2012/06/05

シロメバルやスズキ 最大で1キログラム当たり1880ベクレル

【原発沖の魚、高濃度の放射性セシウム検出】
シロメバルやスズキ 最大で1キログラム当たり1880ベクレル

(2012/05/29 21:01 共同通信)

 東京電力は29日、3~5月に福島第1原発から20キロ圏内の海域で採取した魚介類から、最大で1キログラム当たり1880ベクレルと高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。

 昨年の別の調査で同3千ベクレル超の検出例があるが、依然として高い濃度が続いていることを示す結果だ。

 東電によると、最も高かったのは5月2日に採取したシロメバル。同様に海底近くにすむスズキが同1610ベクレル、ババガレイが同1260ベクレル、ヒラメが同1190ベクレルと高かった。国が定める一般食品の新基準値である同100ベクレルを超えたのは13種類の魚だった。

 福島沖では昨年以降、アイナメやシロメバルなどで同3千ベクレル超の検出例がある。海底近くでは餌や堆積物を通じて生物の体に放射性物質が取り込まれやすいとされる。


いすみ市漁港にイワシの死骸数十トン 酸欠も原因不明
(2012年6月5日 東京新聞)

大量死したイワシの除去作業を行う重機と漁協組合員ら=千葉県いすみ市で
写真

 千葉県いすみ市大原の大原漁港で四日、漁港内に逃げ込んできたおびただしい数のイワシが酸欠で大量死した。同漁港に打ち上げられた死骸だけでも数十トン。地元では「イルカなどに追われて逃げ込んだとしてもあまりにも数が多すぎる。何かの異変の前触れでは」と心配する声も出ている。

 夷隅東部漁協によるとイワシの大群は三日夕から、同漁港に姿を見せた。あまりにも多い数が逃げ込んだため酸欠で死んだという。

 同漁協の朝野長(たけし)参事は「イワシは打ち上げられただけでなく、海中で沈んでいるのを含めれば想像がつかないほどの量。原因はまったくの謎」と話す。

 打ち上げられたのはカタクチイワシ。大量の死骸を放置しておくと漁港としての機能を損なうばかりか、悪臭が漂うため、市が重機などを出し、漁協組合員約五十人がスコップなどで回収作業を行った。

 作業は五日も続き、大半はごみとして処分されるという。作業を見守っていた女性は「港はイワシの死骸で真っ白になり、雪が積もったようでした」と話していた。

(福原康哲・東京新聞)


千葉の漁師・「最低でも週2回、奇形魚が揚がる」
(2012.06.04 カレイドスコープ)

原発相の福井派遣を延期 再稼働時期は不透明

原発相の福井派遣を延期 再稼働時期は不透明に
(2012/06/01 共同通信)

 政府は1日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向けた安全規制体制の強化策を説明するため、2日で調整していた細野豪志原発事故担当相の福井県への派遣を延期した。大阪市の橋下徹市長が求める期間限定の再稼働などに対する政府の対応が定まっていないとして、福井県の西川一誠知事が難色を示したためとみられる。

 冷房で電力需要が急増する夏までにフル稼働させるには、ぎりぎりのタイミングを迎えているが、政府の思惑通りに手続きが進まないことで、再稼働の時期が不透明になる可能性がある。
2012/06/01 19:32 【共同通信】


山本太郎さん「福井切り捨てるか」 原発相と知事の会談合わせ会見
(2012年6月4日 福井新聞)

 細野豪志原発事故担当相と西川福井県知事との会談に合わせ、脱原発活動家で俳優の山本太郎さん(37)が4日、環境保護団体グリーンピース・ジャパンとともに福井市内のホテルで会見した。「政府は福井県民を切り捨てるつもりか。大飯原発の再稼働を止めないといけない」と訴えた。

 山本さんは「県民には加害者にも被害者にもなってほしくない」と強調。関西の一部首長が夏季限定で再稼働を認める発言をしていることに「経済界と有権者、両方にいい顔をする詭弁(きべん)だ。一度動かしたものを止められるはずがない」と主張した。

 福井市のレゲエ歌手SING J ROY(シング・ジェイ・ロイ)さん(37)も同席し、「県民の声が政府に届いていない」と現時点での再稼働に反対した。会見後は県庁前で再稼働反対派の活動に加わった。

 山本さんは市内で宿泊し、5日以降に県議や本県選出の国会議員と面会する調整を進めている。

がれきの処理に新たな動き 「森の力」で被災地を救え

がれきの処理に新たな動き「森の力」で被災地を救え
(2012年6月3日放送 報道ステーション サンデー)書き起こし(抜粋)

(長野智子キャスター)
こちらをご覧下さい。実はこのずらりと並んだ苗木なんですが、1年に1メートル伸びるという凄い成長力なんですね。広葉樹の苗木なんです。今、被災地のガレキ受け入れをめぐって、国民の意見が2分されているんですが、実はこの苗木がガレキ問題を解決するカギを握っているんです。

(北九州市での市民によるガレキ受け入れ反対の映像とナレーション)
東日本大震災で発生した震災がれきの試験焼却をめぐり、先月、北九州市で搬入を阻止する反対派市民と警察隊が衝突、逮捕者2人を出す騒ぎとなった。

「受け入れ」か「拒否」か。世論を2分する震災ガレキの広域処理問題。
ガレキの処理率は15%あまり。こうしたなか、画期的な打開策が動き出そうとしている

1200人以上の死者、行方不明者を出した岩手県大槌町
4月下旬、この町で全国初のある催しが行われた。

(長野智子)
「今、大勢の方が苗木を植えているところなんですね。この盛り土の中なんですけども実は、コンクリートを砕いたものであるとか、あるいは、津波で流された自然木など震災瓦礫が入っているんです。」

(ナレーション)
町民やボランティアなど、およそ550人が参加した植樹会(大槌町「千年の杜」植樹会)。3400本もの苗木が植えられた盛り土には2トンの丸太や砕かれたコンクリートが埋設されていた。

企業が大槌町と組んで実験的に行ったこのプロジェクトは、震災ガレキを盛り土の材料として活用。さらに苗木を植樹して防潮林とする「いのちを守る森の防波堤」構想によるものだった。

植林に参加した女性「(植林して)感激しました。他に持っていったらお金はかかるし、地元で再利用できることは最高に素晴らしいことだと思います」

このプランを震災直後から提唱し続けてきた人物、麦わら帽子がトレードマークの生態学者、宮脇昭84歳である。「大丈夫だと思って予測したり、つくった防潮堤が、必ず襲う地震国日本の、自然のゆり戻しで2万人のいのちが失われた。何とかしないといけない。生きた緑の蓄財をどう使い切るか、これが勝負なんですよ」

1958年、西ドイツの研究機関に招聘され、以来、植物生態学の第一人者として、日本はもとより世界1700ヵ所で植樹を指導してきた宮脇。「4000万本の木を植えた男」として、日本人で初めて環境界のノーベル賞といわれるブループラネット賞、紫綬褒章も受章した森林再生の世界的権威である。

