2011/12/03

ベラルーシの主食パン40ベクレル 日本の米500ベクレルは甘すぎ ベラルーシでは除染をせず、農地の詳細な汚染地図がある 

ベラルーシの主食であるパンの放射能基準は40ベクレル/kg 日本の主食コメは500ベクレル/kg 甘すぎるにもかかわらず、その基準値を超えるコメが次々に見つかり、一部はすでに販売されている。ベラルーシでは農地の除染はしていないが、農地の詳細な汚染地図をつくっている。

コメ規制値超えに「検査体制の甘さ」
TBSニュース(12月1日16:42 MSNビデオから)

コメ規制値超えに「検査体制の甘さ」
福島第一原発からおよそ25キロ、いわき市久之浜地区のコメ農家、遠藤眞也さんはコメを県の検査機関に9月下旬に提出する予定でした。しかし・・・。  

「安全宣言とか組合で出荷したい時期があるので、『遠藤さんがもみずり(もみ殻とり)するまで待てない』と」(いわき市のコメ農家・遠藤眞也さん)  福島県は10月12日に安全宣言を出しましたが、これに間に合わないことなどを理由に、遠藤さんのコメの検査を断ったといいます。

民間の検査機関が遠藤さんのコメを調べると、232ベクレルの放射性セシウムが検出されました。  「とりあえず検体だけが欲しいから作っているところから持ってくればいいのではなく、距離感をつめて(農家)1世帯に対して1検体くらいは調べてほしい」(いわき市のコメ農家・遠藤眞也さん)  

福島県は検査を市町村単位ではなく、より細分化された旧市町村単位で行い、さらに、検査地点の数を国の指示の2倍、各旧市町村につき2か所に増やして実施してきました。しかし、その検査をすり抜け規制値を超えるコメが相次いで見つかり、一部が販売されたのです。

「本当に今回の事態については痛恨の極み」 (福島県・佐藤雄平知事、30日) 

「食べちゃっているというのが事実で、今妊娠で臨月で、ちょっとどうしたらいいかわからない」(福島県民)  

福島県はこれまでの検査で、規制値未満であってもセシウムが検出されたすべての地域で販売農家の全戸調査を行うことを決めました。しかし、とれたコメの検査以前に、とるべき対策があるという専門家もいます。  

福島大学・小山良太准教授。先月、チェルノブイリ原発事故の被災地・ベラルーシを訪れました。実はベラルーシでは、農地や山林の除染を行っていません。しかし一方で、農地を細かく分けて汚染状態を調べた地図があることを知りました。  

「日本型の汚染地図作りを早急にやる必要がある」(農業・地域経済を研究 福島大学・小山良太准教授)  福島には農地専用の詳細な汚染地図がありません。今、国が作っているのは、2キロ四方のマスで分けた汚染地図だけです。そこで小山准教授は、福島県伊達市の一部の農地を細かく調べ、100メートル四方に区切って色分けした詳細な汚染地図を製作しました。  

そこに、国が行っている2キロ四方のマスを当てはめると、放射線量が高いところと低いところが混在しているのがわかります。2キロ四方の汚染地図では、調査する場所によって、放射線量が高い水田も低い水田と扱われるおそれがあります。  

「できたものだけ検査して出荷できる、できないという段階はもう終わったと思っている。なぜ(放射線量が)高くなるのか、作付けしていいのか、いけないのか。来年に向けて精度の高い分析をして地域の農家に提供していく必要がある」(農業・地域経済を研究 福島大学・小山良太准教授)  小山准教授は、地域の協力などがあれば、今年度中にも福島県全体の汚染地図作りは可能だと考えています。(01日16:42)TBS Newsi

「子どもを 5.45マイクロの地域に滞在させ続けることは、犯罪的」

福島市の計測により、渡利の住民宅で、1m高毎時2.95マイクロ、50cm高で5.45マイクロという値がでました。状況は非常に深刻です。このような危険な地域に子どもたちを滞在させ続けることは犯罪的なことです。もはや国による対応を待つことはせず、福島市の西の線量の低い地域(土湯など)への子どもたちの一時避難を進めることなどを話し合われているようです。福島老朽原発を考える会と国際環境NGO FoE Japanは下記のような声明を出しています。

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<福島市渡利地区>
福島市の計測により詳細調査区域外の世帯で避難勧奨指定基準超え
特定避難勧奨地点指定・全域での調査やり直し・子ども妊婦基準の適用を!

じわじわと上がる線量…住民は地区全域の指定と子ども妊婦の一時避難を切望
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/2011121-a8c4.html
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福島市渡利地区の子どもがいる世帯が、福島市に計測を依頼し11月28日に実施された結果、庭先で1メートル高で2.95マイクロシーベルト/時を記録した。この値は、測定時期による減衰を考慮すると、特定避難勧奨地点の指定基準(基準は6月の時点で3.2、7月で3.1、8月で3.0であり、11月末の時点で基準を設定した場合、明らかに2.9かそれ以下の値となる)を越えている。

この世帯は、子ども二人と父母、祖父母の6人家族で、現在、子どもと母親が福島市の西部地区に、平日のみ自費で避難している。避難に際し、補償と支援が受けられる特定避難勧奨地点の指定と子どもの優先避難を希望している

「この付近は、全体的に高い。子どもたちへの影響が心配です。国や市は、“除染”といいますが、いつはじまるかもわからない状況です。地域全体を特定避難勧奨として子どもの避難を進めるべきです」と同世帯の祖父は語る。

この世帯は、国が特定避難勧奨地点指定の検討に際して、渡利地区で8月に行った詳細調査の対象から外れていた。国の詳細調査は一部地域に限られていたが、今回の結果は、これが不十分なものであったことを明らかにした。

さらに、この世帯では、市の計測により、庭先で50センチメートル高で5.45マイクロシーベルト/時を記録している。これは、南相馬市で設定された特定避難勧奨地点指定の子ども・妊婦基準(50センチメートル高で2.0マイクロシーベルト/時)を大きく上回る。

