2012/04/12

浪江町、 SPEEDI情報提供について 国や県に対し刑事告発を検討

福島第1原発事故 浪江町、 SPEEDI情報提供について国や県に対し刑事告発を検討
(2012年4月11日 12:19 福島テレビ)

福島第1原発事故で、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報を的確に提供せず、被害を拡大させたとして、浪江町は国や福島県に対し、刑事告発を検討していることが、FNNの取材でわかった。

原発事故の直後、国は、放射性物質の拡散情報を把握していながら、避難する自治体に情報を提供せず、福島県もメールで受信していた情報の一部を消去していた。その結果、浪江町では、多くの住民が放射線量が高い北西方向に避難して被ばくしたほか、何度も避難先の変更を余儀なくされ、79人が死亡するなど、被害を拡大させたとしている。

浪江町の馬場 有町長は「刑事罰に値するのではないかというような話もあります。そこは、きちっと法的に整理しておきたいとは思います」と述べた。浪江町は、国や福島県を業務上過失致死傷などの罪で刑事告発することを検討していて、5月中にも結論を出す方針。

チェルノブイリ原発の2~5倍放出 福島原発からの放射性物質

チェルノブイリを超える大気中への放出量
アーニー・ガンダーセン著 『福島第一原発―真相と展望』
(2012年2月22日発行 92~95ページから転載)

 福島第一原発事故では放射性物質の多くが海に向かいました。海は陸地と違って沈着量から放出量を推測することができません。したがって、原発に残った核燃料の総量がわかるまでは、どれだけの放射性物質が放出されたのかは不明なのです。

 東電は「チェルノブイリより被害が少ない」などと主張していましたが、彼らの数字はあまりにも誤魔化されていて、漏洩した放射性物質はチェルノブイリの5~10倍だったとしてもおかしくありません。私の予想は2~5倍ですが、原子力安全委員会と原子力安全・保安院は10%だと言っていました。(2011年4月12日会見)。

 そもそも、当時も今も放射性物質の漏洩は止まっていません。彼らの試算は、炉心の放射能が圧力抑制室へ行き、水に取り込まれる設計に基づいていました。アメリカの規制ガイドラインによると放射能の99%は水に溜まっている計算です。ただし、これには水が沸騰していないという前提があります。福島第一原発は冷却機能を失い、水が沸騰したため除染係数がなくなりました。つまり、1対99(逃げた割合:残った割合)から99対1になるのです。水が沸騰していれば、入ってきたものは出ていきます。

 にもかかわらず、東電は漏れた放射能を99%ではなく1%で計算していました。過去の経験から私には抜け穴が特定できます。それだけでなく、格納容器の漏洩も計算に入れていません。自分たちで発表した測定内容とも、航空機モニタリングの結果とも食い違っています。

 チェルノブイリでは、ロシア政府が記録を抹消しようとしました。スリーマイルでも健康調査は1990年まで行われませんでした。10年以上が経過していたうえに、調査を命じた判事はレーガン大統領に任命されていました。信じられないことですが、判事は被害の最大推定値について、統計学的に有意な水準を1%でも超えていれば無効だと、あらかじめ忠告していたのです。唯一実施されたこの研究は、ノースカロライナ大学のスティーブン・ウィング博士によってのちに再分析されました。不完全かつ圧力をかけられた調査ですが、住民のがんが増加していることを示していました。しかし、公式に発表された放出量と合致しないため因果関係は否定されたのです。

 長年にわたって事故を追った私は、NRCがどのように放出量を算出したのか突き止めました。公式な概算は1000万キュリーです。ベクレルに換算しなければなりませんが、少なくとも福島原発事故の100分の1です。1000分の1かもしれません。それはともかく、非常に難解な理屈が元になっていました。私は責任者を知っています。8基の放射能測定器が原発の敷地を取り囲むように設置されていました。そこで彼はそれぞれの記録値から放出量を割り出し、平均をとったのです。事故が起きてから間もないときで、誰も異議を唱えませんでした。それが絶対的真理となってしまったのです。

 しかし実際の数値は100倍かもしれません。プルーム(放射能雲)が飛んだ方向次第では、測定器に当たらなかった可能性があるのです。要するに基本的な前提が完全に外れていました。ですからスリーマイルではNRCが認めるよりずっと多く、少なくとも1億5000、最大10億キュリーの放射能が漏れたのです。今回の事故でも東電の発表は控えめ過ぎると思います。


アーニー・ガンダーセン(Arnie Gundersen)
1949年生まれ。原子力技術者、エネルギー・アドバイザー。レンセラー工科大学修士課程修了。エンジニアとして全米で原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わり、エネルギー省の廃炉手引き(初版)の共著者でもある。原子力業界の重役を務めた後に妻のマギーと設立したフェアウィンズ・アソシエイツ(Fairewinds AssociatesInc.)は、原子力発電に関する調査分析や、訴訟・公聴会における専門家としての意見提供を行っている。

コンブから放射性ヨウ素 米西海岸、福島事故の影響か

コンブから放射性ヨウ素 米西海岸、福島事故の影響か
(’12/4/10 中国新聞)

 【ワシントン共同】東京電力福島第1原発事故後の昨年4月、米西海岸の海中に生えるコンブの一種から、通常より高いレベルの放射性ヨウ素が検出されていたことが9日、分かった。

 事故の影響とみられるが、米メディアによると、食べても健康には問題のないレベルという。米カリフォルニア州立大の研究チームが、環境科学の専門誌に発表した。

 チームは昨年4月、コンブの一種「ジャイアントケルプ」を米カリフォルニア州の3カ所で採取して調査。事故前に比べて高いレベルの放射性ヨウ素131を検出した。

 ヨウ素は最大で、乾燥したケルプ1キログラム当たり2500ベクレル。チェルノブイリ事故後に北米西海岸で検出したのと同レベルだったという。

 チームは、福島第1原発から大気中に放出されたヨウ素が、太平洋を渡った後に雨で降下したとみている。今後は、コンブを食べる海生生物への影響を調べる必要があるとしている。

 コンブは環境中のヨウ素が集積しやすいことで知られる。放射性ヨウ素131は半減期が8日と短く、昨年5月の検査では検出されなくなった。

福島原発4号機 プールの水が漏れたら 人類史上最悪の事態に

原発は、稼動させればさせるほど被曝作業者がたくさん必要になる。今も福島第一原発では事故処理にあたる技術者が不足している。そして、今後も十年以上、事故処理作業を続けなければならない。福島の大きな危機を食い止めるために一人でも多くの「被曝労働者」を確保しないといけない状況の中で、政府は原発を再稼動させようとしている。歴史に残る愚かな政府である。

福島原発4号機 プールのヒビ割れだけでも人類史上最悪の事態に
(週刊朝日 2012年3月16日号)

 福島第一原発事故の直後、CNNテレビで「すでにチェルノブイリと同じレベルだ」と指摘した米原子力技術者、アーニー・ガンダーセン氏。さらに原発の即時全廃を訴える作家・広瀬隆氏が対談で福島第一原発4号機の危機的状況を指摘した。