震災からわずか1ヶ月後、宮脇は被災地、宮城にいた。ここで彼は、思いもかけない光景を見る。
(宮脇さんが木の根っこを見ながら)「このタブノキがなければ(斜面が)崩れている。この木の根元から10m上まで津波が来ている(しかし、タブノキは倒れていない)」

それは、宮脇が最もこだわり続けて植えてきたタブノキが押し寄せる津波にも負けず根をからませながら、しっかりと緑の葉を蓄えている姿だった。宮脇は思った。「こうした樹木で『壮大な緑の防波堤』を築きたい」

「幅が100m 高さ22mで、南北300kmの森をつくれば、今のガレキは全部入れても4.8%にしかならない。マウンドにするのに足りない」

(ナレーション)
このプロジェクトが遂行すれば、被災地にある1900万トンものガレキすら盛り土のわずか5%にも満たないという。

そんな壮大な構想を掲げた財団が先月末、立ち上がった。メンバーは、細川元総理を理事に据えたそうそうたる顔ぶれ。(細川元首相)「そうしたガレキを活かした森づくりが進めば、本当にこれは一石二鳥で非常に意味のあることではないかと」

これは、森づくりを通して30年ほど前に宮脇と知り合った細川元総理が宮脇の思いに賛同して始まった。「それはもう、大変情熱的で、熱い方で、行動力もある方ですから本当に素晴らしいと思います」 元総理も敬服する84歳の行動力。

この日、宮脇は、南三陸町の沖合いにある無人島に向かった。(椿島)津波の直撃を受けたこの島の植生がどう変わったか調べるためである。船着場すらない岩場だらけの島。「(大きな木の地表に現れた根っこを見ながら)ここまで洗われても生きてますね」

そこには高さ15m以上の津波が襲い、根元をえぐられても生き残るタブノキの姿があった。「これだけ塩水をかぶってえぐられていても、ここで津波を抑えて、しかも生き延びているじゃありませんか。これが本物の姿です」

宮脇が言う、本物の姿、それは、その土地に自然に芽生え育ってきた植物たち、いのちの力。宮脇は確信した。自分の考えに間違えはない―――彼の人生は常に森とあった。10年をかけ日本全国をくまなく歩いた宮脇が土地本来の植生をまとめた本を出版。こうした植生が日本古来の鎮守の森にこそ残っていると、常緑広葉樹であるシイ、タブ、カシなどを中心とした鎮守の森づくりを目指している。

「鎮守の森とは、土地本来の故郷の木のふるさとの森、この森を切ったらバチがあたる。宗教的なたたり意識により残されてきた、それが鎮守の森です」

鎮守の森――そこは、人を寄せ付けない神々しさに満ちていた。
神々が集い戯れるところ。

「ご覧のように枯れて枝が落ちたり、あるいは落ち葉が落ちた、これらは地球資源なんです。例えば、こうして掘ってみますね」(長野智子さんが、落ち葉の匂いをかいで)「ああ、いい香り(カビの香り)いやな香りじゃなくてハーブの香りみたいな」

(宮脇)「カビというのは生き物なんです。あっという間に分解します。それが窒素、リン酸、カリになって、こういう(腐葉土のような)状態になると、それが根から吸収されて、さらに森の養分になります」

森が持つ自然界のサイクル 
さらに彼が見せてくれたのは、広葉樹のいのちの逞しさ

宮脇「杉や松は、刈ればそのまま死んでしまい、根まで死にますけど、広葉樹は、刈っても、ひこばえが出てきて、いくらでも育つわけ」

新たな生命を紡いでいく「森の神秘」がそこにはあった。

(後略)


長野智子ブログ
(2012年06月03日のつぶやき)から抜粋

RT @Y_K19: @nagano_t 初めまして。今日の報ステSundayの瓦礫を利用した防潮林特集、凄くよかったです。300kmの防潮林構想には瓦礫が足らない、という言葉…広域処理の是非で国民を敵味方に分けてしまう現状の打開策になるのではないでしょうか。ぜひこの取組 … Posted at 03:36 PM

RT @kaoru_sign: @nagano_t 宮脇 昭氏の特集に心を打たれました。瓦礫を拡散せず、地元に雇用を生み、そしてそこに暮らす人々の命を守る。もしこの「いのちを守る300kmの森づくり」が成功できたならば、この時代に生きた私たちから未来への力強いメッセージに … Posted at 12:55 PM

RT @nasutakashi: 横浜国立大名誉教授の宮脇昭氏が提唱する「森の防潮堤、鎮魂の森」ぜひとも支援させていただきたい。素晴らしいの一言。RT @nagano_t 報道ステーションサンデーで、震災がれきを利用して森を作り、防潮林として利用することを訴え活動してい … Posted at 12:54 PM

RT @zubatto2009: 終盤の宮脇教授の話しに感動しました。国としても積極的に推進して欲しい。すぐに。 “@nagano_t: 今日朝10時からの報道ステーションサンデーで、震災がれきを利用して森を作り、防潮林として利用することを訴え活動している宮脇教授の密着取 … Posted at 12:53 PM

RT @toji_: @nagano_t 感動・感心しました。良い企画を届けて頂き、ありがとうございます。この放送がなければ、宮脇教授の事、活動内容を知る事はなかったと思います。出来れば、宮脇教授の活動を追いかけて継続的な企画として頂きたいです。 Posted at 12:53 PM

値上げ予定の東電 火力燃料を「割高で調達」

東電:火力燃料「割高で調達」…料金審査委が公表
(2012年06月05日 毎日新聞)

 東京電力が電気料金の原価に算入している火力発電の燃料費が、貿易統計の平均価格に比べて割高であることが4日、明らかになった。東電の電気料金値上げの妥当性を審査する経済産業省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念潤司中央大法科大学院教授)が公表した。東電は「環境規制への対応や発電効率向上のため、硫黄分の低い高品質の燃料を調達しているため」などと説明している。

 東電は、電気料金の原価を算定する期間(12~14年度)の平均価格として、原油は1バーレルあたり123.98ドルとしたが、貿易統計の12年1~3月の平均価格より5.9%高かった。同様に、石炭は1トンあたり148.75ドル(同2.0%割高)、液化天然ガス(LNG)同875.38ドル(同1.7%割高)だった。委員からは「(調達価格が)指標価格などと連動しているか、具体的に示してほしい」などと、注文がついた。

 東電は、将来的には、市場価格が低い北米産の新型天然ガス「シェールガス」を購入し、調達価格を現在より抑えることも検討するとしたが、公的な統計に比べて割高な原価は批判を浴びそうだ。

