【ベルリン時事】国連放射線影響科学委員会のワイス委員長は6日、ウィーンで記者会見し、福島第1原発の事故について、「(1986年の旧ソ連)チェルノブイリ原発事故ほどの規模ではないが、(79年の米)スリーマイル島原発事故よりはるかに大規模なのは間違いない」との認識を示した。
DPA通信によると、同委員長はスリーマイル島原発事故では放射性物質はあまり放出されなかったが、「今は世界中の大気に放射性ヨウ素の痕跡がある」と説明。一方、福島第1原発が海沿いに立地しているのに対し、チェルノブイリ原発事故では居住地域に放射性物質が広がり、より深刻な被害をもたらしたと指摘した。(2011/04/07-09:43)
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【ベルリン時事】包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会は7日、福島第1原発から放出された放射性物質が北半球全域に拡散していることを確認したと発表した。
同原発から漏れた放射性物質は3月12日に群馬県高崎市で観測されたのに続き、14日にロシア東部、16日に米西海岸で検出された。20日ごろに北米全土を覆い、23日ごろにはアイスランドに到達。25日ごろに北半球全域に広がった。
福島第1原発の放射性物質は、核実験監視のため世界63カ所に設置している観測施設のうち、30カ所以上で検出された。日本国外の放射性物質は7日現在、人体や環境に影響を及ぼすレベルをはるかに下回っているという。(2011/04/08-18:31)
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「福島第1原発で炉心が溶け、流れ出ている。最悪のシナリオは爆発」米NRC示唆
(4月8日 ロケットニュース24)
日本政府が、福島第一発電所原子炉内へ窒素を注入するなど、爆発を阻止しようとあらゆる手段を用いる中、「原子炉の炉心が溶けて流れ出ている」との指摘がされている。原子炉で核分裂が起こる部分でもある炉心が、万が一解けて漏れた場合、爆発という最悪のシナリオが待ち受けているというのだ。
7日、ニューヨークタイムズによると、アメリカ民主党のエドワード・マーキー議員は6日(現地時間)「福島第1原発の炉心物質が、圧力容器を通して流れ出ている可能性がある」と指摘。同情報は米原子力規制委員会(NRC)より得たものだという。マーキー議員によるとNRCは「第1原発の炉心の一部が、圧力容器を突き破って格納容器の底に付着している可能性がある」と推測しているとのことだ。
また、同発言がなされた聴聞会直後、会場内から次々と質問が投げかけられるとNRCは「原子炉圧力容器から格納容器の間に、炉心流出の可能性が確認されている」と答えたという。解けた廃棄燃料が原子炉の圧力容器を出て、格納容器まで達しているとすれば、この過程で廃棄燃料が大規模な核放射能を放出することになるのだ。
さらに恐ろしいのは爆発の危険性だ。炉心物質が圧力容器の穴を広げ、格納容器底の鋼鉄、セメントと科学反応を起こすことで、一酸化炭素と水素が発生。すると爆発に繋がる連鎖反応を招くという。NRCは「格納容器の放射能数値は、数分で人を死に追いやるほど高いもの」とし、この事態を防ぐ手段については「第1原発に淡水を注入し、炉心を冷却させなければならない」としている。
NRC側の発言を受け東京電力広報のリンダL.ガンター氏は「第1原発の格納容器は、正常に作動している」とし、NRCの主張を一蹴。爆発の危険性についても否定した。一方、東京電力は水素爆発を阻止するため、1号機の格納容器へ6,000リューべ規模の窒素を投入しているという。
追記:記事の一部に誤りがあり、修正させて頂きました。大変申し訳ございませんでした。(2011年04月08日14時19分)
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