2014/03/13

原発作業員1.5万人、5ミリ超被曝 【浪江町一部住民は、2カ月で50ミリ被曝】

記録しておきたい記事

原発作業員1.5万人、5ミリ超被曝 汚染水対策で増加
(2014年3月9日 朝日新聞)から抜粋

朝日新聞:被曝線量と関連する基準

 東京電力福島第一原発で事故後3年間に働いた約3万人のうち、約1万5千人が5ミリシーベルト超の被曝(ひばく)をしていたことがわかった。作業員の被曝は徐々に減ってきていたが、汚染水問題が発覚した昨夏以降に再び増加。厚生労働省は昨年末に東電を指導したが、被曝対策は今も不十分だ。

 福島第一原発では1日約3千人が働く「年50ミリ超、5年で100ミリ超」の被曝で働くことが禁止されるが、この限度内でも健康被害が出ないとは限らない。白血病の労災認定基準は「年5ミリ以上」、放射線管理区域は「年5ミリ超」で、「5ミリ」は被曝管理上の一つの目安だ。

 東電の集計によると、2011年3月の事故から今年1月までに働いた3万2034人中、累積で50ミリ超を被曝したのは1751人、うち100ミリ超は173人。5ミリ超は半数近い1万5363人に上った。作業員は数カ月単位で働くことが多く、「累積5ミリ」の人の大半は「年5ミリ」の白血病労災認定基準を満たすとみられる。


年間最大68ミリシーベルトの外部被曝 浪江町の住民
(2011年9月8日 朝日新聞)

原発と浪江町周辺地図
図:福島第一原発と浪江町周辺の地図拡大福島第一原発と浪江町周辺の地図

 東京電力福島第一原発から約30キロ離れた福島県浪江町赤宇木(あこうぎ)地区の一部住民は、事故から2カ月間に約50ミリシーベルト被曝(ひばく)し、福島市などに避難後を含めた年間被曝量は最大68ミリシーベルトに上ると推計されることが、弘前大などの研究でわかった。同地区にとどまった場合、年間被曝量は約190ミリシーベルトに達すると試算された。7日の英科学誌ネイチャーのサイエンス・リポートに論文が発表された。

 弘前大被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らは4月中旬、原発から20キロ以上離れた北西方向1623カ所の大気中の放射線量を測定。住宅地で最も高かったのは、浪江町赤宇木小阿久登(こあくと)の毎時32マイクロシーベルトだった。

 周辺住民が1日8時間を屋外で過ごしたと仮定し、セシウム134や137の半減期などを考慮すると、1年間の外部被曝量は計約190ミリシーベルトに上ると試算した。

 原発30キロ圏外の赤宇木地区は4月中旬に計画的避難区域に指定され、住民は5月末までの避難を求められた。床次さんらは事故から2カ月後に避難したと仮定し、年間被曝量を推計。福島市内には毎時3.2マイクロシーベルトの地域もあり、同市への避難者は57~68、郡山市の避難者は57~59、二本松市の避難者は59~64ミリシーベルトと推計された。

 文部科学省によるモニタリング調査によると、浪江町内でも赤宇木地区は、高い放射線量が計測されている。一般の人が人工的に浴びる放射線量の上限は年間1ミリシーベルト、業務に従事する男性は50ミリシーベルト。今回の原発事故では、年間20ミリシーベルトを超える地域に避難を求めた。床次さんは「避難することで、被曝量を3分の1に減らすことができた。放射線防護の点から、政府の避難指示は妥当だった」と話す。

 事故当時、赤宇木地区には約360人、うち小阿久登には約20人が暮らしていた。(岡崎明子)


【今また、無用の被曝をさせようとしている原子力規制委員会と政府】
                       ↓
20ミリ以下、大きな影響なし 規制委、住民帰還で提言へ
 (2013/11/08 共同通信)から抜粋

東京電力福島第1原発事故で避難している住民の帰還に向け、放射線防護対策の提言を検討している原子力規制委員会が、年間の追加被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないという見解を提言に盛り込む方針を固めたことが8日、分かった。

福島民報:20ミリ以下、健康影響なし


暴走する原子力規制委員会 「20ミリまで安全」「食品基準緩和を」

2014/03/09

暴走する原子力規制委員会 「20ミリまで安全」「食品基準緩和を」

安倍内閣と同じように、原子力規制委員会の暴走が止まらない。特に驚いたのは、昨秋、福島県民に対して「年間被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はない」という見解を出したことと、4日前に食品の放射性物質基準を緩和すべきと言い出したことだ。

田中俊一「年1ミリSvなんてとても達成できない」
   (田中俊一氏が原子力規制委員会の委員長になる前の発言)

福島民報:20ミリ以下、健康影響なし
     (田中氏が原子力規制委員会の委員長になった後の発言)

福島中央テレビ:規制委員長「厳格さに疑問」食品基準、緩和
    (2014年3月6日 19:21 福島中央テレビ)

福島を中心として、宮城や茨城に心疾患死亡率が高まり(福島が心疾患死亡率全国1位になった)、茨城の子どもたちに心電図の異常が急増している。(福島でも心電図の異常が多いという情報があるが、データが公表されていない)そして福島では、チェルノブイリ以上に、子どもの甲状腺がんが急増(昨年11月から7人増え33人になり、「がんの疑い」も9人増えて41人に増加)している。心臓病も甲状腺がんもチェルノブイリ原発事故後に急増したことは、よく知られている。

現状ですら子どもたちを放射能から守る姿勢が弱い中で、原子力規制委員会は、今以上に外部被ばくと内部被ばくを増やす方向に動いている。なんと倫理観のない人命軽視の組織なのだろうか。しかもこの原子力規制委員会が今、原発の再稼動に向けた審査を行っている


専門家から続々!「原子力規制庁の20ミリシーベルト帰還案にNO!」の声
(2013年11月14日 ママレボ編集長通信)から抜粋・一部追加

 提言の内容は、今まで政府が除染目標として定めていた“年間1ミリシーベルト”を事実上撤回し、空間線量ではなく、「個人線量計」による自己管理で「年間被ばく量20ミリシーベルト以下」をめざそうというもの。これにより、除染や賠償の費用をできるだけ軽減させようというねらいがあるものとみられています。

 事故直後から、日本政府は「年間被ばく量100ミリシーベルト以下では、有意な健康影響は認められない」という考え方に依拠した政策を打ち出しており、今回このような検討チームを開いて議論するまでもなく、最初から“結論ありき”で進んでいたと言えるでしょう。

**専門家たちが、年間被ばく量20ミリシーベルトに反対する理由**

◇「年間20ミリシーベルト以下で安全」は政治的・経済的基準 
(元放射線医学総合研究所主任研究官・医学博士/崎山比早子)

国会参考人 元放射線医学総合研究所主任研究間 崎山比早子 
(2011年5月20日 衆議院の科学技術特別委員会で発言する崎山比早子さん

 原子力規制委員会の新指針「年間被ばく量20ミリシーベルト」は、放射線作業従事者の年間線量限度だ。それを放射線に感受性の高い妊婦、乳・幼児、子どもを含む全住民の線量限度とするという神経は、いったいどこから来ているのか?

 これまで科学的に積み重ねられた証拠は「放射線に安全量はない」ということを示しているし、国際機関もこれを認めている。しかもこれは1年間の線量であるから、5年住めば100ミリシーベルトになる。

 それでは、なぜ今になってこれまでの年間1ミリシーベルトではなく、20ミリシーベルトまでを安全とするキャンペーンが声高になってきたのか? そうしないと、避難させなければならない住民、補償しなければならないものがふえるからで、これは人のいのちよりも経済を優先させた考え方だ

 個人線量計をつけさせ、多くの住民を被ばくさせながらその健康を管理するという方針は、これから大規模な人体実験を行いますよということに等しいのだ。
                 

◇10~20ミリシーベルトの被ばくでがんは有意にふえる
(北海道深川病院内科部長/松崎道幸)

政府は、100ミリシーベルト以下の放射線被ばくでは、がんのリスクは無視できるほど小さいと述べている。しかし、2010年以降、重要なデータが3つ公表された。

(1)医療被ばく(CT検査など)10ミリシーベルトごとに、がんのリスクが有意に3%ずつふえていた。(カナダ)

(2)日本の原発労働者のがん死リスクが、10ミリシーベルトの累積被ばくで、有意に3%ふえていた。

(3)自然放射線被ばくが1ミリシーベルトふえるごとに、子どもの白血病のリスクが12%ずつ有意にふえていた。(イギリス)

このほかにも、10~20ミリシーベルトの被ばくでがんが有意にふえることを証明した科学論文が公表されている。毎年20ミリシーベルトの被ばくを5年間続けると、大人のがんは30%ふえ、子どもの白血病は12倍ふえることになる。

100ミリsv未満の被ばくでがんリスク増加が証明された研究

最新の科学データを無視し、放射線被ばくの影響を一ケタ過小評価した政策を進める政府に、われわれと未来の子どもたちの健康を託してよいのだろうか。


◇私が20ミリシーベルトに反対する理由
(東京大学大学院教育学研究科教授/影浦峡)

(1) 一般公衆の被ばく限度は年間1ミリシーベルトという法的枠組みがある。管理基準とはいえ、社会的な合意であり、事故が起こったからといって基準を変えることは許されない

(2) ICRP(国際放射線防護委員会)の現存被ばく状況では、1~20ミリシーベルトの低いほうから参照レベルを選ぶとされている。これは、やむをえない状況における防護対応のステップを示す目安であって、20ミリシーベルトまで安全だということとはまったく違う。

(3) 国連健康に関する特別報告者勧告(グローバー勧告)も、1ミリシーベルトを達成する具体的な時間を定めるよう求めている

国連専門家が国・県批判

避難区域設定基準の厳格化求める 国連人権理、初動も批判
(2013/05/24 21:40 共同通信)

 【ジュネーブ共同】東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の被災状況を調査した国連人権理事会の健康問題に関する特別報告者、アナンド・グローバー氏は24日までに、避難区域を設ける基準を厳格化し、年間被ばく線量を1ミリシーベルト未満にするよう求める報告書を公表した。

 原発事故発生後の日本政府の初動も批判。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が有効に活用されず、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤が適切に事故地域に配布されなかったとするなど、日本政府には厳しい内容となっている。

国連人権理報告書 健康である権利 侵害

(4) 20ミリシーベルト以下で影響がないといった主張は、「わからない」ことを「存在しない」ことにすり替える詭弁(きべん)で、非科学的な態度である。

(5) 最近、低線量でも影響があることを、エビデンス(医療的な意味での証拠)とともに示す研究が複数現れている。

もはや「低線量被ばくについてはわからない」と開き直ることは、けっしてできない。


◇年間20ミリシーベルトは、医学的見地からも、きわめて無責任
(医学博士/ヘレン・カルディコット)

 みなさんに認識していただきたいことは、「放射能」に関する安全な数値など存在しないということだ。これは全米科学アカデミーも発表している。しかも、子どもたちは大人以上に「放射能」による人体への影響が高く、「がん」の誘発率は10~20倍になるといわれている。さらに、女性は男性よりも「放射能」に対しても敏感であり、人体に受ける影響の確率が高いのだ。日本政府が今回出した年間20ミリシーベルトという数値は、医学的見地からも、きわめて無責任な行為である。放射能の危険性に対しては、福島のみに限られているようだが、広範囲の地域への対応をただちに開始すべきだ。そして、すでに年間1ミリシーベルト以上の「放射能」を浴びている人々は、すべての病の発生を想定し、長期的な健康診断を続けなければならない

ヘレン・カルディコット「日本政府が子どもを線量の高い地域に住むのを許しているのが驚き」


◇健康障害のリスクを軽視する指針は、医師として許せない
 (内科医/牛山元美)

 CTスキャンや心臓カテーテル検査によって、約10ミリシーベルトの医療被ばくを受けた方の発がん率は、およそ3%上がるという報告がある。

オーストラリアやイギリスからも、5ミリシーベルトを超える被ばくで白血病やがんの発病率がふえたという大規模な研究報告が相次いでいる。

低線量による健康障害の実態は、まだ未解明な部分が多いとはいえ、新たな研究報告があるたびに、やはりより低線量でも危険であることが立証されているところだ。明らかに多大な健康障害を生み、でも個人が努力することで解消できる喫煙習慣を引き合いに出し、のがれられない年間20ミリシーベルトの被ばくによる発がんリスクを軽視させ、発がんを国民の自己責任にしようとする責任転嫁、健康的生活を営むという基本的人権の侵害、経済効果を優先し健康障害のリスクを明らかに軽視する今回の指針は、医師として許せない。


◇「カネのための科学」で、棄民政策が恒常化される
(北海道がんセンター名誉院長/西尾正道)   

 政府・原子力規制委員会は、「年間20ミリシーベルトで安全・安心」として、福島県民の帰還促進をはかる方針を打ち出した。事故前は年間1ミリシーベルトだったが、事故後はあと出しジャンケン的手法で20ミリシーベルトまで引き上げるという国家的な犯罪行為を行ったが、今度はその犯罪行為を恒常的なものとしようとしている。1ミリシーベルト以上の住民は低線量被ばく下におかれ、長期的な生体実験をされているようなものである。

医学論文では20ミリシーベルト以下でも健康被害が生ずるとする多くの報告があるが、こうした科学的な証拠は無視し、原子力政策を進めるために棄民政策を正当化することに奔走している。「国民のための科学」ではなく、御用学者が作った疑似科学物語に依拠して「カネのための科学」となっている日本の現状は、悲惨な結果につながることになるだろう。