*  *  *
広瀬:私の講演会では、ガンダーセンさんが3号機の爆発で、使用済み核燃料プールで即発臨界が起こった可能性について解説しているインターネットの動画を見せています。東京電力は認めませんが、私はあなたの解析に間違いないと思います。

ガンダーセン:今は、爆発の原因を厳密に特定するのは難しい段階ですが、上向きのベクトルで劇的な爆発が起こったこと、爆発位置と偏りを考えると、核燃料プールで不慮の臨界が起こったと考えるのが自然です。

広瀬:原発敷地内で極めて高い放射線量が検出されたのも、臨界暴走でプールの核燃料が飛び散ったと考えると、現場の状況と符合します。著書『福島第一原発 ―真相と展望 』(集英社新書)では「4号機のプールで火災が起きたら、日本を脱出せよ」と警告していますね。

ガンダーセン:4号機の核燃料プールは、今も日本列島を物理的に分断するほどの力を持っています。震災時、このプールには炉心数個分もの使用済み核燃料が入っていたのです。大気圏内で行われた過去の核実験で放出された総量に匹敵するほどの、放射性セシウムが眠っています。

広瀬:しかも、おそろしいことに、核燃料プールは遮蔽されていません。

ガンダーセン:まさに「格納されていない炉心」です。今は水で冷やしていますが、プールにヒビが入るなどして水位が下がり、冷却できなくなると、温度が上がって燃料棒の鞘であるジルコニウム合金が発火するのです。こうなると、もはや水では消火できない。核燃料が大気中で燃えるという、人類のだれも経験したことはない、おそろしい状況になるのです。

広瀬:今回の事故とはけた違いの膨大な放射性物質が出てくる。大惨事です。

ガンダーセン:まさしく。震災直後、日本では1、3号機の爆発に気を取られていましたが、米原子力規制委員会(NRC)は、この事態を非常に心配してきました。私自身もそうです。

広瀬:私は、ボロボロの4号機の燃料プールがガラッと崩れて、核燃料がバラバラと飛び散る事態を心配してきましたが、燃料プールのコンクリートに亀裂が入っただけで終わり、ということですね。

ガンダーセン:科学にとって未知の大惨事になります。


アーニー・ガンダーセン(Arnie Gundersen)
1949年生まれ。原子力技術者、エネルギー・アドバイザー。レンセラー工科大学修士課程修了。エンジニアとして全米で原子炉の設計、建設、運用、廃炉に携わり、エネルギー省の廃炉手引き(初版)の共著者でもある。原子力業界の重役を務めた後に妻のマギーと設立したフェアウィンズ・アソシエイツ(Fairewinds AssociatesInc.)は、原子力発電に関する調査分析や、訴訟・公聴会における専門家としての意見提供を行っている。


「原発危機は続いている」それでも再稼働は大丈夫?

ー危険な4号機ー3/8モーニングバード(動画&内容書き出し)
(テレビ朝日「モーニングバード」2012年3月8日放送)から抜粋

玉川:
福島第一原発の事故の本当の原因もちゃんと分かってない。
国会で事故調査をするっていう、事故調査の結論も、まだ出ていないんですよ。
ですけど、もう、どんどん、どんどん動かすという話ばっかりが進んでいる。

たとえば、東電の福島第一原発、今すでに安全なのか?
もう、終わったような話をしていますけれど、終わっているのか?本当に。
”2大政党が再稼働しようとしているが、福島第一原発事故は収束したのだろうか?”

4号機の現状。実は京都大学の小出先生はこれを一番心配しているんですね。
まず、4号機の現状ですけれども
もう壁なんかもない位に、これぐらい吹き飛んで、ボロボロです。

燃料プールの中に燃料棒がいっぱい入っているんですよ。
原子炉に入る燃料の2・8倍、1535本以上がここにある。
で、これは冷やし続けなければならない。

じゃあ、たとえば地震がきて、水が漏れだしたらどうなるんだろう?
これを小出先生にお話しを伺っていますのでVTR

ーー

小出:
もし、これから大きな余震でも起きて、ここの壁が崩壊するようになれば、
プールの水が抜けてしまいますので、使用済みの燃料を冷やすことが出来なくなる
そうすると、どんどん、またさらに溶けてしまうという事になって、
使用済み燃料が、多分全て溶けてしまうだろうと思います。

そうなると、使用済み燃料の中に含まれていた膨大な放射能が、
何の防壁もない、ここから外へ吹き出してきてしまうという、

玉川:
地震が来ないうちに使用済み燃料を抜き出して、
横にまたプールでも作ってですね、移せばいいんじゃないですか?

小出:
ところが使用済み燃料を空中につり上げるような事をすると、
使用済み燃料から膨大な放射線が飛び出してきて
周辺の人達は、もう死んでしまうしかないという位の強い

玉川:そんなに強いんですか?

小出:そうです

ーーースタジオ

玉川:
プールの中に入っているからって、もう、終わったもんじゃないんですね。
まだまだ熱を出しますし、まだまだ空中につり上げるとですね、
周りにいる人たちが死ぬぐらいの放射線が出ているんですよ。
水の中に入っているから、水でこれが遮られているだけの話なんですね、

「外に移せばいいんじゃないか」というような話を私は聞きましたけれども、
今まで万全な時にはどうやって移していたかというと、
でっかい容器を水の中にまず入れます。
水の中で、この容器の中に燃料棒を入れて、水が入った状態で蓋をして、
つり上げて出しているんですね。

ところが、地震で、こういうクレーンとかが、もう使えないんですよ。
どうするんだ!というふうな話なんですが、どうやって移せばいいんだと。

ーーーVTR

小出:
オペレーションフロアの上に巨大なクレーンのようなものがみえます
巨大な容器をつり上げたり釣り下ろしたりするためのクレーンなんですが、
建屋が爆発で吹き飛んでしまっていますから、もうこのクレーンすらが使えない。

やらなければならない事は沢山あって、まずは使用済み燃料プールの中に
崩れ落ちてしまっているがれきなどをどけなければいけない。

そして、どけた後に、巨大な容器を沈められるように、
なんらかのクレーンのようなものを現場で動かせるようにしなければいけない。
外から巨大なクレーンで、吊るという事が出来るでしょうから、その準備をする。
そして、多分、何がしか壊れているであろう使用済み燃料をその巨大な容器に入れて、
それをまた外につり上げるという事をやらなければいけない。

ただ、そういう事を全部やろうとすると、
多分、何年という単位が必要になると思います。

玉川:
そうすると、その何年の間に、
壊れるような、この建物を壊すような地震が来たら、それは・・

小出:おしまいです

玉川:おしまいですか?

小出:はい

ーーースタジオ

玉川:おしまいなんですよ

立花:信じられない

羽鳥:わぁ??

立花:信じられない

玉川:
大きな地震があって、
大きくなくてもですね、これ、何回も揺らされていますからね。
何回も揺らされているところに、たとえばプールにヒビでも入ってですね、

羽鳥:その水が、いま、

玉川:抜けちゃったら、

羽鳥:抜けちゃったら、おしまい?