国は渡利・小倉寺・南向台地区において、50センチメートル高で2.0マイクロシーベルト/時を越える世帯が300世帯余りあったにも関わらず特定避難勧奨地点には指定しなかった 。渡利地区においては、子ども・妊婦への配慮が必要とする原子力安全委員会の助言を事実上無視し、放置されている。

福島市渡利地区は、事故直後から線量が高く、地区の各所に驚くほど高い場所が点在していること、雨により放射能が拡散するのではなく、逆に山からの流入によりじわじわと線量が上がる箇所があること、行政は除染を連呼するが、実際には仮置き場がなく始めることすらできない、といったことから、避難に際し確実に補償と支援が受けられる特定避難勧奨地点の指定を、地区全体で行うことが求められている。とりわけ住民は、除染前・除染期間中の子ども・妊婦の一時避難を早急に実現することを切望している。

【問い合わせ先】
国際環境NGO FoE Japan 担当:満田夏花(みつた・かんな)携帯:090-6142-1807
福島老朽原発を考える会(フクロウの会) 阪上武 携帯:090-8116-7155

2011/12/02

城南信金、東電の電気買いません 「脱原発」取り組み

城南信用金庫の「脱原発運動(事業)」すばらしいですね。天然ガスなどを中心に発電する事業者から電気を買うと、原発を持っている電力会社から買うよりも電気料金が5.5%安くなります。原発が本当に安く発電できるのなら、こんなことは起こらないはずです。

城南信金「東電から電力買わない」 別事業者から購入へ
(2011年12月2日21時32分 朝日新聞)

 「脱原発」を掲げている城南信用金庫(東京)が2日、本店など大半の店舗で来年1月以降、東京電力から電力を買うのをやめると発表した。天然ガスなどを中心に発電する別の事業者から電気を買う。「東電の負担が減れば、(東電も)原発なしで電力供給できるようになる」と、取引先などにも「脱東電」を呼びかける。

 電力会社でなくても電力を販売できる特定規模電気事業者(PPS)から買う。城南信金が契約したのは、NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスが出資するPPS「エネット」。自前の火力発電所や風力発電所で作った電力を中心に供給している。

 85店舗のうち、自前で保有する店舗を中心に77店舗で切り替える。昨年度と同じ量の電力を使った場合、切り替える電力量は一般家庭の約2千軒分にあたる。電気料金は従来より5.5%安くなるという。

 コスト削減のために電力購入をPPSに切り替える企業や自治体は増えつつあるが、「脱原発」目的の切り替えは珍しい。吉原毅理事長は「多くの企業がPPSに切り替えれば、東電は原発を止めても電力を供給できる。取引先などに呼びかけてPPSの利用を広げたい」と話している。


城南信用金庫、東電から「埋蔵電力」に切り替え――「脱東電」を表明
(2011年12月2日18:33 オルタナ)

城南信用金庫は12月2日、電力供給契約のほとんどを2012年1月から、これまでの東京電力からエネット(東京・港、池辺裕昭社長)に切り替えると発表した。

同金庫は2011年4月から「原発に頼らない安心できる社会」の実現を標ぼうしており、今回の切り替え措置で名実ともに「脱東電」を進めるとともに、同様の切り替えを他社にも呼びかける。

電力の切り替えは、同金庫の本店と支店の合計85店のうち、技術的に切り替えが難しい8店舗を除いた77店舗が対象だ。これにより電気料金自体も、2010年度の年間2億円から1億9千万円と、約5.5%の節約ができるという。

エネットは全国に47あるPPS(特定規模電気事業者)の最大手。自社の発電所による電気のほか、一部は自然エネルギーの供給もしている。

PPSは、2004年の電力自由化で生まれた発電事業者の新勢力で、いわゆる「埋蔵電力」の一角をなす。すでに経済産業省など中央官庁、国立市など地方自治体、東京メトロや三菱地所などが東京電力からの切り替えを済ませている。

会見に同席した環境エネルギー政策研究所(ISEP)の飯田哲也所長は「地域密着型の金融機関である城南信用金庫がこのような選択をした意義は大きい。PPSの制度は2004年から存在していた。しかし、こうして記者会見で世間に周知することで、他社も電力供給元を選ぶきっかけになりうる。今後、脱原発、脱東電の流れは一層加速するだろう」と述べた。

PPSのシェアは現在、総電力供給量のわずか3%でしかない。しかし、飯田所長は「再生エネルギー法が成立したことで、PPSを取り巻く状況は大きく改善されていく。需要も供給も今後は大きく成長するだろう」と見る。「いずれは、スウェーデンのように自然エネルギーの方が安い社会が実現されるだろう」と期待を込めた。

会見した吉原毅理事長は「6000ボルトの高圧電流に対応している建物であれば、PPSへの切り替えに必要なのは書面上の手続きだけ。私たちが踏み出した一歩に、多くの企業・個人が続くことで、国民運動へと発展することを期待している」と語り、会見を締めくくった。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)


城南信金「東電から電力買わない」脱原発アピール
(12/03 14:01 テレ朝ニュース)

東京都や神奈川県に店舗網を持つ城南信用金庫が、東京電力との契約を解除し、来年1月から小規模な電力業者からの供給に切り替えることを明らかにしました。

 城南信用金庫・吉原毅理事長:「できることならば、原発を使わないで安心できるそういう暮らし、そういう地域社会を作る。原発を使わない電力会社への切り替えを実施する」
 城南信金は、ガスや自然エネルギーによる小口電力を販売する「エネット」と契約し、全85店舗のうち77店舗について電力供給を受けます。エネットに切り替えることにより、電気料金が5.5%減ると試算していて、節電努力を加えることでさらなるコストダウンが図れるとしています。また、東電との契約を解除することで、原発に頼らない「脱原発」の姿勢をアピールします。


城南信金、東電の電気買いません 「脱原発」取り組み
(2011/12/02 19:03 共同通信)

