食育カフェの記事を紹介

2008年 4月 8日(火)朝日新聞 掲載

食の現場から

大人の食育カフェ好評
?自然食ランチ楽しみながら勉強会?
食べ物への意識変わった
食の安心・安全が注目される中、民間でも食育講座の試みが始まっている。赤村の山あいで有機栽培コーヒーなどのスローフードを提供するスローカフェ「クリキンディ」(松田直子店長)では3月、毎週火曜日に「食育カフェ」(1回1800円)を開講。食品の安全性を考えながら自然食ランチを楽しむ勉強会が主婦らに好評で、6月と9月にも開講を予定している。(吉田耕一)


3月18日の第3回を受講してみた。北九州市の都心部から車で約1時間。木造平屋のカフェに受講者18人が集まった。平日昼間だから大半は主婦で、生産者や食品業者も。世代は20?60代と幅広い。
午前11時開講。今回のテーマは遺伝子組み換え食品だ。有機栽培コーヒー販売会社でカフェも直営する「ウインドファーム」(水巻町)の経営者、中村隆市さん(52)の解説を交えて米国の記録映画「食の未来」を鑑賞した。
映画は、米国の農薬メーカーなどが、遺伝子操作で強力な農薬にも耐える作物の種子を開発する一方、種苗会社を次々に買収し、あらゆる種子を特許化して種苗市場の支配を進める実態を告発。その結果、人体に危険な遺伝子組み換え食品が氾濫したとして、安全な有機農法の導入や消費者の賢明な選択を求める。
昼過ぎからランチ。本日のメニューは豆のマリネ、豆乳クラムチャウダー、大豆とレンコンのハンバーグ、手作りパン、豆腐クリームと穀物コーヒーのティラミスにコーヒー。村内の有機栽培農家から仕入れた食材が中心で、マリネの黒大豆と黄大豆は近くの畑でスタッフが栽培した。
「そういえば、うちで作っている野菜の種も外国産ばかり」「消費者は見た目のきれいな野菜が好きだよね
農薬も化学肥料も使わない体に優しいスローフードに、受講者同士の会話も弾む。
川崎町で米やイチゴを作る女性(39)は「安全な野菜でも、それにかける市販の調味料に遺伝子組み換え食品や食品添加物が使われていてはダメだと分かった」。みやこ町でパン工房を営む女性(46)は「体に優しい食事は気持ちも優しくする。食べ物に対する意識が変わり、最近、自宅でぬか漬けを始めた」。
3月は全4回。他の回でも農薬や食品添加物、放射能汚染など、食品の安全性を脅かす問題をテーマに選んだ。
クリキンディは06年5月開店。食育カフェは今回が初めての試みだ。中村さんは、「時は金なり、という傾向の強い国ほど食を軽んじてきた。生活の中心なのに、知らないことが多過ぎる。自分が何を食べているか、もっと関心を持とう」と話す。問い合わせはウインドファーム(093・202・0081)へ。

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