玉川:東京とかまで含めてアウトです。

立花:それで再稼働なんて言ってるんだ・・・

玉川:
だから再稼働も、少なくても国会事故調の結論が出てからじゃないと、
規制庁だって作っちゃ・・・
どんな規制庁にするのかっていうのも、国会事故調を見なきゃいけないし、

松尾:
ただ、「地元の理解を」っていう言葉があったんですけどもね、
地元ってね、日本中が地元なんだ。
あるいは近隣の国も全部地元なんだよという事を考えないと、
この件に関してだけは、そこに建っている、立地しているところだけが
地元じゃないんだということを皆が思っていないといけないですよね。

羽鳥:
収束なんてとんでもなくて、相当危機的な状況が今も続いているっていうのを
認識しないとダメですね。

立花:こんなんで再稼働なんて言っている人、もうね、やめて欲しいですね。

松尾:名前を出して意見を聞いていきたいですね。


保安院「千~2千人技術者不足」 作業員被ばく限度の変更要望
(西日本新聞 2011年7月28日)

 東京電力福島第1原発事故の作業員の被ばく線量をめぐり、経済産業省原子力安全・保安院は28日、従来の運用では「千〜2千人の熟練技術者が不足し、事故の処理や全国の原発の運用に重大な支障が生じる」との文書を4月に厚生労働省に提出し、運用の変更を要望していたことを明らかにした。

 平常時の放射線業務従事者の被ばく線量限度は「年間50ミリシーベルト、かつ5年間で100ミリシーベルト」。厚労省は福島第1、第2原発での作業に限り限度を250ミリシーベルトに引き上げた。

作業員の生命を守るためにも 全国の原発を停止し、福島に集中を
(2011/08/02 風の便り)から抜粋

これまでで最も高い、毎時1万ミリシーベルト(10シーベルト)を超える放射線が計測された。計測器の限界を超えており、どれほど高い放射線量なのかわからない。仮に、10シーベルトであっても1時間そこで作業するとほぼ全員が死亡する。福島第1原発だけに設定された「緊急被ばく限度」250ミリシーベルトも90秒で超えてしまう。

これまでに分かっているだけでも被ばく量が250ミリシーベルトを超えた作業員が6人もいる。事故処理作業員のこうした高線量被ばくを抑えるためにも全国の原発を止めて、ベテランの原発作業員を福島の事故処理に集中させる必要がある

関係者は証言している。「本当は『原発職人』は全国にたくさんいるはずなんですよ。でも会社が出さない。福島で働くと他で仕事ができなくなるから」


福島第1原発:高線量被ばくの作業員は2160人
(2011年7月27日 毎日新聞)から抜粋

 経済産業省原子力安全・保安院と東京電力は27日、福島第1原発事故の収束作業に当たる作業員のうち、事故収束までの高線量被ばく者数の3月下旬時点での試算を発表した。50ミリシーベルト以上100ミリシーベルト未満が約1680人、100ミリシーベルト以上が約480人だった。

 保安院などによると、試算は保安院の指示を受け、東電と原子炉メーカーの東芝、日立製作所の計3社が実施し、保安院に結果を報告。厚生労働省の内部文書内に「経産省によると50ミリシーベルト超は約1600人」との記載があることが市民団体の情報公開請求で明らかになったため発表した。

 試算結果を4カ月近く公表しなかった理由について、保安院の森山善範原子力災害対策監は「個別の企業情報が含まれているため」などと説明。内部文書の開示を受けた「全国労働安全衛生センター連絡会議」の飯田勝泰事務局次長は「もっと早く作業員に知らされるべき情報だった。隠していたとしか思えない」と批判している。

 東電によると、今月13日現在、100ミリシーベルト以上の被ばくをした作業員は東電と協力企業の計111人。

2012/04/11

総理大臣への書簡 一日も早い脱原発へ 村田光平(元駐スイス大使)

総理大臣への書簡
(2012年04月10日 Nuclear F.C : 原発のウソ)

野田佳彦内閣総理大臣殿
平成24年3月25日
村田光平(元駐スイス大使)

拝啓
時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

 ドイツZDFテレビ: 「フクシマのうそ」の 書き起こしをお届けいたします。

 内容は衝撃的で 内外で反響を呼んでおります。「原子力ムラ」の実態が生々しくさらけだされており、日本人として恥ずかしい限りです。日本の名誉挽回には一日も早い脱原発政策の確立しかないとの確信を深めました。

 去る22日13時より16時まで 参議院予算委員会公聴会 で公述人の務めを果たしました。

公聴会では、特に1535本の燃料棒を抱えた福島4号機〈50 メートル離れたところの1~6号機共有冷却プールには6375本の燃料棒が存在する〉が日本の破滅のみならず世界の究極の破局に連なりうるものであり、その対策作業の開始が年末以降とは到底理解できず、国の責任は重大であることを述べました。

 また、福島事故の教訓は経済重視から生命重視への転換であり、いまだに不道徳な一部が経済重視に執着して世界の破局を招くにいたることを世界は許す筈はなく、既に、世界を脅かす福島4号機問題で米国が動き出した具体的兆候を得ている旨指摘しました。

 今週、韓国で開催される Nuclear Security Summit で4号機に関する「独立評価チーム」の設立を目指す動きがその一つであり、在日米軍の安全につき米議会に対し公聴会を求める動きもあります。

このサミットが世界の命運を左右する状況にある4号機の問題を非公式にせよ取り上げることが予見されます。このほど、ニューヨーク在住の元国連職員の Akio Matsumura氏より韓国及びドイツの要人に対するこの方向での働きかけの報告に接しております。 

「独立評価チーム」は内外の叡智を総動員するために不可欠であり、本来日本がイニシャティヴをとって然るべきものと思われます。これに関連して、2010 年8月、スイスのバーゼルで開催された核戦争防止世界大会で私は天地の摂理に言及し、

「このような考えからすれば、核の大惨事の発生の可能性を憂慮せざるを得ません。このような究極の破局を未然に防ぐためにこそ、人類の叡智を動員しなければならないのです」と訴えたことを無念の気持ちで想起しております。

 4号機のプールにはこれまでの大気圏で行われた核実験で放出された量を合わせたほどの放射性セシウムがあり、そこでの火災を消し止める方法など科学にとって未知の世界といわれております。

事の重大性に鑑み、どうか面子にこだわることなく、できるだけ幅広い国際協力を確保できる形での「独立評価チーム」の設立を日本政府として検討されるようお願い申し上げます。

 公聴会では再稼動はあり得ない旨断言しましたが、こうした世界の動きもその根拠の一つですが、安全と認定できる信頼の置ける機関が存在しないことが決定的理由です。

公聴会での私の発言にはマスコミは相変わらず無関心ですが、ネットなどで大変手応えのある反響に接しつつあります。最近全国紙の何人かの責任 ある立場の方よりジャーナリズムの使命を果たして行きたいなどの返信を始めて頂き、勇気付けられております。