 城南信用金庫(東京)は2日、本支店などで使用する電力について東京電力との契約を解除し、ガスや自然エネルギーの電力を販売する「エネット」(東京)から購入する、と発表した。来年1月から始める。城南信金は福島第1原発事故後、「脱原発」を宣言しており、今回の取り組みもその一環。

 城南信金は、年間約900万キロワットの電力を使う全85店のうち77店でエネットに契約を変更する。契約の切り替えに伴い、年間の電気料金は従来の約2億円から1千万円減らせるという。8店舗はビルに入居しているなどの理由で、引き続き東電から供給を受ける。


「脱原発」の城南信金、東電と年内で電力契約解除
新規事業者に切り替え

(2011/12/2 20:31 日本経済新聞)

 信用金庫大手の城南信用金庫(東京・品川)は2日、東京電力から電力を購入する契約を年内いっぱいで解除すると発表した。東電福島第1原子力発電所の事故を踏まえた「脱原発」の取り組みの一環。来年1月以降は、天然ガスなどで発電する新規電力事業者のエネット(東京・港)から電力を購入する。

 全85店舗のうち、入居するビルなどの制約がない77店舗で契約を切り替える。年間の電気料金は現在約2億円だが、1000万円程度の削減効果が見込めるという。

 NTTファシリティーズと東京ガス、大阪ガスが出資するエネットは、ガス会社の天然ガス発電や太陽光発電、民間企業の自家発電の余剰電力などを調達して販売している。


「脱原発」へ東電との契約見直し=大半の供給をガス会社系に 城南信金
(2011/12/02-18:38 時事通信)

 信用金庫大手の城南信用金庫(東京都品川区)は2日、東京電力福島第1原発の事故後に打ち出した「脱原発」の取り組みの一環として、東電との契約を大半の店舗で解消し、来年から天然ガスなどで発電するガス会社系の電力会社「エネット」(港区)に供給元を切り替えると発表した。
 原発保有を理由に電力大手との契約を見直し、別事業者から大規模な電力供給を受ける金融機関は城南信金が初めてとみられる。


「脱原発」アピール…城南信金、東電と契約解除
(2011年12月2日18時38分 読売新聞)

 城南信用金庫(本店・東京都品川区)は2日、東京電力との契約を解除すると発表した。

 自然エネルギーによる発電などを手がける電力供給会社「エネット」(東京都港区)から購入する。原子力発電に頼らない「脱原発」の姿勢をアピールする狙いだ。

 城南信金は来年1月から本店など契約電力が50キロ・ワット以上の77店舗で、エネットとの契約に切り替える。2010年度に約2億円だった電気代が、約1000万円減る見込みという。

乾燥シイタケ出荷自粛22市町に拡大 栃木で最高6940ベクレル

【栃木県】
乾燥シイタケ出荷自粛22市町に拡大 大田原で最高6940ベクレル
(12月1日 下野新聞)

 県環境森林部は30日、を最高に、6市町の乾燥シイタケから国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された、と発表した。県は農協単位で検査しており、6市町を所管する6農協管内の12市町に乾燥シイタケの出荷自粛を要請。出荷自粛は、25日時点で対象となった茂木町など10市町と合わせ、22市町となった。

 新たに出荷自粛となったのは大田原、那須塩原、那須、那須烏山、那珂川、宇都宮、日光、鹿沼、栃木、壬生、岩舟、足利の12市町。最低値は足利市の782ベクレル。

 野木町が110ベクレルと基準値を下回ったため、JA小山管内の小山、野木の2市町は自粛対象から外れた。下野、上三川の2市町は生産農家がない。

 県は3月11日の福島第1原発事故以降の春季に収穫・加工された乾燥シイタケも出荷自粛を要請。15市町に自主回収を求めた。

 検査は秋の収穫期に合わせ出荷前に実施。今秋分は出荷されていないという。

 同部が同日発表した那須塩原市の原木栽培シイタケ(露地)は277ベクレル、益子町の原木栽培ナメコ(露地)は112ベクレルだった。


干しシイタケ、12市町出荷自粛 栃木
(2011.12.1 産経ニュース)

 県林業振興課は30日、JAなすの管内の大田原市やJAうつのみや管内の宇都宮市など6つのJA管内の農家で原木栽培し、加工した干しシイタケから、基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える6940~782ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県は6JA管内の12市町に今秋、収穫し加工した干しシイタケの出荷自粛と自主回収を要請した。

 県内はこれで出荷自粛が22市町となり、小山市と野木町の2市町だけが出荷可能となっている。

玄海1号機 検査入り 再稼働見通し立たず

玄海1号機 検査入り 再稼働見通し立たず
(2011年12月2日 東京新聞朝刊)

 九州電力は一日午後六時ごろ、佐賀県玄海町の玄海原発1号機(加圧水型軽水炉、五五・九万キロワット)の発電を停止し、定期検査を開始した。これにより、国内商業炉五十四基のうち運転中の原発は九基となった。

 玄海1号機では、定検終了後の再稼働の条件となる安全評価(一次評価)が既に始まっている。だが、同原発をめぐるやらせメール問題などの混乱が長期化し、国に評価結果を提出する時期が決まらないため、運転再開の見通しは立っていない。

 また、運転開始から三十五年以上経過している玄海1号機は原子炉の老朽化を懸念する声も上がっており、特に再稼働には曲折が予想される。

 玄海2、3号機と鹿児島県薩摩川内市の川内原発1、2号機は定検入りしており、九電管内で稼働中の原発は玄海4号機だけになった。4号機も十二月二十五日に発電を停止し、定検に入る予定。

 九電は保有原発六基の全停止を受け、十二月二十六日から来年二月三日まで、利用者に最大電力の5%以上の節電を要請する。


日本一危険な玄海原発1号機 炉内試験片 測定せず

炉内試験片 測定せず
老朽化の指標 09年 温度急上昇
来月から玄海1号定期検査
(11月26日 西日本新聞朝刊1面トップニュース)