「5ミリシーベルト以上は強制移住」西尾正道


***海外の医師たちからの批判***

ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告
(2011/04/16 風の便り)から抜粋

「社会的責任を果たすための医師団」(PSR)は、福島第一原子力発電所事故が進行している中で、事故による放射能が日本の食品の中に発見されたという最近の報告に深い憂慮を表明する。PSRは、どのくらいの放射線被曝まで「安全」と考えられるかについて、メディアで誤った情報が流布している点にも注意を呼びかける。

米国科学アカデミーによれば、安全な放射能の線量というものはない。過去数十年にわたる研究から、放射線はどんなに少ない線量でも、個々人の発癌リスクを高めることがはっきりと示されている

「社会的責任を果たすための医師団」で前代の会長を務めたジェフ・パターソン、オステオパシー医学博士は、「食品経由でも、水経由でも、どのような線源からでも、放射線被曝に安全なレベルはありません」と言う。「ヨウ素131やセシウム137のような放射性核種に晒されると、発癌の発生数が増加します。そのため、食品と水に含まれる放射性核種を最低限に抑えるようあらゆる努力を払う必要があります」。

「とりわけ、放射性核種を含んだ食料を摂取するのは危険です。放射性の微粒子を経口摂取したり吸入したりすると、粒子が放射能を保ち続け、その粒子が体内に留まり続ける限り、身体に放射線を浴びせつづけることになります」。「社会的責任を果たすための医師団」理事で医学博士のアラン・H・ロックウッドはこう語った。「日本政府は、原発事故が起きる以前と比べてより多くの放射性物質を含んだ食品の販売を禁止し、影響地域の食品と水の幅広いモニタリングを続けるべきです。さらに、アメリカ食品医薬品局とアメリカ合衆国環境保護庁は、ここアメリカでの食品に含まれる放射性核種に関する既存の規制と基準を強化すべきです」。

PSR ノーベル賞受賞 医師団

日本で危機が続く中、人に発癌の危険が生じるのは最低100ミリシーベルト(mSv)被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100 mSv の線量を受けたときの発癌リスクは100人に1人、10 mSv では1000人に1人、そして1 mSV でも1万人に1人である

ある食品の汚染レベルで個々人が癌になる危険は小さいとしても、数千人、数百万人の人々がそのレベルの放射線に晒されるならば、癌になる人が出てくる。

PSR理事から会長に選出されたアンドリュー・カンター博士は、「放射線の影響は子どもの方がはるかに大きく、癌になる可能性は大人よりはるかに高いのです」と語る。「ですから、子どもが放射能を含む食品や水を摂取することは特に危険です」。

日赤、原子力災害時に救護指針「累積被曝1ミリまで」
 (2013年6月16日 朝日新聞)

 【大岩ゆり】日本赤十字社が、原子力災害時の医療救護の活動指針を作った。住民の立ち入りが制限される警戒区域内には入らず、累積被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルトを超えない範囲で活動すると決めた。1ミリは一般住民の平常時の年間限度。これに対し、被曝医療の専門家から「被災者への救護、対応が十分にできない」と見直しを求める声が出ている。

 日赤は法律により、災害時の被災者の救護が業務の一つと定められている。医師1人、看護師3人、運転手1人、事務職員1人が1組の救護班を全国に500組以上、組織している。

 東日本大震災では延べ900組の救護班が被災地に入ったが、当初、原子力災害への備えがなく、東京電力福島第一原発事故直後の福島県内では、救護班がいない「空白期間」が生じた。その反省から、原子力災害の活動指針を作ったという。救護班は線量計や安定ヨウ素剤を携行し、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、安全な地域に退避するとした。


内閣官房参与の小佐古敏荘東大教授(放射線安全学)が抗議の辞任

原発事故が起こった3年前の2011年4月29日、内閣官房参与だった小佐古敏荘東大教授が辞表を提出した。学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されず、「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と涙を流しながら抗議の辞任をした

小佐古敏荘「小学生に20ミリSvは、私には許すことができません」

小佐古敏荘「自分の子どもをそういう目にあわせるのは絶対にいやですよ」


◆◆20ミリ以下、大きな影響なし 規制委、住民帰還で提言へ◆◆
 (2013/11/08 共同通信)から抜粋

 東京電力福島第1原発事故で避難している住民の帰還に向け、放射線防護対策の提言を検討している原子力規制委員会が、年間の追加被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないという見解を提言に盛り込む方針を固めたことが8日、分かった。

福島民報:20ミリ以下、健康影響なし

「年20ミリシーベルト以下影響なし」提言方針で各首長憤り
(2013年11月9日 福島民友ニュース)

年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないとする見解を原子力規制委員会が放射線防護対策の提言に盛り込む方針を固めたことを受け、双葉郡8町村長でつくる双葉地方町村会は8日に広野町で開いた会合の席上、事前に説明がないことなどに不快感を示し、各首長がそれぞれ国に対して説明を求めることを確認した。

 同町村会長の山田基星広野町長は「これまで1ミリシーベルトとして除染などを進めてきたのに、住民にどう説明するのか。安全の基準が不透明になってしまうし、除染や支援策などを打ち切りにされれば復興の足かせになる」と憤った。来春に帰還を判断する松本幸英楢葉町長は「一方的なやり方に疑問を抱く。『1ミリシーベルト以下が安全』ということは町民に刻まれている。基準を上げる理由をしっかりと説明してほしい」と語った。

*****

最も放射能の影響を受ける子どもたちの命が軽視されている。「子どもの命」よりも「目先の経済」を優先するような組織が「食品の放射性物質基準」の緩和まで言い出した。

食品の放射性物質基準、緩和検討 規制委員長
(2014年3月5日 21時55分 中日新聞)

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は5日の記者会見で、一般の食品に含まれる放射性物質濃度を1キログラム当たり100ベクレルとした国の基準について「欧州の10分の1以下(の厳しさ)で非常に疑問だ」と述べ、近く設置する放射線審議会で、基準の緩和も含めた見直し議論が必要との認識を示した。

 放射線審議会は、被ばく線量評価や放射線医学などの専門家10人前後で構成する予定。

 また田中委員長は、原発事故の発生時に避難を始める放射線量の基準はあるが「(事故収束後に地元に)帰る基準は国際的にも明確じゃない」とし、日本が主導して、新基準を検討する必要があるとの考えを示した。
(共同)

この「原子力規制委員会」委員長は、チェルノブイリ原発事故で大きな被害を受けたベラルーシやウクライナなどの基準を知らないのだろうか?

飲み物と食べ物の放射能基準

この3年間に起こった出来事をふり返ってみたい。

関東、東海まで子どもの体内被曝が判明 【主食の米】要注意
(2013/10/15 エコロジーの風)から抜粋

子どもたちの体内被ばくが広がっている中で、福島県の米から基準値を超える120ベクレル/kgの放射性セシウムが検出された。一方、福島県やJA(農協)は「子どもたちが 福島の米を食べれば、安全性を全国にアピールできる」と、学校給食に福島米の導入を補助金まで使って推進している。

原発事故のあと、年間1ミリシーベルトの被ばく限度量を20ミリシーベルトに引き上げたまま2年半以上も元に戻さず子どもたちの外部被ばく量を増やし続け(呼吸などから内部被ばくも増える)更に、給食で汚染された食べ物を食べさせて、内部被ばくを増やし続けている

内部被ばく(体内被ばく)の話の前に、外部被ばくの状況を再確認しておきたい。 政府は、原発事故のあと「非常時の被ばく限度量」として設定した20ミリシーベルトを1ミリシーベルトに戻さないだけでなく、チェルノブイリ法では「移住義務エリア」となる5ミリシーベルトにすら下げていない。

福島の帰還基準、避難者と賠償額の増加を恐れて「年5ミリ」とせず

原発事故で避難した住民が自宅に戻ることができる基準を「年20ミリシーベルト以下」から「年5ミリシーベルト以下」にする案を政府が検討したが、避難者が増えることを懸念して見送っていた。

「多くの医者と話をする中でも5ミリシーベルトの上と下で感触が違う」と5ミリ案を検討。チェルノブイリ事故では、5年後に5ミリの基準で住民を移住させた。(日本では、原発事故による放射能汚染地以外は)年換算で、5.2ミリ超の地域は 放射線管理区域に指定され、原発労働者が同量の被曝で白血病の労災認定をされたこともある。ところが、5ミリ案は実行されなかった。「20ミリ案は甘く、1ミリ案は 県民が全面撤退になるため、5ミリ案を検討したが、避難者が増えるとの議論があり、固まらなかった」 「賠償額の増加も見送りの背景にある」(2013年5月25日 朝日新聞)から要約

記事全文

その5ミリシーベルト以下のエリアでも26年後のチェルノブイリでは、75%以上の子どもたちが病気になっている

『低線量汚染地域からの報告―チェルノブイリ26年後の健康被害』

(2012年9月にNHKで放送されたドキュメンタリー番組の書籍版 NHK出版)
ウクライナのコロステンの市内は、年間0・5~1ミリシーベルトの「放射線管理区域」と年1~5ミリシーベルトの「移住権利区域」が半分ずつ占めている。日本でも同程度の汚染地域は広く分布しており、年0・5ミリシーベルト以上の汚染地域ならば1千万人以上が暮らしているだろう。チェルノブイリから26年後のコロステンの現状は、目をそらすことなく凝視すべきだろう。子供たちの75%以上が何らかの疾患を抱えているという「現実」はあまりにも重すぎる。

『低線量汚染地域からの報告―チェルノブイリ26年後の健康被害』


ウクライナ政府(緊急事態省)報告書
『チェルノブイリ事故から25年“Safety for the Future”』

(2011年4月20―22日、チェルノブイリ25周年国際科学会議資料)


1996年からベラルーシの国立甲状腺がんセンターにて、小児甲状腺がんの外科治療を中心に医療支援活動に従事した菅谷昭さんは、次のように語っています。

「チェルノブイリでは、国立甲状腺がんセンターだけで子どもの手術をしましたので、データが非常にしっかり残っています。それによると、子どもの甲状腺がん患者のうち6人に1人が肺に転移しているんですね。ですから、甲状腺がんの疑いがあるのだったら早く手術をした方がいいと思うんです」

そして、子どもたちの「疎開」や「留学」に言及されています。

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セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度
(週刊朝日 2013年10月4日号)

関東15市町で実施されている最新検査で、子どもたちの尿の7割からセシウムが検出されていたことがわかった。ジャーナリストの桐島瞬氏は、その被曝の深刻度を明らかにする。

入手したショッキングなデータをまず、ご紹介しよう。常総生活協同組合(茨城県守谷市)が、松戸、柏、つくば、取手など千葉、茨城の15市町に住む0歳から18歳までの子どもを対象に実施した尿検査の結果である。

「初めの10人を終えたとき、すでに9人からセシウム134か137を検出していました。予備検査を含めた最高値は1リットル当たり1.683ベクレル。参考までに調べた大人は2.5ベクレルという高い数値でした。いまも検査は継続中ですが、すでに測定を終えた85人中、約7割に相当する58人の尿から1ベクレル以下のセシウムが出ています」(常総生協の横関純一さん)

検査を始めたのは、原発事故から1年半が経過した昨年11月。検査対象全員の146人を終える来年明けごろには、セシウムが検出される子どもの数はさらに膨れ上がっているだろう。

セシウム134と137はウランの核分裂などにより生じ、自然界には存在しない物質だ。福島から近い関東の子どもたちが、原発事故で飛び散ったセシウムを体内に取り込んでいるのは間違いないだろう。副理事長の大石光伸氏が言う。

子どもたちが食べ物から常時セシウムを摂取していることが明らかになりました。例えば8歳の子どもの尿に1ベクレル含まれていると、1日に同じだけ取り込んでいると言われます。内部被曝にしきい値はないので、長い目で健康チェックをしていく必要があります

関東だけではない。放射能汚染による体内被曝が、東海や東北地方にまで及んでいることも分かった。福島を中心に200人以上の子どもの尿検査を続けている「福島老朽原発を考える会」事務局長の青木一政氏が、実例を挙げて説明する。

「昨年11月に静岡県伊東市在住の10歳の男児、一昨年9月には岩手県一関市在住の4歳の女児の尿からセシウムが出ました。この女児の場合、4.64ベクレルという高い数字が出たため食べ物を調べたところ、祖母の畑で採れた野菜を気にせずに食ベていたのです。試しに測ってみたら、干しシイタケから1キロ当たり1810ベクレルが検出されました」

食品に含まれる放射性セシウムの基準値は、1キログラムあたり一般食品100ベクレル、牛乳と乳児用食品50ベクレル、飲料水と飲用茶10ベクレルだ。ただし、基準そのものに不信感を持つ消費者も多い。検査もサンプル調査だから、東日本の食材を敬遠し、なおかつ1ベクレルでも気にする風潮につながっている。

体内にセシウムを取り込むと、どういう影響が出るのか。内部被曝に詳しい琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏が解説する。

セシウムは体のあらゆる臓器に蓄積し、子どもの甲状腺も例外ではありません。体内で発する放射線は細胞組織のつながりを分断し、体の機能不全を起こします。震災後、福島や関東地方の子どもたちに鼻血や下血などが見られたり甲状腺がんが増えているのも、内部被曝が原因です。怖いのは、切断された遺伝子同士が元に戻ろうとして、間違ったつながり方をしてしまう『遺伝子組み換え』で、これが集積するとがんになる可能性があります

矢ケ崎氏は、尿中に含まれるセシウム137がガンマ線だけ勘定して1ベクレルだとすれば、ベータ線も考慮すると体内に大人でおよそ240ベクレルのセシウムが存在し、それに加えてストロンチウム90もセシウムの半分程度あるとみる

体に入ったセシウムは大人約80日、子ども約40日の半減期で排出されるが、食物摂取で体内被曝し、放射線を発する状態が続くことが危険だと言う。

常総生協が昨年度、食品1788品目を調査した資料がここにある。結果を見ると、280品目からセシウムが検出されていた。米74%、きのこ63%、お茶50%、それに3割近い一般食品にもセシウムが含まれていたのだ。