 貴総理の一層のご発展とご自愛をお祈り申し上げます。
敬具

放射能汚染で菅谷・松本市長「子を守る自覚を」 医師の立場で講演

放射能汚染で菅谷・松本市長 「子を守る自覚を」 医師の立場で講演
(2012年3月5日 東京新聞)

 甲状腺疾患の専門医で、長野県松本市の菅谷(すげのや)昭市長が、ひたちなか市の市文化会館で「いま、ここでできること―チェルノブイリをくり返さないために―」と題し、福島第一原発事故の放射能汚染について講演した。市内の母親たちでつくる「希望のかけはし会」が主催し、約三百八十人の市民が耳を傾けた。

 菅谷市長は旧ソ連のチェルノブイリ原発事故後、ベラルーシに五年半滞在し、甲状腺がんに苦しむ子どもの治療に当たってきた。

 同原発周辺の低濃度汚染地帯では子どもの免疫力低下や未熟児が増えていることを報告し、原発から三十キロ圏内は現在も人が住めないと説明した。チェルノブイリでの経験から「除染に過大な期待をせず、福島でも同じ状況になるかもしれないことを頭に入れてほしい」と訴えた。

 同事故から数日後にヨウ素剤の配布を決めたポーランドの例を挙げ、「当然知っておくべき対策で、初期にやらないと遅い」と事故後の日本政府の対応を批判した。子どもへの影響を懸念する参加者の質問にも「もう政府に頼るのはやめ、子どもを守るために自分が何をするかが大事だ」とそれぞれの自覚を求めた。 (近藤統義)

2012/04/10

【DVD 原発のない未来へ】 田中優×中村隆市 講演と対談

食育祭での田中優さんと私の講演と対談がDVDになりました。
DVDの売り上げの一部が「放射能市民測定室・九州」のカンパになります。
資金集めに苦労しています。皆さん、御協力をお願いします。
ご注文は、コチラ

放射能市民測定室・九州 Qベク
「福島第一原子力発電所事故以降明らかになってきた食品放射能汚染と、長期的な環境モニタリングの必要性を受けて、 2012年5月(予定)に「放射能市民測定室・九州 Qべク」を福岡に開設します。

「NPO法人食育推進ネットワーク福岡」さんの企画、「一般社団法人スロービジネス・カンパニー」さんの製作で、「原発のない未来へ 子どもたちのために、今、できること」というDVDが完成しました。これは昨年2011年11月6日(日)に行われた「食育祭 in ふくおか 2011」で行われた田中優さん×中村隆市さん講演会の模様を録画したDVDです。この売り上げの一部がQベクへのカンパになります。Qベク事務所もしくは、「スローライフスタイル ショップ 膳」でもお買い求めいただけます。ご協力よろしくお願いいたします!

【DVD「原発のない未来へ」】 定価1,200円(税込)

福島第一原発事故後、
身を守るにはどうすればいいの?
未来の子どもたちのため
社会をどう変えられるの?

脱原発に長年取り組んできた二人が、
福島原発事故後、私たちが身を守るためにするべきこと、
未来の子どもたちのために
社会をどう変えられるかについて講演します。

★内容
田中優、中村隆市
○田中 優 講演
 ●原発事故の状況と自衛策
 ●脱原発への仕組みの考え方
○中村 隆市 講演
 ●チェルノブイリの経験から学ぶこと
 ●原発・再処理は事故がなくても問題
○トークセッション
 ●会場からの質問に答えて

★講演者プロフィール
○田中 優 Tanaka Yu
地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」理事長、「日本国際ボランティアセンター」理事、「ap bank」監事ほか。『原発に頼らない社会へ』など著書多数。

○中村 隆市 Nakamura Ryuichi
ウィンドファーム代表。有機農業とフェアトレード普及への貢献によりブラジル・マッシャード市から名誉市民章受章。90年からチェルノブイリ医療支援に関わり、福島原発事故後は避難受け入れと、特に子どもたちを放射線から守る取り組みにカを入れている。スロービジネススクール校長。

■企画: 食育推進ネットワーク福岡
■製作: 一般社団法人 スロービジネス・カンパニー
■収録時間: 158分
■DVD-VIDEO

※DVDは、紙ジャケットに入れてお届けします。

経済優先社会から いのちを大切にする社会に

数年前から、中小企業家同友会や青年会議所などの中小企業の経営に携わっている皆さんに講演する機会が増えてきました。昨年の311以後は、チェルノブイリの医療支援や福島の原発事故について話す機会も増えてきました。経営者向けの講演録があれば見たいという声があるので、参考までに一部をアップしておきます。(2011年夏から2012年1月に福岡、滋賀、京都で講演した要約から抜粋)

京都中小企業家同友会 2012新春講演会
「経済優先社会からいのちの尊厳を大切にする経済社会に」
―子どもたちと未来にどのような国を残すのか―

講師 中村 隆市 氏 株式会社ウィンドファーム 代表

京都中小企業家同友会 2012年新春講演会
(写真は、山猿日記さんより拝借)

講演概要

 江戸時代の医者で哲学者でもあった三浦梅園という人がいます。まずこの人の言葉を二つ紹介します。一つは「枯木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」。人は、枯れた木に花が咲けば奇跡だと驚きます。しかし、梅園は生きた木に花が咲くことこそ驚きだと言います。もう一つは「経済には、独り占めの経済(乾没)と分かち合いの経済(経世済民)の二種類がある」という言葉です。このことは最後に触れたいと思います。

 まず、最初の言葉「枯木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」についてです。毎年、春が来れば花が咲きます。梅が咲いて、桜が咲きます。毎年、あたりまえのように花が咲きます。私たちは、朝起きて目が見えます。耳が聞こえます。手が動いて、足が動きます。それは当たり前のことですが、それが奇跡ではないかと梅園は言っているのだと思います。人間の手は、あらゆる生物の中でも飛び抜けて優れた能力を持っています。その気になれば、ほとんど何でも手作りすることができます。

 日常的に、あたりまえのように働いているので意識していませんが、私たちは肺が働くから呼吸ができます。心臓が働くから血液が全身にまわります。心臓は、一生の間に(80年間で)およそ30億回も休みなく収縮運動を繰り返します。私たちが眠っていても彼らは働いています。これって、すごいことだと思いませんか?
そうしたことを梅園は、日常の中に奇跡が宿っていると言っているのです。

 地球という星も奇跡です。この宇宙の中に、いま分かっている段階では地球のような星はありません。そういう美しい星に私たちは生まれることができたのです。そして、私たちは人間として地球に生まれることができたことも幸せなことではないかと思います。今日はそうしたことも含めてお話させていただきたいと思います。

水俣病との出会い、環境問題へ(要約)

