2005/12/12

南米からの便り(その3)

今回は、12月1日のサンパウロ新聞(ブラジルで発行されている日本語新聞)に掲載された、記事について紹介します。

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 環境問題に取り組み、中南米諸国の有機無農薬生産物を輸入販売することを主な目的に、先ごろ来伯した(有)有機コーヒー社代表取締役の中村隆市氏(福岡県出身、50)。環境視察の一環として同氏は去る十月、メキシコの先住民族が中心となって構成している協同組合「トセパン・ティタタニスケ」を訪問した。同組合はその中に研修センターを開設し、若い人材を重要なポストに置くなど、ブラジル日系社会が学ぶべき点も多い。中村氏にトセパン・ティタタニスケの活動状況など話を聞いた。
 同組合は、メキシコ南東部プエブラ州ケッツァランに住む先住民ナワット族が中心となり、資源の循環活用などを目的に1978年に設立。人口3万人のケッツァランで現在、約6千世帯が組合員として活動している。「トセパン・ティタタニスケ」という名称はナワット語で、「団結すること。それが、皆が幸せになる唯一の道である」ということを意味するという。
 有機コーヒーを中心に、アグロフォレストリー(森林農業)としてコショウ、キノコ栽培のほかハチミツなどの加工品も生産している。「自分たちで新しいものを作り出していく」との考えを基本に、組合の中に研修センターを開設。「バンブー・ハウス(竹でできた家)」や「バイオ・フィルター」と呼ばれる自然による水の浄化など地域にあるものを生かした設備をつくり、資源の有効的な循環に重きを置いている。
 組合では、自分たちの部族だけの繁栄を目指すのではなく、別の先住民族「トトナカス族」への支援活動も行うなど、自分たちの活動をモデルケースとして広めている。トトナカス族が在住する地域は道路の一部が吊り橋になっており、生産物が流通しにくい場所にあるという。そのため、従来から「コヨーテ」と呼ばれる仲買人が生産物販売の手数料をつり上げてきた。悪しき慣例を打破する上でトセパン側の支援活動の意味は大きく、新たな流通ルート拡大の道でもあるようだ。
 最近では、エコツアーを通じて組合の活動をアピールし、訪問者はメキシコ国内のみならず、海外からの観光客も増えているという。
 他の組織との違いは、若い人材の積極登用と自主参加で、今年、組合設立者で長老格のドン・ルイス氏がリーダーを引退。30代のナサリオ氏を組合長に抜擢した。組合員は老若男女を問わず、理事役員には女性理事も多い。
 実際に組合設備を目の当たりにした中村氏は、「研修センターが一つの学校のような雰囲気になっており、若い人たちが組合の中でやりがいを感じていることが好循環につながっているようです」と既成概念にとらわれない前向きな活動を評価している。

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