山下俊一氏は、福島県民の健康より 国家財政を重視

福島県の甲状腺検査責任者を務める山下俊一氏の発言

山下俊一教授 「健康に影響を与えるレベルではない」

県医大 副学長に山下氏 「親原発」勢力 2校に接近 セシウム「危険の証拠ない」と主張

「100ミリシーベルト以下の健康リスクは明らかには証明されていない、または非常に小さいというのが科学者の国際的合意だ」

日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。」

山下氏に健康問題を任せ続けた場合、子どもたちの健康がどうなるかを皆で考えたい。

ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告

米国科学アカデミーによれば、安全な放射能の線量というものはない。過去数十年にわたる研究から、放射線はどんなに少ない線量でも、個々人の発がんリスクを高めることがはっきりと示されている。

日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100ミリシーベルトの線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10ミリシーベルトでは1000人に1人、そして1ミリシーベルトでも1万人に1人である。

Fukushima Radiation NOT SAFE! (日本語字幕付き動画)

原発労働者のガン 5ミリシーベルトで労災認定
山下教授が発言を訂正「100マイクロSVは、10マイクロSVの誤り」


甲状腺検査:福島県外の子供と比較 内閣府方針から抜粋
(2012年08月26日 毎日新聞)

 福島第1原発事故を受けて福島県が始めた子供の甲状腺検査に関連し、国は放射線の影響の有無を調べるために県外でも同様の検査を実施し、今年度中に比較データを得ることを決めた。福島では受診者の約35%にしこりなどが見つかり、県は「良性の小さなのう胞やしこりは通常でもよくある」と説明しているが、通常の保有率の精密なデータがなく保護者の不安が募っている。国の担当者は「比較可能なデータを得て、福島の人々の安心につなげたい」という。

 チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんが増えたことから、福島県は昨年10月、震災時に0〜18歳だった県民約36万人を対象に超音波検査を始めた。今年3月末までに受診した3万8114人のうち35.8%にあたる1万3646人で結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋状のもの)が見つかり、186人が2次検査の対象となった。がんが判明したケースはない。

 ◇説明不足、不安招く

 「子供の健康を見守り、安心してもらうため」として福島県が無料で実施している18歳以下の甲状腺検査に、保護者の不安が募っている。セカンドオピニオンを求めて県外の病院を受診する人も続出。背景には結果に関する県の説明不足がある。【須田桃子、鈴木泰広、坂井友子】

 福島県川俣町に住む60歳の女性は6月、4歳の孫を秋田市の中通(なかどおり)総合病院に連れて行った。車と新幹線で片道3時間、前日から宿泊し、甲状腺の触診と超音波、血液の検査を受けさせた。健康診断のため保険は適用されず、費用は約1万4000円。交通費なども約4万円かかった。

 福島県立医大から検査結果の通知が来たのは2月。「小さな結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋のようなもの)がありますが、2次検査の必要はありません」とあるだけで、約2年後の次回検査まで放置して大丈夫か不安が募った。秋田の病院で複数ののう胞を確認、気が動転した。医師は半年後の再受診を勧め「今度は病名がつき保険も使える」と言ったという。

 この病院には今年3月14日から約5カ月間で福島県の子供ら65人が訪れた。新潟や北海道、首都圏でも同様の受診が相次ぐ。福島医大が実施する県の検査は担当医を日本甲状腺学会など7学会に所属する専門医に限っているものの、検査は設備と経験のある医療機関ならどこでも可能だ。

 だが、遠くまで足を運ぶ人の中には、福島県内で検査を拒否された例が少なくない。会津若松市に避難する2児の母親(38)は市内の5病院に電話をかけ、断られた。「診てもらいたい時に診てもらえないなんておかしい」と憤る。

 医師らに理由を聞くと、「福島医大と異なる判断が出たら混乱を招く」(福島市の小児科医)▽「保護者の不安を解消するのは民間病院の役目ではない」(会津地方の病院)。県の検査に携わる医師の一人は「今回の福島医大の検査は放射線の健康影響を追跡する世界でも例のない疫学調査。他の病院で受けて県の検査を受けない人が出ると、邪魔することになる」と話した。

 福島医大の山下俊一副学長らが1月に日本甲状腺学会など7学会に出した文書の影響を指摘する声もある。県の検査結果に関する相談があった際、「次回の検査までに自覚症状等が出ない限り追加検査は必要ないことを、十分にご説明いただきたい」との内容だ。同学会に所属する医師の一人は「この文書に従うと、医師は診療を拒否してはいけないという医師法に反してしまう」という。

 この文書について山下氏は「県は精度の高い検査を行っているので保護者が混乱しないようにきちんと説明してほしいという意味で、セカンドオピニオンを与えることを否定するものではない」と説明する。

 保護者の不安が広がる中、浪江町は7月、県の検査がない年は町の診療所で検査する事業を独自に始めた。紺野則夫健康保険課長は「県は保護者や子供の気持ちが分かっていない。もっときめ細かく対応しデータを提供すべきだ」と話す。

 ◇詳細結果、開示請求が必要

 福島県の甲状腺検査は、しこりやのう胞の有無、大きさを基に「A1」「A2」「B」「C」の4段階で判定している。BとCは2次検査を受ける。

 保護者の不安が最も大きいのは「A2」だ。しこりなどが見つかったが基準より小さいため2次検査の対象外のうえ、通知にはしこりの数や部位、大きさが具体的に記されていないからだ。福島医大には電話の問い合わせが250件を超え、同大は改善を始めた。今後は結果に関する住民説明会も開くという。

 だが、他にも課題はある。検査前に保護者が署名する同意書には、結果について「(保護者や本人の)希望により、いつでも知ることができる」と明記されているが、医師の所見やエコー画像を見るには、県の条例に基づき情報公開請求しなければならない。

 開示請求はこれまでに6件あった。うち3件が約3週間後に開示されたが、静止画像は通常のコピー用紙に印刷されたもので、より鮮明な画像のデジタルデータは「改ざんされる恐れがある」(福島医大)と提供されなかった。同大広報担当の松井史郎特命教授は「身体に関する情報の取り扱いは特に慎重を期さなければならない。本人と確認するには開示請求してもらうのが確実だ」と説明する。

 これに対し、日弁連情報問題対策委員会委員長の清水勉弁護士は「子供を守るための検査なのに本末転倒だ。検査結果のように本人や保護者にとって切実な情報は、本人と確認できれば速やかに希望する形で開示すべきだ」と指摘。仮に提供した画像が改ざんされても「元データを管理していればよい話で、非開示の理由にはならない」という。

 ◇「親の声を謙虚に聞く」

 福島医大で甲状腺検査の責任者を務める山下俊一副学長に、課題を聞いた。

 −−検査の目的は。

 ◆県民の健康増進のための医療サービスで、決して調査研究ではない。WHO(世界保健機関)の推計で、福島住民の被ばく線量はどんなに高くても100ミリシーベルト。100ミリシーベルト以下の健康リスクは明らかには証明されていない、または非常に小さいというのが科学者の国際的合意だ。

 −−県外でセカンドオピニオンを求める保護者が増えているが。

 ◆改善策を考えなければならない。医師の考え方とお母さんの立場にギャップがある。謙虚に声を聞き、信頼関係を築きたい。

 −−放射線の影響をどう判断するのか。

 ◆小さながんも見つかるだろうが、甲状腺がんは通常でも一定の頻度で発症する。結論の方向性が出るのは10年以上後になる。県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。

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