 私は1955年に福岡の和白干潟という美しい干潟の傍で生まれました。19歳のときに母の故郷である熊本県で水俣病の患者さんに出会ったことが、公害や環境問題に関心を持ち始めるきっかけになりました。水俣病というのは、化学肥料やプラスチックの原料を作っていた会社が、工場の排水をきちんと処理しないまま海に垂れ流し、その排水に含まれていた有機水銀を魚介類が体内に取り込み、それを食べた人たちに水俣病が発生しました。1959年、熊本大学医学部が「水俣病の原因物質は工場排水に含まれる有機水銀であろう」と報告しますが、政府は「経済成長」を優先して1968年まで工場を停止させませんでした。その結果、被害は拡大し1300人以上が亡くなりました。健康被害を受けた人は20万人にも及ぶといわれています。

 特に私が、強い衝撃を受けたのが、お母さんのお腹の中で水銀の被害を受けた胎児性水俣病の子どもたちでした。私と同世代に生まれた胎児性水俣病の子どもたちは、お母さんの体内に入った毒を自分たちが引き取るようにしてお母さんの健康を守る一方、自分自身は重い病を抱えて生まれてきたのです。その姿に接したとき、私の心は震えました。そして、私自身が水俣病を持って生まれていてもおかしくないことに気づいたのです。

 その後、環境保護運動に参加するようになった私は、当時、作家の有吉佐和子が朝日新聞に連載していた『複合汚染』を読んで、農薬や食品添加物などの問題を知り、有機農業に関心を持ち始めました。

 その後、山村に住み、農薬も化学肥料も使わずに野菜や米をつくり、鶏を飼うようになり、できた野菜を売ろうとしたのですが、当時の消費者は、安全で、美味しくて、栄養価が高くても、大きさが不揃いだったり、曲がってたり、少し虫食いがあるような「見てくれの悪い」有機野菜は評価しませんでした。そうした経験をしたことで、有機農業を広めていくには消費者の意識を変える必要があると考えた私は、生活協同組合に就職して有機農産物への理解を広げる仕事をしました。

 農薬の勉強をするだけでなく、田んぼや畑で有機農業を体験することで、農薬や化学肥料を使わないことの大変さを理解していきました。一方で、お米1粒の種もみが1000倍にも2000倍にも増えるような自然の恵みの有難さも感じます。除草剤や化学肥料を使わず、草取り作業や堆肥を施す作業に汗を流し、収穫の喜びを経験することで有機農業生産者や自然に対する感謝の気持ちも生まれてきました。そして、だんだん生協内に有機農業に対する理解が広まり、福岡県内の60ヶ所ほどで青空市場を開くことで、一般の人たちにも理解者が増えていきました。
そんなときに、日本から8000キロ離れた原発が爆発事故を起こしました。

放射能汚染食品が途上国に

 1986年4月に起こったチェルノブイリ原発事故です。この事故がどのくらい大規模な事故だったかを知るのに参考になるのが、事故処理作業や除染作業に携わった人の数です。若い人たちを中心に、80万人以上が動員されたと言われています。その際使用した乗物などは全て放射能で汚染され、地下に埋められました。しかし、汚染されたのは機械だけではありません。事故処理作業員も放射能で被曝しました。事故から14年後の2000年には、年齢が若いにもかかわらず、5万5千人がすにで亡くなっていると発表されています。

 この事故処理作業にあたった人たちに私も何度か会いましたが、彼らには、心臓や血液の病気が多く、呼吸器系、消化器系、内分泌系など様々な病気で苦しんでいました。いま福島で行われている除染作業をテレビで見ていますと、あまりにも軽装すぎます。あの軽装で除染作業を続けていたら相当な被曝をするのではないかと心配です。

 この原発事故で、放射能が風に乗って世界に流れていきました。日本にも1週間後に放射能は届いています。雨水や飲み水、お茶や米、そして母乳からも放射能が検出されました。それと合わせて、もう一つの問題が出てきました。食料輸入大国の日本にチェルノブイリ原発事故で汚染された食品がたくさん入ってくるようになったのです。

 日本政府は、放射能汚染食品の輸入基準値を決めました。それが1kgあたり370ベクレルです。今の福島原発事故では(2012年1月現在)ヨウ素が2000ベクレル、セシウムが500ベクレルです。当時、私がいた生協では独自の基準を設けました。10ベクレルです。これは子どもたちを持つお母さん方が相談して決めた数値です。子どもたちに汚染されたものを食べさせたくないとの思いです。当然です。体内に入った放射能はずっと内部から細胞を傷つけていきます。汚染食品を体内に入れないというのはとても重要なことなのです。

 チェルノブイリ事故のあと、多くの国で放射能汚染食品の輸入基準ができました。日本は世界から大量に食糧を輸入している国です。その日本で370ベクレル以上に汚染された食品は輸入しないと決めたこともあり、たくさんの汚染食品が行き場を失いました。その汚染食品がどうなるのか、私は気になりました。調べてみると、その多くは「援助物資」として「発展途上国」にまわっていました。

 この時と同じようなことを今、外務省が計画しています。皆さんご存じでしょうか? いま魚の放射能汚染数値が高くなってきていることを。そして、外務省が福島近海の魚を缶詰にして「途上国支援」として送ろうとしていることを。

放射能汚染、基準値以下は補償されない?

 私は自分の子どもに食べさせたくないものを「途上国」に送ることに賛同できません。原発事故で経済的な損失を受けた人々には、国の責任で損害補償をするべきです。私の会社は有機栽培のコーヒーや紅茶をフェアトレードという形で中南米やアジアから輸入しています。国内の有機栽培のお茶も販売しています。その中に静岡のお茶もあります。長年、有機無農薬で栽培されてきたお茶農家ですが、そこが福島原発事故の放射能で汚染されました。その農家はそれを公表しました。偉いなぁと思いました。公表した結果、売上は落ちました。この農家のお茶は基準値以下ですから、おそらく補償されません。しかし、国は補償するべきだと思います。

 私も含めて中年以上の世代は、原発事故に対して大きな責任があると思います。

フェアトレードを始める

 私は、「発展途上国」とか「先進国」という言い方が好きではありません。GNPやGDPの数字だけで見たら貧しくても、その国の人々と接すると、自然や人に対する優しさ、人間性の素晴らしさを感じることがよくあります。そのような「途上国」に放射能汚染食品が送られたと知ったことが、途上国の生産者とつながる仕事を始めるきっかけになりました。

放射線の影響は、細胞分裂が活発な子どもほど大きな影響を受けるので、子どもたちのことが心配になったのです。そして、これまで日本国内で有機農業を広める仕事をしてきたので、途上国でも有機農業を広める手伝いがしたいと考えました。有機農業やオーガニック食品が広まることによって、農薬や食品添加物などの問題が多くの人に知られ、食べものの安全性や環境保護の重要性が広く知られることが、子どもたちの幸せにつながっていくだろうと考えたのです。そのために、「有機コーヒーを生産者に喜ばれる価格で購入することで有機栽培を後押ししよう」と考えて南米に出かけていきました。

 しかし、無農薬で栽培している農園はなかなか見つかりませんでした。どこで聞いても、「農薬なしにコーヒーはできないよ」と笑われました。中には、「農薬なしにできるはずがないじゃないか!」と怒る人もいました。そんな反応が続いて諦めかけたのですが、日本でも有機農業を始めたころは同じような状況だったことを思い出して、探し続けました。そしてようやく、2回目の訪問で無農薬コーヒーを生産している人に出会うことができました。

