2014/03/09

大江氏「政府宣伝だまされるな」 脱原発集会で訴え

大江氏「政府宣伝だまされるな」 脱原発集会で訴え
(2014/03/08 17:49 共同通信)

大江健三郎 「政府宣伝だまされるな」 脱原発集会で訴え

 脱原発を求める集会であいさつする大江健三郎さん=8日午後、福島県郡山市

 東京電力福島第1原発事故から3年となるのを前に、脱原発を求める集会「原発のない福島を!」が8日、福島県内3カ所で開かれ、計約5300人(主催者発表)が参加した。

 郡山市の集会では、作家の大江健三郎さんが「政府の『原発を再稼働しても恐ろしいことは起こらない』という宣伝は、戦争中に『戦争で悲惨なことにはならない』とだましたことと同じだ。次にだまされてしまえば、私たちの未来はない」と訴えた。
2014/03/08 17:49 【共同通信】

2014/03/08

「20ミリ以下は安全」と 帰還をすすめる今、思い出したいこと

福島原発事故で避難している住民の帰還に向け、原子力規制委員会が、年間の被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないという見解を出し、帰還をすすめている今、思い出したいことがある。

20ミリ以下、大きな影響なし 規制委、住民帰還で提言へ
 (2013/11/08 共同通信)写真は福島民報

福島民報:20ミリ以下、健康影響なし


日赤、被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、退避

日赤、原子力災害時に救護指針「累積被曝1ミリまで」
 (2013年6月16日 朝日新聞)から抜粋

 日本赤十字社が、原子力災害時の医療救護の活動指針を作った。住民の立ち入りが制限される警戒区域内には入らず、累積被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルトを超えない範囲で活動すると決めた。1ミリは一般住民の平常時の年間限度。これに対し、被曝医療の専門家から「被災者への救護、対応が十分にできない」と見直しを求める声が出ている。

 日赤は法律により、災害時の被災者の救護が業務の一つと定められている。医師1人、看護師3人、運転手1人、事務職員1人が1組の救護班を全国に500組以上、組織している。

 東日本大震災では延べ900組の救護班が被災地に入ったが、当初、原子力災害への備えがなく、東京電力福島第一原発事故直後の福島県内では、救護班がいない「空白期間」が生じた。その反省から、原子力災害の活動指針を作ったという。救護班は線量計や安定ヨウ素剤を携行し、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、安全な地域に退避するとした。


福島の帰還基準、避難者増を恐れて強化せず 民主政権時
(2013年5月25日 朝日新聞)から抜粋

 福島第一原発の事故で避難した住民が自宅に戻ることができる放射線量「年20ミリシーベルト以下」の帰還基準について、政府が住民の安全をより重視して「年5ミリシーベルト以下」に強化する案を検討したものの、避難者が増えることを懸念して見送っていたことが、朝日新聞が入手した閣僚会合の議事概要や出席者の証言で明らかになった。

 民主党政権が2011年12月、三つの避難区域に再編する方針を決め、安倍政権も継承。再編は今月中に川俣町を除く10市町村で完了し、20ミリ以下の地域で帰還準備が本格化する。避難対象や賠償額を左右する基準が安全面だけでなく避難者数にも配慮して作られていた形で、議論が再燃する可能性がある。

原発避難区域と5ミリシーベルト地帯

 5ミリ案が提起されたのは 11年10月17日、民主党政権の細野原発相、枝野経済産業相、平野達男復興相らが 区域再編を協議した非公式会合。 議事概要によると、事故当初の避難基準 20ミリと 除染目標1ミリの開きが大きいことが議論となり、細野氏が「多くの医者と話をする中でも 5ミリシーベルトの上と下で感触が違う」と5ミリ案を主張した。

 チェルノブイリ事故では 5年後に 5ミリの基準で住民を移住させた。 年換算で 5.2ミリ超の地域は 放射線管理区域に指定され、原発労働者が同量の被曝で白血病の労災認定をされたこともある。 関係閣僚は「5ミリシーベルト辺りで 何らかの基準を設定して区別して取り組めないか検討にチャレンジする」方針で一致した。

 ところが、藤村修官房長官や川端達夫総務相らが加わった10月28日の会合で「住民の不安に応えるため 20ミリシーベルト以外の線引きを考えると、避難区域の設定や自主避難の扱いに影響を及ぼす」と慎重論が相次いだ。 5ミリ案では、福島市や郡山市などの一部が含まれ、避難者が増えることへの懸念が政府内に広がっていたことを示すものだ。

 11月4日の会合で「1ミリシーベルトと20ミリシーベルトの間に明確な線を引くことは困難」として 20ミリ案を内定。出席者は「20ミリ案は甘く、1ミリ案は 県民が全面撤退になるため、5ミリ案を検討したが、避難者が増えるとの議論があり、固まらなかった」と証言し、別の出席者は「賠償額の増加も見送りの背景にある」と語った。

 当時、5ミリシーベルト/年 地帯は、福島県内の13%に当る 1778km2。 地元自治体は、避難区域が拡大して、人口流出や風評被害が広がることを懸念していた。会合に出席していた閣僚の一人は、「5ミリ案では人口が減り、県がやっていけなくなることに加え、避難者が増えて賠償額が膨らむことへの懸念があった」と証言した。

 安倍政権もこの立場を踏襲しており、改めて 説明を迫られそうだ。


福島第1原発:内閣官房参与、抗議の辞任
(2011年4月29日 毎日新聞)

 内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(61)=放射線安全学=は29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古氏は国会内で記者会見し、東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシーベルトを基準に決めたことに「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。同氏は東日本大震災発生後の3月16日に任命された。

 小佐古氏は、学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と主張した。

 小佐古氏はまた、政府の原子力防災指針で「緊急事態の発生直後から速やかに開始されるべきもの」とされた「緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)」による影響予測がすぐに運用・公表されなかったことなどを指摘。「法律を軽視してその場限りの対応を行い、事態収束を遅らせている」と述べた。

小佐古敏荘「小学生に20ミリSvは 私には許すことができません」

小佐古敏荘「私も除染作業しますが、一番高くて1ミリSv」

原発で働く8万4000人は(年間積算放射線量)平均1.5ミリSv

小佐古敏荘「20ミリSvはとんでもなく高い数字です」

小佐古敏荘「それを私が参与として容認したら」

小佐古敏荘「私の学者生命は終わりですよ」

小佐古敏荘「自分の子どもをそういう目にあわせるのは絶対にいやですよ」


官房参与が辞任・記者会見資料を全文掲載します
内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明) 
(2011年4月29日 NHKかぶんブログ)から抜粋

平成23年4月29日 内閣官房参与 小佐古敏荘

 平成23年3月16日、私、小佐古敏荘は内閣官房参与に任ぜられ、原子力災害の収束に向けての活動を当日から開始いたしました。

 私の任務は「総理に情報提供や助言」を行うことでありました。政府の行っている活動と重複することを避けるため、原子力災害対策本部、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、文部科学省他の活動を逐次レビューし、それらの活動の足りざる部分、不適当と考えられる部分があれば、それに対して情報を提供し、さらに提言という形で助言を行って参りました。

 特に、原子力災害対策は「原子力プラントに係わる部分」、「環境、放射線、住民に係わる部分」に分かれますので、私、小佐古は、主として「環境、放射線、住民に係わる部分」といった『放射線防護』を中心とした部分を中心にカバーして参りました。

 ただ、まだ対策が講じられていない提言もあります。とりわけ、次に述べる、「法と正義に則り行われるべきこと」、「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」の点では考えていることがいくつもあります。今後、政府の対策の内のいくつかのものについては、迅速な見直しおよび正しい対策の実施がなされるよう望むところです。

1.原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい

 この1ヶ月半、様々な「提言」をしてまいりましたが、その中でも、とりわけ思いますのは、「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。

 しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせているように見えます。
 
 とりわけ原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるように見受けました。例えば、住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。また、公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。

 初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。

 また、文部科学省においても、放射線規制室および放射線審議会における判断と指示には法手順を軽視しているのではと思わせるものがあります。例えば、放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」ですが、この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40~50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。放射線審議会での決定事項をふまえないこの行政上の手続き無視は、根本からただす必要があります。500mSvより低いからいい等の理由から極めて短時間にメールで審議、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じます。重ねて、この種の何年も議論になった重要事項をその決定事項とは違う趣旨で、「妥当」と判断するのもおかしいと思います。放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、明らかにされるべきでありましょう。この点、強く進言いたします。

2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい

 緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。

 今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。

 また、今回の福島の原子力災害に関して国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪日し、4回の調査報告会等が行われているが、そのまとめの報告会開催の情報は、外務省から官邸に連絡が入っていなかった。まさにこれは、国際関係軽視、IAEA軽視ではなかったかと思います。また核物質計量管理、核査察や核物質防護の観点からもIAEAと今回の事故に際して早期から、連携強化を図る必要があるが、これについて、その時点では官邸および行政機関は気付いておらず、原子力外交の機能不全ともいえる。国際常識ある原子力安全行政の復活を強く求めるものである。

以上

2014/03/06

原発停止で温排水も止まって 周辺の海洋環境が劇的に改善

原発長期停止で“海の環境変化”
(2014年3月5日 20時11分 RKBニュース)から抜粋

玄海原発周辺の海 長期停止で環境変化

■佐賀県玄海町の玄海原子力発電所が4基すべて運転を停止してから2年以上が経ちました。

■1号機が運転を開始してからおよそ39年、これまでに前例のない長期間の停止によって、周辺の海である変化が起きていました。

この映像は今から8年前、2006年2月28日に、玄界灘で撮影されたものです。

玄海原発では1975年に1号機が運転を開始してから、ほぼ連続して原発が動いてきました。

ところが、東日本大震災後の2011年12月に、4号機が定期点検に入って以降、4基すべてが2年以上にわたって停止したままです。

なぜ海はこれほど変化したのでしょう?