 また、経産省は同日、東電の値上げについての一般から意見聴取するため7、9日に開催する公聴会の参加予定者が15人にとどまることを明らかにした。インターネットでの意見募集では600件以上の声が寄せられているという。同省によると、東電が98年に値下げ申請した際の公聴会には1日で二十数人が参加した。【和田憲二、小倉祥徳】

大分県津久見市長 ガレキの試験焼却を一旦撤回

津久見市長が試験焼却実施を一旦撤回 [18:02]
(2012年 6月4日 OBS大分放送ニュース)

津久見市の吉本幸司市長が震災がれきの試験焼却実施の考えをいったん撤回すると表明しました。津久見市議会は4日、議会運営委員会の後、全員協議会を開き、市が表明した試験焼却実施について意見を集約しました。その結果「試験焼却の実施は拙速で十分時間をかけて協議すべき」とする意見を高野幹也議長らが吉本市長に申し入れました。太平洋セメント大分工場がある津久見市の徳浦地区では今月1日、役員会で震災がれきをめぐる問題について話し合いました。その結果「十分な説明がなされていない中で受け入れを表明した市の性急的な判断と方針に対して容認できない」と区長会長に伝えました。こうした動きを受けて、吉本市長は4日の会見で、先月、県に対して表明した試験焼却実施の考えを、いったん撤回すると述べました。これに対し広瀬知事は、吉本市長の判断を待ちたい考えを示しました。一方、津久見市の区長会は、試験焼却を含む震災がれき受け入れについての意見の取りまとめを地区ごとに行っていて、まとまり次第、吉本市長と協議したい意向です。


がれき試験焼却 いったん撤回
(06月04日 19時00分 NHK大分放送局)

東日本大震災のがれきの受け入れを検討している津久見市の吉本幸司市長は4日、「試験焼却を行う」とした意向をいったん撤回する考えを明らかにしました。
その上で、改めて地元の住民などの理解を得て試験焼却を実施したい意向を示しました。
津久見市と大分県は、被災地のがれき受け入れに理解を得るための住民説明会を先月27日に初めて開き、吉本市長はその2日後に県庁で広瀬知事に対し、がれきを安全に処理できるかを見極めるための試験焼却を行う意向を示していました。

しかし、がれき処理の受け入れ先として検討されている太平洋セメントの工場がある地区の自治会が「将来の健康被害への不安がある」などとして反対を決めたこともあり、吉本市長は4日の定例会見で「試験焼却を行う意向を示したことで、地区のみなさん、関係者に混乱を招いたことをおわびします」と陳謝した上で、「試験焼却を行うとした表明を撤回します」と述べました。

一方で吉本市長は、安全性を見極めるためにも試験焼却は必要だと強調し、今後、県に対し、区長会や市議会議員を対象にした説明会の開催を要望することを明らかにしました。
吉本市長は、「県に説明してもらい、まずは区長会と議員に試験焼却をすることの同意をもらいたい。『市民にも説明を』という声があれば住民への説明会を検討する」と述べました。

06月04日 19時00分

2012/06/04

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワークのサイトを立ち上げました

先日、「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワークのサイトを立ち上げましたが、徐々にコンテンツが埋まってきました。ダウンロードできるPDF形式のチラシと、PayPalによる寄付の窓口も用意しました。

サイトをよくご覧になって、ご賛同いただける場合は、ぜひ応援のほどをよろしくお願いいたします。

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク

2012/06/02

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク

ガレキを焼却せず、瓦礫を活かして「森の防潮堤」をつくる「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を市民が応援する運動が始まりました。この運動が全国に広がり、国民運動に展開されていくことを願っています。

東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100mほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなります。

世界にも例がない「凄い森づくり」に対して、東北の本当の復興を願う人々からの支援が日本全国から集まるはずです。さらに、世界からの支援も集まることでしょう。壮大な「森の防波堤・森の長城」は、観光資源にもなります。5年、10年と森が成長するほどに観光客が集まってくるでしょう。

「防波堤の森」は、植林して年数が経つほど生物多様性が豊かになり、20年後には、日本全国、世界各国から訪問者が増えるでしょう。大震災の瓦礫を活かして「森の長城」をつくり上げた人々の偉業は、人間の智慧と森の素晴らしさを学ぼうとする人々が集まる「聖地」となり、いずれは、世界遺産になるでしょう。

このプロジェクトを立案した宮脇昭さんは今年84歳。これまでに日本国内各地やアジア、南米、アフリカなど1700ヵ所以上で植林活動を行い、 約4000万本の木を植えてきた「日本の宝」ともいえる人です。政治家をはじめ日本人はもっと宮脇さんの声に耳を傾けるべきでしょう。

(チラシの表面)

みんなで応援しよう「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」

震災ガレキは、
被災地の方々にとって、
その土地に息づいていた生活の形見です。

〜命の宿っていたところに、命を再生させる〜 
今こそ、瓦礫の山から、未来へ伝えるいのちの森を。
それは、津波から人びとを守る「森の防波堤・防潮堤」です。

昨年5月から南相馬市の桜井市長も要望し続けてきた、
震災によって生じたガレキを、復興の第一歩である防潮林の土台に
再利用しようというプロジェクトが、大きく立ち上がりました。

宮城県岩沼市や、岩手県大槌町では既に始まっています。

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」
理事長・細川護熙元首相
副理事長・宮脇昭・横浜国立大名誉教授(植物生態学)
理事・秋元康(作詞家)、ロバート・キャンベル(東京大教授)
   佐藤可士和(アートディレクター)他
評議員・倉本聰(脚本家)

■9000万本の苗木を栽培し被災地の沿岸部で防波堤づくりを。
1口500円の寄付に協力しましょう!


<ダウンロード用 データ↓>
森の長城 チラシ表面(カラー)
森の長城 チラシ表面(白黒)
森の長城 チラシ裏面(白黒)↓

◆震災がれきを活用、東北に「森の防波堤」を 横国大の宮脇氏に聞く
(2012/2/1 日本経済新聞)から抜粋

――震災がれきを活用した「森の防波堤」とは。

震災で生じたがれきのほとんどは、家屋などに使われていた廃木材やコンクリートだ。これらはもともと自然が生み出したエコロジカルな『地球資源』だ。捨てたり焼いたりしないで有効に活用すべきだ

「海岸部に穴を掘り、がれきと土を混ぜ、かまぼこ状のほっこりしたマウンド(土塁)を築く。そこに、その土地の本来の樹種である潜在自然植生の木を選んで苗を植えていけば、10~20年で防災・環境保全林が海岸に沿って生まれる。この森では個々の樹木は世代交代しても、森全体として9000年は長持ちする持続可能な生態系になる

「将来再び巨大な津波が襲来しても、森は津波のエネルギーを吸収する。東北地方の潜在自然植生であるタブノキやカシ、シイ類などは根が真っすぐに 深く地下に入る直根性・深根性の木であるため容易に倒れず波砕効果を持つ。背後の市街地の被害を和らげ、引き波に対してはフェンスとなって海に流される人命を救うこともできる」

