<骨抜き再生エネルギー法案 > 

コケにされた菅前首相 裏切った枝野経産相
(2011年12月2日 日刊ゲンダイ)

あれだけ騒いだのに この始末
<骨抜き再生エネルギー法案 >

 菅前首相もとことん、コケにされたものだ。首相にしがみついて、「これだけは……」と通した「再生可能エネルギー促進法案」がすっかり、骨抜きにされようとしているのだ。

再生エネルギーが普及拡大できるかどうかは、買い取り価格と買い取り期間を決める調達価格算定委員会が鍵を握る。その人事案が出てきたのですが、驚きました。進藤孝生新日鉄副社長を筆頭に山内弘隆一橋大教授、山地憲治元東大教授と5人の委員のうち3人が再生エネルギーに批判的な立場なのです。中でも進藤氏はエネルギー多消費産業である鉄鋼業界の代弁者。電気代は安い方がいいに決まっているので、再生エネルギー価格を安く抑えようとするのは見えています。これじゃあ、再生エネルギーは普及するわけがないのです」(ジャーナリスト・横田一氏)

 さすがにこんな利益相反のムチャクチャな人事はないと、1日、みんなの党の浅尾慶一郎政調会長や社民党の阿部知子政審会長ら超党派の議員らが連名で、この人事案を3党合意した民主、自民、公明党に対し、「人事案の再考」を求める申し入れを行った。こんな人事では国会で同意できないし、それを数の力で押し切られたら「脱原発依存の民意無視」ということだが、驚くのは野田政権や枝野経産相の二枚舌だ。野田政権は再生可能エネルギー政策を引き継ぐ約束だったし、枝野は菅政権の官房長官。二人三脚で再生エネルギーの促進に旗を振っていたくせに、官僚の振り付けとみられる人事案を出してくる。コイツにも毒が回り、すっかり骨抜きにされてしまった。

 これには菅政権でエネルギー政策の転換に尽力した梶山恵司・前国家戦略室審議官も「野田政権のエネルギー政策見直しは期待できない。事務局を押さえた官僚主導でくだらない議論ばかりしている」と怒っていたが、肝心の菅はお遍路に行ったりして沈黙している。
 ま、野田も枝野もこの程度の政治家であることは分かっていたが、改めて、どうにもならない連中だ。

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