運転開始後36年の九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)1号機について、九電が12月1日からの定期検査で、原子炉圧力容器の老朽化の度合いを知る方法の一つである試験片の取り出し測定を実施しないことが25日、分かった。直近の2009年に測定した試験片温度が想定を大幅に超えたことが今春判明したばかり。九電は「炉の健全性に問題はなく、想定上、今回の測定は不要」とするが、地元議会などで不安が広がっているだけに、「型通り」の対応を問題視する声も出ている。

玄海1号機は1975年の運転開始で、鋼鉄製の圧力容器は核反応で中性子を浴び、粘り強さが低下する。九電は、この「脆化」と呼ばれる老朽化の状況を把握するため、同容器と同じ鋼鉄製の試験片を6個設置し、過去4回取り出して温度測定してきた。

温度が高いほど脆化が進んでいるとされ、測定結果は35度(1976年)を皮切りに、37度(80年)56度(93年)と推移した後、09年には九電の従来想定を20~30度上回る98度に急上昇。全国の原発の中で最も高くなっており、研究者の一部や佐賀県議会などで「緊急時に冷却水を注入すると圧力容器が損傷する恐れが高まっているのではないか」との懸念が出ていた。

九電は想定温度を上方修正する一方、試験片は圧力容器より燃料に近い位置にあるため、同容器自体の温度は80度程度と推定し、「60年間運転したとしても安全基準を下回る水準」と説明。次回の測定について「日本電気協会の規定に基づき、2033年までの適切な時期に行う」とした。

九州大応用力学研究所の渡辺英雄准教授(照射材料工学)は「温度は老朽化を判断する指標の一つにすぎず、98度に上昇した原因も分析できていないのに短期間で測定するのは意味が乏しい」と、九電の判断を支持している。しかし、東京大の井野博満名誉教授(金属材料学)は「温度が異常に高いことは事実。不安に応えるためにも、温度がどう変化しているのか、今回の定期検査で調べるべきだ」と話している。

<ワードBOX 原発の老朽化>
一律的な「寿命」は定められていない。国は電力会社に対し、運転開始後30年と40年を経過する前に「高経年化技術評価」などを提出させ、その後10年間の運転継続の是非を判断している。しかし福島第一原発事故や玄海原発1号機の試験片温度の上昇を受け、経済産業省原子力安全・保安院は従来の高経年化評価の妥当性を議論するため、専門家の意見聴取会を今月29日に新設する。


「玄海原発1号炉は日本一危険な原子炉」 井野博満・東大名誉教授
(2011/06/10 風の便り)

玄海原発は、周辺住民に白血病が増えているという問題だけでなく、井野教授が指摘している「ひと言で言えば、圧力容器そのものが劣化し、いつ“破断”してもおかしくない。浜岡原発より、玄海1号炉のほうがはるかに危険。原子炉は陶器のようなもので、簡単にひび割れ、破断してしまう。もし現実になれば、炉心の燃料棒が吹っ飛ぶような大爆発を引き起こす可能性もある」という問題も抱えている。

日本の最西端にある玄海原発で事故が起こった場合、西から東に向かって流れる偏西風に乗って、福岡、広島、関西、中部、関東など大都市の多くが風下汚染地になる可能性が高い。

燃料溶融 廃炉には厳しい課題

燃料溶融 廃炉には厳しい課題
(12月1日 5時19分 NHK)

東京電力は、福島第一原子力発電所の事故でメルトダウンが起きた1号機から3号機について、溶け落ちた燃料が原子炉の底を突き破り、格納容器の底を浸食するまで広がったという解析結果を示しました。今後の廃炉に向けて、格納容器の底にまで広がった燃料を取り出さなければならないという世界でも例がない厳しい課題を突きつけられたことになります。

東京電力は、福島第一原発の1号機から3号機で、メルトダウンで溶け落ちた燃料の状態を調べるため、原子炉への注水や温度の変化から解析しました。このうち1号機では、最悪の場合、溶け落ちた燃料のすべてが原子炉の底を突き破り、格納容器に落下して、格納容器の底にあるコンクリートを溶かし、65センチの深さまで浸食したと推定しています。コンクリートは最も薄いところでは、格納容器の鋼板まで37センチしかないということで、事故の深刻さが改めて浮き彫りになりました。また2号機と3号機でも、最悪の場合、それぞれ57%と63%の燃料が格納容器に落下し、2号機で12センチ、3号機で20センチの深さまで格納容器の底のコンクリートを浸食したとしています。

1979年に起きたアメリカのスリーマイル島の事故では、溶けた燃料が原子炉にとどまっていて、今回の解析結果は、福島第一原発の今後の廃炉に向けて、格納容器の底にまで広がった燃料を取り出さなければならないという世界でも例がない厳しい課題を突きつけたことになります。

東京電力は、格納容器の底には水がたまり、燃料は冷やされているので、コンクリートの浸食は止まっていて、年内を目標にしている原子炉周辺の温度が100度を安定して下回る「冷温停止状態」の達成に影響はないと説明しています。しかし、1号機の格納容器の底には水が40センチほどしかたまっておらず、燃料を安定して冷やせるかどうか不透明で、「冷温停止」の判断ができるか疑問を残す形になっています。

衝撃! 福島原発事故・発生直後、千葉のキセノン濃度40万倍に

<福島原発事故>発生直後、千葉のキセノン濃度40万倍に
(毎日新聞 12月1日20時4分配信)

 東京電力福島第1原発事故直後、大気中の放射性物質「キセノン133(半減期5日)」の濃度が事故前に比べ最大で約40万倍になっていたことを、環境中の放射性物質の調査などを専門に行う財団法人「日本分析センター」(千葉市)が1日、明らかにした。同日東京都内で行われた文部科学省の環境放射能調査研究成果発表会で公表した。

