菅首相 平和記念式典であいさつ 「脱原発依存を」

菅首相「脱原発依存を」 (中国新聞)

 菅直人首相は6日、広島市の平和記念式典であいさつし、福島第1原発事故を受けた今後のエネルギー政策について「原発への依存度を引き下げ、『原発に依存しない社会』を目指していく」と述べた。原子力に頼らないエネルギー政策に転換させる考えを被爆地であらためて示した。

 菅首相は「国のエネルギー政策について白紙からの見直しを進めている。原子力のこれまでの『安全神話』を深く反省する」との姿勢を強調。事故原因の徹底検証と安全性確保の抜本対策とともに、「脱原発依存」に取り組む考えを示した。

 原発の周辺住民や作業員たちの被曝(ひばく)対策にも言及。広島県や広島市、広島大の関係者による放射線量測定や医療チーム派遣などの継続的な支援を紹介しながら、「今なお多くの課題が残されており、今後とも全力を挙げて取り組む」と述べた。

 菅首相は式典終了後、中区のホテルで記者会見し、「脱原発依存」について「私の話したことと政府の方針は、方向性は一致している」と説明した。

 また、菅首相は東区の原爆養護ホーム「神田山やすらぎ園」を訪問。中区のホテルでは、昨年の式典で自ら打ち出した「非核特使」を務めた8人と懇談した。さらに、「被爆者代表から要望を聞く会」に出席。被爆者7団体の代表から原爆症認定制度の見直しや原発事故の被曝者の健康管理の充実などを求める訴えを聞いた。

【写真説明】原爆慰霊碑に花をささげる菅首相(6日午前8時10分)

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次