東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100メートルほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく、鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなる

――がれきを使うことに問題はないのですか。

がれきを使うことにこそ意味がある。根が浅いマツなどと違って常緑広葉樹は根が深く地中に入る。根は息をしており,生育には土壌の通気性が大事だ。土とがれきを混ぜることで通気性のよい土になる。木材など有機性の廃棄物はゆっくり分解し樹木の養分となる

がれきを利用した復興の事例はたくさんある。第2次世界大戦後の復興でドイツやオランダでは公園づくりにがれきを利用した。身近な例では横浜の山下公園は関東大震災のがれきを埋め立てて復興のシンボルにした

――潜在自然植生の森なら、丈夫で長持ちするということですか

「世界各地で植樹活動をしてきたが、世界は日本をじっと見つめている。大災害からどのように立ち直るのか、日本人の力を見定めようとしている。日本人は6000年にわたって守り続けてきた鎮守の森の知恵を生かし、9000年はもつ本物の命の森をつくり、二度と津波で多くの人命が失われないようにしなければならない。世界にも例がない先見的な試みをやってのけたときに、世界の人たちは『さすが日本人』と言うに違いない」

今年84歳の宮脇昭さんは、これまで日本国内各地や中国、インドネシア、ブラジル、アフリカなど1700ヵ所以上で植林活動を行い、 約4000万本の木を植えてきました。(毎日出版文化賞、朝日賞、紫綬褒章、瑞宝章 、ブループラネット賞など多数受賞)

宮脇さんが昨年4月に提唱した「森の長城プロジェクト」という優れたアイデアは、東北の人たちが最も恐れている津波から人びとを守る「森の防波堤」をつくるために、東北の人々の思いがこもった大切なガレキを焼却したり、捨てたりせず、逆にそれを東北を守るための「森の土台」として活かすという取り組みです。この「森の長城」は、震災で犠牲となった方々の鎮魂にもなるはずです。

南北300~400キロほどの植林用のマウンド(土塁)を築く費用、9000万本の苗木代など多額の費用がかかりますが、例えば、ガレキの広域処理をやめて地元処理にするだけで、1兆円の予算が半額の5000億円で足りるとも言われています。そうすると残りの5000億円を「森の防波堤」づくりに活用できます。

世界にも例がない「凄い森づくり」に対して、東北の復興を願う日本全国からの支援が集まるはずです。さらに、世界からの支援も集まることでしょう。また、南北300~400kmの壮大な「森の長城」は、植林や苗木の生育段階から観光資源となり、5年10年と森が成長するほどに「壮大な森の長城」を見にくる観光客が日本全国、世界中から集まってくるでしょう。

20年経って、生物多様性が豊かになった森は、世界のエコロジー運動の中心地となり、大学や研究施設も集まってくることでしょう。そして、いずれは「森の長城・森の防波堤」は、世界遺産となることでしょう。

「絶対に起こらない」はずの原発事故を起こして、子どもたちや未来世代が生きていく環境を放射能で汚染してしまった私たち大人世代は、今、自分たち自身のことよりも子どもたちの未来を少しでも明るいものにするために、できるだけの努力をしたいと思います。

それが、子どもたちや未来世代からの信頼を取り戻す第一歩になると私たちは信じています。できるだけ多くの日本人と世界の人々が一緒にチャレンジしてくれることを願っています。
あなたも一緒に、できる範囲でこの取り組みに参加されませんか。

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク
(事務局)福岡県遠賀郡水巻町下二西3-7-16 ウィンドファーム内

 

2012/05/31

瓦礫焼却バグフィルターの放射性物質除去性能に疑問(東京新聞)

「見切り発車」の災害がれき処理
(2012年1月21日 東京新聞)から抜粋

焼却ありき 密室で決定

昨年6月19日、東京・霞が関の環境省第一会議室。非公開で開かれた有識者会議「災害廃棄物安全評価検討会」は、福島原発周辺の警戒区域・計画的避難区域を除く福島県内の災害がれきの処理方針を了承した。非公開の理由は「表に出せないデータがある」(同省廃棄物・リサイクル対策部)だった。
 
密室で決まったのは、大きく言って
(1)木くずなどの可燃物は、新たに放射能対策を講じなくても、既存の焼却炉で焼却可能
(2)放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下の不燃物や焼却灰は
  最終処分場に埋め立てが可能で、8000ベクレル超については一時保管ーの2つだ。

可燃物については「十分な能力を有する排ガス処理施設」との条件を付けた。「十分な能力」とは、ダイオキシン対策で整備された「ろ布式集じん機(バグフィルター)」と呼ばれる高性能の排ガス処理装置のこと。ダイオキシン対策が放射能汚染に通用するとは、にわかに信じ難い。

この時点で、放射能汚染がれきを実際に焼却炉で燃やしたデータはなかった。環境省によれば、その主な根拠は、検討会委員の大迫政浩・国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長が同会に提出した資料だった。

環境省 実証データなし 批判黙殺

その一つが、同センター作成の「放射能を帯びた災害廃棄物の処理に関する検討」 ぜんそくや肺がんを引き起こす可能性のある「PM2・5」という粒子状物質は、バグフィルターで「99・9%以上(除去できる)」だから「(放射性セシウムなどの)元素も捕集される」と報告している。ただ、わずか4ページの資料だけでは、その理由はよく分からない。

もう一つが「一般廃棄物焼却施設の排ガス処理装置におけるセシウム、ストロンチウムの除去挙動」と題した論文だ。2009年秋、バグフィルターを備えた「A自治体」の焼却炉で測定したところ、セシウムの除去率は「99・99%」という。だが、ここに登場するのは放射能を持たない「安定セシウム」と「安定ストロンチウム」。そもそも放射性物質をテーマにした実験ではないのだ。

有識者のお墨付きを得た環境省は6月23日、この方針を正式決定した。後日公表された会議の議事録によれば、これらのデータについて「机上の仮定の数字が多い」(酒井伸一・京都大学環境科学センター長)と批判的な意見もあったが、環境省は黙殺した。

同省廃棄物・リサイクル対策部は「十分なデータはなかったが、方針はすぐ出さなければならなかった。ごみを燃やすことができなければ都市生活は成り立たなくなる」と説明する。まさに「焼却ありき」だった。

ダイオキシン対策で整備
フィルター本当に安全?