 同センターによると、キセノン133の大気中の平均濃度は、3月14~22日に千葉市で1立方メートルあたり1300ベクレルへ急上昇した。事故前は「不検出」から3.4ミリベクレルの間で、3月11日の事故直後は40万倍に達した。通常の濃度に戻るまで約3カ月かかったという。

 同センターの磯貝啓介さんは「キセノン133は福島第1原発からプルーム(雲のような塊)になって千葉市まで流れてきたのだろう。3カ月間の外部被ばく量の累積は1.3マイクロシーベルトで、健康に影響が出るレベルではなかった」と話している。

 キセノン133は、原発の燃料として使われるウランやプルトニウムが核分裂するときにできる。他の物質とほとんど反応しないため、吸い込んでも内部被ばくの恐れはない。同センターは千葉市の敷地内と、全国の4カ所(札幌市、秋田市、福岡県太宰府市、沖縄県南城市)で専用装置を使って06年度から継続的にキセノンなどの濃度を観測している。【斎藤広子】

玄海原発1号機:専門家「廃炉を」 保安院小会合で検討へ

玄海原発1号機:専門家「廃炉を」 保安院小会合で検討へ
(毎日新聞 2011年11月29日 19時19分)

 経済産業省原子力安全・保安院が29日に開いた原発の老朽化(高経年化)対策に関する意見聴取会で、九州電力の原発で最も古い玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の劣化の問題が取り上げられた。専門家からは、圧力容器の想定以上の劣化が明らかになったとして、廃炉を求める意見も上がり、劣化に関する現行の安全評価を見直すべきか小会合を設置して検討することを決めた。

 75年に運転が開始された玄海1号機は、炉心から出る中性子を浴びて圧力容器がもろくなる「脆化(ぜいか)」の進行が従来予測を大幅に上回っていることが判明し、急激に冷却すると圧力容器が壊れやすくなっているとの指摘がある。

 同1号機は来月1日から定期検査入りするが、小会合が安全評価の結論を出すのは来年3月末までの予定で、少なくともそれまでは再稼働が厳しくなる可能性が出てきた。また結論次第では九電の「安全性に問題はない」との説明を揺るがしかねず、廃炉を求める声が一層強まりそうだ。

 この日の意見聴取会では、井野博満・東大名誉教授が「予測をはるかに超えた劣化が進む玄海1号機を廃炉にすべきだと思う」と主張し、定期検査後の再稼働は「聴取会での議論もクリアすべき必要条件だ」と指摘。他の委員からは「圧力容器の安全性を評価する従来の手法そのものも見直す必要がある」との意見が出た。【阿部周一】

(最終更新 11月29日 20時20分)


玄海1号機など高経年原発の安全性検証 原子力保安院
(2011年11月30日 佐賀新聞)

 経産省原子力安全・保安院20+ 件は29日、運転開始から30年以上が経過した原発の安全性評価や運転継続について検討する専門家会議「高経年化技術評価に関する意見聴取会」の初会合を開いた。九州電力玄海原発1号機(玄海町)で問題となっている中性子照射による原子炉の脆化(ぜいか)(劣化)問題や、福島第1原発事故での老朽化の影響などを検証する。

 聴取会は大学教授ら12人で構成し、うち7人が照射脆化に関する専門家。玄海1号機は、原子炉圧力容器の温度や圧力変化への耐性の指標となる「脆性遷移(せんい)温度」が、直近の2009年の検査で想定を約20度上回る「98度」となった。数値が高いほど脆化が進んでいるとされ、安全性への懸念の声が出ている。

 
 聴取会では、委員から「玄海1号機の問題を最も重要な課題と位置づけて論議すべき。評価されるまで再稼働すべきではない」「従来の予測法が正しかったのか。98度が危険なのかを含めて議論すべき」などの意見が出た。保安院は再稼働に関し「ストレステストもあり、照射脆化だけの議論ではない」と答えるにとどめた。 

 今後は7人の専門家で脆化に関する作業部会をつくり、09年に原子炉から取り出した試験片の測定結果などを検証。予想を超える温度上昇が起きた要因分析や脆化を予測する手法の見直しについても検討することを確認した。
 
 福島第1原発事故での老朽化の影響については、機器や配管の老朽化による劣化を加味し、東日本大震災の震度を想定した耐震性能などを確認していく。

 保安院は、中性子照射脆化については年度内に、福島事故の影響は年明けをめどに最終取りまとめを行う意向。ただ、複数の委員から時間をかけて議論すべきとの意見も出た。

 聴取会では、来年30年となる四国電力伊方2号機と東京電力福島第2原発1号機(冷温停止状態が可能かの評価)、40年になる関西電力美浜2号機の個別プラントの評価も並行して行う。

2011/12/01

核燃料の大半 圧力容器突き破り 格納容器に落下 コンクリ侵食 

格納容器コンクリ65センチ侵食 福島原発1号機燃料
(’11/12/1 中国新聞)

 東京電力は30日、福島第1原発1号機で事故により溶融した燃料は、もともとあった原子炉圧力容器から外側の格納容器に漏れ、底にあるコンクリートを熱で分解しながら最大65センチ侵食したとの解析結果を発表した。最も厳しい想定では、格納容器の外殻に当たる鋼鉄の板まで37センチに迫っていた。

 2、3号機でも、比較的小規模だが同様の事態が起きた可能性があると推定。現在は注水によって侵食は止まり、燃料は格納容器内で冷却されているとしている。

 高温の燃料が格納容器を突き破り、外部に漏れ出ていく事態にはならなかったとの結果だが、事故の深刻さをあらためて示した。

 東電の松本純一まつもと・じゅんいち原子力・立地本部長代理は、侵食されたコンクリートについて「何かを支える部材ではなく、問題ない」と説明。また「(燃料は)全体的に冷えている」と述べ、年内を目標とする原子炉の冷温停止状態達成の判断には影響しないとの見方を示した。

