大熊・双葉町でストロンチウム検出 福島第一10キロ圏

大熊・双葉町でストロンチウム検出 福島第一10キロ圏
2011年6月1日1時11分 朝日新聞

 文部科学省は31日、福島第一原発から10キロ圏内の大熊町、双葉町の4カ所の土壌から、半減期が約29年と長い放射性物質ストロンチウム90が検出されたと発表した。

 土壌は4月29日~5月1日に採取した。原発から西南西約2キロの大熊町夫沢では、1キロあたり最大で68ベクレルが検出された。他の3カ所では2.5~12ベクレルだった。半減期が約50日と短いストロンチウム89も4カ所で出ており、過去の核実験によるものではなく、第一原発から放出されたものとみられる。ストロンチウムの土壌での基準はないが、体内に入ると骨にたまる傾向がある。

 文科省が3月中旬に浪江町と飯舘村の土壌を採取したときは、最大で1キロあたり32ベクレルが出た。東京電力が4月中旬に第一原発の敷地内で採取した土からは約570ベクレルが検出されている。(石塚広志)


ストロンチウム90依然「通常の100倍」(2011年6月1日 「しんぶん赤旗」)
福島第1

 東京電力は31日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)敷地内3カ所で9日に採取した土壌から放射性のストロンチウム89と同90が、4月18日にほぼ同じ場所で採取した土壌から検出されたのに続いて、検出されたことを明らかにしました。ストロンチウム90の濃度が通常検出される値の約100倍に相当していることから、今回の事故で放出されたものだとしています。

 土壌を採取した場所は、1号機から西北西へ約500メートル離れた「グラウンド」と、西へ約500メートル離れた「野鳥の森」、南南西へ約500メートル離れた「産廃処分場近傍」の3カ所です。ストロンチウム89が乾燥土壌1キロあたり1700~2800ベクレル、同90が同じく300~480ベクレルで、前回とほぼ同じレベルでした。

 ストロンチウム89と同90は、カルシウムと似た性質をもち、摂取すると骨などに蓄積して、放射線を出すため、骨がんなどの原因になります。ストロンチウム90は半減期(放射能の量が半分に減るのに要する期間)が約29年と長いため、約50日のストロンチウム89よりも影響が大きいとされています。過去の大気圏核実験の影響で、国内でも半減期の長いストロンチウム90が乾燥土壌1キロあたり最大4・3ベクレル検出されています。

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