その原因として考えられるのが、原発から出される暖められた海水、『温排水』です。

原子力発電所は、タービンを回す蒸気を、海からくみ上げた水で冷やします。

暖められた海水は『温排水』として再び海に戻されます。

原発からは最大で7度まで、周囲より高い温度の水を出すことが認められています。

その量は、岩につかまらないとダイバーが流されてしまうほどだったということです。

大量の温排水で海が温められたため、南方系の魚が冬も生き残っていたのです。

原発停止後の変化は、魚だけではありません。

●今林記者・水中リポート
「この四角のコンクリートブロックは原発が動いている時は、全く海藻が生えていませんでしたが、今は一面びっしりと海藻に覆われています」

同じく今から8年前の映像です。

原発稼働中は、ほとんど海藻は生えておらず、岩がむき出しの状態でした。

ところが、現在はいたるところにアラメやクロメなど、コンブの仲間が生えていました。

同じ場所で比べてみると違いは一目瞭然です。

原発周辺の海で変化が起きているのは、玄海だけではありません。

京都大学の益田准教授は2004年から若狭湾で潜水調査を続けています。

益田准教授は、原発停止直後の海の劇的な変化に、目を見張ったといいます。

●京都大学舞鶴怜治水産実験所・益田玲爾准教授
「予想よりはるかに急激でしたね。南方系の生き物がたちどころにいなくなって、それで本来の若狭湾の生き物が戻ってきたということですね」

若狭湾沿岸にはあわせて14基もの原発が集中しています。

益田准教授は、そのひとつ高浜原発からおよそ2キロの地点で調査を続けています。

益田准教授によりますと温排水によってこの地点では周辺海域と比べ水温がおよそ2度高くなっていました。

この2度が冬場、生き物の生死を分けていたのです。

●京都大学・益田准教授
「水の中では、陸上よりもはるかに熱が伝わりやすいということがあるんですね。ですから、水中の2度の違いというのは、魚にとって非常に大きな違いになります。人間が陸上で2度というのはどうにでも調節できますが、魚にとっての2度というのは、調節がきかないエリアになってしまいがちなんです」

温排水は火力発電所からも出ますが、益田准教授の調査では近隣の火力発電所では大きな変化は起きていませんでした。

原発の運転が海の生態系に大きな影響を与えているのは明らかだと益田准教授は話します。

福井県・若狭湾の原発停止で北方系の魚介類が戻ってきた
(日刊SPA 2013/12/20)

現在、日本で稼働している原発は1基もない。これまで、原発を冷やすために取り込んだ海水が温められ、海に放出され続けてきた。ところがこの「温排水」が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという! 原発停止によって(良い意味で)激変した各地の海の状況をリポートする。

<福井県・若狭湾の原発> 

温排水停止で、減少していた北方系の魚介類が戻ってきた

高浜原発
             高浜原発

 原発の温排水が海の生態系に与える影響について、実際に海に潜って調査している研究者がいる。京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾所長は、’04年以降、毎年1月下旬~3月上旬に高浜原発の放水口から北東約2kmの「音海」という海域に生息する魚介を定点観測してきた。益田所長は「温排水による生態系への影響は明らか」と語る。

「’04~’11年にかけて、原発から2kmの地点の水温が、湾内外の他の海域より2℃高くなっていました。水中では熱が伝わりやすいため、2℃というのは魚介類にとって大きな違いなのです。熱帯・亜熱帯の南方系の魚介類が生活できるギリギリの温度は11℃なのですが、原発の温排水で、春や夏に来た南方系の魚介類が冬を越せるようになっていました。本来いるはずのない生物が繁殖することで大きな混乱が起きていました」

 ところが、温排水が止まったことで、元の健全な生態系が音海の海に戻りつつあるという。

「例えば、ガンガゼという南方系の毒ウニが大量発生していたのですが、温排水が止まったことで死滅。地元特産のおいしいアカウニやムラサキウニはガンガゼとの競合で追いやられていましたが、再び姿を見せるようになりました。同様に、地元特産で食用のマナマコも、南方系のトラフナマコが水温低下で減少すると、また数を増やし始めています」

 温排水の停止の好ましい影響の中でも、特に喜ばしいのは海藻の復活だろう。

若狭湾 原発地図

「海の生態系で非常に重要なのは、浅瀬に生い茂る海藻。さまざまな魚介類の餌である生物が棲むエサ場であり、稚魚が育つ棲み処でもあります。アワビやサザエなどの貝類も海藻を餌としています。温排水が放出されていた頃は、『磯焼け』といって海藻が壊滅した状態でした。海水温の変化による直接的なダメージに加え、本来冬場の音海にはいないはずのアイゴという海藻を食べる魚が温排水の影響で一年中いるようになり、海藻が食い荒らされてしまったのです。

 しかし、温排水の放出が止まった途端に海藻が復活し、アミなどの動物プランクトンも一緒に戻ってきました。以前は姿をまったく見なかった、ヒラメの稚魚が姿を見せるようになったことも良い傾向です。若狭湾の特産物で、煮付けにするとおいしいメバルも戻ってきました。基本的に、南方系の魚よりも、もともといた北方系の魚のほうが、商品として高く売れるので、地元の漁師さんにとっても、温排水がないほうがいいといえるのではないでしょうか」

― 原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート【1】 ―

原発停止で周辺の海洋環境が劇的に改善
(日刊SPA 2013.11.26 ニュース)

 現在、日本で稼働している原発は1基もない。

 そのため、稼働中に海に放出され続けてきた原発から出る温排水が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという声が各地から挙がっている。

◆鹿児島川内原発の場合……

川内原発周辺の海岸に打ち上げられたウミガメの死体
             ウミガメ

川内原発周辺の海岸に打ち上げられたウミガメの死体

 鹿児島県にある川内原発の近くで海岸の清掃ボランティアやウミガメ監視員を務める中野行男さんは、10年ほど前から月に20日以上、川内原発の南海岸を歩き続けてきた。

「これまで、季節によっては毎日のようにサメやエイ、ダツなどの大型魚類や、クジラ、イルカなどの海生哺乳類、ウミガメなどの死体が海岸に漂着していました。原発ができる前は、こんなことは全然ありませんでした」(中野さん)

 サメの死体が1日で4体もうち上げられたこともあったそうだ。

「それが、川内原発が停止した’11年9月以降、これらの死体漂着は一切なくなったのです」

 また、この近辺ではウミガメの異常行動がよく確認されていた。

「例えば、通常のウミガメは満潮の夜に産卵のため岸に上がりますが、昼間や干潮時に産卵に来るケースがしばしば報告されていました。ところが、現在では産卵は順調に行われています」

 週刊SPA!11/26発売号「原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート」では、他にも、原発が止まったことによって取水口に取り込まれる魚が減ったり、海水温が下がったために外来種が減り、漁業にも好影響が出ていることを報じている。また、福井県の若狭湾周辺の原発、北海道の泊原発周辺地域での(よい意味での)激変をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>


上関原発建設計画:温排水の影響を懸念
(2010/05/20 風の便り)から抜粋

世界有数の漁場だった瀬戸内海が埋め立てや海洋汚染によって、生態系が破壊されてるなか、今も豊かな自然が残っている周防灘という海域(山口、福岡、大分の3県にまたがる海域)があり、絶滅危惧種や希少な生物がたくさん棲息しています。

そこに上関原発が建てられようとしており、その計画に28年前から反対し続けている人々(祝島や長島の自然を守る会など)がいます。

ここを破壊してしまったら、瀬戸内海の再生は不可能になるだろうと多くの学者が指摘している重要な地域を、生物多様性国際会議を開く主催国が破壊しようとしているわけです。

原発は、過熱した炉心を冷やすために大量の海水を吸いあげて、7~7.3℃熱くなった海水(温排水)を海に放出しますが、その量が恐ろしく多量です。

平均的な規模(100万キロワット)の原発1基で1秒間に70トンも温排水を海に放出します。上関原発は、137万キロワットを2基建設するために、1秒間に190トンもの温排水を海に放出します。

現在、日本にある54基の原発全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン。日本全土に降る雨の量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トン。

つまり原発は、日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。

それに加えて、上関原発や各地で増設される原発からの温排水が上乗せされようとしています。

また、海水を冷却水として吸い上げる際にプランクトンや魚卵、そして、稚魚なども大量に吸い込み、原発の高熱でその多くが死んでしまいます。

問題はこれだけでなく、吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダ)が使用され、海洋を汚染しています。

海の小さないのちを吸い上げて殺し、殺生物剤で殺し、膨大な温排水を海に捨てながら「地球温暖化防止のために」原発を増やす現代人に対し、海に暮らしている生きものたちは、どう感じているのでしょう。

まさに今、私たちは「生きものの声を聞く」必要があるでしょう。

上関原発建設計画:温排水の影響を懸念 広島で環境考えるシンポ /山口

 中国電力の上関原発建設予定地(上関町)周辺の慎重な環境評価を国や中電に求めてきた日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会によるシンポジウムが10日、広島市中区の広島国際会議場であった。学者らは集まった約500人に対し、建設地の生物の多様性の貴重さと、原発建設による影響調査の必要性を強く訴えた。

 学者らの一番の懸念は原発から出る温排水。原発周辺海域の温度が上がり、希少生物や魚類の生息環境が変わってしまう恐れが強いという。また、京都大大学院の加藤真教授(生態学)は、冷却水として海水を取り入れる際に投入される殺生物剤、次亜塩素酸ソーダの危険性を指摘した。

 建設地周辺では天然記念物の鳥、カンムリウミスズメも生息している。上関地域周辺での生息を初めて発見した九州大大学院の飯田知彦研究員は、上関の海の豊かさを強調。魚の卵や稚魚、イカの子どもといった浮遊生物が冷却水として原発に取り込まれて加熱されることで多くが死ぬことが予想されることから、食物連鎖への影響を懸念した。【矢追健介】

2014/03/02

原発事故から3年、核心部分でさえ未解明が多い

原発事故 核心部分でさえ未解明多く
(2014年02月26日 NHKかぶん)

NHK:原発事故まもなく3年 核心未解明も多く

福島第一原子力発電所の事故は3基の原子炉でメルトダウンが起きるという世界に例のない事故だけに、全容の解明は極めて難しい課題です。

原子炉を冷やせなくなり、核燃料が溶け落ち、放射性物質の大量放出に至った事故の経過は、これまでの調査である程度明らかになってきました。しかし、何がメルトダウンを決定づけたのかや大量の放射性物質はどこから、どのように放出されたのかなど、事故の核心部分でさえ、3年たった今も未解明の問題が多く残されています。

福島第一原発の事故を巡っては、当事者の東京電力のほか、政府や国会、それに民間の有識者などが調査や検証を行う委員会をつくり、事故の経過や取られた対応を調べてきました。

これまでに、1号機では、津波で電源が失われ計器類の確認ができないなか、発電所の対策本部が「非常用復水器」と呼ばれる電源がなくても動く冷却装置が正常に作動していると誤って認識していたことが明らかになり、原子炉の冷却の遅れにつながったと考えられています。

