おかげさま市場

4月3日に、東京の国分寺駅から徒歩5分のカフェスロー横に「自然食品店」をオープンします。
昨年の11月11日(世界平和記念日)私は、スロービジネススクールの学生たち30数名とスロービジネスを社会に広めるための会社「株式会社おかげさま」をつくりました。

そのおかげさま社とカフェスローとが共同経営する「自然食品店」の名前が決まるまでの経緯と名前に込めた思いを書いてみました。

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自然食品店の名称が「おかげさま市場」に決まりました。

店舗名に応募してくださった皆さん、投票してくださった皆さん
そして、関心を寄せていただいた皆さん、ありがとうございました。

多くの皆さんに関心を持っていただき、大変うれしく思っています。

店舗名は、「番外」も含め最終的に27もの素敵な名前が寄せられました。
そして、50名を超える方から投票があり、まず3票以上の支持があるものに
絞りました。その中から最終候補として3つが残りました。

・うきうき(有機有機)市場
・生ヶ物(なまけもの)市場
・おかげさま市場

それぞれにユーモアや味わいがあり、本当に迷いましたが、最終的に
「おかげさま市場」に決定しました。その理由は、次のようなことです。

 現代人の自然に対する態度は、かつて自然と共に暮らしてきた時代とは大き
く違ってきています。特に産業革命以後「人間にできないことは何もない。人
間は生物の頂点に立つもので、自然を征服することもできる。人間のためなら
自然に対して何をしても構わない」といわんばかりの傲慢な経済活動が続けら
れてきました。

「スロービジネスとは何か」という問いに答えるとき、江戸時代の医者であり
哲学者でもあった三浦梅園の言葉を思い出します。「経済には、独り占めの経
済(乾没)と分かち合いの経済(経世済民)の二種類がある」と梅園は言いま
したが、現代の経済はまさに独り占め経済の典型でしょう。

「自分の会社さえ儲かればいい。自分の国さえよければいい。自分が生きてる
時代さえよければいい。そして、人間さえよければいい」といった自己中心で
人間中心の経済が社会に蔓延してきました。そうした態度の行き着いた先が、
現在の環境危機であり、人間の危機だと思うのです。

この危機を脱するために、私たちはどうすればいいのでしょう?
何から始めたらいいのでしょう?

かつての日本には、自然と共に生きる文化がありました。その一例が、大豆の
種を3粒ずつ植えていく栽培方法です。なぜ3粒ずつ植えるのか、その理由は
、「ひと粒は虫のため、ひと粒は鳥のため、そして、ひと粒は収穫のために」
ということです。

これは、農薬を使って虫や菌を殺し、人間だけが100%得ようとする近代農業
のやり方とは違って、虫や鳥とも分かち合い、共に生きていこうとするものです。

わたしたちは、空気や水や食べ物がなければ生きることができません。それら
は、人間の力だけではつくることができません。微生物や動植物などの多様な
生物と地球や太陽がなければできません。私たちは、そうした自然の中の一員
であり、関係性の中で生かされています。

多くの現代人がどこかに忘れしまった「自然の恵みに対する感謝の気持ち」を
思い出させてくれる言葉が「おかげさま」だと私たちは考えています。
「おかげさま」には、もちろん、人に対する感謝の気持ちも含まれます。

私たちにとって重要な「スロー」という言葉を辻信一さんは「つながり」と
表現しましたが、「おかげさま」という言葉には、人と自然とのつながりや
人と人とのつながりを育み、関係性をより良くしていく不思議な力が宿って
いる気がするのです。

皆さん、ぜひ、この言葉を一緒に広めていって下さい。

なお、4月3-4日にお披露目を兼ねてオープニング・セールを予定しています。
多数の皆様のご来場をお待ちしています。

おかげさま市場 共同代表
吉岡淳、中村隆市

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現在、スロービジネススクールの8期生を募集しています。

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