環境省自ら「不十分」と認める状況下で、放射能汚染がれきを燃やすのは「人体実験」ではないのか

大迫氏は「こちら特報部」の取材に「バグフィルターでのばいじんの除去率や、安定セシウム、安定ストロンチウムでの除去率の高さから、バグフィルターで十分除去できる、と検討会で判断した。安定セシウムの挙動は、放射性と同じになると考えていい。災害廃棄物を燃焼した試験はこの時点では行っていないが、災害廃棄物も通常の可燃物なので、性状が都市ごみと大きく異なることはない」と主張した。

環境省も「放射性セシウムの除去率は実際に99・99%だった」と反論する。その根拠を尋ねると、同省が昨年11月末から12月中旬までの間、福島県内6カ所の焼却施設で測定した結果を示された。そこには「除去率99・92~99・99%」とある。しかし、これは、バグフィルター付近の測定結果から算定したにすぎない。投入したがれきに含まれていた放射性物質の総量は調べておらず、実際にどれくらい除去できていたのかは疑問が残る。

放射性物質 除去性能に疑問も

福島県での処理方針は、岩手、宮城両県の災害がれきの広域処理にも継承された。見切り発車した「福島モデル」が今や全国標準になったのだ。岩手、宮城両県の災害がれきは、通常の年間量の10~20年分に相当する約2千万トン。東京都と山形県が受け入れているが、そのほかの地域では住民の反発で調整が難航している。

環境省は、広域処理の安全性を必死にアピールしている。そこで振りまいているのが「バグフィルター安全神話」だ。住民向けのパンフレットには、バグフィルターの図入りで「放射性セシウムをほぼ100%除去でき、大気中への放射性セシウムの放出を防ぎます」と強調している。受け入れに反対する住民は「無知」と言わんばかりだ。

ごみ問題に詳しい環境ジャーナリストの青木泰氏は講演会や著書などで、「バグフィルター安全神話」に疑問を投げかけている。

「バグフィルターではダイオキシンもすべて取り切れないのに、原子レベルの放射性物質が除去できるというのは、サッカーのゴールネットで野球のボールを捕獲できると言うに等しい暴論だ。焼却炉の煙突から放射性物質が放出されれば、その空気を吸った住民は内部被ばくする」

検討会のあり方については「技術的な検討の場を非公開にする理由は全くない。本来は2~3年かけて検討を重ねなければいけない問題だが、環境省は、放射性物質が除去できるという実際のデータがないまま、がれき焼却方針を決めてしまった。方針を決めた後に実験でつじつまを合わせても、誰にも信用されない」と憤る。

では、どうするか。青木氏は訴える。

「バグフィルターで99・99%除去できるという説明は直ちにやめるべきだ。現在のように、汚染度にかかわりなく、何でも燃やすのは間違っている。受け入れの基準を早急に決める必要がある」


バグフィルターで放射性物質が除去できるか? ―放射能汚染廃棄物の焼却処理―

(2011年9月16日 青木泰氏のブログ)より抜粋

6月23日、環境省は、放射能汚染されたがれきの処理方法として、可燃ごみは市町村の清掃工場の焼却炉で焼却し、不燃ごみは除洗せず、埋立て処分する方針を発表した。焼却炉は、バグフィルターが付設されていれば良いとした。環境省の肝いりで作られた「災害廃棄物安全評価検討委員会」(=有識者検討会)でも了解されたとマスメディアに流された。<ここでは焼却問題について検証する。>

●放射性物質は、燃やすことで無くなるわけではない。

清掃工場の焼却炉では、通常木や紙、生ごみなどの有機物が焼却される。有機物は、焼却によって、炭酸ガスや水蒸気などのガスと微細な粒子,煤塵となって煙突から排出される。有機物は、1割ぐらいの燃え殻,灰を残して、分解して無くなってしまう。燃焼状態によって、煤塵が増えれば、煙突から黒々とした煙が出、ダイオキシン等の有害物も排出されることになる。

バグフィルターなどの集塵装置は、この煤塵や有害物の除去装置としてつけられたものである。しかし無機物である放射性物質は、焼却したからといって無くなる訳ではない。焼却すれば、ガスや微細な粒子に形を変えて、清掃工場の煙突から放出される。微細な粒子も総て取りきれるわけではなく、気化したガスはバグフィルターで除去できない。

ガスや微粒子になった放射性物質は、毒性がなくなるわけではなく、拡散放出される。放射性物質の排出源が、福島第1原発に加え、多発化されることになる。(その上焼却灰に濃縮された形で残し、保管一つを取っても後処理を困難にする。)

●放射性物質は、バグフィルターで除去できると裏付けなしに語る。

 
有識者検討会の委員で環境省の方針を積極的に後押ししたのは、国立環境研究所の大迫政浩資源循環・廃棄物研究センター長である。大迫氏は、バグフィルターが付加されていれば、放射性物質を除去できるため、煙突から煙となって拡散されることはないと朝日新聞の週刊誌「アエラ」で語っている。
 
しかし大迫氏らの発言は、実証的な実験の裏付けがあって語っているわけでない。有識者会議に大迫氏が資料として提出した論文は、放射性物質がバグフィルターで除去できるというものでなかった。

その論文は、論題は、「都市ごみ焼却施設から排出されるPM2.5等微小粒子の挙動」であった。微小粒子が喘息等に影響を与えると言う米国や環境省の報告を受けて、既存の焼却炉で除去できているかの実験をしたものである。微小粒子が、バグフィルターで99.9%除去できたとする実験結果でしかなかった。

実際廃棄物関係の専門誌である「月刊廃棄物」では、大迫氏は、「元来放射性物質は廃棄物処理法に含まれていなかったので、われわれ国立環境研究所は、知見もノウハウもほとんどありませんでした。」「自治体からの要請に基づいて、排ガス中の挙動や放射能レベルが高くなる原因究明などについての調査なども行ってゆきます。」と語っている。アエラで語った「放射性物質は除去できる」というのは裏付けなく話していたにすぎない。

●放射能汚染物焼却の背景
 
市町村の焼却炉は、有害物の除去装置として造られたものでない。市町村の街中から排出される生活ごみの量を減らす減容化のための手段に過ぎない。バグフィルターなどの除去装置は、焼却の過程で産み出される有害物や吐き出される有害物を除去するための装置に過ぎず、放射性物質に限らず、有害物を除去分解するための装置ではない。

今回の環境省の方針や大迫氏などの判断には、放射性廃棄物を市町村の焼却炉で燃やした時の周辺への影響を真剣に検討した後は見られない。

東北大震災で発生した大量のがれきを町中からなくしたいということがあり、従来の災害廃棄物と同様に市町村の焼却炉で燃やすということになったと考えられる。当初は、放射能の影響を考えていたが、放射能汚染されたがれきを燃やさなくとも、すでに市町村の焼却炉から排出される焼却灰は、放射能汚染度が高く、がれきを投入しても影響はないと今回の措置に踏み込んだものと考えられる。

しかし災害地だけでなく、東日本各地の市町村の焼却炉で放射能汚染されたごみが燃やされている。焼却灰が高濃度汚染されているのは、街路樹や公園、庭木などの樹木が放射能汚染され、それらの剪定ごみを燃やしている自治体が多く、その影響と考えられる。バグフィルターで捕捉された煤塵(飛灰ともいう)や燃え殻等を焼却灰というが、焼却灰が高濃度汚染されているというのは、相応の放射性物質が煙突から環境中に排出されているということである。