 解析では、3月11日に地震、津波に襲われた後に冷却機能が失われた影響で燃料が溶け、最も多い場合、1号機では100%、2号機は57%、3号機は63%が格納容器まで落下したと想定。

 1号機では圧力容器が大規模に破損、2、3号機では大規模な破損は起きていないとみて評価した。1号機ではコンクリートにある溝の最も深い部分から最大65センチ、2号機では同12センチ、3号機では同20センチの侵食が起きたとしている。

 1号機の損傷が2、3号機より激しいのは、事故後に原子炉へ注水できなかった時間が長かったためとみられる。

 松本本部長代理は、解析は余裕を持たせた評価だと強調。「現実には(格納容器に落ちた燃料は)より少ないと思っている」として10?20ポイント程度低いとの見解を示した。

 今回は将来の燃料取り出しや、事故当初の近隣住民の被ばくの状況推定などに向け、これまでに得た温度や圧力などの値から解析した。今後、炉内の様子を直接調べる方法も検討するという。


≪「重要だ」「実態不明」 見解割れる専門家≫
(2011/12/01 09:24 SANKEI EXPRESS)

 1号機で溶け落ちた燃料が格納容器の底にあるコンクリートを最大で65センチ侵食したなどとする東電の解析結果について、「重要な情報」「解析だけでは実際のことは分からない」など専門家の見方は割れた。

 日本原子力研究開発機構安全研究センターの渡辺憲夫研究主席は「解析は、モデルや前提条件が変われば結果も変わる。実際に燃料とコンクリートの反応が起こったかどうかは分からない」とあまり重要視しない姿勢。複数のモデルで解析しなければならないと指摘した。

 ■廃炉へ燃料取り出し難航も

 ただ今後予想される廃炉に向けた燃料取り出しについて、渡辺研究主席は「格納容器側に燃料が落ちているとすると、作業は難航する」と懸念を示した。

 一方、「ある程度、炉の中の状況が見えてきた。冷温停止状態の判断や燃料の取り出しに向け、重要な情報だ」と評価するのは、東京大の岡本孝司教授(原子炉工学)。ただ、岡本教授も「解析作業は始まったばかり。今後、オールジャパンで進めなければならない」と話し、炉内の状況を正確に知るには、より詳しい解析が必要だと強調した。


炉心損傷の詳細解析結果は… 燃料落下も冷却は維持 
(2011/12/01 電気新聞)

東京電力が30日公表した福島第一原子力発電所1~3号機の炉心損傷状況の詳細な解析結果――。1号機では燃料が完全に溶けて大部分が格納容器内の原子炉本体基礎(ペデスタル)まで落下しているとの推定を示したほか、2、3号機でも溶融した燃料の一部は格納容器へ落下していると評価。5月に推定した炉心状態よりかなり大きな損傷の実態が明らかになった。確認された現場の状況から、現在は各号機とも十分に冷却されていると見られ、東電は「圧力容器、格納容器全体が冷えているという見解は以前から変わりない」と説明している。(古川 愛弓)

圧力容器内の状態については、原子炉トラブルの解析コード(MAAP)を用いた解析のほか、注水実績、温度評価モデル、水位計指示値に基づく推定を行った。

解析の結果、1号機は地震発生から約15時間後には燃料が完全に溶け、下方にすべて移動したと評価した。1号機は2、3号機に比べて注水できなかった時間が長く、海水が注入されるまでの間、原子炉で発生した崩壊熱量が圧力容器内の水や構造材で吸収可能な除熱量を大きく上回る状態だったためだ。

高温で溶融した燃料は圧力容器下部に移動した後、圧力容器を損傷しながら相当量が格納容器に滴下したと推定される。

1号機では4月上旬から原子炉の温度が下がり始め、2、3号機で見られたような温度計指示値のふらつきはほとんどなく、一様に低下した。8月には圧力容器底部の温度が100度を下回り、10月に注水量を増加させると急速に冷却が進んだ。このことからも、損傷燃料は既に格納容器に落下しており、圧力容器内には発熱体が少ない状態と推定できる。

2、3号機は水位計のの不確かさを考慮した保守的なケースと水位計指示値を基にしたケースの2通りで解析を実施。保守的な推定の場合、地震発生後100時間前後で燃料の大半は圧力容器下部に溶けて移動したと評価した。水位計の指示値が正しい場合、燃料は損傷するものの、ほとんどは元の炉心位置に残っていると推定。東電は「現実にはこの2つのケースの間ではないか」としている。

2、3号機はで注水が停止している間の崩壊熱量は圧力容器内の水の蒸発で吸収できる程度だったため、多量の燃料が格納容器の底部に滴下するような大きな損傷は生じていないと見られる。炉心スプレイ(CS)系を使ってシュラウドの内側に直接注水を始めた際の温度低下傾向から見ても、2、3号機の損傷の程度は1号機より小さく、燃料の大半は圧力容器内に存在していると推定される。

MAAP解析で得られた各号機の炉心落下割合は、最も保守的な値で1号機で100%、2号機で57%、3号機で63%。特に1号機の損傷が大きい点について、東電は「津波の影響の度合いが各号器で少しずつ異なる。1号機では直流電源を設置しているバッテリー室が浸水し、津波の来襲とほぼ同時に高圧で原子炉に注水できる手段を喪失したことが損傷の早さにつながった」と説明した。

格納容器内の状況については、ペデスタルにたまった燃料がコア・コンクリート反応を起こした可能性があることから、燃料の落下量や体積状況を保守的に仮定してコンクリートの浸食量を推定した。

解析の結果、燃料の落下割合が最も大きい1号機では燃料が堆積する厚さが81センチメートル、コンクリートの浸食深さが65センチメートルと評価した。コンクリートの厚みは最も薄いところで102センチメートルあるため、格納容器鋼板まで最大37センチメートルの部分まで浸食が進んでいる可能性があるが、浸食は格納容器内にとどまり、ペデスタルの構造健全性も確保されていると見ている。