また事故後しばらくの間、非常用の冷却装置が動いていた2号機と3号機でも、その後、消防車などによる注水に切り替えて原子炉を冷やそうとした際、十分に水が入るよう原子炉の圧力を下げる装置が機能せず、作業に手間取ったり、水が配管の抜け道から漏れたりして冷却が遅れたことが明らかになっています。

事故核心部分に多い未解明の問題

その一方で、今も解明されていない問題も多くあります。3号機での注水の切り替えを巡っては、原子炉の圧力を下げる装置がすぐに機能しなかった原因までは特定できていません。2号機では、冷却が遅れ危機的な状況を迎えた3月14日の夜から15日にかけて、格納容器が壊れないよう高まった圧力を下げる「ベント」という操作が急務になりましたが、ここでも作業に手間取りました。

これはその後の放射性物質の大量放出につながったとみられていますが、何がベントの操作を妨げていたのか、現場でどのような対応がとられていたのか詳しい状況は明らかになっていません。また放射性物質は2号機と3号機からより多く放出されたとみられていますが、原子炉や格納容器のどこが壊れ、いつ、どのような経緯で放出されたのか、詳しい状況は解明されていません。

こうした問題は、廃炉の重要な工程となる溶け落ちた燃料の取り出しにも関わります。原子炉周辺は高い放射線量の影響で、人が近づいて確認することができないため、東京電力は原子炉や溶け落ちた燃料の状態をコンピュータで解析していますが、つじつまの合わない解析結果が出るなど、結論は出ていません。

事故から3年がたった今も原子炉の冷却の状況や放射性物質の放出に至る経緯など事故の核心部分には未解明の問題が多く残され、東京電力は引き続き検証を続けるとしています。

2014/02/27

福島 子どもの甲状腺がん 7人増え33人、疑い41人 

IPPNWドイツ支部:「システマティックに核災害の結果を過小評価」
(2014年 2月 21日 ちきゅう座)

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部 グローガー理恵 
意図的な過少評価

<グローガー理恵:ドイツ在住>

IPPNWは、この記事の中で、当局によって汚染区域に設置された放射線モニタリング・ポストの殆どが実際の線量よりもはるかに低い線量を表示していることや健康管理当局が被災者の健康被害を故意に過小評価しようとしている、いわゆる「システマティックな核災害結果の過小評価」を暴露しています。

なお、この記事を和訳することの快諾をIPPNWドイツ支部のプレス担当者、ヴィルメン氏から得ることができましたことをお伝えしておきます。
原文(独語)へのリンクです。

IPPNWプレス・リリース 2014年 2月 17日

システマティックに核災害の結果を過小評価 

原子力大災害後の日本で生きること

(和訳:グローガー理恵)

原子力大災害から3年経っても、やはり日本当局の秘匿、もみ消し、否定が続いている。しかも、不都合な事実の秘密保持が、新制定された日本国家秘密保護法によって、更に容易くなり(秘密保持できる)範囲が広まった。もみ消しは既に、当局設置の放射線モニタリング・ポストで始まっている。

彼らは環境放射線量をシステマティックに縮小表示しているのである。「3,141ある当局設置の放射線モニタリング・ポストの80パーセント以上が低すぎる局所線量を表示していて、実際の放射線量の半分から3分の2までの量だけしか表示していないことが度々ある」と、環境ジャーナリストのアレクサンダー・ノイロイター(Alexander Neureuter)氏は、彼のフクシマ地域での調査について報告している。一方、日本の環境省は放射線測定装置が構造上の欠陥を示していることを認めた。: 装置の測定センサの周りに、間断なく電力を供給するための鉛の蓄電池が設置されたのだった。しかし、鉛は最も放射線遮断性のある物質なのである。

それに加えて、放射線による健康被害がシステマティックに過小評価されている。原発事故当時、福島県に住んでいた18歳未満の子供たちや青少年たち360,000人全員が甲状腺検査を受けている。しかし、診察担当の医師達は、病歴、触診、超音波検査を含めた全ての診察を、たったの3分以内に行うようにと指示されていたのである。このような時間制限は、綿密な診察検査をする上で、全く現実に即していないことである。

検査結果は詳細に解説されておらず、診察結果や超音波画像、または医師のコメントなどのような診断証書が両親に渡されることは全くない。他の医師のセコンドオピニオンを求めることが予め考慮に入れられているようなことはなく、しかも、開業医達は被災した子供たちの診察検査を行わないようにと文書で指図されていたのである。この次の超音波検査(再検査)は、一定の順番間隔により2年後にやっと実現されることになる。「結節の検出と次の再検査の間の期間が2年間だというのは余りにも長すぎる」と、アレックス・ローゼン博士(Alex Rosen-IPPNW)は断言する。

2014年2月7日、日本で、現時点における甲状腺検査のデータが公表された。2013年 12月 31日までに269,354人の子供および青少年が検査を受けた。: 受診者の47パーセントに甲状腺結節と甲状腺嚢胞が検出された。33人の子供達が甲状腺癌に罹っていることが確認され、さらに41人に悪性疑いがある。このことは、有病率 (検査時点の疾患数)が、住民100,000人中13.0人であることを意味している。日本の18歳未満の子供たちにおける通常の甲状腺-癌腫の罹病率(発病者数)は住民100,000人中0.35人である。「それゆえに、福島における甲状腺癌症例数は憂慮すべきことだ」と、ローゼン博士は述べる。

2014年の4月から実施されることになっている集団スクリーニングの第2ラウンドが、実際の新症例数を決定することを初めて可能にすることになる。

更に、批判的コメントとして、ー 例えば、(1)固形腫瘍-白血病-リンパ腫のような他の悪性疾患、(2)白内障-内分泌疾患-心臓血管疾患のような非悪性の健康被害、(3)被曝した集団における遺伝的影響などの診察検査が適切に為されていないこと ー を付け加えておく。

以上

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座


甲状腺がん7人増え33人、疑い41人 福島健康調査
(2014.2.7 16:10 産経ニュース)

 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が7日、福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した子どもは前回(昨年11月)の26人から7人増え33人になった。「がんの疑い」は41人(前回は32人)。

 「確定」と「疑い」に加え、手術の結果「良性」と判明した1人を含む計75人のうち24人について、原発事故が起きた平成23年3月11日から4カ月間の外部被曝(ひばく)線量も公表。1ミリシーベルト未満が15人、1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満が9人だった。

 甲状腺検査は、原発事故発生当時18歳以下の約37万人を対象に、1次検査でしこりの大きさなどを調査。軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが2次検査を受ける。


福島、「事故の影響考えにくい」 甲状腺がん
(2014/02/23 20:24 共同通信)

 東京電力福島第1原発事故の健康影響を議論する環境省や福島県立医大などが主催の国際研究会が23日、都内で3日間の日程を終え、これまで福島県で見つかった33人の甲状腺がんについて「放射線の影響は考えにくい」との結論をまとめた。

 研究会で、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、4~5年後から周辺の子どもたちの甲状腺がんが増加したことや、事故時に0~4歳の小さい子どもほどがんになるリスクが高かったと報告された。
2014/02/23 20:24 【共同通信】


福島の甲状腺がん「放射線影響考えにくい」 国際研究会
(2014/2/24 0:54 日本経済新聞)

 東京電力福島第1原発事故の健康影響を議論する環境省や福島県立医大などが主催の国際研究会が23日、都内で3日間の日程を終え、これまで福島県で見つかった33人の甲状腺がんについて「放射線の影響は考えにくい」との結論をまとめた。

 研究会では、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では4~5年後から周辺の子供たちの甲状腺がんが増加し、事故時0~4歳の小さい子供ほどがんになるリスクが高かったと報告された。

 福島の甲状腺がんは事故後3年以内の発見で、乳幼児のがん患者もいないことなどから、高性能の機器を使ったことで、これまでは見つけられなかった症状の無い患者を見つけた可能性が高いとした。

 福島県が事故後、県内の18歳以下を対象に実施している検査で、33人の甲状腺がんが見つかっている。〔共同〕


甲状腺がん新たに7人 福島県調査、計33人に
(2014/2/8 11:06 日本経済新聞)

 東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が8日までに福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した子供は前回(昨年11月)の26人から7人増え、33人になった。「がんの疑い」は41人(前回は32人)。

 検討委の星北斗座長はチェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの発症経過や、今回見つかったがんの種類、大きさなどから「現時点では放射線の影響は考えにくい」と述べた。がんの発見率がこれまで考えられていたよりも高いことについては「症状がない人も含めた未知の調査で、比較できない」と説明した。

 しこりの大きさなどを調べる1次検査で約25万4千人の結果が判明し、1796人が2次検査の対象となった。

 「確定」と「疑い」に、手術の結果「良性」と判明した1人を含む計75人のうち24人について、原発事故が起きた2011年3月11日から4カ月間の外部被ばく線量も公表。1ミリシーベルト未満が15人、1ミリシーベルト以上2ミリシーベルト未満が9人だった。

 国立がん研究センターなどによると、10代の甲状腺がんは100万人に1~9人程度とされてきた。

 甲状腺検査は、原発事故発生当時18歳以下の全員、約37万人が対象。1次検査の結果で軽い方から「A1」「A2」「B」「C」と判定し、BとCが2次検査を受ける。〔共同〕


<以下、参考資料>

福島の小児甲状腺癌、チェルノブイリや広島原爆を超える!発症率は事故前の100倍以上!人類未踏の領域に突入へ!