 さらに、3回目のブラジル訪問で、カルロス・フランコさんという 素晴しい人間性をもった無農薬コーヒー生産者との出会いが生まれ、本格的なフェアトレードができるようになりました。カルロスさんとのフェアトレードは『考える絵本 しあわせ』という絵本になっていますので、機会があったら読んでみて下さい。

5年、10年と経って、カルロスさんの影響で、農薬も化学肥料も使わない有機栽培の生産者が増えてきました。しかし、大量にできた有機コーヒーを私の会社だけで買い支えることはできませんでした。

 そこで、ブラジル国内にも販路を広げるため、2000年に、ブラジル初のオーガニックカフェ『テーハベルジ』をクリチバというエコシティとして有名な町に開店しました。今ブラジルには、オーガニックカフェがたくさんできています。また、レギュラーコーヒーだけでなく、消費量の多いインスタントも有機コーヒーで商品化しました。そうしたことも一つのキッカケとなって、ブラジル各地で有機栽培農家が増えていきました。コーヒーだけでなく野菜や果物なども含め、農作物全体の有機栽培が増えています。

微力でもハチドリの一滴を

 2004年に、カルロスさんの農園があるマッシャード市が世界で初めてオーガニックコーヒー首都宣言をしました。こうした小さな市がこのような宣言をしたことは大きな意義があると思います。今日お集まりの皆さんは中小企業の経営者の方が多いのですが、私も20名ほどのスタッフしかいない小さな会社の経営者です。小さな会社は大企業にはできない大胆な転換ができると思います。この小さなマッシャード市が、市をあげて有機栽培を宣言したような、そんなことが小さな会社にはできるのではないかと思います。

 今、エクアドルでもフェアトレードを進めています。素晴らしい自然がある地域ですが、その自然がどんどん破壊されています。その理由の一つが、先進国の大企業による鉱山開発です。銅や金を採掘するために森が伐採され、自然が破壊されています。今、地球の森林は1分間にサッカー場1つ分が消滅し、1年で日本の国土の半分が消滅していっているそうです。生物は1日100種以上が絶滅しています。森を守ることが種の絶滅を防ぐためにとても重要なのですが、その森が破壊されているのです。私がフェアトレードで応援しているコーヒーの生産者は、美しい自然を子どもたちに残したいと考え、森の中で有機コーヒーや熱帯果樹を栽培する「森林農法(アグロフォレストリー)」と言われる栽培方法によって森を守っています。

 森林が減少している根本の原因は、先進国が生み出した大量生産、大量消費、大量廃棄という使い捨ての暮らしです。資源と自然の使い捨てです。かつてモノを大事にしてきた日本が、今はモノを大切にしない国になっています。私たち経営者の中にも「長持ちする製品をつくると回転が悪くなる」といった考えを持つ人が少なくないと思います。そうした意識が、大量生産、大量廃棄ということにつながっています。

 森林破壊に直結する問題として大きいのが住宅の問題です。1996年に国土交通省が発表したデータによれば、日本の住宅の平均寿命は26年、アメリカが44年、イギリスが75年となっています。イギリスの3分の1です。長持ちする住宅をつくれる技術はあるのにその技術が生かされていません。

 一方で、関東にあるバッグ製造の会社では、おばあちゃんから孫娘まで三世代も使うようなバッグを作り続けています。目まぐるしく変わっていく流行を追わず、年齢を問わないシンプルなデザインで、徹底的に修理をし続けてくれるため、三世代が同じものを世代を超えて使い続けられるわけです。今、そんな姿勢を持った会社が見直されてきています。

 「ハチドリのひとしずく」という南米の民話をご存知でしょうか。「森が燃え、動物たちが皆逃げていく中で、一羽のハチドリだけは、くちばしで一滴の水をすくい、燃えさかる森に何度も落としに行きます。逃げていった動物たちは、そんなことをやって何になると笑います。ハチドリは言います。『私は、私にできることをしているだけ』」。そういうお話です。私はこの話をキチュア族の先住民から聞いて勇気をもらいました。そして、この話を伝え続けていることが素晴らしいと思いました。それで、私もこの話を広めたいと思って、仲間と一緒に小冊子をつくって販売しています。(『私にできること 地球の冷やしかた』)これまで、10万部ほど売れています。

 今日は皆さんのお手元に2007年に発行した『豪快な号外』という新聞をお配りしています。これには環境問題の現状と、それを解決するために新しい取り組みを始めた人たちのことを書いています。それと、核燃料再処理工場の放射能の問題をほとんどの人が知らないので、それを知らせたくて、元お笑い芸人で映画監督のてんつくマン(かつて山崎邦正さんとコンビを組んでいた軌保博光さん)と一緒に3000万部発行し、全国で2万人以上の人が配布に協力してくれました。

 一部、内容を紹介しますと、「100万人のキャンドルナイト」という記事を掲載しています。これは当時、アメリカのブッシュ大統領が発表した原発増設などのエネルギー政策に反対を表明しようと北米から始まった取り組みが、日本で発展して、今では500万人が参加する一大イベントになっています。そのきっかけは、東京のカフェスローというオーガニックカフェが始めた「でんきを消して、キャンドルを灯す 暗闇カフェ」という取り組みでした。一つのオーガニックカフェによる「ハチドリのひとしずく」が数年後に日本中に広がったのです。

放射能汚染が引き起こす悲劇

 チェルノブイリ原発事故の汚染地域では、様々なガンや血液の病気、心臓病、消化器系の病気が増えていきました。私は、友人たちが1990年に始めたチェルノブイリ医療支援の活動に参加し、毎年のように現地の病院に薬や医療器具を届けに行くなかで、ナターシャさんという女性と出会いました。ベラルーシでは珍しい福祉施設をつくった方です。彼女には2人の子どもがいたのですが、私たちが出会ったときには既に息子さんを亡くしていました。息子さんは9歳で被ばくし、甲状腺がんが肺に転移して21歳で亡くなっています。そして、娘さんの胃ガンが悪化したとき、私たちは彼女から「娘を日本に連れて行って、日本の優れた医療技術で救ってほしい」と懇願されました。しかし、その時点で、がんは全身に転移しており、日本に連れていくことはできませんでした。5歳の子どもを抱えた娘さんは31歳で亡くなりました。

 その後、夫も事故死で亡くしたナターシャさんは、今、娘さんが残した孫と2人で暮らしています。彼女は、孫がいつまで元気でいてくれるだろうか、そして、病気がちな自分がいつまで孫の世話ができるだろうかと心配しています。放射能汚染地には、子どもを亡くした人たちがたくさんいます。放射線は年齢が低い子どもほど感受性が強いため、子どもが親よりも先に亡くなっているのです。このことが、放射能被害の一番むごいところではないかと私は思います。