この事実を前にして、国民のために環境を守り、科学的な対処を考える環境省や専門家ならば、今すぐ市町村での剪定ごみの焼却をやめさせなければならない。

ところが、どうせ現状の市町村の焼却炉でも放射能汚染物を燃やしているのだからそこに放射能汚染がれきが追加されても、大したことはないだろうというのが、環境省が取った、放射能汚染がれきの焼却方針化といえる。

●バグフィルターを付設した焼却炉の影響

バグフィルターは、布や不織布で作られた袋状のフィルターで、掃除機のフィルターと基本的には同じである。ごみ焼却炉で燃やされ大量に排出される排ガス中には、微細な粒子状の煤塵が含まれているため、これをバグフィルターを通して除去することが目的である。その際ダイオキシンなどの有害化学物質も除去される。

布で作ったフィルターで、微細な粒子が取れるのは、布の表面に微細な塵が蓄積し、層をなしそこを通るより微細な粒子も取ることができるようにしているからである。これは掃除機のフィルターにごみがたまると急に吸い込みが悪くなるが、その分より細かなチリも取ることができるのに似ている。

層を成し厚みを増すと、排ガスも流れなくなるため、焼却炉のバグフィルターには、振動させて、たまったチリを落としたり、逆からガスを流し布にたまったチリを落とすように工夫している。チリの層がふるい落とされた時には、排ガスの流れがよくなるために、その分微細なチリは除去できなくなる。

またふるい落としのタイミングが悪い時には、焼却炉から排出される秒速数メータの排ガスの圧力で、バグフィルターが破れ破損することがある。

また焼却炉から排出される排ガスの温度は850℃前後であるが、
バグフィルターの前で、200℃前後に冷却するようにしている。

しかし温度が下がりきらないことがあり、その時熱風がバグフィルターを破損するため、排ガスの流れを切り替えて、直接煙突に排ガスを流すバイパスを設けている焼却炉もある。(「プラスチックごみは燃やしてよいのか」青木泰著、リサイクル文化社P170~)

このときにはもちろん放射性物質を始め有害物質は煙突からそのまま大気中に放出される。いずれにせよ、このようなバグフィルターの技術の状況で、バグフィルターで放射性物質は除去できるというのは、ざるで水をすくうことが出来るというに等しい暴論である。

●大学の論文の結論を覆す実証例。

バグフィルターについて少し付け加えておくと、大学の研究発表で発表された事例と実際には大きく違うことがいくつかある。今回の有識者検討会で出された微小粒子除去の実験報告の京都大学の高岡准教授の論文では、99.9%除去できるとなっていた。

この論文の結論から言うと焼却炉でごみを燃やしたときに発生するSPMやPM2.(*SPMは、10ミクロン前後、PM2.5は、2.5ミクロン以下の微粒子)の微粒子はほぼ除去できる。そのためバグフィルターを付設した焼却炉の周辺では喘息は起こらないとなる。

しかし神奈川県横浜市の栄区のごみの焼却炉が、稼働を停止したところ周辺の小学校の喘息の被患率が、桂台小学校では、19.7%から9.4%に半減し、本郷小学校では15.6%から5%に3分の1になった。
(「プラスチックごみは燃やしてよいのか」青木泰著、リサイクル文化社P184~)

また日の出の最終処分場内に作られたエコセメント工場の近くにある青梅市の第2小学校では喘息の被患率が、エコセメント工場が稼働した2006年の翌年の2007年から大きく変化した。それまで0%~0.8%の間で推移してきた被患率が、2007年度に一気に14%に増加し、2010年まで13~14%の間となっている。

また同じ高岡氏は、東京23区清掃一部事務組合の焼却炉で水銀が自主規制値を超えて排出され、清掃工場が止まった後の講演会で、焼却炉で排出される水銀は97.5%除去できると話していたが、その後の調査の中で、金属水銀は原理的にも除去できないこと。焼却炉メーカ自身が除去できないと発表していたことが分かった。

このように学者の研究論文で発表した少数の事例を基に、行政官庁は、バグフィルターで何もかも除去できるとしがちだが、それをそのまま前提にすることはできない。

2012/05/30

CNNが放送 「福島原発事故と 政府の対応に国民の怒り」

ついに世界放送!北九州の現状
(2012年5月25日 がれきSTOP北九州!子どもを守ろうプロジェクト)

CNNより、権力で市民を押さえつける北九州の現状を放映したいと連絡がありました。

「KEPT IN THE DARK いまなお終息を見せない福島原発事故の問題と
政府の対応に対する国民の怒りについて」

(2012年5月25日 19~20時放送 CNNj World One)

以下、文字起しです。

アナウンサー
悲しみが怒りの声に変わりました。日本では、東日本大震災から1年以上がたちましたが、日本の人達は福島原発による放射線量について明確な情報を得ることが出来ないままここまで来ました。キョン・ラー記者に東京から伝えてもらいます。」

記者
「福島第一原発の事故、これは後片付けに追われる、日本政府の在り方と、そしてどうすれば政府を信じられるのかそうした思いに繋がることになりました。日本政府は嘘を言ったのか、それとも情報を伏せたのか。日本の人々が知る情報と政府が公開する情報、そして政府が知っている情報との間には違いがあることが分かっています。

福島原発の問題については大々的な抗議デモが展開されました。かなりの怒りの声が上がっています。
首相府の首相にアドバイスをしていた核関係の科学者にもインタビューをしました。この人物(田坂広志氏)によりますと、政府は国民に対して期待に沿った形の対応が出来なかった、今でもそれは同じだということです。」

田坂広志氏(元内閣官房参与・原子力工学博士・多摩大学大学院教授)
政府を信じるということには透明性が求められています。情報を提示する必要があるのです。ところが、国民に対する誠意のあるメッセージを打ち出す必要があるのに、そうなってはいないのです。それが私の理解です。だからこそ国民は政府を信じてくれないのです。

記者
「政府の在り方にも多少状況が変わりました。原子力安全保安院、日本政府の在り方も変わってきました。しかし、もっと基本的な変化が必要であり、福島原発の事故を乗り越えるには、更なる変化が必要だと専門家は述べています。」

アナウンサー
政治家たちは日本の制度の中でかなり短命であることも確かだと思います。ここ5年間で6人の首相が交代している訳ですね?」

記者
「そうです、5年間で6人です。このような政府では満足がいかない、そうした考えが国民の間にあることも確かです。政治家の間では行き詰まり状態が続いています。つまり、政治家は、政府の首脳としての役割を守る事が出来ない状態です。国民が求めている問題については、まだ対応できていないのが現状です。」

(終)

