「生涯100ミリシーベルト」ではなく、「年1ミリ」の順守を

本日、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、福島老朽原発を考える会
(フクロウの会)、国際環境NGO FoE Japan、美浜・大飯・高浜原発に反対す
る大阪の会、グリーン・アクション、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの
6団体は、下記のプレスリリースを出しています。

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共同プレスリリース
2011年8月25日
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NGO6団体、厚労省、食品安全委員会、文科省らと交渉
食品安全委員会の「生涯100ミリシーベルト」は事故後の高い被ばくを容認するもの、求められる「年1ミリ」の順守 
特定避難勧奨地点について「地域としての指定」を強く要請
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上記6団体は本日8月25日、参議院議員会館(東京都千代田区)で厚生労働省、食品安全委員会と交渉。続けて、原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チーム、原子力安全員会、文部科学省と交渉を行い、「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」の問題点、そして避難区域の設定のあり方、子どもの被ばく限度20ミリシーベルトの見直しなどについて問いただしました。

現在の食品の暫定規制値は、年間最大17ミリシーベルトの被ばくを許容する可能性があり、きわめて高い規制値となっています。現在、この見直しの前段階として、食品安全委員会が策定した「食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価(案)」が今月27日まで、パブリック・コメントにかけられています。しかし、この評価(案)は、「100ミリシーベルト未満については、現在の知見では健康影響の言及は困難」であることを理由にして、100ミリシーベルト以下の健康被害への影響がでないかのような扱いとなっています。

交渉で明らかになったのは、この評価案は生涯について何年とは決めずに評価をしていることです。これではリスク評価にさえもなりません。年々被ばく量が低下するというイメージ図については、低下する具体的根拠を示していません。生涯100ミリシーベルトは、1年ごとに割り振ることはなく、事故直後の高い被ばくを認め、また、子どもや乳幼児が高い被ばくを受けることを許容しています。
これは、年1ミリシーベルトという現在の公衆の被ばく限度を取り払ってしまうものです。さらに、100ミリシーベルト以下は健康影響なしとして、直線閾値なしというICRPと日本政府の規制の基本的な概念をも「採用していない」と明言しました。これは、現在の国内の放射線防護に関する規制を踏みにじるものです。
100ミリシーベルトを事実上閾値としています。統計の信頼性に問題があると自らが勝手に判断し、子どもの影響については、具体的には何も示していません。

参加者は、100ミリシーベルト未満で起こったチェルノブイリの健康被害の例、積算5.2ミリシーベルトで労災の認定がおりていること、原爆被爆者の低線量での認定の実態をあげて、なぜ、これらを無視するのかと問いただした。また、同評価案で「生涯100ミリシーベルト」を基準としたことについては、極端に高い被ばくを許容することにもなりかねず、「年1ミリシーベルトを守るべき」と強く要請しました。

原子力災害対策本部・原子力安全委員会との交渉では、特定避難勧奨地点を指定中の伊達市霊山で、霊山からの参加者が、一つの敷地に、親世帯、子世帯が住んでおり、片方が指定、片方が指定されなかったという事例が報告され、0.1マイクロシーベルトの違いで親子が分断されている事態の解消を求めました。また、世帯ごとの指定は非現実的であるとして、区域としての指定を求めました。これについて対策本部は、回答を持ち帰る旨答えたため、主催団体が、事実確認と改善を求め、文書による回答を求めました。

福島市大波、渡利については、6月20日から高い線量を示していたため、主催団体が繰り返し地元での説明会を求めてきた。この問題については、未だ「検討中」という回答でした。

「いつまでも平行線をたどっている場合ではない。今日、実質的な進展をしなければならない。いま、この段階でも、住民は被ばくし続けているという現実を踏まえて対応しましょう」と市民側は強く求めました。

避難の基準となる積算線量の算出について、原子力安全委員会は、内部被ばくも含めるべき、また、解析ではなく実測に基づいた評価を求めるとの見解を示していましたが、これまで対策本部は、実測に基づいて評価をしていませんでした。
主催団体、参加者は、対策本部に、原子力安全委員会と同じ見解であることを確認し、今後は内部被ばくについて実測に基づいて積算線量を算出するよう求めました。

福島県の県民健康管理調査については、WBCおよび尿検査の検出限界値は、非常に高い(注)という指摘に対して、原子力対策本部は、「これは、内部被ばくで1ミリシーベルト以上かどうかをみるものであって、具体的に個人が何ミリシーベルトの被ばくを受けたものかを調査したものではない。高いと言われている検出限界値はおよそ、0.2ミリシーベルトに相当し、検出限界以下であれば、『県民の安心のため』という調査の目的は果たせる」と述べました。被ばくの実態を明らかにし、影響を最小限に抑えるための調査ではなく、実態を隠した「県民の安心のための」調査にすぎないことが明らかになった。これでは県民の健康を守ることはできない。

注)先行調査のWBCの検出限界は、320Bq(CS-134)、570Bq(Cs-137)となっている。日本成人男性で平常時セシウム体内量は30Bq程度、核実験による汚染がひどかった1964年で530Bq程度というデータ(Cs137のみ)がある。また、尿検査の検出限界13Bq/Lは、市民団体によって検出されたセシウム量の10倍である。

最後に、学校暫定目安として20ミリシーベルト/年、3.8マイクロシーベルト/時の見直しに関しては、学校内1ミリシーベルトとし、内部被ばくも、従って給食も含めることが確認されました。主催団体、参加者は、「子どもたちを守るため、学校外も含めてトータルで年1ミリシーベルトという基準とすべき」と要請し、文科省は、その基本姿勢については認めました。

参加者からは、「食品の規制値については、厚労省は現在の事態を深刻に受け止めて、子どもや乳幼児に対して厳しい規制をするべきだ。英知を集めて子供たちを被ばくから守らないといけない」、「生涯100ミリではなく、年1ミリシーベルト以下にすべき」。さらに、「自主的避難に関しては、経済的支援を行い、放射線量が高いところは集団疎開を行い、除染が終わって安全が確保されたら戻るように支援してほしい」などの声が続きました。

上記6団体は交渉に先立ち、放射線量が高い地域からの避難や、子どもを含む県民の内部被ばく検査の実施、法令1ミリの遵守とそのための食品規制値の見直しを求める「福島の子どもたちを守るための緊急署名」49,775筆を、原子力災害対策本部長、福島県知事、文部科学大臣、厚生労働大臣宛てに提出しました。

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