子の甲状腺がん、疑い含め59人 福島県は被曝影響否定
(2013年11月13日06時33分 朝日新聞)

 【野瀬輝彦、大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の発生当時に18歳以下だった子どもの甲状腺検査で、福島県は12日、検査を受けた約22・6万人のうち、計59人で甲状腺がんやその疑いありと診断されたと発表した。8月時点より、検査人数は約3・3万人、患者は疑いも含め15人増えた。これまでのがん統計より発生率は高いが、検査の性質が異なることなどから県は「被曝(ひばく)の影響とは考えられない」としている。

 県は来春から、住民の不安にこたえるため、事故当時、胎児だった約2万5千人の甲状腺検査も始める。

 新たに甲状腺がんと診断されたのは8人、疑いありとされたのは7人。累計では、がんは26人、疑いが33人。がんや疑いありとされた計58人(1人の良性腫瘍〈しゅよう〉除く)の事故当時の年齢は6~18歳で平均は16・8歳。

 甲状腺がんはこれまでで10万人あたり12人に見つかった計算になる。宮城県など4県のがん統計では2007年、15~19歳で甲状腺がんが見つかったのは10万人あたり1・7人で、それよりかなり多い。ただし、健康な子ども全員が対象の福島の検査の結果と、一般的に小児は目立つ症状がないと診断されないがんの統計では単純比較できない。

 ただ、チェルノブイリでは、原発事故から4~5年たって甲状腺がんが発生しており、複数の専門医は「被曝から3年以内に発生する可能性は低い」と分析している。県は被曝の影響とは考えにくい根拠として、患者の年齢分布が、乳幼児に多かったチェルノブイリと違って通常の小児甲状腺がんと同じで、最近実施された被曝影響の無いロシアの子どもの検査でも4千~5千人に1人がんが見つかっていることなどを挙げている。


内部被曝2割過小評価か 事故直後の作業員 国連委指摘

 【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故の直後に働いていた作業員の内部被曝(ひばく)について、国連科学委員会は、日本政府や東電は2割過小評価している可能性があると結論づけた。過小評価されていれば、事故直後に原発で作業していた数千人の一部には健康管理の検査対象から漏れている人もいるとみられ、東電は線量の評価の見直しが必要になる可能性がある。

 科学委員会は日本時間12日未明、国連総会第4委員会にこの結論を盛り込んだ報告書の概要を報告した。

 科学委員会は、日本政府や東電などからデータ提供を受けて、事故で放出された放射性物質の推計量や、2012年10月まで働いていた作業員約2万5千人の被曝線量などを分析した。

 この作業で、科学委員会は、(1)放射性ヨウ素による甲状腺被曝を調べる検査の開始が大幅に遅れた(2)作業員の線量評価で半減期が2時間、20時間と短い、ヨウ素132、133などを一切、考慮していない、ことを問題視した。その上で、放出された放射性物質ごとの量や被曝への影響を推計した結果、事故直後に働いていた作業員の線量は「約20%過小評価の可能性がある」と結論付けた。


福島の子どもの甲状腺がん、疑い含め44人に 16人増

 【大岩ゆり、野瀬輝彦】福島県は20日、東京電力福島第一原発事故の発生当時18歳以下だった子どものうち、44人が甲状腺がんやその疑いがあると診断されたと発表した。6月から16人増えた。県は「被曝(ひばく)の影響は考えられない」とした。ただし、県の検査や説明に対して県民の間に疑問や不安の声もあるため、県は、専門家による新たな部会を作り、検査に問題がないか検証することになった。

 6月以降に新たに診断された16人のうち、がんは6人、疑い例は10人だった。累計ではこれまでに結果が判明した約19万3千人のうち18人が甲状腺がん、25人が疑いありと診断された。1人は疑いがあったが良性だった。この44人は原発事故時に6~18歳。がんの直径は5・2~34・1ミリ。がんは進行のゆっくりしたタイプだった。

 事故後4カ月間の外部の全身被曝線量の推計調査を受けた人は44人のうち4割だけだが、全員2ミリシーベルト未満だった。

 チェルノブイリでは4?5年後から甲状腺がんが増えたほか、今回の44人は複数回の検査でがんやしこりの大きさがほとんど変わっていないため、県は「事故以前からできていたと考えられる」と分析した。

 しかし、県民の間には被曝影響に関する解釈や、検査の精度、情報公開のあり方などに批判がある。

 このため県は、検査に関与していない専門医らによる専門部会を新設して、これまでの検査結果の判定や、がんと診断された人の治療、事故による被曝の影響などを改めて検証する。事故当時18歳以下だった約36万人に対し生涯にわたり継続する甲状腺検査のあり方も改めて議論する。


子の健康調査「国の責任で」 市民団体が請願
(2013年6月8日 朝日新聞)から抜粋

 茨城県、千葉県北西部、埼玉県南東部に住む母親たちでつくる「放射能からこどもを守ろう関東ネット」(36団体、増田薫代表)は7日、子どもたちの健康調査を国の責任で行うよう求める請願書を衆参両院19人の国会議員に提出した。約7万3千人分の署名を添えた。

2014/01/31

現在、日本にある使用済み核燃料は1万7000トン以上

福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れたときに大惨事が起きると分かり、使用済み燃料が原発に留め置かれることに危機感をもつ原発立地地域の住民が増えてきている。

原発使用済み核燃料 中間貯蔵の明確化を
(2013年10月25日 河北新報)

 年内策定へ佳境に入った国のエネルギー基本計画の議論で、使用済み核燃料の中間貯蔵の明確な位置付けを求める声が出ている。背景には、原発に使用済み燃料を留め置かれる立地地域の不安がある。国は対策を協議する場を設ける方針だが、相手となる都道府県側の反応は鈍い。

原発使用済み核燃料の貯蔵状況 2013年現在

 「使用済み燃料を原発にとどめたまま議論はできない。電力消費地が中間貯蔵を担うべきだ
 16日、基本計画の方向性を話し合う総合資源エネルギー調査会の分科会で、西川一誠福井県知事が訴えた。西川氏は前日あった原子力政策の会合でも同じ意見を述べた。

 福井県は原発13基で3550トンの使用済み燃料を抱える。貯蔵限度を超えれば原発稼働が困難になる。その上、事故で燃料貯蔵プールを冷却できなくなった場合の危険性は福島第1原発事故で明らかになった

 電力供給に長年協力してきた立地地域は「使用済み燃料の貯蔵まで引き受ける義務はない」(西川氏)との思いがある。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、全国の原発の貯蔵量と容量は表の通り。柏崎刈羽などは約3年後に容量限度を超える恐れがある。

 むつ市に8月、中間貯蔵施設が完成したが、引き受け対象は出資者の東京電力と日本原子力発電のみ。使用済み燃料の扱いは、各地の原発で悩みの種だ。

 経産省は昨年11月、国と都道府県が対策を話し合う協議会を設ける方針を示したが、参加表明は福井、茨城の2県だけ。経産省は7月、協議会設置をあらためて発表したが、追加の参加はない。エネ庁は「時機を見て再要請したい」と話す。

 東北で原発が立地する宮城、福島、青森の3県も様子見が続く。

 福島県は「使用済み燃料の県外搬出を要望している。協議会に全く関わらないことにはならない」と説明。宮城県も「昨年は震災対応に手いっぱいで参加を見合わせた。協議会の趣旨には賛同している」と参加に含みを残す。

 青森県は全国の使用済み燃料を六ケ所村で受け入れている。再処理までの一時貯蔵だが、国は本年度、使用済み燃料の直接処分の研究開発に着手。先行きは不透明だ。県は「協議会の論点が分からないが、再処理の前提が崩れれば、使用済み燃料を各原発に返すだけだ」と強調する。

2013年10月25日金曜日


核のごみ満杯へ 打つ手なし 再処理技術や処分場も未定
(2013年9月24日 東京新聞 朝刊)

 原発再稼働をめぐる論議が高まる中、原発から出る放射線量の高い使用済み核燃料を貯蔵するスペースは既に満杯に近づきつつある。「核のごみ」が解決しないまま、原発を動かしてもいずれ行き詰まるのは明らかだ。(梅田歳晴)

 電気事業連合会などによると、国内にある使用済み燃料は2012年9月末時点で、少なくとも1万7000トン以上。電力会社は各原発の原子炉建屋内にある燃料プールでほとんどを貯蔵しているが、東京電力の福島第一、第二、柏崎刈羽、九州電力玄海、日本原子力発電東海第二でいずれも占有率が80%以上を占め、限界に近づいている。

 青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(再処理工場)にも容量3000トンの一時保管スペースがあるが、再処理事業の遅れで各原発から持ち込まれる使用済み燃料がたまる一方。今年9月の時点で貯蔵量は2945トンに達し、占有率は98%に達した。

 原発の燃料プールと六ケ所村の保管スペースを合計した貯蔵容量の73%が埋まり、原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になる計算だ。

 日本は、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを高速増殖炉で燃やす核燃料サイクルを原子力政策の要としているが、再処理は技術的なトラブルが相次ぎ、いまだに事業を開始していない。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)も1995年のナトリウム漏れ事故後ほとんど動いていない。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分では場所すら決まっておらず、使用済み核燃料が国内の貯蔵能力を上回れば、事実上、原発の運転が不可能になる。

 京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「再稼働すれば行き先のない核のごみは増え続けるばかりだ。全体のグランドデザインをしっかり考える人がいなかったのではないか。これ以上、原発を再稼働させるべきではない」と、核のごみを放置し、原発を増やし続けた国や電力会社の姿勢を批判している。


全国6割の原発・核燃料プールがあと数年で満杯、稼動不可に
(2012年9月4日 東京新聞)から抜粋

 全国の原発50基のうち約6割の33基が、数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、動かせなくなることが、各電力会社への取材で分かった。新たに中間貯蔵施設を造るには十年はかかり、使用済み核燃料を再処理しても、核のごみは減らず、再生される混合酸化物燃料(MOX燃料)は使う計画がない。原発の抱える深刻な問題がはっきりした。

 本紙は、原発を保有する九つの電力会社と日本原子力発電(原電)に、各原発のプールの空き容量のほか、1年(通常、原発の定期検査の間隔は十三カ月)ごとの核燃料交換の実績値を取材。そのデータから、各プールがあと何年で満杯になるかを計算した。

東京新聞:原発再稼動したら 核燃料プール 数年で満杯

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高レベル放射性廃棄物処分の国際的動向について
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図録原子力発電所の発電総出力と使用済み核燃料貯蔵量


ウィキペディアの「主な国の使用済み核燃料の保有量」には
日本は、2007年末時点19,000トンと記載されている。放射性廃棄物処分場「オンカロ」をつくっているフィンランドの使用済み核燃料は1600トンで、日本の8.4%しかない。

米国:61,000 カナダ:38,400 日本:19,000 フランス:13,500 ロシア:13,000 韓国:10,900 ドイツ:5,850 英国:5,850 スウェーデン:5,400 フィンランド:1,600
※単位 トン(07年末時点) このうち日本、フランス、ロシア、英国は再処理を実施している。[1]

(中村コメント)
日本以外の再処理を実施している国は、すべて核兵器を所有している。

2014/01/29

4号機 プールの核燃料取り出し 2ヵ月半で14.4% 

大きな地震がきて、冷却水が漏れたら大惨事になる4号機の冷却プールから核燃料を取り出す作業が続いていますが、この2ヵ月半で1533体の14.4%(220体)しか移動できていません。これまでの1日3体の移動ペースだと、残りの1313体の移動を終えるのに、あと400日以上かかります。

燃料取り出し 手順と課題
(2014年1月29日 NHK)から抜粋

東京電力福島第一原子力発電所4号機の使用済み燃料プールから燃料を取り出す作業が、去年11月から始まりました。40年にも及ぶとされる廃炉の工程の最初の大きな節目と位置づけられていますが、作業が着実に進められるかが課題となっています。