 ベラルーシの多くの病院に薬や医療機器を届ける中で、放射能汚染地の子ども病院から原発事故の前と後とを比較できるデータをもらいました。チェルノブイリの子どもたちにどれほど病気が増えているかを示す重要なデータです。原発事故前年と9年後を比べると、急性白血病が2.4倍、ぜんそく2.7倍、糖尿病2.9倍、血液の病気3.0倍、先天性障害5.7倍、ガンが11.7倍、そして、消化器系の病気が20.9倍にも増えていました。

10才は55才の200倍以上、0才は300倍以上放射能の影響を受ける

 放射線が年齢別にどのくらい影響を与えるかという有名なジョン・ゴフマン博士の研究があります。55才では49人がガンで亡くなる被ばく線量を浴びたときに、0才の子どもは15170人も亡くなるというのです。55才の309倍です。10才でも10521人が亡くなります。55才の200倍以上です。大人と子どもではこのぐらい放射線被ばくの影響が違うのです。今、子どもたちを放射能(放射性物質)から早く遠ざけないといけないという理由がこれなのです。

 今回の福島の原発事故で原発の恐ろしさを知られた方は多いと思います。原発は事故を起こすから止めないといけないと思っておられる方が多いと思います。しかし、原発は事故を起こさなくても様々な被害を与えています。その一つはウラン鉱山です。世界のウラン鉱山の75%以上は、先住民が住む地域にあるのですが、鉱山の周辺では様々なガンや病気が増えています。詳しくは、私のブログや『ブッダの嘆き』という映画をぜひご覧下さい。

 原発の周辺では(事故が起こらなくても)ガンや白血病が増えています。ドイツ政府の調査では、原発から5km以内の地域では、小児ガンが1,6倍、小児白血病が2,2倍に増えています。アメリカやフランス、イギリスでも原子力施設の周辺でガンや白血病が増えています。核燃料再処理工場の周辺では、白血病が10倍に増えている所もあります。

人間だけでなく生物も被害者

 原発は人間以外の生物をも苦しめています。例えば、過熱した炉心を冷やすために大量の海水を吸いあげて、7℃熱くなった海水(温排水)を海に放出しますが、その量が恐ろしく多量です。平均的な規模の100万キロワットの原発1基で1秒間に70トンも温排水を海に放出します。現在、日本にある54基の原発全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン。日本全土に降る雨の量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トンですから、原発は、日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃も温めて海に戻しているのです。

 さらに問題なのが、海水を吸い上げる際にプランクトンや魚卵、そして、稚魚などを大量に吸い込み、炉心近くの高熱でその多くが死んでしまうことです。そして、吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダ)が使用され、海洋を汚染しています。

 原発には、これ以外にも被曝労働の問題があります。原発での作業でガンや白血病になって労災認定された人たちの中で、累積被ばく線量が最も少ない人は約5ミリシーベルトでした。 わずか5ミリシーベルトの被ばくで白血病になったのです。このことからも放射線の影響を大きく受ける子どもたちの被ばく線量が年間20ミリシーベルトまで許されている福島の現状が異常であることが分かります。

未来世代も原発の被害者

 原発の究極の問題として、100万年も毒性が消えない「放射性廃棄物」の問題があります。 京大原子炉実験所の小出裕章さんは、「廃棄物」という言い方はせず、放射性「廃物」とか放射性「毒物」と表現します。なぜ「廃棄物」と言わないのか。それは、これらの放射性毒物は、廃棄することができないもの、捨ててはいけないものだからです。

こんな言葉もあります。「原発が使える時代は100年、後始末には100万年」。私たち現代人は、未来世代に重荷を負わせることをやっている自覚がありませんが、千年後、1万年後、未来世代の人たちは、私たちの世代のことをどう思うでしょうか。

政府、政治家に任せていては脱原発はできない

 京都、滋賀をはじめ関西は、福井の原発から近いですね。若狭湾は日本最大の原発密集地です。大きな放射能の被害にあう可能性が高い地域だと思います。もんじゅも含めて何が起こってもおかしくありません。福島原発事故の場合は、200km離れた東京の東部まで汚染数値が高いです。福島と同じことが起こったら、琵琶湖が汚染されたら、関西はどうなるのでしょうか。

 政府は原発を再稼動させるつもりです。財界も経団連がそうですが、大きな組織ほど「いのちを大切にしたい」という市民の感覚からかけ離れています。中小企業の皆さんは、市民の感覚をお持ちだと思います。

 かつてデンマークでは、原発が導入されようとしたとき、市民が協力してフォルケセンターという民衆の自然エネルギー研究所をつくりました。フォルケセンターでは、実際に風力発電機などをつくり、研究データを一般に公開しました。そのデータを参考にして各地の町工場が風力発電機をつくり始めました。町工場のデータはフォルケセンターに還元され、それがまた公開されて、町工場での製造に生かされる、そんな繰り返しを通して、世界一の風力発電機が出来上がっていきました。

 今では、電力に占める風力発電の比率が20%を超える世界一の風力発電大国であり、人口が550万人ほどの小国でありながら世界最大の風力発電システムの輸出国になっています。

本当の「経済」を子どもたちに

 通信販売で知られるカタログハウスという会社があります。この会社は「通販生活」という雑誌に何年間もチェルノブイリの問題を掲載して募金を募り、何億円も医療支援を続けてきました。また、それとは別に、チェルノブイリの医療支援を続けている団体に長年にわたり多額の寄付を続けてきました。現在も福島の支援や脱原発につながる取り組みを続けています。

 東京の城南信用金庫は、「脱原発」を掲げ、東京電力から電気を買うのをやめて、電力会社でなくても電力を販売できる「特定規模電気事業者(PPS)」から買うことにしました。電気料金は、従来より5.5%も安くなるそうです。城南信金の理事長は「多くの企業がPPSに切り替えれば、原発を止めることができる。取引先などに呼びかけてPPSの利用を広げたい」と話しています。この動きが広がることを私も願っています。

 
「あたりまえ」と「おかげさま」

 三浦梅園は、「枯木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」という言葉で、私たちが軽視しがちな「あたりまえ」の日常に奇跡が宿っていることを教えてくれています。

 福島から幼い子どもを連れて、福岡に避難して来たお母さんがこう言いました。「安心して空気が吸えて、安心して水が飲めて、安心して食べ物を子どもたちに食べさせられる。安心して森や川や海で遊ばせることができる。これほどうれしくて、ありがたいことはありません」と。

 私たちは、人が生きていく上で最も大事なものを長い間、忘れていたようです。いつの頃からか私たちは、目先の「経済成長」を最優先するようになり、かけがえのない自然や生態系を軽視するようになってしまっていたと思います。三浦梅園が言っていたように、もしも私たちが、「あたりまえ」と軽視してきたものに対して「ありがたい」、あるいは「おかげさま」といった気持ちを取り戻すことができたら、いろんな大切なものが見えてくるのではないかと思います。

 最後に、三浦梅園が言った「経済には、独り占めの経済(乾没)と分かち合いの経済(経世済民)の二種類がある」という言葉の「経世済民」と「乾没」について話したいと思います。「経世」というのは世の中を治め、「済民」は民を救うという意味です。ひらたく言うと「世の中を平和にして人々を幸せにする」それが、経済の本来の役割です。

