北九州 がれきタウンミーティングで、上映を拒否されたビデオ

北九州がれき集会(6月7日 西日本新聞朝刊 社会面)から抜粋

震災がれきの受け入れをめぐって北九州市が6日、開催したタウンミーティング。
定員500人の会場には約千人が殺到し、場外に用意した200席も足りず、立ち見が出た。北橋市長が基調講演を終え、専門家を交えた質疑応答に移ると、会場の雰囲気は一変した。「議事進行に動議!」。1人が声を上げ、がれきを焼却する代わりに埋め立てて防潮堤を造るビデオ上映を要求。断られると、「一方的だ」とやじが飛んだ。(抜粋はここまで)

・・・参加した人の感想・・・
「(ビデオを)北九州市のタウンミーティングで、みんなで見ましょうと提案があり、会場は割れんばかりの拍手に包まれたのに、スルーでした。どちらが被災地の為になるかではなく事が進んでいる象徴のような出来事だったと思います。」

上の記事に出ているビデオは、以下のどれかではないでしょうか。多くの人に見てほしい動画です。

がれきで森を再生 84歳学者の闘い 森の力で被災地を救え!(14分)
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=4bFbq4yi_EY

がれきの処理に新たな動き 「森の力」で被災地を救え(動画書き起こし)


宮脇 昭「いのちを守る300キロの森づくり」(4分)


瓦礫を活用し本物の森をつくり防波堤を築く方法(13分)
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=sdfcnkKl40c


北九州市のがれき対話集会紛糾 市長、安全性を強調
(2012年6月6日 23:12 西日本新聞)

 東日本大震災で発生した宮城県石巻市のがれき受け入れを検討している北九州市は6日、同市小倉北区の北九州国際会議場で、がれき問題をテーマに市民対話集会「タウンミーティング」を開いた。会場には市内外から定員500人を上回る約千人が詰め掛けた。北橋健治市長は「試験焼却の放射能濃度は健康への影響を無視できるレベル」と安全性を強調したが、質疑では市を非難するやじが飛び交い紛糾。市は予定の1時間半を10分過ぎて集会を打ち切った。

 北橋市長は、5月に震災がれき約80トンを試験焼却した結果、有害物質が残りやすい飛灰(ひばい)の放射性セシウムの濃度が1キログラム当たり30ベクレルで安全だった点や、焼却場の空間放射線量にも焼却前と変化がなかった点を強調。風評被害については、細野豪志環境相が国として対策を講じることを約束したと報告した。

 質疑応答では、会場から被ばくや健康被害を懸念する質問が続出。「既に受け入れを決めているのでは」との質問に対し、北橋市長は「石巻市に出掛けて自分の目で(受け入れが必要か)確かめる。可否はこれから決める」と述べた。集会が打ち切られると、納得しない人たちが「市長やめろ」「放射能を拡散させるな」などと怒号を上げ、約10分間にわたり騒然となった。

 北橋市長は6日午前の会見で、市内の農漁業、観光業関係者らが風評被害を受けた場合、相談に応じる専用窓口を設置する方針を明らかにした。

=2012/06/06 西日本新聞=


震災がれき:北九州市タウンミーティング、白熱
(2012年06月07日 毎日新聞)

 宮城県石巻市のがれき受け入れを検討している北九州市は6日夜、同市小倉北区の北九州国際会議場で、北橋健治市長と市民が対話する「タウンミーティング」を開いた。500人収容の会場に市民ら約1000人が集まった。北橋市長は「試験焼却の結果、健康や環境への影響は無視できる」と述べ、受け入れに理解を求めた。しかし、反対する市民らは納得せず、会議延長を求める声が飛ぶ中、市長らは会場を退席した。【宍戸護、内田久光】

 市側は北橋市長や市の有識者検討会メンバーで放射線に詳しい岡崎龍史・産業医科大講師らが出席し、午後6時半に始まった。

 まず北橋市長が、焼却灰の国の埋め立て基準(放射性セシウム1キロ当たり8000ベクレル)を下回る市独自の目標値(同330ベクレル)を定めたことや、5月23~25日の試験焼却の結果、焼却前後の大気中の放射線量にほとんど変わりはなかったことなどを約30分にわたって報告した。風評被害については「もしあれば私たちが風評被害から守る。先頭に立つ」と述べた。

 この後、有識者検討会のメンバー4人と北橋市長、今永博・市環境局長が登壇し、市民らの質問に答えた。

 内部被ばくについて、岡崎講師は「今回持って来るがれきは内部被ばくはありえない」と明言。「放射能濃度が低いがれきを持ち込んだのではないか」との会場の質問に、今永局長は「現地できちんと破砕・選別されている結果。意図的に低い物を持ってきたわけではない」と述べた。

 一方、市民や周辺市町村の住民からは「多額の税金をかけてがれきを運ぶより、福島の子供を救うために使うべきでは」など疑問や批判の声が相次いだ。市側は午後8時終了の予定を15分延長したが、最後は打ち切って市長らが退席し、怒号が飛び交った。