※週刊朝日  2013年10月4日号


南相馬の玄米2袋から基準値超セシウム検出
(2013年10月9日 福島民友ニュース)

 県は8日、2013(平成25)年産米の全量全袋検査の結果、3年ぶりに作付けを再開した南相馬市原町区の旧太田村の農家1戸が生産した玄米2袋から、食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える同120ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。13年産米が基準値を上回ったのは初めて。基準値超の玄米は同市が隔離して処分するため、市場には流通しない。

 県によると、3日の検査でこの農家が生産した「ひとめぼれ」の玄米52袋(1袋30キロ入り)のうち、44袋がベルトコンベヤー式検査機器で設定した水準(同65ベクレル)を上回った。44袋の詳細検査を行い、2袋の玄米が基準値を超えた。基準値以下の玄米は出荷できる


◆◆給食に福島米を推進する中で、セシウム基準値超え120ベクレル

南相馬市旧太田村産玄米の放射性セシウム濃度(2013年10月3日採取)
厚生労働省が2013年10月8日公表した食品中の放射性物質の検査結果データ45袋の玄米セシウム合計は、ほぼ60~80ベクレル/kg

2013年玄米のセシウム濃度グラフ:南相馬120?60ベクレル


国体などで福島県産米使い支援
(2013年10月3日 NHK)から抜粋

原発事故による風評被害にあっている福島県の農業を支援しようと、東京都は国民体育大会とそれに続く全国障害者スポーツ大会に参加する選手団やスタッフに配る弁当に福島産の米を使う取り組みを始めています。

国体などで福島産の米を使い支援


ユーリ・バンダジェフスキー博士(元ゴメリ医科大学学長)の警告
子どもの体重1kgあたり、セシウム137が10ベクレル(体重5kgの子どもなら50ベクレル)蓄積するだけで遺伝子に影響を与え、不整脈を引き起こす可能性がある(不整脈は、心臓病につながる)と警告していまます。
体重5kgの幼児が、セシウム137を毎日0.32ベクレル摂取し続けると体内10ベクレル/kgになります

バンダジェフスキー研究 セシウム濃度と不整脈

子どもの体重1kgあたり0~5ベクレル セシウム137が蓄積している子どもでは、80%の子どもたちは正常な心電図です(20%は正常ではない)。しかし、子どもの体重1kgあたり12~26ベクレル セシウム137が蓄積している子どもたちでは、正常な子どもは40%になります。60%の子どもたちが不整脈を引き起こしています。

国際放射線防護委員会(ICRP)は一度に1000ベクレル摂取した場合、毎日1ベクレル摂取した場合、毎日10ベクレル摂取した場合の体内セシウム137蓄積量のグラフを公表しています。(ICRP Publication 111)

毎日1ベクレル摂取で、2年後には体内蓄積200ベクレルに

毎日1ベクレル摂取しただけで、700日後(約2年後)には体内蓄積量は200ベクレル近くにもなります。毎日10ベクレル摂取していると、700日後(約2年後)には体内蓄積量は1400ベクレルを超えます。


◆チェルノブイリでも日本でも心臓病が急増
チェルノブイリ原発事故の後、放射能汚染地の住民に心臓病が急増していきました。原発事故から22年が過ぎた2008年、ベラルーシで亡くなった人の半数以上(52.7%)が心臓病でした。何故、心臓病が激増したのか―私たちは学ぶ必要があります。

2008年のベラルーシの死因 52.7%心臓病

チェルノブイリ原発事故後のベラルーシで、バンダジェフスキー博士が病気で亡くなった人を解剖して分かったことは、心臓病の多くは、放射性セシウムが心筋(心臓の壁を構成する筋肉)に蓄積して起こったということです。

日本では、心疾患死亡に関する人口統計において、福島県の心疾患死亡率が2011年度の全国一位になっています。(秋田県が公開したデータ)


◆2011年度 心疾患死亡率は、福島が全国一位
福島は、2010年度の8位から2011年度(2011年4月~2012年3月)は1位になっています。また、福島に近いほど心疾患死亡率が増加しています。

福島と周辺県の心疾患死亡率が増加

     2010年度  2011年度  増加率   
福島   197.6   226.0   14.4%  
宮城   141.3   160.0   13.2%  
茨城   150.1   165.9   10.5%  
岩手   202.6   219.3    8.2%  

全国平均 149.7  154.4    3.1%  

心疾患死亡率 2011年と2012年度の比較


体内にセシウム 心臓疾患まねく チェルノブイリ事故で警鐘
(2013年7月29日 東京新聞 朝刊)

チェルノブイリ原発事故最大の被災国ベラルーシで、死亡した人を解剖して臓器ごとの放射性セシウムを測定した医師がいる。ウクライナ在住の病理解剖学者ユーリー・バンダジェフスキー氏(56)だ。低線量内部被ばくに警鐘を鳴らす研究は当局に危険視され、投獄される憂き目も見た。来日した「不屈の学者」に聞いた。

東京新聞:体内にセシウム 心疾患招く バンダジェフスキー


福島米の安全性のアピールに貢献するのは
国体選手と障害者、地元の学童たち

(2013年10月3日 みんな楽しくHAPPYがいい)から抜粋

「自分で食べないものを」といわれて福島市のJA新ふくしま組合長、吾妻雄二(66)は考えた。自分たちが食べるしかない。とくに、学校給食に福島市産米を使うことだ。子どもたちが福島の米を食べれば、安全性を全国にアピールできる――。

プロメテウスの罠 給食に福島米

福島 給食で地元米の使用再開
福島県内の学校給食 「県産食材」震災後も使用 
さらに新年度、県産食材使用市町村に食材購入費を補助
県は新年度、県産食材を給食に使う市町村に食材購入費を補助する。


日本では、チェルノブイリの経験がまったく生かされていない
【ウクライナで5万人の子どもを診察したエフゲーニャ・ステパノワ博士】

エフゲーニャ・ステパノワ「汚染地の子ども 病気になりやすい」

日本人へのアドバイス 病気予防対策の一番目
放射能に汚染されていない食べ物をとること

加えて、充分なビタミンをとること。体力増進に努めること。
汚染地域を離れて保養施設などで休むこと(最低でも4週間)


ジョン・W・ゴフマン著『人間と放射線―医療用X線から原発まで―』

「日本の脱原発運動を象徴する人物」とも評された高木仁三郎さんが、ライト・ライブリフッド賞の受賞式で「科学者としてこの世で最も尊敬するジョン・ゴフマン教授」とスピーチしたように、ゴフマン博士は多くの心ある科学者に影響を与えました。

京都大学原子炉実験所の今中哲二さんや小出裕章さんが中心となって翻訳したゴフマン博士の名著 『人間と放射線―医療用X線から原発まで―』について、小出さんは講演などで「放射線被ばくに関して最も信頼できる本」として、よく引用されています。

ゴフマン著 『人間と放射線―医療用X線から原発まで』

ゴフマン博士の【年齢別、放射能の影響】の研究によれば、55歳以上と子どもを比べると、10歳の児童は200倍以上の影響を受け、0歳の乳児は、300倍以上も大きな影響を受けます。

ゴフマン 年齢別がん死者数グラフ

児童が5~10ベクレル/kg汚染された給食を食べているというのは、55歳以上の大人が、その200倍の1000~2000ベクレル以上に汚染されたものを食べているのと同じです
 
福島県と小中学校は、まず、福島の米や野菜の給食での使用を取りやめ、ゴフマン博士やバンダジェフスキー博士の研究、ウクライナ政府報告書「チェルノブイリの被害の全貌」などを時間をかけて慎重に検討した上で、どのような食材を給食に使用するのかを決めてほしい。ただでさえ、日常的に外部被ばくを受けている子どもたちに、これ以上内部被ばくを加えるべきではありません

南相馬市 妊婦の被ばく状況 平均2.8ミリ

ブログの最後に、もう一度、書いておきたいことは、現状ですら子どもを放射能から守る姿勢が弱い中で、「年間被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はない」「食品の放射性物質基準を緩和すべき」という原子力規制委員会――なんと倫理観のない人命軽視の組織なのだろうか。

今こそ、ベラルーシ科学アカデミーのミハイル・マリコ博士の言葉をかみ締めたいと思います。

チェルノブイリの防護基準、年間1ミリシーベルトは市民の声で実現されました。核事故の歴史は関係者が事故を小さく見せようと放射線防護を軽視し、悲劇が繰り返された歴史です。チェルノブイリではソ連政府が決め、IAEAとWHOも賛同した緩い防護基準を市民が結束して事故5年後に、平常時の防護基準、年間1ミリシーベルトに見直させました。それでも遅れた分だけ悲劇が深刻になりました。フクシマでも、早急な防護基準の見直しが必要です


<原発事故3年>放射能は今も出てる? 小出裕章氏に聞く

<原発事故3年>放射能は今も出てる? どれ位の量? どの地域に? 黒い物質って? アルプスは? 汚染水は? 炉心は? 小出裕章氏3/7報道するラジオ(文字起こし)
(2014年3月8日 みんな楽しくHappyがいい)から抜粋

「メディアが伝えていない福島第一原発事故3年」

報道するラジオ 2014年3月7日


3年経つ今、放射能は出ていますか?

水野:報道するラジオ、今日の特集テーマは「メディアが伝えていない福島第一原発事故3年」です。今度は京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんに伺います。小出さんに質問が早速リスナーの方からきておりまして、「安倍総理は7年後の東京オリンピックが開催されるころまでには、原発による放射能汚染について問題なく解決しているんだという様な意味の事をおっしゃられているように聞きました」というふうにおっしゃられているんです。

本当に大丈夫なんでしょうか?今放射能の心配はしなくていいのでしょうか?」と、いうご質問なんですけれども、小出さん、今、もう3年経とうとしているんですが、放射能は出ているんですか?

小出:はい、もちろん出ています。原子炉が壊れてしまっている訳で、格納容器という放射能を閉じ込めるための最後の防壁も、多分あちこちで穴が開いてしまっていまして、水を入れてもみんな漏れてきてしまうという状態ですので、今でも放射性物質は大気中、あるいは汚染水としてあちこちに漏れています。

水野:今も出続けていると。

小出:そうです。

どの位の量ですか?

水野:これまでに福島第一原発事故で放出されたセシウムの量というのは、今までの物と合わせるとどれぐらいになるんでしょう?

小出:どこまで正確化はよく分からないのですが、日本国政府がIAEA国際原子力機関という原子力を推進する団体に提出した報告書があります。それによりますと、1.5×10の16乗ベクレルという数字が書かれていまして、それは広島原爆がまき散らしたセシウム137に比較すると、168発分に相当しています。

小出裕章「大気中だけで広島原爆168発分」

水野:広島に落とされた原爆の168発分のセシウムがもうすでに、

小出:大気中だけなのですけれども、

水野:「海に流れているものとは別で」ですか?

小出:全く別です。私はこの168発というのも、多分過小評価だと思っています。なぜなら日本国政府というのは、「福島第一原子力発電所が安全だ」といってお墨付きを与えた張本人です。重大な責任があるわけですし、私は「責任」という言葉では甘過ぎると思っていて「犯罪」だと思っています。犯罪者が自分の罪を正確に申告する道理はないのであって、なるべく自分の罪を小さく見せようとしてはじき出した数字がこの168発分という数字です。多分それの2倍とか3倍が大気中に既に出たと思いますし、それとあまり違わない程のものが多分、汚染水として海に向かって流れていると思います。

水野:あ、そうですか。はぁ?!大気に出されたものと同じくらいの量のセシウムが海にも流れだしていく事になるであろうと。

小出:敷地の中にもうそれぐらいは流れているはずで、敷地というのは土がある訳ですから、すぐにジャージャーと海へ流れていく訳ではありませんけれども、多分敷地の中は今も、大気中に出たのと同じくらいのセシウムがあちこちに汚染水として浸みこんでいると思います。

水野:そうしますと、今の小出さんのお話を荒っぽく計算したら、広島に落とされた原爆の300発以上分のセシウムが、様々なところ、地球に移されてしまうと、そういう事になりますよね。

小出:そうです。

放射性物質はどの地域にどの位?

水野:はぁ・・・・皆さん本当に気にしていらっしゃる、放射性物質はどの地域にどの位の量であるのか?

小出:皆さんご承知だと思いますけれども、日本というこの国は「北半球温帯」というところにあります。
そこでは「偏西風」という大変強い西風が吹いているのです。そして福島第一原子力発電所というのは、福島県の太平洋に面しているところに建っていた訳で、福島第一原子力発電所から放出された放射性物質、セシウムも含めてですけれども、殆どのものは偏西風に乗って太平洋に向かって流れていきました。

そのため多分、放出された放射能の8割から9割は太平洋に向かって流れて、北アメリカ大陸の西海岸をかなり汚染しています。そして残りの1割から2割が、場合によっては東風の日もあったし、南風、北風という日もあって、福島県を中心とした東北地方、関東地方に降り注いだという事だと私は思います。

水野:東北地方に、関東地方も加わっているんですか

小出:そうです。

水野:具体的にはどの程度の汚染がどういった県でみられているんでしょうか?