今の経済は、経済の名に値しません。独り占めの経済、自分だけ良ければいいという「乾没の経済」、いずれ乾いて没する経済です。

原発事故を起こしながら、原発を外国に売りつけようとしています。地震が多い国にも売ろうとしています。自分たちさえよければいい。今の時代さえよければいい。こんな考え方が子どもたちが生きていくのに困難な世界をつくっているのです。もう一度、私たちは経世済民、世の中を平和にして人々を幸せにする経済を取り戻す必要があると思います。
ご静聴ありがとうございました。

(※この講演録は「京都中小企業家同友会 2012新春講演会」の要約をベースに2011年の滋賀、福岡での講演を一部加えたものです)


再稼働「反対」が7割、愛知県の中小企業 大飯原発3、4号機
(2012/04/02 18:40 中日新聞)から抜粋

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐる動きが大詰めを迎える中、中日新聞社は愛知中小企業家同友会(名古屋市、3077人)と合同で、愛知県内の中小企業経営者にアンケートを行った。回答した486人のうち「時期尚早」を含め再稼働に反対する意見が7割近くを占めた。今後の原発政策では「段階的に減らしていずれゼロ」が過半数で最も多く、大企業中心の財界とは異なり「脱原発」を求める姿勢が鮮明…

2012/04/08

幼稚園の「干し椎茸セシウム1400ベクレル報道」ちょっと待った!

〈拡散お願い!〉
岡崎の幼稚園の「干し椎茸セシウム1400ベクレル報道」ちょっと待った!
(2012年04月07日 バンビの独り言)から抜粋
※4/7追記

Twitterで「元ネタが欲しい」とのコメントをいただきましたので追記します。
友人の友愛ちゃんは測定所に同行しており、一部始終を知っている方です。
この文章は、私のブログに載せるために書いてくれたものなので、こちらが元ネタとなります。

今、ネットニュースやテレビでのニュースを賑わせてる「給食の干し椎茸から1400ベクレル」の問題。

この数値を「問題ない」とした行政は大問題だけど、
「そんな椎茸を食べさせた幼稚園があるなんて!」と調べた幼稚園が、今、集中砲火を浴びてます。

この一件には、こんなストーリーがありました。

…………友達の友愛ちゃんが文章を書いてくれました…………

「給食に汚染しいたけ ?岡崎の幼稚園?」の報道にひとこと申し上げます。

「愛知県岡崎市の幼稚園で、先月、給食として出された乾燥しいたけから厳しくなる前の暫定基準値の3倍近い1キロ当たり1400ベクレルの放射性セシウムが愛知県などの検査で検出されました。乾燥しいたけは茨城県から出荷され、およそ30キロが流通していますが、愛知県は直ちに健康に影響するおそれはないとしています。」

みなさん、もうこのニュースはご存知ですよね。

「わあ、たいへ?ん!園児が食べる給食食材の干ししいたけから1400Bq!」
「また、直ちに健康に影響するおそれはないって言ってる?!」

って、そんな話が、聞こえてきます。

「この幼稚園って、いったいどんな幼稚園?園児にこんなもの食べさせるなんて!」

って、そんな声も聞こえてきました。

でも、でも、
「ちょっと待った?!」

この幼稚園の園長先生は、早くから子どもたちの内部被曝を気にかけて給食の安全確保にとても気をつかってきたんです。

この幼稚園にはまた、ステキなパパがいた!

彼は、
日頃の園長先生の対応に感謝しつつ
でも
「干しシイタケは気になるから測定したい」と申し入れた。

園長先生は、それは必要と思い、快くOKしてくれ、食材を提供してくれたので、彼は、Cラボ(http://tokainet.wordpress.com/hsc/)に持ち込んで検査してもらいました。

結果は、1280Bq/Kg。

たまたま、
保健所で別件の放射能測定に立ち会っていた彼は、Cラボの連絡を受けて、これをその場で保健所に伝えた。

それを聞いた保健所は、
「干ししいたけは、水にもどして測定するからたぶん違法にならない」
って言ってたけど、後日
「認識がまちがっていました。行政対応をする」って
彼に連絡してきた。

保健所は、この干ししいたけを県のゲルマニウム半導体検出器で調べた。

その結果
1400Bq/Kg検出

そして、報道したいと園長先生に連絡。

園長先生
「もちろんどうぞ、ただし、私のコメントも掲載してほしい」と・・・

4月5日午後7時に、豊橋で記者会見が行われました。

そしてその日のうちにテレビや新聞で報道が始まりましたが・・・。

園長先生からのコメントは、ほとんど皆無。

園長先生が報道陣に手渡したメッセージはこれ!

        ↓

「放射線内部被曝から、被曝にもっとも弱い子どもたちを守りたいという思いで、給食食材の食品放射能分析を実施しました。
3.14 以来、食材業者と産地特定などの細かいところまで注意してきましたので、結果については大変残念です。
今回の干ししいたけは、一般に市販されているものであり、安全だと信頼して購入したものの一つでした。
私ども一園の問題ではなく、このことを社会全体で受けとめることが大切だと思います。
みんなで子どもを守るという立場で、五感で感知が出来ない放射能としっかり向きあっていただきたいと思います。
これからも長く続くであろう放射能汚染と被曝を少しでも減らしていくための正しい情報を得るためにも、食品放射能分析は必要だと改めて感じています。」

(★全文

2012/04/06

汚染水12トン海へ流出か 福島第一原発 ストロンチウム含む

汚染水12トン海へ流出か 福島第一原発 ストロンチウム含む
(2012年4月5日 13時58分 東京新聞)

 東京電力は五日、福島第一原発の汚染水処理システムの配管から高濃度のストロンチウムなどを含む汚染水十二トンが流出したと発表した。配管のホースがつなぎ目から抜けたのが原因。汚染水は排水溝を通って、ほとんどが海に流れ出た可能性がある。

 東電によると、汚染水が漏れたのは、放射性セシウムの大半を除去した後、淡水化装置で濃縮された塩水。ストロンチウムは取り除かれていない。

 周辺では昨年十二月に〇・一五トン、今年三月に〇・〇八トンの汚染水が漏れて海に流出。三月の汚染水のストロンチウムなどの濃度は一立方センチ当たり一四万ベクレルで、今回も同程度とみられる。周辺の海水の調査では、放射性セシウムは検出されず、ストロンチウムはまだ測定結果が出ていない。

 装置は五日午前零時十分ごろからの一時間で四回、水量増加の異常を感知して自動停止した。ところが、最初の三回はそのたびに作業員が遠隔操作で再起動。午前一時十分、四回目の自動停止で初めて水漏れの可能性に気がつき、現場を確認したという。汚染水の流出は、午前二時二十分まで続いた。

 ホースのつなぎ目が劣化したか、つなぎ方が緩かったとみられる。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「自動停止の時に、現場の確認をするべきだった」と話した。

(東京新聞)

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