放射能検査、乳児食は別基準で 一般食品より厳しく

放射能検査、乳児食は別基準で 一般食品より厳しく
(2011年11月20日3時11分 朝日新聞)

 食品に含まれる放射性物質の新たな基準の分類について、厚生労働省は、粉ミルクなどの「乳児用食品」を新設する方針を固めた。野菜類や穀類、肉類などは「一般食品」として一本化し、「牛乳」「飲料水」と合わせて計4分類とする。新基準では、放射性物質の影響を受けやすいとされる子どもに、より配慮する。

 新しい食品分類案では、粉ミルクや離乳食など乳児しか口にしない「乳児用食品」は、別の基準値を設ける。「牛乳」についても、子どもは大人よりも摂取量が多いため、配慮が必要と判断し、別分類として残す。「飲料水」を含めた別枠の3分類は、一般の食品より基準値が厳しくなる見通しだ。

 現在の暫定基準にある「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」は「一般食品」として一本化する。分類は、主食のコメを別枠にするなど、細かく分ける考え方もあった。だが、厚労省は、一本化した方が、国民にわかりやすいほか、日本人は食品の摂取に偏りが少ないため、安全性に問題はないと判断した。

 茶葉や干しシイタケなどの乾燥食品は、放射性物質の濃度が高まるため、別の基準を求める声が出ていたが、飲食する状態の検査で対応することにした。

 いずれの分類でも、放射性セシウムを基本とする。

 新しい食品分類案は、24日に開かれる厚労省の薬事・食品衛生審議会に提案される。4分類で決まれば、食品によるセシウムの許容被曝(ひばく)線量をどう割り振るかが議論される。厚労省は、許容線量を年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げることにした。年内にも分類ごとの基準値案がまとまる予定だ。

 新しい基準値作りでは、まず1ミリシーベルトを食品の分類ごとに割り振る。その上で、年代ごとにとる食べ物の量や放射性物質による影響度の違いを考慮して、それぞれ許容される値を計算。その中で、最も厳しい値を全体の基準値として採用する。年代の区分は「1歳未満」「1?6歳」「7?12歳」「13?18歳」「19歳以上」の五つとし、18歳以下の子どもについて細かく評価する。

 暫定基準も同じ方法で算出しているが、年代区分が「成人」「幼児」「乳児」しかなかった。(沢伸也)


食品中の放射性物質の新基準値で4分類に 「乳児用食品」を新設へ 子供の被曝に配慮
(2011.11.20 18:03 産経ニュース)

 食品に含まれる放射性物質の暫定基準値に代わる新たな基準値作りを進めている厚生労働省は、暫定基準値で5分類だった食品の分類を、新基準値では4分類とし、このうちの1つは、粉ミルクなどの「乳児用食品」とする方針を固めた。

 「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」としていた分類は「一般食品」で一本化、「牛乳・乳製品」は牛乳を独立させ、「飲料水」は現行のまま残す。いずれも24日に行われる厚労省の薬事・食品衛生審議会で提案される。

 新分類の見直しにあたっては当初、暫定基準値より細かく分けることも検討。しかし、国民へのわかりやすさや、食生活の偏りを考えなくてもいいこと、海外の基準でも食品群を細かく分けていないことなどから「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」の一本化案が浮上した。

 一方、粉ミルクなど乳児しか摂取しない食品を「乳児用食品」として別基準を設け、子供の摂取量が多い牛乳も独立させるなど、被(ひ)曝(ばく)による影響を受けやすい子供に配慮。今後検討が進められる具体的な基準値の数値も、より厳しい値を設定する。「一般食品」も、食べ盛りの子供は日本人の平均摂取量より多く摂取することを念頭に、数値設定していくという。

 乾燥で濃縮され、高い数値の放射性セシウムが検出される乾燥食品は、飲食する状態に戻したうえ「飲料水」や「一般食品」として判断する方向で検討を続けている。

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