コア・コンクリート反応ではCO2(二酸化炭素)が発生するが、格納容器内のガスに含まれるCO2の濃度はコア・コンクリート反応で発生する気体発生割合とは異なっているため、現在でもコア・コンクリート反応が継続していることはないと結論づけた。

現時点の原子炉については、1号機は格納容器の床面から30~40センチメートル程度が水に浸かっている状態で、燃料はその中で十分に冷却が成されていると見ている。3号機は格納容器のフラスコ部分のほぼ半分あたりに水位があると推定される。2号機は格納容器内の水位がはっきりしないが、およそ1、3号機の間にあるものと見られる。

東電は「廃炉に向けた中長期的なロードマップを考えるにあたり、損傷燃料がどのくらいあるのか、どのような技術開発が必要か検討するため、今後もこのような試みを継続的に行いたい。依然として2~3割の誤差はあると思うので、他の評価機関や専門家の意見を聞きながら精度を上げる必要がある」としている。


1号機の全燃料、床に落下・侵食も…東電解析
(2011年11月30日20時49分 読売新聞)

 東京電力は30日、事故を起こした福島第一原子力発電所1~3号機について、原子炉の温度や水位などのデータをもとに、炉心の状況の解析結果を発表した。

 1号機では、最悪の場合、溶けた燃料すべて(100%)が圧力容器を突き抜け、格納容器の床まで落下し、堆積した恐れがあるとした。2号機では燃料の57%、3号機では63%が落下した可能性がある。

 1号機が厳しい解析結果となったのは、3月の事故直後、原子炉への注水が約14時間中断し、2、3号機の6~7時間と比べて長かったため。燃料は一時3000度近い高温に達して溶融し、鋼鉄製の圧力容器の底に穴が開いただけではなく、格納容器のコンクリートの床(厚さ1・4~2・6メートル)も、最大65センチ侵食したとみられる。空だき状態となった核燃料から発生した熱は、燃料や制御棒など圧力容器内の全設備を溶かすのに必要な熱量の2倍に達した。


福島第1原発事故 1号機燃料85%超落下 格納容器内、東電など解析
(毎日新聞 2011年12月1日 東京朝刊)

 ◇コンクリ65センチ侵食

 東京電力福島第1原発1号機で、炉心溶融(メルトダウン)によって原子炉圧力容器が破損し、85%以上の核燃料が格納容器に落下したとの解析を、経済産業省所管のエネルギー総合工学研究所が30日発表した。東電の解析でも相当量の核燃料が格納容器に落ちてコンクリートを最大65センチ侵食したと推計。核燃料は格納容器の外に漏れていないが、事故の深刻さを改めて示す結果で、政府や東電は廃炉作業などに活用する。

 同研究所は、詳細に原子炉内の状況を追跡できる方法を使用し、核燃料の損傷状態を試算した。その結果、1号機では地震による原子炉の緊急停止から5時間31分後に核燃料の被覆管が壊れ、7時間25分後に圧力容器の底が破損。核燃料の85~90%が格納容器に落下したと算出された。2、3号機でも約7割の核燃料が溶けて格納容器に落下した可能性があると推定した。

 また、東電は別の方法で解析。1号機では、溶け落ちた核燃料の量は不明だが、「相当な量」とした。2、3号機も一部の核燃料が落下したと推定。いずれも落下した溶融燃料が格納容器の床のコンクリートを溶かす「コア・コンクリート反応」が起き、1号機では最大65センチ侵食。燃料から格納容器の鋼板までは最悪の場合、37センチしかなかったことになる。ただし、格納容器の下には厚さ7・6メートルのコンクリートがあり、地盤に達していないとしている。汚染水が大量発生している原因は、配管の隙間(すきま)などから格納容器の外に漏れているためと考えられる

 一方、2号機での侵食は最大12センチ、3号機で同20センチと推計した。

 今回の解析が冷温停止状態の判断に与える影響について、経産省原子力安全・保安院は「原子炉の温度などの実測値を基にしているので関係ない」と説明。岡本孝司・東京大教授(原子力工学)は「燃料が格納容器の底に落ちていても、水につかって冷やされており原子炉は安定している。さらに情報を集めて解析精度を上げ今後の作業に役立てる必要がある」と提言する。【河内敏康、西川拓】


1号機溶融燃料 65cm浸食
(11月30日 19時6分 NHK)

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、メルトダウンが起きた1号機の燃料は、鋼鉄の原子炉の底を突き破って相当の量が格納容器に落下し、容器の底のコンクリートを溶かして最大で65センチ浸食していると推定されることが、東京電力の解析結果から分かりました。2号機と3号機についても一部の燃料は格納容器に落下していると推定しており、改めて事故の深刻さが浮き彫りになっています。

福島第一原発の1号機から3号機については、核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起き、一部の溶けた燃料が原子炉から格納容器に落下したとみられていますが、事故から8か月以上がたっても、詳しい状況は分かっていません。これについて東京電力や国内の複数の研究機関が、これまで得られた原子炉の温度や注水状況などから溶けた燃料の状態を異なる方法で解析し、30日、国が開いた研究会で結果を発表しました。このうち東京電力の解析では、最も厳しい評価をした場合、1号機については、すべての燃料が溶け落ち、原子炉の底を突き破って相当の量が格納容器に落下したと推定しています。格納容器の底にはコンクリートがあり、さらに鋼鉄の板で覆われています。燃料が格納容器の底に落ちると、高熱で反応してこのコンクリートを溶かして浸食するということで、最悪の場合、1号機で65センチの深さまで達すると推定しています。最もコンクリートの薄いところでは、格納容器の鋼板まで37センチしかないということで、改めて事故の深刻さが浮き彫りになっています。また、2号機と3号機についても、最悪の場合、それぞれ57%と63%の燃料が溶け落ちて、その一部が格納容器に落下したと推定しています。東京電力によりますと、原子炉と格納容器の温度は、21日現在で、いずれも100度以下になっていて、溶けた燃料は水で冷却されており、コンクリートの浸食は止まっていると評価しています。研究会では、このほかの研究機関の解析結果も発表され、複数の結果を基に原子炉や燃料の状態について議論されました。東京電力や国は、今回の解析結果をさらに詳しく分析し、今後の廃炉に向けて核燃料をどのように取り出すかなどについて検討することにしています。原子力安全基盤機構、技術参与の阿部清治さんは、東京電力の解析結果について「間違っているとは思わないが、まだ第一歩だと受け止めている。解析結果は一つだけでは答えを導き出すことができないからだ。今後はいろいろな解析結果を積み重ねて、事故の実態を分析していく必要がある」と話しています。

