保安院 中電に質問依頼を要請 国主催 原発シンポジウム

保安院 中電に質問依頼を要請
7月29日 12時39分 動画あり (NHKサイト)

静岡県御前崎市で4年前に開かれた、原子力に関する国主催のシンポジウムの際に、経済産業省の原子力安全・保安院が、質問が反対派に偏らないよう、あらかじめ質問を作成し、地元の人に質問してもらうよう、中部電力に要請していたことが明らかになりました。

中部電力が29日、国に報告した調査結果によりますと、4年前の平成19年8月、静岡県御前崎市で開かれた国主催の原子力に関するシンポジウムに際し、原子力安全・保安院から、会場に空席が目立たないようシンポジウムの参加者を集めることや、質問が反対派に偏らないよう、あらかじめ質問を作成し、地元の人に質問してもらうことなどの依頼があったということです。この依頼に対し、中部電力はコンプライアンス上問題があるため依頼に応じられないとして、保安院にその旨報告したものの、浜岡原発の幹部が社員にメールを送ったり、関連会社を直接訪問したりして参加を働きかけていたということです。中部電力の寺田修一法務部長は、保安院から依頼を受けたことについてコメントする立場にないとしたうえで、「シンポジウムに空席が目立つと印象が悪いという考えから、参加の呼びかけを行った。法令順守上、直ちに問題があったとは思わないが、議論を誘導する意思があったと誤解を招くおそれがあり、深く反省している。改めておわびする」と陳謝しました。これについて、原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は、29日午前中の記者会見で、「あってはならないことだと思うが、保安院として、まだ報告書の内容を把握できておらず、自分も何も聞いていないため、今の段階では答えることができない。いずれにしても、よく内容を確認したうえで対応させてほしい」と話しています。また、このシンポジウムには、森山対策監自身が当時、パネリストとして参加していましたが、森山対策監は「説明者の1人として参加していたが、指摘されているようなことがあったことは全く記憶してない」と話しています。玄海原発の運転再開に向けて、先月、佐賀市で国主催の説明会が開かれた際、九州電力の社員が原発の運転再開に賛成する意見を説明会に送るよう、社内や子会社にメールで指示していて、経済産業省が中部電力など全国の電力会社6社に対し、不正な働きかけがなかったか調査するよう指示していました。

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