推定77万テラベクレル 放射性物質の総放出量を大幅修正

【放射能漏れ】推定77万テラベクレル 放射性物質の総放出量を大幅修正
(2011.6.6 20:48 SankeiBiz)

 経済産業省原子力安全・保安院は6日、福島第1原発事故の直後に、大気へ放出された放射性物質の総量を推定77万テラベクレル(テラは1兆)と、従来推計の2倍強に上方修正する解析結果を発表した。1号機の原子炉圧力容器の破損は、東京電力の解析結果より10時間早い震災当日とするなど、従来の解析より事態が急速に進んでいたことも判明した。

 政府は7日に原子力災害対策本部を開催。今回の解析結果を反映させた報告書をまとめ、今月下旬にウィーンで開かれる国際原子力機関(IAEA)閣僚級会合に提出する。

 保安院は、4月に事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で最悪の「レベル7」に引き上げた際、放射性物質の放出量を37万テラベクレルと推定していた。原子力安全委員会は63万テラベクレルと試算していたが、それも上回る値となった。

 保安院の解析は、1~3号機すべてで炉心溶融(メルトダウン)が起きたと推定。溶け落ちた燃料によって原子炉圧力容器が破損した時刻は、1号機は地震から約5時間後の3月11日午後8時ごろ、2号機は東電解析より29時間早い14日午後10時50分ごろとした。3号機については14日午後10時10分ごろと推定し、東電解析より13時間遅くなっている。

 保安院は大気への推定放出量が2倍強になった理由を「2号機からの漏(ろう)洩(えい)で過小評価があった」と説明。さらに、事故の進行が東電の解析と異なることについては、「(核燃料が発する)崩壊熱などの条件設定に違いがあり、詳細を実態に近い形に当てはめたため」とした。

 東電は5月24日、1~3号機で炉心溶融が起きているとみられるとする解析結果を公表していた。

 また、保安院は6日、東電が同原発の耐震安全性の確認で「活断層ではない」としていた「湯ノ岳断層」(福島県いわき市、長さ約13・5キロ)が、東日本大震災以降に地表に出現したと発表した。4月11日の同県浜通りを震源とする地震で活動したとみられる。

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