給食目安1キロ40ベクレル 文科省、東日本17都県に初通知

給食目安1キロ40ベクレル 文科省、東日本17都県に初通知
(毎日新聞 2011年12月1日 東京夕刊)

 文部科学省は、学校給食の食材に含まれる放射性物質について、「1キログラム当たり40ベクレル以下」との目安を示す通知を東日本の17都県の教育委員会に出した。通知は11月30日付で、自治体による検査の支援事業などで基準となる見込み。文科省が学校給食で放射性物質の目安の数値を示したのは初めて。

 対象は、東北、関東甲信越と静岡県。これまでの一般の食品中の放射性セシウムの暫定規制値は、飲料水と牛乳・乳製品が「1キログラム当たり200ベクレル」、野菜類、穀類、肉・卵・魚などが「同500ベクレル」となっている。厚生労働省は、内部被ばく線量の上限を、現行の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げる方針で見直しを進めている。学校給食の目安について、文科省は厳しい方の値(200ベクレル)の5分の1とした

 支援事業は、今年度3次補正予算に1億円を計上し、国が検査機器の購入費の半額を上限に都県に補助金を出す。市町村は、学校給食で使う食品ごとの事前検査を都県教委に依頼する仕組みだ。今回の通知で文科省は、40ベクレル超の食品は取り除いて提供し、複数の食品が超えた場合にはパンと牛乳だけの給食にするなどと例示したが、検査対象の選定や対応の判断は自治体側に委ねた。同省は事前検査のほかにも、調理済みの1食分をまるごとミキサーにかける事後検査の導入も検討している。【木村健二】


給食に放射能基準 1キロ40ベクレル 東日本17都県
(2011年12月1日3時1分 朝日新聞)

 文部科学省は30日、小中学校の給食に含まれる放射性物質を「1キログラムあたり40ベクレル以下」とする安全の目安を定め、東日本の17都県の教育委員会に通知した。給食について文科省が目安を示すのは初めて。国費の補助で測定機器を購入して検査結果を公表することを求めており、事実上の基準となる。

 食品の放射性セシウムによる内部被曝(ひばく)の許容線量については、厚生労働省が現行の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ5倍厳しくする方向で検討している。文科省が今回給食の目安を決めたのは、この基準見直しを見越した措置だ。

 現行の暫定基準は、飲料水や牛乳・乳製品で1キロあたり200ベクレル、野菜や肉、魚、穀類は500ベクレルだが、文科省は「安全サイドに立ち、厳しい方(200ベクレル)の5分の1の数値を採用した」と説明している。調理前の食材を品目ごとに検査することを想定している。

 通知は東北・関東甲信越の全域と静岡の17都県に送られた。

 どの品目を検査対象とするかや、どの程度の数値でどのような対応を取るかの判断は、各都県や市町村に委ねている。ただし、40ベクレルを超える放射性セシウムが検出された場合の対応を(1)超えたのが1品目だけの場合は、その品目を除いて提供(2)超えた品目が複数あって料理として成立しない場合は、パンと牛乳だけの給食などにする――と具体的に例示しており、事実上の基準を示した形だ。

 測定機器の購入に当たっては、「検出限界が1キロあたり40ベクレル以下」の機種を選ぶことを義務付けた。検査結果をホームページなどで公表することも求めている。1都県あたり5台を国費で補助するという。

 学校給食をめぐっては、神奈川県逗子市(200ベクレル)、長野県松本市(40ベクレル)など、国に先駆けて目安を設けている自治体がある。(花野雄太)


学校給食は40ベクレル以下に 放射性物質で初の目安
(2011年12月1日 12時06分 中日新聞)

 文部科学省は1日までに、小中学校の給食に含まれる放射性物質濃度について、食材1キログラム当たり40ベクレル以下を目安とするよう東日本の17都県の教育委員会に通知した。40ベクレル超を検出した場合は子どもに提供しないなどの対応を求めている。国が学校給食について安全の目安を示すのは初めて。

 文科省は本年度第3次補正予算で、17都県に対し給食検査の機器購入補助費として約1億円を計上した。

 40ベクレルの目安については、飲料水、牛乳、乳製品で1キログラム当たり200ベクレルとなっている現行の暫定基準値の5分の1に設定した。
(共同)


給食は40ベクレル以下を目安に 放射性物質で初の通知 文科省
(2011.12.1 11:43 産経ニュース)

 文部科学省は1日までに、小中学校の給食に含まれる放射性物質濃度について、食材1キログラム当たり40ベクレル以下を目安とするよう東日本の17都県の教育委員会に通知した。40ベクレル超を検出した場合は子供に提供しないなどの対応を求めている。国が学校給食について安全の目安を示すのは初めて。

 40ベクレルの目安については、飲料水、牛乳、乳製品で1キログラム当たり200ベクレルとなっている現行の暫定基準値の5分の1に設定した。文科省は「政府が食品中の放射性セシウムの年間被ばく限度を5ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ引き下げる検討を進めていることを参考にした」と説明している。

 通知は各自治体に、少なくとも40ベクレルまで検出可能な機器を購入するよう要請。(1)40ベクレル超が1品目でもあればその食品を除外して提供する(2)複数品目が超えた場合は、パンと牛乳だけなど該当する献立を除いた給食にする?といった対応を取るよう例示した。

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