4号機燃料取り出し状況

1~4号機 今後の燃料取り出し開始スケジュール

◆小出裕章さんに聞く 
4号機 燃料プールの燃料棒取り出しは可能か!?(公開日: 2013/11/16)

    ↑
●このラジオ放送を書き起こしたもの(ラジオ放送日2013年11月8日)

(中村コメント)
4号機のプールに残っている1300体の取り出し中に大きな地震などがあって、冷却水が漏れた場合が恐ろしいのですが、そうなった場合、膨大な放射能が噴出して4号機に近づけなくなるのはもちろん、さらに心配なのは、4号機からわずか50メートルしか離れていない場所に、1号機から6号機の共用プールがあり、6375本もの使用済み燃料棒を冷やしていることです。

4号機プールに近づけなくなるときは、共用プールにも近づけなくなるため、そうなると、チェルノブイリの50倍ほどの放射性物質が放出される可能性があり、加えて1~3号機も手がつけられなくなる―という想像を絶する状況に陥ることになります。

この問題は、日本ではほとんど報道されていませんが、海外では報道しています。

◆海外の報道(TVニュース)2012/04/19 公開
フクシマ – チェルノブイリの85倍のセシウム放出も起り得る

(TheBigPictureRT さんが 2012/04/19 に公開)から抜粋
日本の破損した福島原発のもっと悪いニュースが来ました。先月(2012年)3/22の日本の参議院の予算委員会において、参考人として、元スイス大使・村田光平氏が警告しました。「福島原発4号機倒壊したら、世界が未だかつて経験したことのない地球規模の大災害になるでしょう。」

この報告については、元米国エネルギー省の関係者が、こう述べています。

4号機が倒壊した場合、その結果として、「もし地震や別の事故によって、この燃料プールから冷却水が無くなった場合、破滅的な放射能の火災と、チェルノブイリが放出した10倍の量のセシウム137が放出されるでしょう。」

そして、火災が福島原発で他の数千体の放射性の使用済み核燃料棒も燃焼した場合、その放射性物質拡散が、チェルノブイリ事故の85倍以上になる可能性があるのです。

核廃棄物の監視団体、ビヨンド・ニュークリアのケビン・カンプス氏に再びご出演頂きました。

まず最初に、使用済み核燃料についてですが、あなたは以前、未使用の核燃料は、使用済核燃料ほど危険でないとおっしゃってましたね。

そうですね。核燃料は原子炉に入りウラン原子が分裂し放射能が放出されます。
未使用の核燃料と比べ、百万倍以上の放射能があります。

放射性の未使用核燃料にもかかわらず、 それは有毒な重金属なのです。
非常に危険な物質であるが、実際は放射線スーツと手袋を付け、作業を手ですることができるのです。

炉心で放射能が出始めると、もし障壁が無く至近距離ならば、ほんの数秒でガンマ線の致死量を被曝するでしょう。ですから、非常に致命的な放射性物質が、 百万年間そこでずっと放射能を出し続けるのです。

つまり、ジェネラル・エレクトリック製の原子炉は、 すべて同様に設計され、3号機も4号機も、 最上階に使用済み核燃料を保管していますね。

はるかに致命的な使用済み核燃料が、最上階に保管され、4号機建物は爆発で吹き飛ばされ、建物は沈下し傾いています。

そこに放射性廃棄物のプールがあります。
この建物が崩壊したら、どうなるのですか?

それは間違いなく日本にとって、世界的な大惨事になります
すでに日本で起こったものよりも、更に莫大な放射能放出となり、非常に破壊的になるでしょう。

4号機核燃料プールで火災があれば、 プールの底は、完全に崩落するでしょう。
燃料プール底を崩落から維持しようとする為に、 鋼鉄のジャッキで持ち上げていますが、
核燃料火災があれば、数時間で直接、周辺にセシウム137を100パーセント放出するでしょう。

チェルノブイリと比較したら?

元米国エネルギー省のRobert Alvarez氏が述べています。
4号機の保管プール核燃料だけで、チェルノブイリが放出した10倍量のセシウム137が放出されるでしょう。」  

福島第一原発では、6つの原子炉建屋が炉心と6つの燃料プールを持ち、更に大容量の共有燃料プールもあります。7つの保管プール核燃料が燃焼したら、セシウム拡散量が、チェルノブイリの85倍になるでしょう

この共有プールには、使用済核燃料が最も多く保管されており、4号機から50メートルしか離れていません。もし、4号機プールで炎が上がる場合には、 そのエリアを放棄しなければなりません。なぜなら、致命的な放射能地区になるからです。 数秒または数分で致死量を被曝します。誰もそこに行くことができなくなり、そして、総ての燃料プールで 火災が起きるのを阻止することが出来なくなるのです。

<日本語訳:Jo2Rayden >

*関連記事:元スイス大使・村田光平氏が予算員会にて”もし核燃料保管プールに6,375体の燃料がある福島原発4号機が倒壊したら、総ての人が何世紀に渡り影響を受ける” “世界が未だかつて経験したことのない地球規模の大災害になるでしょう”

* 3.22参院予算委員会公聴会・午後 30:50ごろからの証言をご視聴ください

◆#福島 #4号機 倒壊したら日本は終焉!GE #Mark1 は時限爆弾 #Fukushim

<日本語訳↓: Jo2Rayden > (2012/05/18 に公開)から抜粋

日本の厄介なニュースです。いまだに多くの兆候がある福島原発危機は、依然として進行中です。東京湾から採取した汚泥サンプルで、放射性セシウム汚染は、昨年8月の計測値と比較し、13倍にいくつかの地域で増加していることが明らかになりました。環境省は、この放射線レベルは、人々にただちに影響はないと主張しています。しかし、汚染された魚の放射性物質は、食物連鎖していき、世界のレストランや食卓へと繋がって悪化していく可能性があるのです。一方、米国では、原子力規制当局が、原子力緊急事態に対して、それを緩和させる計画があると、 AP通信が伝えています。

原子力監視プロジェクトのビヨンド・ニュークリアー、Paul Gunter氏:
大変憂慮すべきことは、福島原発がチェルノブイリの85倍のセシウム放出の連鎖反応を-誘発することです。別の大地震があれば、それが連鎖反応を誘発する。4号機が倒壊し、136トンの核燃料が地上に落下し、火災が起るのです。それが、4号機の最上階にあるのです。つまりですね、5機の原子炉があり、とてつもない汚染となり対処不可能になる。

さらに、共有核燃料プールが有り、6つの核燃料プールも有り、それらが、4号機のすぐそばにあるのです。大量の核燃料が、いまも保管されているのです。

もし、4号機倒壊がその連鎖反応を誘発したら、文明の終焉になります。日本文明の終わりです。日本の元スイス大使・村田氏が、これについて根本的な警告をしています。国際的な努力をいま開始しなければなりません。国連の場に問題提起し、次の大地震により、4号機倒壊から始まるドミノ連鎖を防ぐことです。

<Q. どのような技術があり、彼らは何をしなければいけないのか?>
私たちは基本的に暗中模索しているのだと思いますね。
誰も実際に現時点ではわからないのです。しかし、はっきりと実証されていることは、最も関連性が高く、おそらく唯一の関連する防御策は予防であり、我々が原子力発電を終焉させなければならないという事なのです


以下は、原発事故が起こった2011年3月16日の記事

4号機、使用済み燃料損傷の恐れ 福島第1原発
(2011/03/16 01:26【共同通信】写真は西日本新聞)

西日本新聞:使用済み燃料 損傷恐れ 4号機 水位低下

 東京電力は15日午後、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールの水が沸騰し、水位が低下している可能性があることを明らかにした。建物の壊れた穴を通じて注水することを検討している。毒性が強いプルトニウムが大量に含まれる使用済み核燃料が損傷し、極めて強い放射性物質が外に拡散する危険性があり、政府、東電は早急な対応を迫られている。

 また、1~4号機の中央制御室の放射線量が高すぎるため運転員が常駐できず、離れた緊急時対策本部に退避。電源喪失のため、必要な運転データを同本部では取得できず、定期的に制御室に戻ってデータを取得しているとしている。原発管理の中枢部に人がおらず、現状把握に困難が生じてる事態が明らかになった。

 4号機では、同日朝に使用済み核燃料に関係する水素爆発の可能性がある火災が発生し、建屋の壁に8メートル四方の穴が二つあき、爆発による被害の大きさをうかがわせた。

 東電によると、地震の影響で使用済み核燃料プールの冷却機能が停止。通常40~50度の水温が、14日午前4時すぎに84度まで上昇していた。地震発生時に4号機と同様に定期検査で停止していた5、6号機のプールの水温も若干上昇しているとしている。

 枝野幸男官房長官は、4号機について「高濃度の放射性物質は継続的に出ていない可能性がある」と述べた。東電によると、3号機付近で15日午前に測定された毎時400ミリシーベルトの高い放射線量は、15日に爆発した隣接する4号機の建物の残骸が影響した可能性があるという。

 経産省原子力安全・保安院によると、炉心の冷却機能の喪失などで緊急事態が続いている同原発1~3号機では、原子炉への海水の注入を継続。しかし約4メートルの核燃料が半分程度、水面から露出しているという。枝野長官は、1、3号機への注水は安定しているが、2号機には懸念があるとの見解を示した。

 同原発正門では、放射線量が15日午前9時に毎時1万1930マイクロシーベルトまで上昇したが、午後2時には同928マイクロシーベルトで、下降傾向となった。

写真:
福島県二本松市で、放射線量の検査を受ける赤ちゃん=15日午後1時31分

2011/03/16 01:26 【共同通信】

◆(中村コメント)
4号機プールにあった1533体が136トンだと言われていますが、日本には現在1万7285トンもの使用済み核燃料があり、4号機プールの127倍(17285÷136)の使用済み核燃料があるということになります。(ウィキペディアの「主な国の使用済み核燃料の保有量」には、日本は2007年末時点19,000トンと記載されている)

米国では、ユッカマウンテンの処分施設(2011年時点で計画凍結)の管理期間を100万年としていました。私たちは、100万年もの間、子どもたちや未来世代に大量の放射性毒物を残すことになります。
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ユッカマウンテン放射性廃棄物処分場(英版、ネバダ州)は、当初は1998年に操業開始の計画だったが、地元の強い反対などで大幅に遅れ、2002年に建設地が正式決定された。NRCは予備審査を経て、3年以上かけて正式審査に入る。廃棄物の受け入れを始めるのは早くても2020年ごろの予定であった。米国環境保護庁(EPA)は2001年6月にユッカマウンテンの処分場の管理期間を一万年とすると発表したが直後から原子力・環境団体とネバダ州政府がEPAの規定を巡り法廷闘争に入った。2004年6月に連邦高裁はEPAの基準は米国科学アカデミーの勧告と矛盾しており1万年は短すぎると判断した。2009年2月に判決に基づきEPAでは管理期間を100万年に変更した[11]。ユッカマウンテンに計画中の処分場は100万年後までの安全を考慮して審査される。