2012/05/29

「環境大臣への新潟県知事の再質問」を読んで 

多くの人に読んでほしい「新潟県知事から環境大臣へ【ガレキの放射能対策】の再質問」とそれを読んでのコメント

新潟県知事の再質問を読んで 青山貞一
(2012年5月29日 独立系メディア E-waveTokyo)

 新潟県知事が環境大臣に出した再質問を読むと、今回の「がれき特措法」が、いかに地方自治を無視した、しかも放射性物質にまったく素人な環境省が拙速く、稚拙なものであるかが分かります。

 環境省は御用学者以外の専門家、法律家の意見を聞くことなく、一方的に法律、政策、施策、施行規則などをつくったかがよく分かるというものです。

 本来、新潟県知事の質問内容は、立法過程で都道府県知事、政令指定都市市長、基礎自治体長の意見を十分に聞き、さらに第三者の専門家の意見を聞き、まともなパブコメをやれば、今の段階でこのような本質的な課題、質問がでるはずもないのばかりです。

 私が何度も申し上げているように、思考停止となっている国会議員全員が昨年8月に安易に賛成した「がれき特措法」は、議員立法の形態を取りながら、その実、強権的な官僚立法であったことが新潟県知事の今回の再質問から分かります。

 環境省が昨年設置したがれき問題の検討会は、当初から完全に傍聴も認めず完全に非公開、環境行政改革フォーラムの鷹取事務局長らが開示請求、異議申し立てするまでは一切、議事概要すら出さない対応でした。

 友人の梶山正三弁護士(ゴミ弁連会長、理学博士)は、この「がれき特措法」をして憲法違反の可能性が高いと述べています。

 まさにその通りです。

 国会議員全体が思考停止でのなかで、見識有る自治体首長らが本気で問題の本質を読み取れば本来、全知事、市町村長らがこぞって国に対して行政訴訟を提起すべき内容だと思います。 


泉田新潟県知事から細野環境大臣への重要な質問
(2012年05月21日 新潟県ホームページ)から抜粋

環境大臣 細野 豪志 様
新潟県知事 泉田 裕彦

 東日本大震災により生じた災害廃棄物の放射能対策及び広域処理の必要性に関する再質問について(平成24年5月21日 新潟県)

1 放射性物質に関する国の認識について

 原子力発電所等の施設から排出される低レベル放射性廃棄物は、ドラム缶等に封じ込め、放射性廃棄物を処分するために整備した我が国唯一の最終処分場において処分するという厳格な対応をとっている。また、環境中への放射性物質をやむなく放出する場合においても、厳格な基準を遵守し、その基準を満たすことを確認するための排ガス等の常時監視などの措置をとることとされている
放射性廃棄物を処分するために整備された青森県六カ所低レベル放射性廃棄物埋設センターにあっては、埋設を行う放射性物質をセメント、アスファルト等で固化することなどを規定し、埋立総量も上限を定め、更にその周辺の放射線モニタリングを徹底し行うことで国から事業許可を受け、事業を行っている。

(1)震災後制定された法令により、放射性廃棄物の処分を想定していない市町村の廃棄物処理施設で放射性廃棄物の焼却や埋設等の処分を可能とし、排ガス、排出水中の放射性物質濃度を常時監視しないなど、震災以前の規制を緩めたことは、環境への放射性廃棄物の漏洩・拡散のリスクを高めることを許容したということでよいか。

 その場合、その考え方は何か。
 また、決定に至る議事録等を示されたい。

(2)ICRPの1990年勧告では、低線量・低線量率の発がん確率について「線量反応関係には真のしきい値を想定しうる十分な証拠はない。」とされているが、国の放射性廃棄物に関する規制値の設定の考えは、このICRPの考えを維持しているのか。

 また、そうであれば担保している根拠を示されたい。
 一方、維持していないのであれば、その理由を明らかにされたい。

(3)放射性物質を扱う専門組織及び専門職員が存在しない市町村に、放射性物質の管理をさせることの妥当性をどう考えているのか。
 環境省は、市町村が行う放射性物質の管理に係る予算措置や職員の教育訓練を実施しないのか。また、管理の実効性を確保するためにどのようなことを行うつもりか。

(4)震災後制定された法令では、放射性廃棄物を含む焼却灰等を市町村最終処分場で埋立可能とする濃度を8,000Bq/kg以下とし、濃度規制だけをもって規制しているところであるが、放射性物質の貯蔵については、その量を国に許可・届出することが義務づけられていることに対し、当該処分場に埋立できる放射性物質の総量を規制しない理由を示されたい。

(5)福島県内の災害廃棄物の処分の方針を決定するために重要な安全評価を行う「災害廃棄物安全評価検討会」を非公開とすることについて、環境大臣が「不安をあおらないやり方」と発言した旨公表されているが、どのような部分が不安をあおると考えたのか。

2 放射能対策についての技術的問題について

(1)最終処分場の排出水から放射性物質が出ることを前提としてゼオライトで対応することを指示することは、国が示した処理基準では完全に放射性物質を封じ込めることができないことを示唆しているのか。

(2)ゼオライトの設置が事故の発生を想定したものであれば、法令や基準にその設置や措置方法を規定しない理由を示されたい。

(3)ベントナイトによる雨水の浸透の防止能力の科学的検証を示されたい。
(4)土壌層による放射性セシウムの吸着能力(量・期間)の科学的検証を示されたい。
(5)大雨により処分場が冠水した場合の安全性の検証について示されたい。
(6)浸出水が漏洩した場合、周辺環境への影響の把握など恒久的な対応方法をどうすべきか国の考え方を示されたい。

(7)環境省の資料では、「排ガスは冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは、主に塩化セシウムとして固体状になり、ばいじんに凝集したり吸着する。」とあり、全てのセシウムが塩化物となることを想定していると考えられる。

 市町村の廃棄物処理施設で焼却した場合、セシウムは何%が塩化セシウムになるのか、また、ガス化するセシウムはないのか、科学的検証を示されたい。

(8)震災がれきを焼却している施設では、国の指導に従って通常の測定方法(JISZ8808「排ガス中のダスト濃度の測定方法」)により検体を採取、測定し、排ガス中の放射性セシウム濃度としているが、ガス化している放射性セシウムがある場合は正確な測定でない可能性があるが、これに対する科学的検証を示されたい。

(9)静岡県島田市の災害がれきの試験焼却の結果において、公表されているデータによれば、焼却から発生する排ガス、ばいじん等の一連の行程での放射性セシウムの物質収支量を見ると、4割の放射性セシウムが所在不明となっているが、その原因と理由を示されたい。

3 放射能対策についての管理面の問題について

(1)震災以前は厳格に国が規制していた放射性廃棄物の処分について、これまで放射性廃棄物の処分の経験がなく、また、放射能に関する専門職員及び組織を持たない市町村に委ねることは、放射性物質の漏洩によるリスクを高め、本来国が負うべき責任を市町村に転嫁しているように見えるが、トラブルが生じた場合、国はどのような具体的な責任をとるのか。(現に国の基準を満たした焼却灰を埋め立てたにも拘わらず、その排水から放射性セシウムが基準を超えた事例が見られている。

