玄海町、九電に動員要請 05年プルサーマル討論会

7月12日 西日本新聞トップニュースから抜粋

玄海町、九電に動員要請 05年プルサーマル討論会
出席3割が関係者か

九州電力玄海原発3号機のプルサーマル発電導入計画に関し、九電が2005年2月に同町で開いた公開討論会で、町側が九電に対し「会場に空きが目立つ」として九電社員らの動員を要請していたことが11日、同町幹部の証言で分かった。参加者約570人のうち、動員された九電関係者は最大で約3割に上るとみられる。住民が計画の賛否について参考・検討する場で、公平性が求められる町側が計画を推進する九電に動員を依頼するという異例の事態が発覚した。

 町幹部によると、公開討論会では専門家や町民の代表者らが登壇し、計画導入の是非について議論。九電が参加者を一般公募し、町も「多くの町民に参加してほしい」と区長会や婦人会を通して呼び掛けた。
 ただ、事前の情報で400人前後の応募しかないことが判明。このため町側は九電に「玄海原発とその関連会社で働いている町民を動員してほしい」と要請したという。

 町幹部は「討論会で九電関係者に賛成意見を期待したわけではない。九電の企業努力の一環であり、問題はないと考えている」と話した。

 3号機のプルサーマル導入をめぐっては、論議が最終段階に入った05年、2月に九電主催の公開討論会(玄海町)、10月に国主催のシンポジウム(同)、12月に県主催の公開討論会(唐津市)があった。これらの議論を踏まえ、寺田司町長(当時)や古川康知事が計画への正式同意を表明。09年11月に国内初のプルサーマル発電が稼動した。

 複数の九電幹部は、これら一連の討論会などで、九電が社員らを動員していたことを明らかにした。ある幹部は「反対派ばかりでなく、賛成の立場からの参加も必要と思っていた。原子力部門が中心に動員に動いていた」と話し、別の幹部は「世論を誘導したいとかいう思いではなく、仲間内で参加できる人は参加しましょうというようなお願いだった」と語った。

川内でも九電動員

九州電力が、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)3号機増設計画でも、2009年ごろの説明会などに社員や子会社に参加を呼び掛けていたことが、複数の九電幹部の証言で11日分かった。九電の動員の呼び掛けは常態化していたとみられる。

九電やらせメール
佐賀支社も投稿関与
報告書に「関係者処分」

 九州電力玄海原発2、3号機の再稼動をめぐる「やらせメール」問題で、佐賀支店(現・佐賀支社)の支店長が、支店内の部下に対し、政府主催の説明番組に賛成意見を送るよう指示していたことが11日、九電の内部調査で新たに分かった。段上守元副社長(6月末に退職)の指示を発端とする原発部門とは別に、玄海原発を抱える地元の佐賀支店も組織的な関与に加わっていた。メールやファックスで番組に投稿された九電関係者からの意見は、これまで50件程度とみられていたが、佐賀支店分を含めると100件を超える。番組に寄せられた賛成意見のうち、少なくとも3割以上が「やらせ」だった可能性が出てきた。

 佐賀支店の従業員は、営業所などを含めると600人超。九電幹部によると、佐賀支店長は、段上氏と原子力発電本部の当時の常務(6月末に退職)の2人と会食した際、番組を周知するよう要請を受けた。これを受け、支店長が部下に賛成意見を送るよう指示したという。

 また九電が近く国に提出する調査報告書には、関係者に対する処分の必要性があるとの認識を明記することも分かった。処分の対象者や内容、焦点となっている真部利応社長と松尾新吾会長の責任の取り方は、社内規定などを基に月内をめどに決定する見通し。

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