同処分場は、原子力発電所から出る使用済み核燃料などの高レベル廃棄物7万トンの容量を予定していた。2008年3月、米エネルギー省が、米原子力規制委員会(NRC)に建築認可を申請。建設予定地は、ラスベガスの北西約140キロの砂漠地帯である。しかし、2011年4月に第44代大統領バラク・オバマは施設開発予算を凍結した[12]。
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原発を再稼動させるということは、子々孫々の重荷となる毒物を更に増やすことになります

2014/01/23

原発と再処理工場は、未来世代への犯罪 セヴァン・スズキ

この2月に来日するセヴァン・スズキさんが2008年4月に来日したとき、いくつもの会場で、原発と再処理工場について、発言しました。それらをまとめると次のような内容でした。「ヒロシマ・ナガサキでおこった核の記憶を長い間意識してきました。水俣を訪問して、工場排水の中の水銀がひき起こした中毒について学びました。核燃料再処理工場がある青森県の六ヶ所村にも行きました。ここで起きている問題は、日本だけでなく世界の問題です。再処理工場から放出される放射性物質は、空と海に流れ、国境を越えて世界中に流れて行く。それは将来世代の、地球全体の問題です。それが私たちの世代で始まってしまうことを1人1人が話し合わなければなりません。原子力発電や再処理工場が未来に与える影響は、次の世代への究極の犯罪だと思います」と、現代人が未来世代に対して加害者となることを自覚すべきで、加害行為をこのまま続けるのか―と問うています。このことをセヴァンは、別の言い方で「世代間の愛を取り戻す必要がある」とも表現しています。

そして、福島の原発事故が起こる前年に封切られた映画『セヴァンの地球のなおし方』の中では、「原子力発電という悪魔との契約は人類に必要ないと思っています」とも語っています。

◆六ヶ所再処理工場営業運転の危険(3)
ストップ『ロッカショ』トーク あまりにリスキーな放射能

(2008/04/17 JANJAN桐生広人)から抜粋

ストップ『ロッカショ』トーク、春の嵐の悪天候の中、二百数十人の若い参加者で会場はほぼ埋まった。坂本龍一、セヴァン・スズキ、河野太郎、福島瑞穂、中村隆市、スギゾー(SUGIZO)、桑原茂一、シンゴツー(Shing02)、大林ミカの各氏が、リスキーな放射能について、半減期の長いプルトニウムを生産する懸念についてなど、それぞれの思いを語った。

 司会の大林ミカさん(市民エネルギー研究所・副所長)は「坂本龍一さんが2006年に立ち上げた、ストップロッカショというウエブサイトの情報などを基にアーティストの方々にメッセージをいただいて作った本なんです。今日のトークは坂本さんの提案で、出版記念をかねて原子炉や再処理だけでなく環境やエネルギーなどについて皆さんと話ができればと思っています」といい、アーティストとの声を参加者とシェアするイベントとなった。

SUGIZO、中村隆市、セヴァン・スズキ、大林ミカ
セッション1 左から、SUGIZOさん、中村隆市さん、セヴァン・スズキさん、通訳の方、大林ミカさん

NYの坂本龍一さんからメッセージ

 当日参加できなかった坂本さんはニューヨークから「Sugizoくんが中心になってまとめた本、『ロッカショ』も大きく貢献しているのでしょう。六ヶ所村再処理工場のことが次第に世の中に知られるようになってきた気がします。(略)人間には完全ということはありません。必ず失敗をします。それを考えれば、放射能を扱うのはあまりにリスキーではないでしょうか。(略)よりリスクの少ない多様な自然エネルギーに依拠した社会に速やかに移行するより他に選択肢はないように思うのですが、皆さんはどう思いますか?」というメッセージを寄せた。
 
地球サミットで「伝説のスピーチ」をした『少女』が参加
 トークセッション1では、1992年にブラジルのリオ・デジャネイロで行なわれた地球サミットに当時12歳で参加し、のちに「伝説のスピーチ」と呼ばれる演説をしたセバン・スズキさんが参加した。

 セヴァンさんは「ヒロシマ・ナガサキでおこった核の記憶を長い間意識し、水俣では排水の中の水銀が起こす中毒について学びました。六ヶ所にも行きました。ここで起きている問題は日本だけでなく世界の問題です。六ヶ所から流される核廃棄物、海に流れるものに国境はありませんから海を越えて私たちの(カナダの)家にだってやってきます。それは将来世代の、地球全体の問題です。それが私たちの世代で始まってしまうことに1人1人が話し合わなければなりません」と話した。

カナダ在住の環境活動家、セバン・スズキさん
カナダ在住の環境活動家、セバン・スズキさん。お父さんは日系3世

 スロービジネススクール校長の中村隆市さんは、いま六ヶ所で大量に作られようとしている(*)プルトニウムについて、「半減期が2万4千年もあります。40年間工場を運転すると12万年、約4千世代たってもプルトニウムが残ってしまいます。私たちは後の世代に大きな影響を残す加害者になろうとしていることが問題です。地元の人々が、核燃施設に依存しなくても生きていける持続可能な社会づくり、エコビレッジを再処理工場の近くに作ろうとしています」という。

中村隆市 福島瑞穂

 どうしてもこのトークに出たかったという福島瑞穂さん(参院議員・社民党党首)は、「超党派の議員が最近六ヶ所に視察に行きました。活断層が敷地の下まできている可能性を工場側は認めていますが、それでも安全だと言うんです。旧指針で建てられた工場は、新しい指針で耐震設計をし直すべきで、本格稼働などとんでもないことです。再処理費用が19兆円かかることを、反対されると困るとして長い間かくしてきました。工場は豆腐の上に建っているようなもので、本格稼働して事故があっても隠される可能性があります。ストップ・ロッカショ、今が正念場です」と話した。

(*)についての中村のコメント
原発で発電することによって生み出されるプルトニウムは、使用済み核燃料のさやの中に収まっているが、それを再処理することによって、「六ヶ所(再処理工場)から海と空に放出される」その結果、魚介類や海草などにプルトニウムが蓄積することを青森県も認めている。

全文 

「六ヶ所村再処理工場 ・恐るべき再処理の実態」小出裕章氏

・・・

映画「セヴァンの地球のなおし方」 
(2011/07/19 エコロジーの風)から抜粋

友人でもあるセヴァンの映画が上映されています。素晴らしい映画です。
皆さん、ぜひ見て下さい。広島に原爆が落とされた日に トークすることになりました。セヴァンは、東京電力の原発事故が起こる前からこんなふうに言っていました。「原子力発電とそれが未来に与える影響は、次の世代への究極の犯罪だと思います

◆映画『セヴァンの地球のなおし方』
原子力発電という悪魔との契約は人類に必要ないと思っています

「どうやってなおすかわからないものを、壊し続けるのはもうやめてください」。1992年、リオデジャネイロで開催された地球サミットで、12歳の少女、セヴァン・スズキは大人たちに環境破壊を止めるよう訴えかけた。

その伝説のスピーチから、来年で20年。セヴァンは「大切なのは生活の質と健康、そして子供。だから私は自己中心的に、自分たちをどう救うかを考えていきたい」と、未来の子どもたちのために発言を続けている。セヴァンが今、世界に伝えたいこと、そして彼女の声に呼応するかのように、日本とフランスで傷ついた地球と向き合い続ける人々の姿を追ったドキュメンタリー。

2009年に映画『未来の食卓』でフランス、バルジャック村の、学校給食と高齢者の宅配給食をオーガニックに変えるという挑戦をドキュメントしたジャン=ポール・ジョー監督。続編である本作の製作にあたり、ジョー監督は自分の発言に責任を持って行動に移すよう大人たちに変革を求めるセヴァンの姿に感銘を受け、彼女を中心に本作を製作することを決意した。

19年前のセヴァンのスピーチの後、地球を取り巻く状況は変わっていない。しかし29歳となったセヴァンのお腹には新しい生命が宿った。自らが子どもを守る”大人”となった今、セヴァンはカナダのハイダグワイ島で自然と共存する生活を実践し、世界中の人々に再度訴えかける。行動を起こすなら今がその時だ、と

そして歯止めの効かない環境破壊や相次ぐ原発の事故を受け、多くの人々がこれまでの自らの無関心を省みる中、セヴァンが19年前に抱いた危機感を共有し、行動を起こしてきた人々がいる。ジョー監督は、福岡県で合鴨農法によってオーガニック米を作る古野農場の百姓百作の精神、地域の子どもたちのために161人の農婦が無農薬食材を育てる福井県の池田村、『未来の食卓』の題材にもなったフランス、バルジャック村近くの原子力発電所の問題や村のその後の様子、コルシカ島のワイン農家、アレナ一家がビオワインに込めた島への思い、そして13歳にしてサメの乱獲反対を訴え組織を立ち上げた少女オンディーヌの活動を取材。彼らは地球の悲鳴を肌で感じ、セヴァンと志をひとつにする。

フランス人環境ジャーナリストのニコラ・ウロ、人間性の回復を長年説いてきた農民であり思想家のピエール・ラビ、遺伝子組み換えの危険性をいち早く唱えたエリック・セラリーニ教授もまた、セヴァンの同志であり、経済優先の社会に警鐘を鳴らす。

私たちが考えるべきことは、現実に起こっているさまざまな環境問題の先にどんな未来が待つのか、ということ。私たちの子どもの未来を守るために、生き方を変えなくては」。セヴァンは私たちに、そして自分自身にそう語りかける。

『セヴァンの地球のなおし方』(2010年/フランス/120分)
監督:ジャン=ポール・ジョー(『未来の食卓』)
プロデューサー:ベアトリス・カミュラ・ジョー
出演:セヴァン・スズキ、ハイダグワイの人びと、古野隆雄、福井県池田町の人びと、バルジャック村の人びと、ポワトゥーシャラントの人びと、コルシカ島の人びと、オンディーヌ・エリオット、ニコラ・ウロ、ピエール・ラビ、他
配給・宣伝:アップリンク

2014/01/20

12歳で「伝説のスピーチ」をしたセヴァン・スズキ 2月来日

母になった「伝説のスピーチ」のセヴァンさん来日ツアーを開催!