 終了後、北橋市長は報道陣に「相当程度の人には安心してもらえたと思う。強く反対している人も多数いたが、具体的な指摘があまりなかったことが残念」と述べた。

 3人の子供がいる同市門司区の主婦、村上聡子さん(45)は「まだ市の説明が足らない。市長は説明責任を果たすまで、決断すべきではない」と話した。小倉北区の会社員、弦本善之さん(32)は「感情的な発言が多かったのは残念。どこかがやらなければいけないのであれば、市の高い環境技術を生かすべきだと思う」と話した。

 試験焼却前日の先月22日には、がれきの搬入を阻止しようとしたグループの2人が公務執行妨害容疑で逮捕されるなどの騒ぎになった。2人は福岡地検小倉支部が処分保留で釈放している。


東日本大震災:北九州市がれき受け入れ タウンミーティング、1000人詰めかけ騒然 懸念の声次々、関心高く /福岡
(毎日新聞 6月7日13時0分配信)

 宮城県石巻市で発生した震災がれきの受け入れをめぐり、北九州市が6日に開いたタウンミーティング。がれきの試験焼却結果などから安全な処理が可能とする北橋健治市長らの説明に、健康被害の懸念などから受け入れを疑問視する声や怒号が飛び交い、会場は騒然とした空気に包まれた。【小畑英介、仙石恭、河津啓介】

 会場の北九州国際会議場(小倉北区)には、開場前に300人近くが列を作った。周辺では受け入れに反対する住民がチラシを配り、北九州市は職員60人のほか、警備員40人を配置して手荷物検査を実施。予定の2倍となる約1000人が、やりとりを見守った。

 被災地のがれきの現状、試験焼却の結果や風評被害対策について北橋市長が基調講演で述べた後、放射線の専門家ら6人が質問に答える意見交換の場では、会場の11人がマイクを手に発言した。

 試験焼却を実施した日明工場から約800メートルの距離に住んでいるという男性は「放射性物質が付着しているがれきをわざわざ持ってきて拡散させるのでは」と指摘。岡崎龍史・産業医大講師は「(工場に持ち込む)がれきの放射能は、一般のごみと変わらないレベルと理解してほしい」などとと、健康への影響は否定した。

 広域処理そのものへの疑問も出されたが、環境省の山本昌宏・廃棄物対策課長が「現地の処理施設を最大限使ったうえで、できないものをやろうとしている」と説明。セシウムを除去する焼却施設のバグフィルターについて「メーカーが除去を保証していない」との意見も出たが、山本課長は「東日本の多くで排ガスをモニタリングしているが、信頼性が高いと思っている」と応じた。

 参加していた八幡西区の男性会社員(35)は「数字を言われても分からないし、市長が本当のことを説明していると信じるしかない。試験焼却で焼却前後のデータに変化がないのであれば、被災地のために受け入れるべきだ」と語った。

 ◇安全性を強調 北橋市長

 「試験焼却の具体的な数値を見ていくと、住民の健康には心配がいらない数値だった」。6日のタウンミーティングで、北橋市長は安全性を繰り返し強調し、理解を求めた。

 北九州市でがれきを処理する必要性について、北橋市長は、環境相から要請があったことに加え、宮城県知事や石巻市長からも電話などで直接要請があった経緯を説明。「忘れられない言葉」として、石巻市長から「毎日、市民はがれきの中で暮らしている。遠く離れた地で支援をしようという手を差し伸べてくれれば、復興に新しい道が開けるかもしれない」と訴えられたことを紹介した。

 健康や環境への影響については、試験焼却のデータを示したうえで安全だと強調。受け入れる可能性があるがれきの量は「3カ所の焼却工場で最大で3万9500トン」と説明した。焼却灰を埋め立てた場合の影響も「無視できる」と語った。

 懸念される風評被害については、市外からの修学旅行が試験焼却を機にキャンセルされた例を挙げ、「全国規模で対策をやらないと無理。国と市が全力で努力をさせていただく」と決意を述べた。
〔北九州版〕

6月7日朝刊


震災がれき「健康に影響なく」 北九州市長、対話集会で
(2012/6/7 2:10 日本経済新聞)

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市のがれき受け入れを検討している北九州市は6日、市民とのタウンミーティング(対話集会)を開いた。北橋健治市長は5月のがれき試験焼却の結果を示した上で、受け入れへの理解を求めた。参加者からは安全性に疑問が残るとして反対意見も出た。

 集会には約1000人が参加。市長は試験焼却で放射性物質の数値に変化がなかったと説明。「(がれきを受け入れても)健康への影響は無視できる」と強調した。参加者からは「市長の説明は一方的」などの意見が出た。「がれきを安全に処理することが重要」と受け入れに前向きな声もあった。市側が質疑を打ち切り閉会。反発した一部参加者の怒号が飛んだ。

 市長は集会後、報道陣に「対話の糸口は見つかった。安全性について相当程度の方に伝わったと思う」と話した。

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