南米からの便り(その2)

今回は、11月5日のサンパウロ新聞(ブラジルで発行されている日本語新聞)に掲載された、記事について紹介します。

「ハチドリ計画」推進へ コーヒー社の中村隆市さん

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小さな一歩からでっかい夢を

『ハチドリ計画』 推進へコーヒー社の中村隆市さん

ブラジルをはじめ中南米諸国からコーヒーなどの有機無農薬産品を輸入販売し、環境問題に取り組んでいる(有)有機コーヒー社代表取締役の中村隆市さん(福岡県出身、50)がこのほど、来伯。今年5月に作成した小冊子『私にできること ?地球の冷やしかた? 』を通じた地球温暖化防止の大切さを世界に広めたいと、自身の仕事を兼ねて中南米各地を回っている。同冊子は、南米アンデス地方先住民に伝わるハチドリの物語を聞き取ったもので、「1人でも多くのひとたちに伝えたい」と意気込みを示している。

地球を優しく冷やす温暖化防止のたいせつさPRで来伯

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物語の内容は、アマゾンでの火災で森に住む動物たちが我れ先にと逃亡する中、「クリキンディ(金の鳥の意味)」という名のハチドリだけは、水のしずくを1滴ずつ運んでは火の上に落としていた。他の動物から「そんなことをしても火は消えない」と嘲笑されるが、クリキンディは「私は、私にできることをしているだけ」と主張。ハチドリの姿を通じて、個人個人でできる自然環境への取組みを促進するものだという。

4年前にこの話をキチュア族の友人から聞いた中村さんたちは大きな感銘を受け、「ハチドリ計画」というグループを結成。この伝説を広く伝えていくために、小冊子を作成した。

中村さんの説明によると、今年5月22日の「国際有機コーヒー・デー」に合わせて1万冊が印刷され、日本国内で大きな反響を得たことから、今年10月にさらに5千部を増刷したという。

1997年、京都で環境問題、特に地球温暖化に関する国際会議が開かれ、同会議の決議をもとにした「京都議定書」が今年、2005年2月に発効している。それによると、日本は2008年から2012年の5年間で、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を90年と比較して6%減らす約束をしている。しかし、実際には当時から8%も排出量が増加し、今年の時点で14%も減らさなければならない状況になっているという。「(物語に出てくる)アマゾンの森の火事は、実は、地球温暖化のことです。熱くなっている地球を冷やすための私たち一人ひとりの行為は何の効果もない無駄なものだと思われがちですが、地球温暖化も私たち一人ひとりの行為が積み重なって起きている現象です」と中村さんは、各人でできる環境問題への取組みの大切さを強調する。

今後、同冊子のポルトガル語版、スペイン語版作成も進めていく考えだ。

中村さんは今回、小冊子の案内以外に、メキシコ、エクアドルなどの中南米諸国を訪問。有機無農薬コーヒーの生産現場を視察したほか、チリのバルパライソから「ピースボート」に乗船し、イースター島を経てタヒチ島までの約2週間の船旅の中で、環境問題について講演を行う。

「ハチドリ計画」のホームページアドレスは、www.hachidori.jp

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