2014年2月11日(東京・国分寺)12日(東京・渋谷)13日(静岡・浜松)14日(愛知・名古屋)15日(東京・品川)16日(神奈川・逗子)19日(東京・渋谷)20日(滋賀)21日(滋賀・近江八幡)22日(福岡・北九州)23日(福岡市)イベント詳細

セヴァン・スズキの伝説のスピーチ 


1992年リオ環境サミット セヴァン・スズキ(12歳)のスピーチ
(2002年4月号 エコロジーの風)から抜粋

 こんにちは、セヴァン・スズキです。エコを代表してお話しします。エコというのは、子供環境運動の略です。カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、今の世界を変えるためにがんばっています。あなたがた大人たちにも、ぜひ生き方をかえていただくようお願いするために、自分たちで費用をためて、カナダからブラジルまで1万キロの旅をして来ました。

 私がここに立って話をしているのは、未来に生きる子どもたちのためです。世界中の飢えに苦しむ子どもたちのためです。そして、もう行くところもなく、死に絶えようとしている無数の動物たちのためです。

 太陽のもとにでるのが、私はこわい。オゾン層に穴があいたから。呼吸をすることさえこわい。空気にどんな毒が入っているかもしれないから。父とよくバンクーバーで釣りをしたものです。数年前に、体中ガンでおかされた魚に出会うまで。そして今、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを、私たちは耳にします。それらは、もう永遠にもどってはこないんです。

 私の世代には夢があります。いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。でも、私の子どもたちの世代はもうそんな夢をもつこともできなくなるのではないか?あなたがたは、私ぐらいの歳の時に、そんなことを心配したことがありますか。

 こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを。オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。

 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。

 どうやって直すのかわからないものを、こわし続けるのはやめてください。

 ここでは、あなたがたは政府とか企業とか団体とかの代表でしょう。あるいは、報道関係者か政治家かもしれない。でもほんとうは、あなたがたもだれかの母親であり、父親であり、姉妹であり、兄弟であり、おばであり、おじなんです。そしてあなたがたのだれもが、だれかの子どもなんです。

 私はまだ子どもですが、ここにいる私たちみんなが同じ大きな家族の一員であることを知っています。そうです50億以上の人間からなる大家族。いいえ、実は3000万種類の生物からなる大家族です。国境や各国の政府がどんなに私たちを分けへだてようとしても、このことは変えようがありません。私は子どもですが、みんながこの大家族の一員であり、ひとつの目標に向けて心をひとつにして行動しなければならないことを知っています。私は怒っています。でも、自分を見うしなってはいません。私は恐い。でも、自分の気持ちを世界中に伝えることを、私は恐れません。

 私の国でのむだ使いはたいへんなものです。買っては捨て、また買っては捨てています。それでも物を浪費しつづける北の国々は、南の国々と富を分かちあおうとはしません。物がありあまっているのに、私たちは自分の富を、そのほんの少しでも手ばなすのがこわいんです。 カナダの私たちは十分な食物と水と住まいを持つめぐまれた生活をしています。時計、自転車、コンピューター、テレビ、私たちの持っているものを数えあげたら何日もかかることでしょう。

 2日前ここブラジルで、家のないストリートチルドレンと出会い、私たちはショックを受けました。ひとりの子どもが私たちにこう言いました。

 「ぼくが金持ちだったらなぁ。もしそうなら、家のない子すべてに、食べ物と、着る物と、薬と、住む場所と、やさしさと愛情をあげるのに。」

 家もなにもないひとりの子どもが分かちあうことを考えているというのに、すべてを持っている私たちがこんなに欲が深いのは、どうしてなんでしょう。

 これらのめぐまれない子どもたちが、私と同じぐらいの年だということが、私の頭をはなれません。どこに生れついたかによって、こんなにも人生がちがってしまう。私がリオの貧民窟に住む子どものひとりだったかもしれないんです。ソマリアの飢えた子どもだったかも、中東の戦争で犠牲になるか、インドで物乞いをしてたかもしれないんです。

 もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えばこの地球はすばらしい星になるでしょう。私はまだ子どもだけどそれを知っています。

 学校で、いや、幼稚園でさえ、あなたがた大人は私たちに、世のなかでどうふるまうかを教えてくれます。たとえば、
・争いをしないこと
・話しあいで解決すること
・他人を尊重すること
・ちらかしたら自分でかたづけること
・ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
・分かちあうこと
・欲ばらないこと

 ならばなぜ、あなたがたは、私たちにするなということをしているんですか。

 なぜあなたがたがこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったい誰のためにやっているのか。それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためです。あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。

 親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子どもたちをなぐさめるものです。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりじゃあるまいし」とか。しかし大人たちはもうこんななぐさめの言葉さえ使うことができなくなっているようです。お聞きしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか。

 父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。しかしあなたがた大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。あなたがたはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、私は言わせてもらいたい。もしそのことばが本当なら、どうか、本当だということを行動でしめしてください。最後まで私の話をきいてくださってありがとうございました。 

<翻訳 辻信一・佐藤万理>

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伝説のスピーチから10年後に初来日

2002年セヴァンと中村 京都で
(伝説のスピーチから10年後の2002年に初来日、全国22ヵ所を講演ツアー)

川口由一セヴァン中村
(2007年秋 川口由一さんの自然農の田んぼで稲刈り)

青森県六ヶ所村で植林
核燃料再処理工場がある六ヶ所村で植林 2007/10/29)

セヴァン結婚式、ジャドと中村(足カット)
(2008年、カナダ先住民族のジャドソンと結婚したセヴァン。
シンプルなウェディングドレスと笑顔が素敵だった)

赤ん坊を抱えて話をするセヴァン&
(2009年、お母さんになったセヴァン、
左にいるのはお父さんのデヴィッド・スズキ)

セヴァン一家のクリスマスカード
(先月届いたセヴァンからのクリスマスカード 2013年12月)

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6年ぶりに来日するセヴァンは、関東、東海、名古屋、関西、そして、福岡をまわります。私は、北九州でセヴァンと対談し、福岡ではコーディネーターを務めます。

セヴァン北九州ホームページ 
セヴァン福岡ホームページ 

セヴァン・スズキのLove is the Movement!ツアー2014 北九州

セヴァンからのメッセージ
愛とは行動すること世界中を愛でうめつくそう!

92年の地球環境サミットで「伝説のスピーチ」をした
セヴァン・スズキさんがお母さんになって、6年ぶりに来日します。

12 歳のとき、彼女は大人たちに言いました。
「なおし方のわからないものを、これ以上壊すのはやめてください」

母になったいま、彼女が伝えたいこと。
それは、誰もが心のなかに持っている愛で、暮らしを、社会をつくり直していくこと。

押し寄せる様々な環境危機を、どうやって「愛の物語」に変えていくか。
セヴァンと共に考える中で、きっと新たなエネルギーが湧いてくることでしょう。

セヴァン北九州チラシ(表)

(画面をクリックすると画像が拡大できます)

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母となった「伝説のスピーチの少女」、セヴァンが今年2月、家族で日本に!

セヴァン・スズキ全国ツアー2014 ― Love is the Movement!
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セヴァン北九州チラシ(裏)

(裏面)

『伝説のスピーチの少女』セヴァン・スズキが、6年ぶりに来日。原発事故の放射性物質や化学物質等による環境汚染と、かつてない環境破壊に直面した今、母なる地球に生きる「3000万種の大家族」の未来について話し合うべく、「Love is the Movement!」=「愛とは、行動すること」を掲げて、2月11日より日本を縦断します。

北九州会場の第一部では、母となったセヴァンが様々な環境問題について講演し、第二部では、社会起業家であり環境運動家でもある中村隆市さんと対談します。

福島原発事故に強い関心を持ち、東北や関東の放射能汚染地に住む子どもたちの被ばくを心配するセヴァンと、長年 チェルノブイリの子どもたちの医療支援に取り組んできた中村さんが原発事故の実態と脱被ばく、脱原発について語り合い、さまざまな環境問題を、どうやって愛の物語に変えていくかを模索します。

セヴァン・カリス=スズキ

環境・文化活動家。日系カナダ人4世。父は世界的に著名な科学者で環境活動家デヴィッド・スズキ。9歳でECO(子ども環境NGO)を立ち上げ、環境活動を開始。12歳のとき、ブラジルで開催された「地球サミット」にECOの仲間たちと旅費を集めて参加。最終日に本会議で行った6分間のスピーチが世界中に感銘を与え、セヴァンは一躍環境運動の象徴的存在となった。以後、講演・執筆など国際的に活躍、「グローバル500賞」を受賞、「地球憲章」起草メンバーを務める。2000年、「パワーシフト」キャンペーンのため、カナダを自転車で横断。米国イエール大学で進化生物学を専攻。カナダ、ヴィクトリア大学大学院で「民族植物学」修士。02年、03年、07年にナマケモノ倶楽部とともに来日ツアーを行う。2008年、先住民族ハイダの青年ジャドソン・ブラウンと結婚。現在2児の母として子育てに励む一方、夫と共に伝統文化継承のための活動や環境活動にも力を注ぐ。出演映画に『セヴァンの地球のなおし方』。著書に『あなたが世界を変える日』などがある。

2014/01/10

放射能汚染地で心臓病、甲状腺ガンなどが増加

放射能汚染地の子どもたちに病気が急増している

心疾患死亡に関する人口統計において、福島県の心疾患死亡率が2011年度の全国一位(秋田県の公開データ=福島が8位から1位に、岩手が6位から4位)になっています。

福島と周辺県の心疾患死亡率が増加

     2010年度  2011年度  増加率   
福島   197.6   226.0   14.4%  
宮城   141.3   160.0   13.2%  
茨城   150.1   165.9   10.5%  
岩手   202.6   219.3    8.2%  

全国平均 149.7  154.4    3.1% 

*2011年度は、2011年4月~2012年3月 

心疾患死亡率 2011年と2012年度の比較


児童、生徒の心電図異常増加…茨城
(2013年1月4日 読売新聞)から抜粋

 茨城県取手市の市立小中学校の学校検診で、心電図に異常がみられる児童、生徒の数が、昨年度から増加していることが、生活クラブ生協取手支部など市内3団体の調査でわかった。検査は小中学校の1年生に実施し、毎年度5月に1600~1700人が受診。精密検査が必要とされた子供は、2010年度までは最高で1・79%だったのが、11年度は2・38%12年度は5・26%になった。

