防潮林に145万本植樹 宮城県亘理・住民参加プロジェクト始動

防潮林に145万本植樹 亘理・住民参加プロジェクト始動
(2012年06月15日 河北新報)

 宮城県亘理町の住民らが、東日本大震災の津波で壊滅した防潮林の再生プランを考える「わたりグリーンベルトプロジェクト」を始めた。10年間で145万本を植樹し、活用策を考えていく。

 防潮林を再生するのは同町中、南部の大畑浜、吉田浜の全長約4.5キロメートル。津波でクロマツなどが9割近くなぎ倒されたとみられる。町職員や地元の行政区長、造園関係者らが5月末にプロジェクトの運営委員会を設立した。津波の減衰効果を考慮し、現在の幅250メートルから400メートルに拡大したエリアで植樹を行う。

 手始めとして、地元児童らが苗木作りに着手。クロマツなどの種を入れた約4万個のポットをつくり、芽吹きを待っている。今後は町内の多種多様の樹木から取った種を育てて植樹する。

 運営委員会の松島宏佑事務局長(25)は「町民の手で地元の木を育て、みんなの森をつくっていく。息の長い計画になる」と夢を描く。

 植樹と並行し、防潮林の利活用方法も検討する。町民ら50人を集め、今月23日からワークショップ「みんなでこせっぺ! おらほの森」を開始。公園や散策路、大規模太陽光発電所(メガソーラー)誘致などグランドデザインを決め、実際にジオラマを製作する。活用案は町の復興計画に取り入れられる見込みだ。

 9日には事前説明会を開催し、町民ら約20人が参加。プロジェクトの説明を受け、現地を観察した。木々が横たわって枯れる光景に、参加者からは「無残だ」とため息が出ていた。

 運営委員長を務める大畑浜北行政区の鈴木征治区長(73)は「次世代の安全を守るとともに、多様な生物がすむ自然の宝庫にしたい。すばらしい防潮林ができると信じている」と期待する。

 ワークショップは9月8日まで全5回の予定。運営委員会では参加者を募集している。16日締め切り。連絡先は事務局0223(35)7735。

2012年06月15日金曜日

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