(2)放射性廃棄物の処分のために設置されている青森県六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターでは、管理期間を概ね300年と見込んでいる。
 放射性セシウムの半減期は30年であるが、市町村の一般廃棄物最終処分場で封じ込む期間や封じ込めのレベルをどの程度と見込んでいるのか。

 また、市町村最終処分場の埋立期間は概ね15年とされているが、その期間を超えた後、どのようにして管理するつもりか(「廃棄物最終処分場の性能に関する指針(平成12年12月28日付け)(環境省)」第四1(1)性能に関する事項に「埋立処分を行う期間内(十五年間程度を目安とし、……)とされている。)

(3)群馬県伊勢崎市の最終処分場や千葉県市原市の廃棄物処理会社の排水から、国が示した排水基準の目安を超える放射性セシウムが検出されるなど、実際に放射能の漏洩等、現に管理できていない事例が見られる。
 放射性物質の取り扱いの経験のない多数の事業主体が、なぜ厳格に管理できると考えているのか、本来、国で一元的に管理すべきではないか、根拠を示されたい。

「がれき処理の全体計画の明示」について

(1)5月10日付けの回答では、「岩手、宮城両県の災害廃棄物の発生量、処理量等について見直しを行っているところであり、広域処理の必要量についても改めて精査が行われる予定」とのことであるが、これらが未確定な中では広域処理の必要性について明確にならないと考えられるので、これらを明らかにした上で、改めて4月6日提出の質問に回答いただきたい。また、その際、岩手県及び宮城県における可燃物の発生量についても示されたい。

(2)今回回答いただいた参考資料及び環境省ホームページ等を基に推計(別表参照)すると、平成26年3月末における地元未焼却量の推計は98.4万トンとなり、これは、広域処理を行わなくとも、平成26年3月末から岩手県では2か月弱、宮城県では7か月弱で焼却処理が終わる量である。一方、4月17日付け環境省資料によれば、既に162万トンの広域処理が現実的なものとなりつつあるとのことなので、これ以上の広域処理は不要ではないか。

(3)仮設焼却炉を岩手県で2基、宮城県で29基、合計31基が稼働中又は設置予定であるとのことだが、これらによって全ての災害廃棄物を本当に域内処理できないのか、改めて明確な根拠を示されたい。

(4)今回回答いただいた参考資料では、宮城県で災害廃棄物を処理する焼却炉に既存の焼却炉がないが、なぜ既存の焼却炉も活用しないのか。地元で埋立の反対運動があったことが原因なのか。

(5)仙台市では地域内の処理が進み、他地域の災害廃棄物についても10万トンの処理を引き受ける一方、来年12月までには焼却処理を終了するとのことである。
 国は、被災地の災害廃棄物処理を全体的に見通しつつ、被災地域間の災害廃棄物処理の進捗の違いを調整して、できるだけ域内処理できるよう調整すべきと考えるが、現在どのような調整を行っているか。また、そうした調整を行っていない場合は、その理由を示されたい。

(6)阪神淡路大震災においては、仮設焼却炉は発災後約3か月後には設置され始めていたが、今回仮設焼却炉の大半の設置が約1年後以降と著しく遅れているのはなぜか。

(7)阪神淡路大震災では、兵庫県内において、可燃物の23%程度が埋立処理がされたが、なぜ、放射性物質の濃縮の危険がある東日本大震災の可燃物の埋立処理を行わないのか。

(8)このように、広域処理の必要性が明確でない中では、むしろ広域処理により生じる多額の国家予算を、被災地支援に有効利用すべきではないか。
(例)岩手県のホームページによれば宮古地区広域行政組合の処理単価が1トン当たり16,300円なのに対し、財団法人東京都環境整備公社の広域処理単価(運搬費含む)は1トン当たり59,000円となっている。広域処理引受量162万トンで差額を算出すると、約700億円となる。

(9)なお、環境省は、5月21日に、岩手県、宮城県の広域処理必要量の見直し結果を発表しているが、従来の必要量はどのように見積もったのか、また、今回見直しの理由と内容について、改めて明確に回答願いたい。

【参考】5月10日付け環境大臣からの回答(新潟県報道発表資料へリンク)


 4月6日、環境大臣に対し、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請」に対する検討結果を、別紙のとおり提出しました。

環境大臣 細野 豪志 様
新潟県知事 泉田 裕彦

                  
 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請に対する検討結果について

 本県においては、長岡市、三条市、柏崎市及び新発田市が、平成24年3月31日、新潟市と5市共同で受入表明を行ったところです。
しかし、岩手県等のごみ焼却施設で最大3万ベクレル/kgの飛灰が検出されていることからも震災がれきの広域処理にあたっては、放射能の安全対策を厳格に対応する必要があります。さらに、国が定めた基準(8,000ベクレル/kg)以下の焼却灰等を埋め立てた処分場から基準を超過する放流水が確認されており、放射能に関する安全基準に問題があるという懸念があります。

 がれきの受入れについての地域のコンセンサスが得られていない中で、県としては、県民に説明できる十分な情報を持っておらず、直ちに受入れを決められる状況には至っておりません。
 このため、まず、別紙の質問について御回答くださるようお願いします。

(別紙)

災害廃棄物の広域処理の必要性及び放射能対策に関する質問

  
1 がれき処理の全体計画の明示について

(1)地元でのがれきの量、焼却施設の設置基数、処理能力についてデータを明示していただきたい。

(2)地元での処理を極力推進すべきではないか。
 被災地の地元自治体が、がれき処理のための焼却施設建設を希望したが、環境アセスメントが障害となって実現しなかったと聞いている。

(3)可燃物について、焼却ばかりでなく埋立も推進すべきではないか。
 宮城県の県道10号線における道路嵩上げ工事や防災林のための土台などでがれきを再利用する方針であると聞いているが、地元公共工事全体でどれだけのがれきの再利用が可能か精査したのか、その結果はどうなっているか、併せて関係機関との調整状況について説明していただきたい。

(4)これらを踏まえて地元での処理が可能なのではないのか。被災地であっても処理状況に違いが出ていると聞いているが、その現状とともに原因を明示していただきたい。

2 放射能対策について

(1)管理型処分場で、長期に渡って本当に放射性物質を封じ込められるのか。
 管理型廃棄物処分場で国の基準値以下の焼却灰を埋め立てたにもかかわらず、水溶性の放射性物質を含む排水が基準超過になった事例(伊勢崎市)や、処分場の水漏れがあった事例(君津市)がある。

(2)国の基準の信頼性への疑問
 国が示した農地の作付けに係る放射性セシウムの濃度の上限値(5000ベクレル/kg)以下であっても、当時の暫定規制値(500ベクレル/kg)を超過する玄米が確認されている。

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