小出:1平方mあたり60万ベクレルを超えてセシウムが降り積もったという地域が、およそ1000平方kmあります。関西のみなさんは琵琶湖はご存じだと思います。大変大きな湖というか、海のように見える湖ですけれども、琵琶湖が1.5個入ってしまうというぐらいの広大なところです、1000平方km。そこが1平方mあたり60万ベクレルを超えて汚染されまして、今現在10万人を超える人々が追い出されてしまったという地域です。

そしてその周辺にももちろん、汚染の程度が低くなっているところがずーーーっと繋がっている訳です。そして、私は京都大学原子炉実験所というところで、放射能を相手に仕事をして給料をもらっています。そういう人間に限って入っていいいという場所を「放射線管理区域」と呼びます。

普通のみなさんは入れないんですけれども、その「放射線管理区域から外に持ち出すことのできる汚染の程度」というのは、1平方mあたり4万ベクレルなのです。「それ以上汚れているようなものはどんな物でも放射腺管理区域の外側に存在してはいけない」というのが、これまでの法律でした。

もし、1平方mあたり4万ベクレルを超えている地域というものの面積を求めていくとすると、たぶん、1万4000平方kmだと思います。

水野:どれぐらいの広さっていうことですか?

小出:日本が38万平方km。本州だけで24万平方km位だったと思いますので、本州の数%、5%は超えているというぐらいのものだと思います。

平野:これ、先生のご本の原発ゼロというデータによると、東京都心の葛飾区でも4万ベクレル/平方km、こういう数字が出ていますよね。という事は、「東京の中でも放射線管理区域があった」ということですね。

小出:そうです。

水野:今もあるんですか?

小出:はい、今もあります。私のデータではなくて、それは日本国政府のデータなんですが、東京の下町、葛飾区あるいは江戸川区の一部というところは、放射線の管理区域にしなければならないほどの汚染を受けています。

小出裕章「福島県の東半分を中心に・・・放射線管理区域にしなければならない汚染」

平野:なにもやっていないですよね?現実的には。

小出:はい。もう、日本国政府は「どうしようもない」と。これまでは通常時として法律があったけれども、「今は緊急時だから、元々は放射線管理区域にしなければいけない地域にも人々は住め」という事を言っている訳でして、1平方kmあたり60万ベクレルを超えているような、先ほど聞いていただいたところは、さすがに人は住めないけれども、そうでないところは人が住んでもいいし、「一度逃がした人々もそこにまた戻れ」と日本国政府が言っています。

水野:東京都の一部も、また、千葉県や埼玉県の一部もそうした放射線管理区域のレベル。で、今もあり続けているという状況なんですね。

小出:そうです

黒い物質

水野:そうした地域で、黒い物質というものが見つかっていると聞きましたが、小出さん、これはどういうものですか?

小出:みなさんもちょっと想像していただきたいのですが、例えば駐車場の隅っこの水たまりのあたりに、「なにか黒く干からびたものが堆積している」という様なもの。あるいは、雨どいの下になにかコンクリートの様なものがあるとすると、「その上に黒く干からびたものが残っている」という、そういうものです。

水野:小さい、小さい、粒子の様なものが固まっている感じですか?

小出:要するに、泥がちょっと固まっているという、あるいはコケがなんか干からびたという、そんな感じです。

水野:それは一体何なんですか?

小出:私は生物学者ではないのですけれども、神戸大学の山内さんという私の知り合いが調べてくれたところでは、「らん藻類の死骸だ」と私は聞きました。

水野:らん藻類ってなんですか?

小出:ええ、苔の様なものだと私は思うのですけれども、

水野:藻類ですね。

小出:そうです。そういうもの、あるいは細かい土が雨で集まったとか、そういうものの集合体だと思います。

水野:は。それで、それを小出さんが検査なさったんですね。

小出:私もやりましたし、山内さんもやっているし、沢山の人が検査をしてくれています。

水野:なにが検出されたんでしょう?

小出:今問題になるのはセシウム134とセシウム137の2種類の放射性物質です。・・・・猛烈な濃度、でした。

水野:猛烈な濃度!

小出:はい。たとえば1kgあたり1万ベクレルという濃度を超えているようなセシウムは、放射性物質として厳重に管理をしなければいけないのですが、たとえば福島県内の南相馬、あるいは飯舘村というようなところで集めてきた黒い物質の中には、1kgあたり数100万ベクレルのセシウムがありましたし、東京都の葛飾区、先ほどちょっと放射線管理区域だと私は聞いていただきましたけれども、そういうところでも1kgあたり何10万ベクレルという、

水野:何10万ベクレル!

小出:はい、ものがあります。そして東京都のいわゆる下町ですね、東の端っこ、千葉県に近いところが汚れている訳ですし、あるいは西の端っこの奥多摩も汚れているのですが、

水野:へぇ・・・・

小出:中央部は比較的汚染が少なくて済んだのです。その比較的汚染が少なかった東村山市というところがあるのですが、そこの学校から集めてきた黒い物質にも1kgあたり2万ベクレルを超えるセシウムがありました。

水野:はぁ・・・

小出:つまり、放射性物質にしなければいけないようなものが、子どもたちが遊ぶ学校の校庭にあるという、そういう状態です。

水野:はぁ、これ、子どもたちの傍にこういった物質があるという事は、ずっと子どもたちは被曝し続けることになるんですか?

小出:そうです。たとえば、JRの平井駅という駅があってですね、その近くでも黒い物質というものがありましたけれども、その黒い物質、地面に薄く黒く広がっている訳ですが、そこは子どもが指でこすった跡すらがあるという、そんな状態になっていました。

水野:これは除去しなければいけないですよね。

小出:もちろんです。

平野:こういうデータを自治体とか政府の担当省は聞いても、要するに何も手を打たない訳ですか?

小出:そうです。例えば学校の方は、「そんな面倒なものを持ってきてくれるな」と。むしろその・・試料を集めようとする人たちを排除するという様な学校が多いわけですし、国の方はもちろん、知らぬ存ぜずを決めこみたいのですから、なかなか調査もしてくれないという状態になっています。

平野:もう自衛するしかないけれども、なかなか見えないもので難しいですね。

小出:そうです。放射能は目に見えませんし、放射能を測るという事はなかなか難しい事でもありますので、
「自衛しろ」といっても出来ないと私は思いますし、やはり政府、あるいは行政、自治体というところが本腰を入れて子どもたちを守るという事をやらなければいけないと思います。

アルプスって期待できる?

水野:では次に伺いたいのは、福島第一原発の現在行われている作業についてなんですけれども、汚染水の問題が大変深刻です。で、アルプスという浄化装置がありますよね。これが上手く動いてくれればかなり良くなるなんていう話も聞くんですが、アルプスにはどれぐらい期待していいもんでしょうか?

小出:まず、私はあまり期待していません。福島第一原子力発電所の敷地の中は今猛烈な被ばく環境になってしまっていまして、そこでちゃんとした装置を組み立てるという事もなかなか難しい、のです。みんな要するに、なんかやろうとすればみんな被ばくをしてしまうという、そういう状況ですので、きっちりとした機械をその場所で組み立てるということがまず難しい。

アルプスを作り上げるだけでも被ばくをしながらみなさんがやっている訳です。ですから本当であれば、たとえば配管で繋がなければいけないというようなところも、「そんな事をしている余裕がない」という事で、ホースで繋いでいたりするわけです。そうすると、「あちこちで漏れてしまいまして、なかなかアルプスという装置自身が動かない」という状態で今日まで来ている訳です。

そして仮に動いたところで「本当に汚染が除去できるか?」というと、私は多分「出来ない」と思っています。

水野:どうしてでしょう?

小出:汚染水の中に入っている放射性物質で、重要な放射性物質は3種類です。セシウムとストロンチウムとトリチウムと呼んでいる放射性物質です。で、汚染水の中から、セシウムはこれまでも除いてきたのです。除去してきました。ゼオライトという粘土鉱物にくっつけて、汚染水の中から取り除こうとしてきました。でも、セシウムがなくなった訳ではなくて、ゼオライトに猛烈にセシウムがくっついていってきたわけですね。
で、そのゼオライトを今は保管をしている訳ですけれども、セシウムを猛烈に含んだゼオライトはたぶん数100度という温度にもうなっている。それが保管されているという状態だと思います。

ただし汚染水の中から、セシウムはまがりなりにものぞかれた訳ですが、まだ、ストロンチウムとトリチウムは全く除かれないまま汚染水にある訳です。それがタンクに溜められまして、次々とタンクが満水になってまたあふれてしまったり、あるいは漏れたりしているわけですけれども、ある時に漏れたタンクから漏れた汚染水の中には、「ストロンチウムという放射性物質が1リッターあたり8000万ベクレルあった」という事が確か1年ぐらい前にあったと思います。つい最近では、「2兆何千万ベクレル」というストロンチウムを含んだ汚染水が漏れたと報道がありました。

で、ストロンチウム90という放射性物質は環境に放出する時には1リットル当たり30ベクレルでないといけないという、

水野:桁がいくつも違う・・・

小出:はい、そうです。ですから、今ある汚染水の中からストロンチウムを除去していって海に流せるような濃度にしようと思うと、何100万分の1にしなければいけない。ということなんですが、私自身も放射性の廃液から放射性物質を除去しようという仕事に日々従事している人間なんですが、1000分の1にしようと思えば、多分出来ます。で、1万分の1にしろと言われれば、「やってみよう、多分出来るだろう」と思います。10万分の1に綺麗にしろと言われると、「う・・・・ん」と、私はやっぱり考えてしまうし、「出来ないかもしれない」と思います。それを「100万分の1、あるいはもっときれいにしなければいけない」という事な訳でして、「おそらく出来ない」と思います。

そうなると、綺麗にできないままのストロンチウムを含んだ排水を海に流すという事になると思いますし、もう一言いってしまいますと、トリチウムという放射性物質は、アルプスでは全くとれないのです。

水野:全くとれない。

小出:他の集団を使っても、全くとれません。トリチウムに関しては。ですから、いつか、必ず海へ流すという日が来ます。

平野:先生、これは一部の研究者は「害があるのか分からない」という様な事を言っていますけれども、これ「無い」という事は立証されていないですよね?

小出:必ず害はあります

平野:あります

小出:はい。放射能はもちろん、どんな放射能も必ず害があるのです。トリチウムという放射性物質は大変弱いベータ線しか出しませんので、害の程度は小さいという事は確かだと、私は思います。しかし先程から聞いていただいているようにトリチウムに関する限り、人間がそれを捕まえようとしても、全く捕まえる事が出来ないのです。水そのものになってしまうという、そういう性質の放射性物質です。

地球というのは水の惑星と言われているように、水で生きている星な訳で、その水が汚されてしまうという事は、私はかなり深刻な問題だろうと思いますし、トリチウムをなんとか、海へ流したりしないようにしなければいけないとは思うのですけれども、もう、ここまで来てしまうともうどうしようもないと、私も思います。

平野:これは、汚染水の管理がもう限界に達しているという見通しが出ていますけれども、先生も前からおっしゃっていますが、「やがては海に流すしかしょうがなくなるんじゃないか」という様な見方を述べられていますけれども、これはもう、それが、限界に近付きつつあるという分析ですかね、今は。

小出:はい。今福島第一原子力発電所の敷地の中に約40万トン分の汚染水が存在しています。それで東京電力はこれからもタンクを増設していって、80万トン分はなんとか入れようと言っている訳ですけれども、でもそれにしたって、どんどん今、汚染水が増えてきていますし、1日400トンずつ増えている訳ですから、いつか破たんする。「結局海へ流すしかなくなる」という事は確実です。

溶け落ちた炉心はどうなっているの?

水野:小出先生、元々の溶け落ちた炉心がどうなっているのか?これはどうなんでしょう?

小出:わかりません。事故を起こした発電所がもし火力発電所であったとすれば、事故現場に行って調べればいいのです。どこがどんなふうに壊れてしまった。ここをこうやって直せるだろう、といって直していけば、
運転を再開することだってそんなに難しいものではないのですけれども、壊れているのが原子力発電所ですので、現場に行かれない。のです。

水野:そうですよね。ただ東電はね、ドロドロになった一つの塊、それを取り出していくんだという計画を立てていますでしょ?

小出:そうです。

水野:小出先生はどういう見立てですか?

小出:東京電力と国は「確かに炉心は溶けてしまった」と、で、炉心を入れていた圧力がま、「原子炉圧力容器という鋼鉄製の厚さが16cmもある圧力がまの底も抜けてしまった」と、国も東京電力も言っています。では、その後どうなったか?というと、「放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器という容器の床に落ちたんだ」と、彼等は言っています。勿論そうだと私も思いますけれども、彼らが今想像している状態というのは、上から落ちてきた溶けた炉心が、格納容器の床の上にまんじゅうのように堆積しているという、そういう事を彼等は想像しているのです。

私はそんな事は決してないと思っています。溶けて、猛烈な水をかけながらですね、それでも溶けてしまって、蒸気がもうもうと噴き出すというようなそういうような、言ってみれば動的環境と私が呼ぶような環境の中で、

水野:固まっていないっていうことですか?

小出:はい。溶け落ちたのであって、私たちがスラッジとかスラリーとか呼ぶような、いわゆる泥水のような形で多分溶け落ちているし、あちこちに流れたり、壁に張り付いたりしてしまっていると私は思います。

水野:あちこちに細かく分散して飛びちっているような状況、

小出:多分そうだと思います。ただし、

平野:地中に混ざったのであれば、またそこに地下水がまた流れてきますよね、それがまた海の方へ流れるっていうおそれがありますよね?

小出:そうです。ただし東京電力は、格納容器というのは厚さが3cmの鋼鉄製なんです。で、もし溶けた炉心がその鋼鉄に接触してしまうと簡単に格納容器の鋼鉄は穴が開いてしまうのですけれども、「溶け落ちた炉心は格納容器の床に落ちた」床には実はコンクリートの内張りがしてあって、そのコンクリートが確かに溶けた炉心で破壊されていったけれども、「70cm分しか破壊されていないで、まだ溶け落ちた炉心は格納容器の中にある」というのが東京電力の主張なのです。

でも、私はその主張を聞いた時に、「あなた達は見てきたのですか?」と聞きたくなりました。彼等は「計算した」と言っているのですけれども、そんな計算は全く根拠がない計算なのであって、信用できません。

場合によってはすでに、格納容器の床に張ってあったコンクリートが破壊されてしまって、「格納容器が、すでに底が抜けている。そして溶けた炉心が地面にめり込んで行っている」という可能性すらあると私は思っています。

水野:小出さんが想像するような炉心の状態であれば、それは、取り出す事ってできるんですか?