 また、精密検査で疾患や異常が見つかった子供は、10年度までは最高0・71%だったが、11年度は1・28%12年度は1・45%だった。ただし、12年度は「要精密検査」とされながらも、公表時点で受診していない子供が3分の1以上おり、3団体は「受診者が増えれば数値が上がる可能性がある」とみている。

*バンダジェフスキー博士(元ゴメリ医科大学学長)は、子どもの体重1kgあたり、セシウム137が10ベクレル(5kgの子どもなら50ベクレル)蓄積するだけで、遺伝子に影響を与え、不整脈を引き起こす可能性があると警告していまます。 (不整脈は、心臓病につながります)

体重5kgの幼児が、セシウム137を毎日0.32ベクレル摂取し続けると体内10ベクレル/kgになります

ドイツ放射線防護協会「日本における放射線リスク最小化のための提言」では、『評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり4 ベクレル以上のセシウム137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり8Bq 以上のセシウム137 を含む飲食物を摂取しないことが推奨される』と提言している。


チェルノブイリも福島も、事故の翌年から甲状腺ガンが増加

(2012年9月11日) 1人が甲状腺がんと判明 
(2013年2月14日) 2人増え、3人が甲状腺がん+「がんの疑い」は7人
(2013年6月05日) 9人増え12人が甲状腺がん+「がんの疑い」は15人
(2013年8月20日) 6人増え18人が甲状腺がん+「がんの疑い」は25人
(2013年11月12日)8人増え26人が甲状腺がん+「がんの疑い」は32人

鈴木真一教授は、マスコミに対して毎回のように「チェルノブイリ原発事故では最短で4年後に発症が増加している」から福島の甲状腺がんは原発の影響ではないと発言し、マスコミもその言葉をそのまま記事にしていますが、ベラルーシの統計では事故の翌年から毎年増えています

ベラルーシの甲状腺がん増加データ(86?2000)

77年から97年 ベラルーシの子どもの甲状腺がんの数
(「原発危機を考える」より)

18歳以下1人が甲状腺がん 福島健康調査8万人分析 放射線の影響は否定
(2012/09/11 共同通信)から抜粋

 福島県立医大の鈴木真一教授は「チェルノブイリでも甲状腺がんは(発生まで)最短4年。福島では広島、長崎のような外部被ばくや、チェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」と述べ、放射線の影響を否定した。

福島県の「県民健康管理調査」検討委員会は、子どもたちに甲状腺ガンが見つかり始めたときから一貫して、「被ばくの影響は考えられない」と原発事故の影響を否定し続けています。特に、甲状腺がん調査の中心人物である鈴木真一教授は、「他県に比べ異常な数値は出ていないのか」という問いに対し「他県も同じような割合だ」と答えています

2006年の統計で、甲状腺がんと診断された20歳未満の人は【全国で46人】ですが、今年2月から11月までの9ヶ月間だけで【福島県で25人】も見つかっています。(全国の54% 福島県の人口は全国の1.6%)


「福島の小児甲状腺がん多発は統計的有意」津田敏秀・岡山大学教授
(2013年7月3日 My News Japan)から抜粋

福島県避難区域の子どもたちへの甲状腺検査で38,114人中10人の甲状腺がん(3人確定7人疑い)が見つかった。「疑い」は「10%の偽陽性=確定率9割」とされ、計9.3人となる。日本での小児甲状腺がんの発生率は年間100万人中1人で、単純比較で262倍。潜伏期間7年(今回の調査で7年間分のがんを見つけた)としても37.48倍だ。疫学エキスパートの津田敏秀・岡山大学教授は、これら様々な分析を行った上で「がんの潜伏期を考慮しても顕著な多発が起きている」「原因が被曝でないとすれば、原因不明の多発が起きている」とし、極端に甘い条件を当てはめない限り、統計的有意差は消えない、と結論付けた。

津田敏秀教授「小児甲状腺がんと被ばく 因果関係を否定できず」


IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部:
福島の子供たちの甲状腺癌罹患数増加
ー原子力大惨事の最初の可視的インパクトか? 2013年9月3日

(2013年9月8日 ちきゅう座)から抜粋

IPPNW医師団体は、損壊されたフクシマ原子炉で放射線被ばく線量が激烈に上昇したことを、多大な懸念をもって見守っている。

IPPNWは、福島県の18歳未満の子供たちにおける甲状腺癌罹患数の愕然とさせられるような増加に、「今後何年かの間に、異例の甲状腺癌罹患数の増加が予想される」として、危惧感を高めている。更に、癌の疑いがあると見られる25人の子供(18歳未満 )たちは、これまでのところ未だ(摘出)手術を受けていない状況である。

IPPNWは、フクシマにおける甲状腺ガンの高い罹患率を、所謂「スクリーニング効果」のせいであるとする日本の科学者たちの分析に対して異議を申し立てる。そのような(スクリーニング)効果 とは、集団スクリーニングによって発見された罹患の率が、一般住民における(病気の)症状を通して普通は明らかになる罹患率よりも高い場合のことを謂うのである。

IPPNWは、フクシマにおいて、チェルノブイリ最大想定事故後のように、多年にわたって、継続的に甲状腺ガン罹病率が増えていく可能性が強いと、みなしている。

「甲状腺ガンに罹った子供達は、甲状腺が全摘出されなければならない複雑な手術を受けなければならない。更に、摘出手術を受けた子供達は、定期的に血液検査を受ける方法によって正確に調整された甲状腺ホルモン剤を一生、服用していかなければならない。また、そればかりではなく、甲状腺ガンが再発するケースは稀でないため、アフターケア検診を定期的に受けなければならなくなる」と、小児科医であるアレックス・ローゼン博士(IPPNW)は説明する。

更に、甲状腺ガンだけが放射線被ばくによってもたらせられる健康被害ではない。それ以外にも、白血病、固形腫瘍、他種のガン、免疫システムの低下、妊娠合併症、先天性奇形、流産が、フクシマにおいて発生するものと予測されている。それ故に、緊急に、日本における健康調査範囲を他の人口グループや、(放射線被ばくによって誘発される )他の罹病可能性ある疾病検査に拡大していかなければならない

以上

1985年にノーベル平和賞を受賞したIPPNWについて
核戦争防止国際医師会議(かくせんそうぼうしこくさいいしかいぎ、International Physicians for the Prevention of Nuclear War: IPPNW)とは、核戦争を医療関係者の立場から防止する活動を行うための国際組織で、1980年に設立された。本部はマサチューセッツ州サマービル(Somerville)[1]。各国に支部があり、日本支部の事務局は広島県医師会内にある[2]。

米国のバーナード・ラウンとソ連のエーゲニィー・チャゾフが提唱した。1981年以来、現在は隔年で世界会議と地域会議を開催している[3]。83カ国、約20万の医師が参加している。1985年にノーベル平和賞を受賞。


「影響ないと約束」に批判 健康調査続く福島 「知識もないのに無責任」
 (2013年9月14日 河北新報)から抜粋

安倍晋三首相が東京五輪招致に当たり、東京電力福島第1原発事故による健康への影響について「今までも、現在も、将来も問題ないと約束する」と、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会で発言したことに対し、解明に取り組んでいる被ばく医療の専門家や、避難している県民から「知識もないのに無責任」と強い批判が出ている。

チェルノブイリ原発事故後に現地で医療支援に携わった医師の菅谷昭・長野県松本市長も「テレビで見て、びっくりした。被ばくの影響は未解明で、約束できる性質のものではない。世界に大きな誤解を招く。この発言で安倍首相に被ばくの知識がないことが露呈した」と話す。

安倍「健康問題は現在も将来も問題ないと約束する」


福島の帰還基準、避難者と賠償額の増加を恐れて「年5ミリ」とせず
福島の帰還基準、避難者増を恐れて強化せず 民主政権時
(2013年5月25日 朝日新聞)から抜粋

 5ミリ案が提起されたのは 11年10月、事故当初の避難基準 20ミリと 除染目標1ミリの開きが大きいことが議論となり、細野氏が「多くの医者と話をする中でも 5ミリシーベルトの上と下で感触が違う」と5ミリ案を主張した。

 チェルノブイリ事故では 5年後に 5ミリの基準で住民を移住させた。 年換算で 5.2ミリ超の地域は 放射線管理区域に指定され、原発労働者が同量の被曝で白血病の労災認定をされたこともある。 関係閣僚は「5ミリシーベルト辺りで 何らかの基準を設定して区別して取り組めないか検討にチャレンジする」方針で一致した。

 ところが、藤村修官房長官や川端達夫総務相らが加わった10月28日の会合で「住民の不安に応えるため 20ミリシーベルト以外の線引きを考えると、避難区域の設定や自主避難の扱いに影響を及ぼす」と慎重論が相次いだ。 5ミリ案では、福島市や郡山市などの一部が含まれ、避難者が増えることへの懸念が政府内に広がっていたことを示すものだ。

 11月4日の会合で「1ミリシーベルトと20ミリシーベルトの間に明確な線を引くことは困難」として 20ミリ案を内定。出席者は「20ミリ案は甘く、1ミリ案は 県民が全面撤退になるため、5ミリ案を検討したが、避難者が増えるとの議論があり、固まらなかった」と証言し、別の出席者は「賠償額の増加も見送りの背景にある」と語った。

 安倍政権もこの立場を踏襲しており、改めて 説明を迫られそうだ。


日赤、原子力災害時に救護指針「累積被曝1ミリまで」
(2013年6月16日 朝日新聞)から抜粋
救護班は線量計や安定ヨウ素剤を携行し、累積被曝線量が1ミリシーベルトを超える恐れがあれば、安全な地域に退避する


20ミリ以下、大きな影響なし 規制委、住民帰還で提言へ
 (2013/11/08 共同通信)から抜粋

 東京電力福島第1原発事故で避難している住民の帰還に向け、放射線防護対策の提言を検討している原子力規制委員会が、年間の追加被ばく線量が20ミリシーベルト以下であれば健康に大きな影響はないという見解を提言に盛り込む方針を固めたことが8日、分かった。

20ミリシーベルト以下 健康影響なし:福島民報


茨城県高萩市の甲状腺検査で、
912人中197人が経過観察、8人が精密検査が必要と判明

高萩市では、2013年5月13日から、2歳から小学6年生までの甲状腺超音波検査事業を開始し、7月5日からは中学生・高校生の検査も行っている。

茨城県高萩市の子どもの甲状腺がん検査結果

◆福島県郡山市の陸上部の高校生が「急性骨髄球性白血病」で入院

各地で心不全が増加している記事

「チェルノブイリ法」の避難基準と放射能汚染マップ

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