根に降ったもの、それが1か所に集まって、そこの土に集まってしまう、そこで放射線、非常に高い放射線量が観測された、そういう事例がすでに起きています。

守谷市のあの人工河川の場合、これ、かなり大きな規模の所ですので、なかなか雨どいの下の除染なんかのように簡単にはいきません。
新しい法律の下で、これから自治体が除染計画を作って、国の支援のもとに除染を進めていく、そういう枠組みがスタートしますので、専門家の助言なんかを入れながら、まず、その自治体がしっかりと除染計画を作っていく、それを進めていく、これからそれがいよいよスタートする、そういう時期に来ています。
ゴミ処理で 放射性物質を濃縮

東京のベッドタウンおよそ40万人が暮らす千葉県柏市です。
毎日出るごみの中にも放射性物質の都市濃縮を引き起こすものがあります。
落ち葉や草木などです。
付着している放射性物質はごく僅かです。
しかし、それが集まる焼却場では思いもかけぬ事態が起きていました。

原発事故のあと、作業員たちは防護服を身につけなければならなくなったのです。
作業員たちが向かった先にあるのは…ごみを燃やしたあとの焼却灰です。
実はこの中には高濃度の放射性物質が含まれているのです。
これまでに最高で1キログラム当たり7万800ベクレルが検出されました。
国が埋め立ての目安としている8000ベクレルを大幅に上回っています。
ドラム缶の表面の放射線量は1時間当たり4マイクロシーベルト。
国の避難の目安となる値を超えるレベルです。
このため、焼却場の中で厳重に保管を続けています。
なぜ高濃度の放射性物質が検出されるのか。

原因は、ごみを超高温で燃やす過程で起きる放射性物質の濃縮です。
ごみは、まず900度で燃やされその量は10分の1に減ります。
さらに、その灰を1200度の超高温で溶かすことでごみは元の量の100分の1にまで減少。
しかし、放射性物質は減りません。
ごみの量を極限まで減らす高性能の焼却施設は、結果として放射性物質を濃縮してしまうのです。

日本の人口のおよそ3分の1が集中する首都圏。
長年、大量のごみをどう処理するかが課題となってきました。
その解決策として、都市では最新の技術でごみを減らす焼却施設の建設を進めてきました。
原発事故はそれを都市濃縮の場に変えてしまったのです。

現在、柏市の焼却場で保管されている灰はドラム缶で811本に達しています。
作業スペースや通路などに保管してきましたが年内にもいっぱいになる見通しです。

柏市の焼却場では1日およそ1トンの灰が排出されます。
保管場所がいっぱいになれば、ごみの焼却ができなくなります。
そうなると、ごみの収集まで止めざるをえないのです。
こうした状況に住民たちは不安を募らせています。
この日、市は住民向けの説明会を開きました。

柏市は国や東京電力に対して灰の保管場所を確保するよう求めてきましたが具体的な回答はありません。
さらに灰の置き場に悩む自治体にとって追い打ちをかける事態が起きています。
放射性物質を含んだ焼却灰が今、各地から次々と運び込まれているのです。
灰はもともと首都圏の焼却場から出たものでした。
首都圏では自前の埋め立て処分場を持っていない自治体も多く灰の処分をほかの地域に頼ってきました。
ところが原発事故のあと秋田県でそれを揺るがす問題が起きました。

「心からおわび申し上げます。」

千葉県流山市が送った灰から、埋め立てできる目安の3.5倍の2万8100ベクレルの放射性物質が検出されたのです。

首都圏から送られた灰の多くは国の目安を下回っていました。
しかし、不信感を募らせた地元の住民からは、放射性物質を少しでも含む灰は受け入れられないという反発の声が上がっています。

埋め立てずに保管してきた焼却灰225トンは、今月中にすべて首都圏に送り返されます。
国は放射性物質を含んだ焼却灰の処分方法を各自治体に示しています。
国の目安の8000ベクレルを超えていても10万ベクレル以下であればセメントで固めて埋め立てができるというものです。
しかし、専門の技術や施設が必要なため、この方法で処理を行った自治体は一つもありません。

焼却灰の保管場所が年内でいっぱいになる千葉県柏市。
今、放射性物質が付着していると見られる落ち葉や草木を分別して回収。
ほとんどを燃やさずに保管しています。
高濃度の放射性物質を含む灰を少しでも減らしごみ収集が止まるという事態を避けようとしています。
動画を見る
“都市濃縮”でゴミ処理は

(植木などのごみを)分別したほうがいいかどうかすら、実はなかなか難しいところがあるんですね。
ただやっぱり、ごみの収集が止まってしまうということを、最悪の事態をストップするためには、まず焼却灰のレベルを、最終処分できるレベルまで下げたい、保管しなきゃいけないものを減らしたい、管理しやすくするためには、放射性物質が付着しやすい落ち葉とか草木、こういうものとそれ以外のより安全なごみ、これは分けていただくということは、これは一つの解決策、当座の解決策にはなると思います。

今、分別収集をして、ある場所にまとめて保管しておられるんですけど、これもあまり大量になってしまうと、自然発火するような危険もあるわけですね。
かといって集めないと、結局、身の回りから放射性物質の付いたものがなかなかなくなってくれない、しかもこれから除染を本格的に進めていくっていうことになると、やはり身の回りから、それは集めてほしい、これがやはり市民の願いだと思うんですね。
ですからそれをなるべく安全に管理するような、そういう解決策を、これからやはりしっかり見いだしていかなければいけないと思います。
●行き場のない“放射能汚染灰”

まず、今の施設ではセメントで固めるっていう施設、まだないんですね。
それをまず作らなきゃいけない。
そして最終的にはそれは最終処分をしなければいけないということです。
最終処分場を自分の自治体の中に持っている所もあれば、先ほどのVTRにあったように、自分の所にない所もあります。
ですからその最終処分を探し、これは大変重い課題だと思います。

まず、その前に除染を進めるに当たっても、まず市民との対話、市民を巻き込んでちゃんと計画を作っていくということが必要なんですね。
なかなかやはり、ほかの自治体で受け入れていただけないとすれば、やはり自分の自治体の中で場所を探していかなきゃいけない。
これは行政が一方的に決めて、受け入れてくださいということには、やっぱりならないわけですね。
ですから、どうすると、自分たちの町がきれいになるのか、放射線への被ばくのリスクをどうすれば下げていけるのか、これはやはり住民の方々と丁寧に対話しながら、計画を作って、そしてそれを実行していく、そのことが、時間がかかるようですけれども、そのプロセスが大変大切だと思います。
●放射能とどう向き合うか

やはり今、私たちはまず身の回りから放射能、放射性物質をなんとか遠ざけたいと思っています。
しかし、遠ざけるとしても、実は除染をして水に流してしまったら、それはやっぱり川や海を汚してしまう可能性がある。
実は都市以外にも、例えば森林にも放射性物質が降ってます。
そういった所から川や海にも流れています。
ですからそういう生活環境、私自然環境も含めて、どうやって環境を修復、回復していくのか、それについて長い時間をかけて、考えていかなきゃいけないと思います。

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