小出:出来ないです。東京電力と国はなんとかして溶け落ちた炉心を掴み出そうという事をロードマップに書いているのですけれども、その作業をしようと思うと、大変な被ばく作業になるはずだと私は思います。たとえば100溶けた炉心のうちの、大変な被ばくをしながら50を取り出したとしても、50が残ってしまうのならば、やはり私はもう同じ事だと思います。大変な被ばくをするぐらいであるなら、もう取り出す事を全て諦めて、その場で封じ込めるのがいいのではないかと私は思っています。

水野:封じ込めるというのは、いわゆるチェルノブイリの様な、覆ってしまう。

小出:石棺です。

水野:石棺。棺(ひつぎ)って書くんですね、石の棺。

小出:そうです、おっしゃって下さった通り、1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故の場合には、
「もう炉心を取り出すことは諦める」という事にしまして、石の棺、石棺というもので封じ込めるという事をやったわけです
。ただ、事故から28年経ちまして、チェルノブイリの石棺はすでにボロボロです。そのために今、始め作った石棺をまた丸ごとさらに大きな石棺で封じ込めようという計画が進んでいまして、第二石棺というのを現在作っています。

ですから福島の場合も、多分私は石棺を作ることになると思います。その石棺が何年後に出来るのかわかりませんが、私は多分死んでいるんじゃないかと、私自身は多分もう死んでいて見る事が出来ないかもしれないと思っています。

ただし、仮に私が生きている間にその石棺が出来たとしても、30年、40年経てば、またその石棺がボロボロになっていってしまって、新たな石棺を作らなければならなくなるはずだと思います。多分その時には、私は確実に生きていません。

大江氏「政府宣伝だまされるな」 脱原発集会で訴え

大江氏「政府宣伝だまされるな」 脱原発集会で訴え
(2014/03/08 17:49 共同通信)

大江健三郎 「政府宣伝だまされるな」 脱原発集会で訴え

 脱原発を求める集会であいさつする大江健三郎さん=8日午後、福島県郡山市

 東京電力福島第1原発事故から3年となるのを前に、脱原発を求める集会「原発のない福島を!」が8日、福島県内3カ所で開かれ、計約5300人(主催者発表)が参加した。

 郡山市の集会では、作家の大江健三郎さんが「政府の『原発を再稼働しても恐ろしいことは起こらない』という宣伝は、戦争中に『戦争で悲惨なことにはならない』とだましたことと同じだ。次にだまされてしまえば、私たちの未来はない」と訴えた。
2014/03/08 17:49 【共同通信】

2014/03/08

「20ミリ以下は安全」と 帰還をすすめる今、思い出したいこと

福島原発事故で避難している住民の帰還に向け、原子力規制委員会が、年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないという見解を出し、帰還をすすめている今、思い出したいことがある。

20ミリ以下、大きな影響なし 規制委、住民帰還で提言へ
 (2013/11/08 共同通信)写真は福島民報

福島民報:20ミリ以下、健康影響なし


日赤、被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、退避

日赤、原子力災害時に救護指針「累積被曝1ミリまで」
 (2013年6月16日 朝日新聞)から抜粋

 日本赤十字社が、原子力災害時の医療救護の活動指針を作った。住民の立ち入りが制限される警戒区域内には入らず、累積被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルトを超えない範囲で活動すると決めた。1ミリは一般住民の平常時の年間限度。これに対し、被曝医療の専門家から「被災者への救護、対応が十分にできない」と見直しを求める声が出ている。

 日赤は法律により、災害時の被災者の救護が業務の一つと定められている。医師1人、看護師3人、運転手1人、事務職員1人が1組の救護班を全国に500組以上、組織している。

 東日本大震災では延べ900組の救護班が被災地に入ったが、当初、原子力災害への備えがなく、東京電力福島第一原発事故直後の福島県内では、救護班がいない「空白期間」が生じた。その反省から、原子力災害の活動指針を作ったという。救護班は線量計や安定ヨウ素剤を携行し、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、安全な地域に退避するとした。


福島の帰還基準、避難者増を恐れて強化せず 民主政権時
(2013年5月25日 朝日新聞)から抜粋

 福島第一原発の事故で避難した住民が自宅に戻ることができる放射線量「年20ミリシーベルト以下」の帰還基準について、政府が住民の安全をより重視して「年5ミリシーベルト以下」に強化する案を検討したものの、避難者が増えることを懸念して見送っていたことが、朝日新聞が入手した閣僚会合の議事概要や出席者の証言で明らかになった。

 民主党政権が2011年12月、三つの避難区域に再編する方針を決め、安倍政権も継承。再編は今月中に川俣町を除く10市町村で完了し、20ミリ以下の地域で帰還準備が本格化する。避難対象や賠償額を左右する基準が安全面だけでなく避難者数にも配慮して作られていた形で、議論が再燃する可能性がある。

原発避難区域と5ミリシーベルト地帯

 5ミリ案が提起されたのは 11年10月17日、民主党政権の細野原発相、枝野経済産業相、平野達男復興相らが 区域再編を協議した非公式会合。 議事概要によると、事故当初の避難基準 20ミリと 除染目標1ミリの開きが大きいことが議論となり、細野氏が「多くの医者と話をする中でも 5ミリシーベルトの上と下で感触が違う」と5ミリ案を主張した。

 チェルノブイリ事故では 5年後に 5ミリの基準で住民を移住させた。 年換算で 5.2ミリ超の地域は 放射線管理区域に指定され、原発労働者が同量の被曝で白血病の労災認定をされたこともある。 関係閣僚は「5ミリシーベルト辺りで 何らかの基準を設定して区別して取り組めないか検討にチャレンジする」方針で一致した。

 ところが、藤村修官房長官や川端達夫総務相らが加わった10月28日の会合で「住民の不安に応えるため 20ミリシーベルト以外の線引きを考えると、避難区域の設定や自主避難の扱いに影響を及ぼす」と慎重論が相次いだ。 5ミリ案では、福島市や郡山市などの一部が含まれ、避難者が増えることへの懸念が政府内に広がっていたことを示すものだ。

 11月4日の会合で「1ミリシーベルトと20ミリシーベルトの間に明確な線を引くことは困難」として 20ミリ案を内定。出席者は「20ミリ案は甘く、1ミリ案は 県民が全面撤退になるため、5ミリ案を検討したが、避難者が増えるとの議論があり、固まらなかった」と証言し、別の出席者は「賠償額の増加も見送りの背景にある」と語った。

 当時、5ミリシーベルト/年 地帯は、福島県内の13%に当る 1778km2。 地元自治体は、避難区域が拡大して、人口流出や風評被害が広がることを懸念していた。会合に出席していた閣僚の一人は、「5ミリ案では人口が減り、県がやっていけなくなることに加え、避難者が増えて賠償額が膨らむことへの懸念があった」と証言した。

 安倍政権もこの立場を踏襲しており、改めて 説明を迫られそうだ。


福島第1原発:内閣官房参与、抗議の辞任
(2011年4月29日 毎日新聞)

 内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(61)=放射線安全学=は29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古氏は国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシーベルトを基準に決めたことに「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。同氏は東日本大震災発生後の3月16日に任命された。

 小佐古氏は、学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と主張した。

 小佐古氏はまた、政府の原子力防災指針で「緊急事態の発生直後から速やかに開始されるべきもの」とされた「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」による影響予測がすぐに運用・公表されなかったことなどを指摘。「法律を軽視してその場限りの対応を行い、事態収束を遅らせている」と述べた。

小佐古敏荘「小学生に20ミリSvは 私には許すことができません」

小佐古敏荘「私も除染作業しますが、一番高くて1ミリSv」

原発で働く8万4000人は(年間積算放射線量)平均1.5ミリSv

小佐古敏荘「20ミリSvはとんでもなく高い数字です」

小佐古敏荘「それを私が参与として容認したら」

小佐古敏荘「私の学者生命は終わりですよ」

小佐古敏荘「自分の子どもをそういう目にあわせるのは絶対にいやですよ」


官房参与が辞任・記者会見資料を全文掲載します
内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明) 
(2011年4月29日 NHKかぶんブログ)から抜粋

平成23年4月29日 内閣官房参与 小佐古敏荘

 平成23年3月16日、私、小佐古敏荘は内閣官房参与に任ぜられ、原子力災害の収束に向けての活動を当日から開始いたしました。

 私の任務は「総理に情報提供や助言」を行うことでありました。政府の行っている活動と重複することを避けるため、原子力災害対策本部、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、文部科学省他の活動を逐次レビューし、それらの活動の足りざる部分、不適当と考えられる部分があれば、それに対して情報を提供し、さらに提言という形で助言を行って参りました。

 特に、原子力災害対策は「原子力プラントに係わる部分」、「環境、放射線、住民に係わる部分」に分かれますので、私、小佐古は、主として「環境、放射線、住民に係わる部分」といった『放射線防護』を中心とした部分を中心にカバーして参りました。

 ただ、まだ対策が講じられていない提言もあります。とりわけ、次に述べる、「法と正義に則り行われるべきこと」、「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」の点では考えていることがいくつもあります。今後、政府の対策の内のいくつかのものについては、迅速な見直しおよび正しい対策の実施がなされるよう望むところです。

1.原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい

 この1ヶ月半、様々な「提言」をしてまいりましたが、その中でも、とりわけ思いますのは、「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。

 しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせているように見えます。
 
 とりわけ原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるように見受けました。例えば、住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。また、公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。

 初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。

 また、文部科学省においても、放射線規制室および放射線審議会における判断と指示には法手順を軽視しているのではと思わせるものがあります。例えば、放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」ですが、この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40~50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。放射線審議会での決定事項をふまえないこの行政上の手続き無視は、根本からただす必要があります。500mSvより低いからいい等の理由から極めて短時間にメールで審議、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じます。重ねて、この種の何年も議論になった重要事項をその決定事項とは違う趣旨で、「妥当」と判断するのもおかしいと思います。放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、明らかにされるべきでありましょう。この点、強く進言いたします。

2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい

 緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。

 今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。

 また、今回の福島の原子力災害に関して国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪日し、4回の調査報告会等が行われているが、そのまとめの報告会開催の情報は、外務省から官邸に連絡が入っていなかった。まさにこれは、国際関係軽視、IAEA軽視ではなかったかと思います。また核物質計量管理、核査察や核物質防護の観点からもIAEAと今回の事故に際して早期から、連携強化を図る必要があるが、これについて、その時点では官邸および行政機関は気付いておらず、原子力外交の機能不全ともいえる。国際常識ある原子力安全行政の復活を強く求めるものである。

以上

2014/03/06

原発停止で温排水も止まって 周辺の海洋環境が劇的に改善

原発長期停止で“海の環境変化”
(2014年3月5日 20時11分 RKBニュース)から抜粋

玄海原発周辺の海 長期停止で環境変化

■佐賀県玄海町の玄海原子力発電所が4基すべて運転を停止してから2年以上が経ちました。

■1号機が運転を開始してからおよそ39年、これまでに前例のない長期間の停止によって、周辺の海である変化が起きていました。

この映像は今から8年前、2006年2月28日に、玄界灘で撮影されたものです。

玄海原発では1975年に1号機が運転を開始してから、ほぼ連続して原発が動いてきました。

ところが、東日本大震災後の2011年12月に、4号機が定期点検に入って以降、4基すべてが2年以上にわたって停止したままです。

なぜ海はこれほど変化したのでしょう?

その原因として考えられるのが、原発から出される暖められた海水、『温排水』です。

原子力発電所は、タービンを回す蒸気を、海からくみ上げた水で冷やします。

暖められた海水は『温排水』として再び海に戻されます。

原発からは最大で7度まで、周囲より高い温度の水を出すことが認められています。

その量は、岩につかまらないとダイバーが流されてしまうほどだったということです。

大量の温排水で海が温められたため、南方系の魚が冬も生き残っていたのです。

原発停止後の変化は、魚だけではありません。

●今林記者・水中リポート
「この四角のコンクリートブロックは原発が動いている時は、全く海藻が生えていませんでしたが、今は一面びっしりと海藻に覆われています」

同じく今から8年前の映像です。

原発稼働中は、ほとんど海藻は生えておらず、岩がむき出しの状態でした。

ところが、現在はいたるところにアラメやクロメなど、コンブの仲間が生えていました。

同じ場所で比べてみると違いは一目瞭然です。

原発周辺の海で変化が起きているのは、玄海だけではありません。

京都大学の益田准教授は2004年から若狭湾で潜水調査を続けています。

益田准教授は、原発停止直後の海の劇的な変化に、目を見張ったといいます。

●京都大学舞鶴怜治水産実験所・益田玲爾准教授
「予想よりはるかに急激でしたね。南方系の生き物がたちどころにいなくなって、それで本来の若狭湾の生き物が戻ってきたということですね」

若狭湾沿岸にはあわせて14基もの原発が集中しています。

益田准教授は、そのひとつ高浜原発からおよそ2キロの地点で調査を続けています。

益田准教授によりますと温排水によってこの地点では周辺海域と比べ水温がおよそ2度高くなっていました。

この2度が冬場、生き物の生死を分けていたのです。

●京都大学・益田准教授
「水の中では、陸上よりもはるかに熱が伝わりやすいということがあるんですね。ですから、水中の2度の違いというのは、魚にとって非常に大きな違いになります。人間が陸上で2度というのはどうにでも調節できますが、魚にとっての2度というのは、調節がきかないエリアになってしまいがちなんです」

温排水は火力発電所からも出ますが、益田准教授の調査では近隣の火力発電所では大きな変化は起きていませんでした。

原発の運転が海の生態系に大きな影響を与えているのは明らかだと益田准教授は話します。

福井県・若狭湾の原発停止で北方系の魚介類が戻ってきた
(日刊SPA 2013/12/20)

現在、日本で稼働している原発は1基もない。これまで、原発を冷やすために取り込んだ海水が温められ、海に放出され続けてきた。ところがこの「温排水」が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという! 原発停止によって(良い意味で)激変した各地の海の状況をリポートする。

<福井県・若狭湾の原発> 

温排水停止で、減少していた北方系の魚介類が戻ってきた

高浜原発
             高浜原発

 原発の温排水が海の生態系に与える影響について、実際に海に潜って調査している研究者がいる。京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾所長は、’04年以降、毎年1月下旬~3月上旬に高浜原発の放水口から北東約2kmの「音海」という海域に生息する魚介を定点観測してきた。益田所長は「温排水による生態系への影響は明らか」と語る。

「’04~’11年にかけて、原発から2kmの地点の水温が、湾内外の他の海域より2℃高くなっていました。水中では熱が伝わりやすいため、2℃というのは魚介類にとって大きな違いなのです。熱帯・亜熱帯の南方系の魚介類が生活できるギリギリの温度は11℃なのですが、原発の温排水で、春や夏に来た南方系の魚介類が冬を越せるようになっていました。本来いるはずのない生物が繁殖することで大きな混乱が起きていました」

 ところが、温排水が止まったことで、元の健全な生態系が音海の海に戻りつつあるという。

「例えば、ガンガゼという南方系の毒ウニが大量発生していたのですが、温排水が止まったことで死滅。地元特産のおいしいアカウニやムラサキウニはガンガゼとの競合で追いやられていましたが、再び姿を見せるようになりました。同様に、地元特産で食用のマナマコも、南方系のトラフナマコが水温低下で減少すると、また数を増やし始めています」

 温排水の停止の好ましい影響の中でも、特に喜ばしいのは海藻の復活だろう。

若狭湾 原発地図

「海の生態系で非常に重要なのは、浅瀬に生い茂る海藻。さまざまな魚介類の餌である生物が棲むエサ場であり、稚魚が育つ棲み処でもあります。アワビやサザエなどの貝類も海藻を餌としています。温排水が放出されていた頃は、『磯焼け』といって海藻が壊滅した状態でした。海水温の変化による直接的なダメージに加え、本来冬場の音海にはいないはずのアイゴという海藻を食べる魚が温排水の影響で一年中いるようになり、海藻が食い荒らされてしまったのです。

 しかし、温排水の放出が止まった途端に海藻が復活し、アミなどの動物プランクトンも一緒に戻ってきました。以前は姿をまったく見なかった、ヒラメの稚魚が姿を見せるようになったことも良い傾向です。若狭湾の特産物で、煮付けにするとおいしいメバルも戻ってきました。基本的に、南方系の魚よりも、もともといた北方系の魚のほうが、商品として高く売れるので、地元の漁師さんにとっても、温排水がないほうがいいといえるのではないでしょうか」

― 原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート【1】 ―

原発停止で周辺の海洋環境が劇的に改善
(日刊SPA 2013.11.26 ニュース)

 現在、日本で稼働している原発は1基もない。

 そのため、稼働中に海に放出され続けてきた原発から出る温排水が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという声が各地から挙がっている。

◆鹿児島川内原発の場合……

川内原発周辺の海岸に打ち上げられたウミガメの死体
             ウミガメ

川内原発周辺の海岸に打ち上げられたウミガメの死体

 鹿児島県にある川内原発の近くで海岸の清掃ボランティアやウミガメ監視員を務める中野行男さんは、10年ほど前から月に20日以上、川内原発の南海岸を歩き続けてきた。

「これまで、季節によっては毎日のようにサメやエイ、ダツなどの大型魚類や、クジラ、イルカなどの海生哺乳類、ウミガメなどの死体が海岸に漂着していました。原発ができる前は、こんなことは全然ありませんでした」(中野さん)

 サメの死体が1日で4体もうち上げられたこともあったそうだ。

「それが、川内原発が停止した’11年9月以降、これらの死体漂着は一切なくなったのです」

 また、この近辺ではウミガメの異常行動がよく確認されていた。

「例えば、通常のウミガメは満潮の夜に産卵のため岸に上がりますが、昼間や干潮時に産卵に来るケースがしばしば報告されていました。ところが、現在では産卵は順調に行われています」

 週刊SPA!11/26発売号「原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート」では、他にも、原発が止まったことによって取水口に取り込まれる魚が減ったり、海水温が下がったために外来種が減り、漁業にも好影響が出ていることを報じている。また、福井県の若狭湾周辺の原発、北海道の泊原発周辺地域での(よい意味での)激変をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>


上関原発建設計画:温排水の影響を懸念
(2010/05/20 風の便り)から抜粋

世界有数の漁場だった瀬戸内海が埋め立てや海洋汚染によって、生態系が破壊されてるなか、今も豊かな自然が残っている周防灘という海域(山口、福岡、大分の3県にまたがる海域)があり、絶滅危惧種や希少な生物がたくさん棲息しています。

そこに上関原発が建てられようとしており、その計画に28年前から反対し続けている人々(祝島や長島の自然を守る会など)がいます。

ここを破壊してしまったら、瀬戸内海の再生は不可能になるだろうと多くの学者が指摘している重要な地域を、生物多様性国際会議を開く主催国が破壊しようとしているわけです。

原発は、過熱した炉心を冷やすために大量の海水を吸いあげて、7~7.3℃熱くなった海水(温排水)を海に放出しますが、その量が恐ろしく多量です。

平均的な規模(100万キロワット)の原発1基で1秒間に70トンも温排水を海に放出します。上関原発は、137万キロワットを2基建設するために、1秒間に190トンもの温排水を海に放出します。

現在、日本にある54基の原発全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン。日本全土に降る雨の量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トン。

つまり原発は、日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。

それに加えて、上関原発や各地で増設される原発からの温排水が上乗せされようとしています。

また、海水を冷却水として吸い上げる際にプランクトンや魚卵、そして、稚魚なども大量に吸い込み、原発の高熱でその多くが死んでしまいます。

問題はこれだけでなく、吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダ)が使用され、海洋を汚染しています。

海の小さないのちを吸い上げて殺し、殺生物剤で殺し、膨大な温排水を海に捨てながら「地球温暖化防止のために」原発を増やす現代人に対し、海に暮らしている生きものたちは、どう感じているのでしょう。

まさに今、私たちは「生きものの声を聞く」必要があるでしょう。

上関原発建設計画:温排水の影響を懸念 広島で環境考えるシンポ /山口

 中国電力の上関原発建設予定地(上関町)周辺の慎重な環境評価を国や中電に求めてきた日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会によるシンポジウムが10日、広島市中区の広島国際会議場であった。学者らは集まった約500人に対し、建設地の生物の多様性の貴重さと、原発建設による影響調査の必要性を強く訴えた。

 学者らの一番の懸念は原発から出る温排水。原発周辺海域の温度が上がり、希少生物や魚類の生息環境が変わってしまう恐れが強いという。また、京都大大学院の加藤真教授(生態学)は、冷却水として海水を取り入れる際に投入される殺生物剤、次亜塩素酸ソーダの危険性を指摘した。

 建設地周辺では天然記念物の鳥、カンムリウミスズメも生息している。上関地域周辺での生息を初めて発見した九州大大学院の飯田知彦研究員は、上関の海の豊かさを強調。魚の卵や稚魚、イカの子どもといった浮遊生物が冷却水として原発に取り込まれて加熱されることで多くが死ぬことが予想されることから、食物連鎖への影響を懸念した。【矢追健介】

2014/03/02

原発事故から3年、核心部分でさえ未解明が多い

原発事故 核心部分でさえ未解明多く
(2014年02月26日 NHKかぶん)

NHK:原発事故まもなく3年 核心未解明も多く

福島第一原子力発電所の事故は3基の原子炉でメルトダウンが起きるという世界に例のない事故だけに、全容の解明は極めて難しい課題です。

原子炉を冷やせなくなり、核燃料が溶け落ち、放射性物質の大量放出に至った事故の経過は、これまでの調査である程度明らかになってきました。しかし、何がメルトダウンを決定づけたのかや大量の放射性物質はどこから、どのように放出されたのかなど、事故の核心部分でさえ、3年たった今も未解明の問題が多く残されています。

福島第一原発の事故を巡っては、当事者の東京電力のほか、政府や国会、それに民間の有識者などが調査や検証を行う委員会をつくり、事故の経過や取られた対応を調べてきました。

これまでに、1号機では、津波で電源が失われ計器類の確認ができないなか、発電所の対策本部が「非常用復水器」と呼ばれる電源がなくても動く冷却装置が正常に作動していると誤って認識していたことが明らかになり、原子炉の冷却の遅れにつながったと考えられています。

また事故後しばらくの間、非常用の冷却装置が動いていた2号機と3号機でも、その後、消防車などによる注水に切り替えて原子炉を冷やそうとした際、十分に水が入るよう原子炉の圧力を下げる装置が機能せず、作業に手間取ったり、水が配管の抜け道から漏れたりして冷却が遅れたことが明らかになっています。

事故核心部分に多い未解明の問題

その一方で、今も解明されていない問題も多くあります。3号機での注水の切り替えを巡っては、原子炉の圧力を下げる装置がすぐに機能しなかった原因までは特定できていません。2号機では、冷却が遅れ危機的な状況を迎えた3月14日の夜から15日にかけて、格納容器が壊れないよう高まった圧力を下げる「ベント」という操作が急務になりましたが、ここでも作業に手間取りました。

これはその後の放射性物質の大量放出につながったとみられていますが、何がベントの操作を妨げていたのか、現場でどのような対応がとられていたのか詳しい状況は明らかになっていません。また放射性物質は2号機と3号機からより多く放出されたとみられていますが、原子炉や格納容器のどこが壊れ、いつ、どのような経緯で放出されたのか、詳しい状況は解明されていません。

こうした問題は、廃炉の重要な工程となる溶け落ちた燃料の取り出しにも関わります。原子炉周辺は高い放射線量の影響で、人が近づいて確認することができないため、東京電力は原子炉や溶け落ちた燃料の状態をコンピュータで解析していますが、つじつまの合わない解析結果が出るなど、結論は出ていません。

事故から3年がたった今も原子炉の冷却の状況や放射性物質の放出に至る経緯など事故の核心部分には未解明の問題が多く残され、東京電力は引き続き検証を続けるとしています。

2014/02/27

福島 子どもの甲状腺がん 7人増え33人、疑い41人 

IPPNWドイツ支部:「システマティックに核災害の結果を過小評価」
(2014年 2月 21日 ちきゅう座)

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部 グローガー理恵 
意図的な過少評価

<グローガー理恵:ドイツ在住>

IPPNWは、この記事の中で、当局によって汚染区域に設置された放射線モニタリング・ポストの殆どが実際の線量よりもはるかに低い線量を表示していることや健康管理当局が被災者の健康被害を故意に過小評価しようとしている、いわゆる「システマティックな核災害結果の過小評価」を暴露しています。

なお、この記事を和訳することの快諾をIPPNWドイツ支部のプレス担当者、ヴィルメン氏から得ることができましたことをお伝えしておきます。
原文(独語)へのリンクです。

IPPNWプレス・リリース 2014年 2月 17日

システマティックに核災害の結果を過小評価 

原子力大災害後の日本で生きること

(和訳:グローガー理恵)

原子力大災害から3年経っても、やはり日本当局の秘匿、もみ消し、否定が続いている。しかも、不都合な事実の秘密保持が、新制定された日本国家秘密保護法によって、更に容易くなり(秘密保持できる)範囲が広まった。もみ消しは既に、当局設置の放射線モニタリング・ポストで始まっている。

彼らは環境放射線量をシステマティックに縮小表示しているのである。「3,141ある当局設置の放射線モニタリング・ポストの80パーセント以上が低すぎる局所線量を表示していて、実際の放射線量の半分から3分の2までの量だけしか表示していないことが度々ある」と、環境ジャーナリストのアレクサンダー・ノイロイター(Alexander Neureuter)氏は、彼のフクシマ地域での調査について報告している。一方、日本の環境省は放射線測定装置が構造上の欠陥を示していることを認めた。: 装置の測定センサの周りに、間断なく電力を供給するための鉛の蓄電池が設置されたのだった。しかし、鉛は最も放射線遮断性のある物質なのである。

それに加えて、放射線による健康被害がシステマティックに過小評価されている。原発事故当時、福島県に住んでいた18歳未満の子供たちや青少年たち360,000人全員が甲状腺検査を受けている。しかし、診察担当の医師達は、病歴、触診、超音波検査を含めた全ての診察を、たったの3分以内に行うようにと指示されていたのである。このような時間制限は、綿密な診察検査をする上で、全く現実に即していないことである。

検査結果は詳細に解説されておらず、診察結果や超音波画像、または医師のコメントなどのような診断証書が両親に渡されることは全くない。他の医師のセコンドオピニオンを求めることが予め考慮に入れられているようなことはなく、しかも、開業医達は被災した子供たちの診察検査を行わないようにと文書で指図されていたのである。この次の超音波検査(再検査)は、一定の順番間隔により2年後にやっと実現されることになる。「結節の検出と次の再検査の間の期間が2年間だというのは余りにも長すぎる」と、アレックス・ローゼン博士(Alex Rosen-IPPNW)は断言する。

2014年2月7日、日本で、現時点における甲状腺検査のデータが公表された。2013年 12月 31日までに269,354人の子供および青少年が検査を受けた。: 受診者の47パーセントに甲状腺結節と甲状腺嚢胞が検出された。33人の子供達が甲状腺癌に罹っていることが確認され、さらに41人に悪性疑いがある。このことは、有病率 (検査時点の疾患数)が、住民100,000人中13.0人であることを意味している。日本の18歳未満の子供たちにおける通常の甲状腺-癌腫の罹病率(発病者数)は住民100,000人中0.35人である。「それゆえに、福島における甲状腺癌症例数は憂慮すべきことだ」と、ローゼン博士は述べる。

2014年の4月から実施されることになっている集団スクリーニングの第2ラウンドが、実際の新症例数を決定することを初めて可能にすることになる。

更に、批判的コメントとして、ー 例えば、(1)固形腫瘍-白血病-リンパ腫のような他の悪性疾患、(2)白内障-内分泌疾患-心臓血管疾患のような非悪性の健康被害、(3)被曝した集団における遺伝的影響などの診察検査が適切に為されていないこと ー を付け加えておく。

以上

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座


甲状腺がん7人増え33人、疑い41人 福島健康調査
(2014.2.7 16:10 産経ニュース)

 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が7日、福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(昨年11月)の26人から7人増え33人になった。「がんの疑い」は41人(前回は32人)。

 「確定」と「疑い」に加え、手術の結果「良性」と判明した1人を含む計75人のうち24人について、原発事故が起きた平成23年3月11日から4カ月間の外部被曝(ひばく)線量も公表。1ミリシーベルト未満が15人、1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満が9人だった。

 甲状腺検査は、原発事故発生当時18歳以下の約37万人を対象に、1次検査でしこりの大きさなどを調査。軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが2次検査を受ける。


福島、「事故の影響考えにくい」 甲状腺がん
(2014/02/23 20:24 共同通信)

 東京電力福島第1原発事故の健康影響を議論する環境省や福島県立医大などが主催の国際研究会が23日、都内で3日間の日程を終え、これまで福島県で見つかった33人の甲状腺がんについて「放射線の影響は考えにくい」との結論をまとめた。

 研究会で、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、4~5年後から周辺の子どもたちの甲状腺がんが増加したことや、事故時に0~4歳の小さい子どもほどがんになるリスクが高かったと報告された。
2014/02/23 20:24 【共同通信】


福島の甲状腺がん「放射線影響考えにくい」 国際研究会
(2014/2/24 0:54 日本経済新聞)

 東京電力福島第1原発事故の健康影響を議論する環境省や福島県立医大などが主催の国際研究会が23日、都内で3日間の日程を終え、これまで福島県で見つかった33人の甲状腺がんについて「放射線の影響は考えにくい」との結論をまとめた。

 研究会では、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では4~5年後から周辺の子供たちの甲状腺がんが増加し、事故時0~4歳の小さい子供ほどがんになるリスクが高かったと報告された。

 福島の甲状腺がんは事故後3年以内の発見で、乳幼児のがん患者もいないことなどから、高性能の機器を使ったことで、これまでは見つけられなかった症状の無い患者を見つけた可能性が高いとした。

 福島県が事故後、県内の18歳以下を対象に実施している検査で、33人の甲状腺がんが見つかっている。〔共同〕


甲状腺がん新たに7人 福島県調査、計33人に
(2014/2/8 11:06 日本経済新聞)

 東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が8日までに福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した子供は前回(昨年11月)の26人から7人増え、33人になった。「がんの疑い」は41人(前回は32人)。

 検討委の星北斗座長はチェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの発症経過や、今回見つかったがんの種類、大きさなどから「現時点では放射線の影響は考えにくい」と述べた。がんの発見率がこれまで考えられていたよりも高いことについては「症状がない人も含めた未知の調査で、比較できない」と説明した。

 しこりの大きさなどを調べる1次検査で約25万4千人の結果が判明し、1796人が2次検査の対象となった。

 「確定」と「疑い」に、手術の結果「良性」と判明した1人を含む計75人のうち24人について、原発事故が起きた2011年3月11日から4カ月間の外部被ばく線量も公表。1ミリシーベルト未満が15人、1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満が9人だった。

 国立がん研究センターなどによると、10代の甲状腺がんは100万人に1~9人程度とされてきた。

 甲状腺検査は、原発事故発生当時18歳以下の全員、約37万人が対象。1次検査の結果で軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが2次検査を受ける。〔共同〕


<以下、参考資料>

福島の小児甲状腺癌、チェルノブイリや広島原爆を超える!発症率は事故前の100倍以上!人類未踏の領域に突入へ!


子の甲状腺がん、疑い含め59人 福島県は被曝影響否定
(2013年11月13日06時33分 朝日新聞)

 【野瀬輝彦、大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査で、福島県は12日、検査を受けた約22・6万人のうち、計59人で甲状腺がんやその疑いありと診断されたと発表した。8月時点より、検査人数は約3・3万人、患者は疑いも含め15人増えた。これまでのがん統計より発生率は高いが、検査の性質が異なることなどから県は「被曝(ひばく)の影響とは考えられない」としている。

 県は来春から、住民の不安にこたえるため、事故当時、胎児だった約2万5千人の甲状腺検査も始める。

 新たに甲状腺がんと診断されたのは8人、疑いありとされたのは7人。累計では、がんは26人、疑いが33人。がんや疑いありとされた計58人(1人の良性腫瘍〈しゅよう〉除く)の事故当時の年齢は6~18歳で平均は16・8歳。

 甲状腺がんはこれまでで10万人あたり12人に見つかった計算になる。宮城県など4県のがん統計では2007年、15~19歳で甲状腺がんが見つかったのは10万人あたり1・7人で、それよりかなり多い。ただし、健康な子ども全員が対象の福島の検査の結果と、一般的に小児は目立つ症状がないと診断されないがんの統計では単純比較できない。

 ただ、チェルノブイリでは、原発事故から4~5年たって甲状腺がんが発生しており、複数の専門医は「被曝から3年以内に発生する可能性は低い」と分析している。県は被曝の影響とは考えにくい根拠として、患者の年齢分布が、乳幼児に多かったチェルノブイリと違って通常の小児甲状腺がんと同じで、最近実施された被曝影響の無いロシアの子どもの検査でも4千~5千人に1人がんが見つかっていることなどを挙げている。


内部被曝2割過小評価か 事故直後の作業員 国連委指摘

 【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の直後に働いていた作業員の内部被曝(ひばく)について、国連科学委員会は、日本政府や東電は2割過小評価している可能性があると結論づけた。過小評価されていれば、事故直後に原発で作業していた数千人の一部には健康管理の検査対象から漏れている人もいるとみられ、東電は線量の評価の見直しが必要になる可能性がある。

 科学委員会は日本時間12日未明、国連総会第4委員会にこの結論を盛り込んだ報告書の概要を報告した。

 科学委員会は、日本政府や東電などからデータ提供を受けて、事故で放出された放射性物質の推計量や、2012年10月まで働いていた作業員約2万5千人の被曝線量などを分析した。

 この作業で、科学委員会は、(1)放射性ヨウ素による甲状腺被曝を調べる検査の開始が大幅に遅れた(2)作業員の線量評価で半減期が2時間、20時間と短い、ヨウ素132、133などを一切、考慮していない、ことを問題視した。その上で、放出された放射性物質ごとの量や被曝への影響を推計した結果、事故直後に働いていた作業員の線量は「約20%過小評価の可能性がある」と結論付けた。


福島の子どもの甲状腺がん、疑い含め44人に 16人増

 【大岩ゆり、野瀬輝彦】福島県は20日、東京電力福島第一原発事故の発生当時18歳以下だった子どものうち、44人が甲状腺がんやその疑いがあると診断されたと発表した。6月から16人増えた。県は「被曝(ひばく)の影響は考えられない」とした。ただし、県の検査や説明に対して県民の間に疑問や不安の声もあるため、県は、専門家による新たな部会を作り、検査に問題がないか検証することになった。

 6月以降に新たに診断された16人のうち、がんは6人、疑い例は10人だった。累計ではこれまでに結果が判明した約19万3千人のうち18人が甲状腺がん、25人が疑いありと診断された。1人は疑いがあったが良性だった。この44人は原発事故時に6~18歳。がんの直径は5・2~34・1ミリ。がんは進行のゆっくりしたタイプだった。

 事故後4カ月間の外部の全身被曝線量の推計調査を受けた人は44人のうち4割だけだが、全員2ミリシーベルト未満だった。

 チェルノブイリでは4?5年後から甲状腺がんが増えたほか、今回の44人は複数回の検査でがんやしこりの大きさがほとんど変わっていないため、県は「事故以前からできていたと考えられる」と分析した。

 しかし、県民の間には被曝影響に関する解釈や、検査の精度、情報公開のあり方などに批判がある。

 このため県は、検査に関与していない専門医らによる専門部会を新設して、これまでの検査結果の判定や、がんと診断された人の治療、事故による被曝の影響などを改めて検証する。事故当時18歳以下だった約36万人に対し生涯にわたり継続する甲状腺検査のあり方も改めて議論する。


子の健康調査「国の責任で」 市民団体が請願
(2013年6月8日 朝日新聞)から抜粋

 茨城県、千葉県北西部、埼玉県南東部に住む母親たちでつくる「放射能からこどもを守ろう関東ネット」(36団体、増田薫代表)は7日、子どもたちの健康調査を国の責任で行うよう求める請願書を衆参両院19人の国会議員に提出した。約7万3千人分の署名を添えた。

2014/01/31

現在、日本にある使用済み核燃料は1万7000トン以上

福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れたときに大惨事が起きると分かり、使用済み燃料が原発に留め置かれることに危機感をもつ原発立地地域の住民が増えてきている。

原発使用済み核燃料 中間貯蔵の明確化を
(2013年10月25日 河北新報)

 年内策定へ佳境に入った国のエネルギー基本計画の議論で、使用済み核燃料の中間貯蔵の明確な位置付けを求める声が出ている。背景には、原発に使用済み燃料を留め置かれる立地地域の不安がある。国は対策を協議する場を設ける方針だが、相手となる都道府県側の反応は鈍い。

原発使用済み核燃料の貯蔵状況 2013年現在

 「使用済み燃料を原発にとどめたまま議論はできない。電力消費地が中間貯蔵を担うべきだ
 16日、基本計画の方向性を話し合う総合資源エネルギー調査会の分科会で、西川一誠福井県知事が訴えた。西川氏は前日あった原子力政策の会合でも同じ意見を述べた。

 福井県は原発13基で3550トンの使用済み燃料を抱える。貯蔵限度を超えれば原発稼働が困難になる。その上、事故で燃料貯蔵プールを冷却できなくなった場合の危険性は福島第1原発事故で明らかになった

 電力供給に長年協力してきた立地地域は「使用済み燃料の貯蔵まで引き受ける義務はない」(西川氏)との思いがある。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、全国の原発の貯蔵量と容量は表の通り。柏崎刈羽などは約3年後に容量限度を超える恐れがある。

 むつ市に8月、中間貯蔵施設が完成したが、引き受け対象は出資者の東京電力と日本原子力発電のみ。使用済み燃料の扱いは、各地の原発で悩みの種だ。

 経産省は昨年11月、国と都道府県が対策を話し合う協議会を設ける方針を示したが、参加表明は福井、茨城の2県だけ。経産省は7月、協議会設置をあらためて発表したが、追加の参加はない。エネ庁は「時機を見て再要請したい」と話す。

 東北で原発が立地する宮城、福島、青森の3県も様子見が続く。

 福島県は「使用済み燃料の県外搬出を要望している。協議会に全く関わらないことにはならない」と説明。宮城県も「昨年は震災対応に手いっぱいで参加を見合わせた。協議会の趣旨には賛同している」と参加に含みを残す。

 青森県は全国の使用済み燃料を六ケ所村で受け入れている。再処理までの一時貯蔵だが、国は本年度、使用済み燃料の直接処分の研究開発に着手。先行きは不透明だ。県は「協議会の論点が分からないが、再処理の前提が崩れれば、使用済み燃料を各原発に返すだけだ」と強調する。

2013年10月25日金曜日


核のごみ満杯へ 打つ手なし 再処理技術や処分場も未定
(2013年9月24日 東京新聞 朝刊)

 原発再稼働をめぐる論議が高まる中、原発から出る放射線量の高い使用済み核燃料を貯蔵するスペースは既に満杯に近づきつつある。「核のごみ」が解決しないまま、原発を動かしてもいずれ行き詰まるのは明らかだ。(梅田歳晴)

 電気事業連合会などによると、国内にある使用済み燃料は2012年9月末時点で、少なくとも1万7000トン以上。電力会社は各原発の原子炉建屋内にある燃料プールでほとんどを貯蔵しているが、東京電力の福島第一、第二、柏崎刈羽、九州電力玄海、日本原子力発電東海第二でいずれも占有率が80%以上を占め、限界に近づいている。

 青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(再処理工場)にも容量3000トンの一時保管スペースがあるが、再処理事業の遅れで各原発から持ち込まれる使用済み燃料がたまる一方。今年9月の時点で貯蔵量は2945トンに達し、占有率は98%に達した。

 原発の燃料プールと六ケ所村の保管スペースを合計した貯蔵容量の73%が埋まり、原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になる計算だ。

 日本は、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを高速増殖炉で燃やす核燃料サイクルを原子力政策の要としているが、再処理は技術的なトラブルが相次ぎ、いまだに事業を開始していない。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)も1995年のナトリウム漏れ事故後ほとんど動いていない。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分では場所すら決まっておらず、使用済み核燃料が国内の貯蔵能力を上回れば、事実上、原発の運転が不可能になる。

 京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「再稼働すれば行き先のない核のごみは増え続けるばかりだ。全体のグランドデザインをしっかり考える人がいなかったのではないか。これ以上、原発を再稼働させるべきではない」と、核のごみを放置し、原発を増やし続けた国や電力会社の姿勢を批判している。


全国6割の原発・核燃料プールがあと数年で満杯、稼動不可に
(2012年9月4日 東京新聞)から抜粋

 全国の原発50基のうち約6割の33基が、数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、動かせなくなることが、各電力会社への取材で分かった。新たに中間貯蔵施設を造るには十年はかかり、使用済み核燃料を再処理しても、核のごみは減らず、再生される混合酸化物燃料(MOX燃料)は使う計画がない。原発の抱える深刻な問題がはっきりした。

 本紙は、原発を保有する九つの電力会社と日本原子力発電(原電)に、各原発のプールの空き容量のほか、1年(通常、原発の定期検査の間隔は十三カ月)ごとの核燃料交換の実績値を取材。そのデータから、各プールがあと何年で満杯になるかを計算した。

東京新聞:原発再稼動したら 核燃料プール 数年で満杯

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高レベル放射性廃棄物処分の国際的動向について
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図録原子力発電所の発電総出力と使用済み核燃料貯蔵量


ウィキペディアの「主な国の使用済み核燃料の保有量」には
日本は、2007年末時点19,000トンと記載されている。放射性廃棄物処分場「オンカロ」をつくっているフィンランドの使用済み核燃料は1600トンで、日本の8.4%しかない。

米国:61,000 カナダ:38,400 日本:19,000 フランス:13,500 ロシア:13,000 韓国:10,900 ドイツ:5,850 英国:5,850 スウェーデン:5,400 フィンランド:1,600
※単位 トン(07年末時点) このうち日本、フランス、ロシア、英国は再処理を実施している。[1]

(中村コメント)
日本以外の再処理を実施している国は、すべて核兵器を所有している。

2014/01/29

4号機 プールの核燃料取り出し 2ヵ月半で14.4% 

大きな地震がきて、冷却水が漏れたら大惨事になる4号機の冷却プールから核燃料を取り出す作業が続いていますが、この2ヵ月半で1533体の14.4%(220体)しか移動できていません。これまでの1日3体の移動ペースだと、残りの1313体の移動を終えるのに、あと400日以上かかります。

燃料取り出し 手順と課題
(2014年1月29日 NHK)から抜粋

東京電力福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料プールから燃料を取り出す作業が、去年11月から始まりました。40年にも及ぶとされる廃炉の工程の最初の大きな節目と位置づけられていますが、作業が着実に進められるかが課題となっています。

4号機燃料取り出し状況

1~4号機 今後の燃料取り出し開始スケジュール

◆小出裕章さんに聞く 
4号機 燃料プールの燃料棒取り出しは可能か!?(公開日: 2013/11/16)

    ↑
●このラジオ放送を書き起こしたもの(ラジオ放送日2013年11月8日)

(中村コメント)
4号機のプールに残っている1300体の取り出し中に大きな地震などがあって、冷却水が漏れた場合が恐ろしいのですが、そうなった場合、膨大な放射能が噴出して4号機に近づけなくなるのはもちろん、さらに心配なのは、4号機からわずか50メートルしか離れていない場所に、1号機から6号機の共用プールがあり、6375本もの使用済み燃料棒を冷やしていることです。

4号機プールに近づけなくなるときは、共用プールにも近づけなくなるため、そうなると、チェルノブイリの50倍ほどの放射性物質が放出される可能性があり、加えて1~3号機も手がつけられなくなる―という想像を絶する状況に陥ることになります。

この問題は、日本ではほとんど報道されていませんが、海外では報道しています。

◆海外の報道(TVニュース)2012/04/19 公開
フクシマ – チェルノブイリの85倍のセシウム放出も起り得る

(TheBigPictureRT さんが 2012/04/19 に公開)から抜粋
日本の破損した福島原発のもっと悪いニュースが来ました。先月(2012年)3/22の日本の参議院の予算委員会において、参考人として、元スイス大使・村田光平氏が警告しました。「福島原発4号機倒壊したら、世界が未だかつて経験したことのない地球規模の大災害になるでしょう。」

この報告については、元米国エネルギー省の関係者が、こう述べています。

4号機が倒壊した場合、その結果として、「もし地震や別の事故によって、この燃料プールから冷却水が無くなった場合、破滅的な放射能の火災と、チェルノブイリが放出した10倍の量のセシウム137が放出されるでしょう。」

そして、火災が福島原発で他の数千体の放射性の使用済み核燃料棒も燃焼した場合、その放射性物質拡散が、チェルノブイリ事故の85倍以上になる可能性があるのです。

核廃棄物の監視団体、ビヨンド・ニュークリアのケビン・カンプス氏に再びご出演頂きました。

まず最初に、使用済み核燃料についてですが、あなたは以前、未使用の核燃料は、使用済核燃料ほど危険でないとおっしゃってましたね。

そうですね。核燃料は原子炉に入りウラン原子が分裂し放射能が放出されます。
未使用の核燃料と比べ、百万倍以上の放射能があります。

放射性の未使用核燃料にもかかわらず、 それは有毒な重金属なのです。
非常に危険な物質であるが、実際は放射線スーツと手袋を付け、作業を手ですることができるのです。

炉心で放射能が出始めると、もし障壁が無く至近距離ならば、ほんの数秒でガンマ線の致死量を被曝するでしょう。ですから、非常に致命的な放射性物質が、 百万年間そこでずっと放射能を出し続けるのです。

つまり、ジェネラル・エレクトリック製の原子炉は、 すべて同様に設計され、3号機も4号機も、 最上階に使用済み核燃料を保管していますね。

はるかに致命的な使用済み核燃料が、最上階に保管され、4号機建物は爆発で吹き飛ばされ、建物は沈下し傾いています。

そこに放射性廃棄物のプールがあります。
この建物が崩壊したら、どうなるのですか?

それは間違いなく日本にとって、世界的な大惨事になります
すでに日本で起こったものよりも、更に莫大な放射能放出となり、非常に破壊的になるでしょう。

4号機核燃料プールで火災があれば、 プールの底は、完全に崩落するでしょう。
燃料プール底を崩落から維持しようとする為に、 鋼鉄のジャッキで持ち上げていますが、
核燃料火災があれば、数時間で直接、周辺にセシウム137を100パーセント放出するでしょう。

チェルノブイリと比較したら?

元米国エネルギー省のRobert Alvarez氏が述べています。
4号機の保管プール核燃料だけで、チェルノブイリが放出した10倍量のセシウム137が放出されるでしょう。」  

福島第一原発では、6つの原子炉建屋が炉心と6つの燃料プールを持ち、更に大容量の共有燃料プールもあります。7つの保管プール核燃料が燃焼したら、セシウム拡散量が、チェルノブイリの85倍になるでしょう

この共有プールには、使用済核燃料が最も多く保管されており、4号機から50メートルしか離れていません。もし、4号機プールで炎が上がる場合には、 そのエリアを放棄しなければなりません。なぜなら、致命的な放射能地区になるからです。 数秒または数分で致死量を被曝します。誰もそこに行くことができなくなり、そして、総ての燃料プールで 火災が起きるのを阻止することが出来なくなるのです。

<日本語訳:Jo2Rayden >

*関連記事:元スイス大使・村田光平氏が予算員会にて”もし核燃料保管プールに6,375体の燃料がある福島原発4号機が倒壊したら、総ての人が何世紀に渡り影響を受ける” “世界が未だかつて経験したことのない地球規模の大災害になるでしょう”

* 3.22参院予算委員会公聴会・午後 30:50ごろからの証言をご視聴ください

◆#福島 #4号機 倒壊したら日本は終焉!GE #Mark1 は時限爆弾 #Fukushim

<日本語訳↓: Jo2Rayden > (2012/05/18 に公開)から抜粋

日本の厄介なニュースです。いまだに多くの兆候がある福島原発危機は、依然として進行中です。東京湾から採取した汚泥サンプルで、放射性セシウム汚染は、昨年8月の計測値と比較し、13倍にいくつかの地域で増加していることが明らかになりました。環境省は、この放射線レベルは、人々にただちに影響はないと主張しています。しかし、汚染された魚の放射性物質は、食物連鎖していき、世界のレストランや食卓へと繋がって悪化していく可能性があるのです。一方、米国では、原子力規制当局が、原子力緊急事態に対して、それを緩和させる計画があると、 AP通信が伝えています。

原子力監視プロジェクトのビヨンド・ニュークリアー、Paul Gunter氏:
大変憂慮すべきことは、福島原発がチェルノブイリの85倍のセシウム放出の連鎖反応を-誘発することです。別の大地震があれば、それが連鎖反応を誘発する。4号機が倒壊し、136トンの核燃料が地上に落下し、火災が起るのです。それが、4号機の最上階にあるのです。つまりですね、5機の原子炉があり、とてつもない汚染となり対処不可能になる。

さらに、共有核燃料プールが有り、6つの核燃料プールも有り、それらが、4号機のすぐそばにあるのです。大量の核燃料が、いまも保管されているのです。

もし、4号機倒壊がその連鎖反応を誘発したら、文明の終焉になります。日本文明の終わりです。日本の元スイス大使・村田氏が、これについて根本的な警告をしています。国際的な努力をいま開始しなければなりません。国連の場に問題提起し、次の大地震により、4号機倒壊から始まるドミノ連鎖を防ぐことです。

<Q. どのような技術があり、彼らは何をしなければいけないのか?>
私たちは基本的に暗中模索しているのだと思いますね。
誰も実際に現時点ではわからないのです。しかし、はっきりと実証されていることは、最も関連性が高く、おそらく唯一の関連する防御策は予防であり、我々が原子力発電を終焉させなければならないという事なのです


以下は、原発事故が起こった2011年3月16日の記事

4号機、使用済み燃料損傷の恐れ 福島第1原発
(2011/03/16 01:26【共同通信】写真は西日本新聞)

西日本新聞:使用済み燃料 損傷恐れ 4号機 水位低下

 東京電力は15日午後、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールの水が沸騰し、水位が低下している可能性があることを明らかにした。建物の壊れた穴を通じて注水することを検討している。毒性が強いプルトニウムが大量に含まれる使用済み核燃料が損傷し、極めて強い放射性物質が外に拡散する危険性があり、政府、東電は早急な対応を迫られている。

 また、1~4号機の中央制御室の放射線量が高すぎるため運転員が常駐できず、離れた緊急時対策本部に退避。電源喪失のため、必要な運転データを同本部では取得できず、定期的に制御室に戻ってデータを取得しているとしている。原発管理の中枢部に人がおらず、現状把握に困難が生じてる事態が明らかになった。

 4号機では、同日朝に使用済み核燃料に関係する水素爆発の可能性がある火災が発生し、建屋の壁に8メートル四方の穴が二つあき、爆発による被害の大きさをうかがわせた。

 東電によると、地震の影響で使用済み核燃料プールの冷却機能が停止。通常40~50度の水温が、14日午前4時すぎに84度まで上昇していた。地震発生時に4号機と同様に定期検査で停止していた5、6号機のプールの水温も若干上昇しているとしている。

 枝野幸男官房長官は、4号機について「高濃度の放射性物質は継続的に出ていない可能性がある」と述べた。東電によると、3号機付近で15日午前に測定された毎時400ミリシーベルトの高い放射線量は、15日に爆発した隣接する4号機の建物の残骸が影響した可能性があるという。

 経産省原子力安全・保安院によると、炉心の冷却機能の喪失などで緊急事態が続いている同原発1~3号機では、原子炉への海水の注入を継続。しかし約4メートルの核燃料が半分程度、水面から露出しているという。枝野長官は、1、3号機への注水は安定しているが、2号機には懸念があるとの見解を示した。

 同原発正門では、放射線量が15日午前9時に毎時1万1930マイクロシーベルトまで上昇したが、午後2時には同928マイクロシーベルトで、下降傾向となった。

写真:
福島県二本松市で、放射線量の検査を受ける赤ちゃん=15日午後1時31分

2011/03/16 01:26 【共同通信】

◆(中村コメント)
4号機プールにあった1533体が136トンだと言われていますが、日本には現在1万7285トンもの使用済み核燃料があり、4号機プールの127倍(17285÷136)の使用済み核燃料があるということになります。(ウィキペディアの「主な国の使用済み核燃料の保有量」には、日本は2007年末時点19,000トンと記載されている)

米国では、ユッカマウンテンの処分施設(2011年時点で計画凍結)の管理期間を100万年としていました。私たちは、100万年もの間、子どもたちや未来世代に大量の放射性毒物を残すことになります。
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ユッカマウンテン放射性廃棄物処分場(英版、ネバダ州)は、当初は1998年に操業開始の計画だったが、地元の強い反対などで大幅に遅れ、2002年に建設地が正式決定された。NRCは予備審査を経て、3年以上かけて正式審査に入る。廃棄物の受け入れを始めるのは早くても2020年ごろの予定であった。米国環境保護庁(EPA)は2001年6月にユッカマウンテンの処分場の管理期間を一万年とすると発表したが直後から原子力・環境団体とネバダ州政府がEPAの規定を巡り法廷闘争に入った。2004年6月に連邦高裁はEPAの基準は米国科学アカデミーの勧告と矛盾しており1万年は短すぎると判断した。2009年2月に判決に基づきEPAでは管理期間を100万年に変更した[11]。ユッカマウンテンに計画中の処分場は100万年後までの安全を考慮して審査される。

同処分場は、原子力発電所から出る使用済み核燃料などの高レベル廃棄物7万トンの容量を予定していた。2008年3月、米エネルギー省が、米原子力規制委員会(NRC)に建築認可を申請。建設予定地は、ラスベガスの北西約140キロの砂漠地帯である。しかし、2011年4月に第44代大統領バラク・オバマは施設開発予算を凍結した[12]。
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原発を再稼動させるということは、子々孫々の重荷となる毒物を更に増やすことになります

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