米紙「1カ月後の確認」に驚き 政府の対応遅れ批判

米紙「1カ月後の確認」に驚き 政府の対応遅れ批判 (中日新聞)

2011年4月12日 14時01分

 【ニューヨーク共同】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、福島第1原発事故の深刻度が国際評価尺度で最悪の「レベル7」と変更されたことについて「最も驚いたのは、このような大量の放射性物質が放出されたと公的に認めるまでに1カ月かかったことだ」と指摘する米原子力専門家の批判的な内容を紹介、日本政府の対応の遅さを強調した。

 記事は「日本の原子力災害、チェルノブイリと並ぶ」との見出しで「何人かの原子力産業関係者は数週間にわたり大量の放射性物質が放出されたと指摘してきたが、日本政府当局者は一貫してその可能性を低く見積もってきた」とも指摘した。


原子力安全委がレベル7相当認識 保安委に見直し求めず (共同通信)

 原子力安全委員会の代谷誠治委員は12日、経済産業省原子力安全・保安院が福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で「レベル7」としたことについて、3月23日の時点でレベル7に相当する危険性があると認識していたが、これまでに暫定評価の見直しを保安院に求めなかったことを明らかにした。

 代谷委員は記者会見で「尺度評価は保安院の役割だ。(安全委が評価見直しを)勧告しなければならないとは考えない」とし、原子力安全委は関与しないとの姿勢を強調。事故から1カ月経過してレベル7としたことも「遅くなったとは思わない。われわれの事故への対応は変わらない」と述べ「レベル7への格上げが遅れたのではないか」との批判に反論した。

 3月23日には、放射性物質の放出量がレベル7の基準である数万テラベクレルを超える10万テラベクレルに達する可能性を認識していたという。早期にレベル7として市民に注意を促す必要性について代谷委員は「いろいろな考え方がある」と述べるにとどめた。

 原子力安全委は、ヨウ素換算で63万テラベクレル(テラは1兆)の放射性物質が放出されたと推定。4月5日ごろには同程度の値を推定していたが「より精度を上げたかった」として公表を見送っていたという。
2011/04/12 22:08 【共同通信】


グリーンピース、レベル7引き上げ「遅すぎる」と批判

【4月12日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は12日、日本政府が東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故の深刻度を「国際評価尺度(INES)」のレベル7に引き上げたことについて、「あまりに遅い」と批判した。レベル7は1986年のチェルノブイリ(Chernobyl)事故以降初めての最高度評価となる。

 グリーンピース・ドイツ(Greenpeace Germany)の気候変動・エネルギー部門トップのトーマス・ブリュアー(Thomas Breuer)氏は、レベル7引き上げについて「グリーンピースは3週間前からレベル7に引き上げるべきだと主張してきた。だが、原発周辺の避難区域の設定にみられるように、日本政府は(グリーンピースの呼び掛けに対して)一貫して全く反応していない」と批判した。

 グリーンピースは、レベル7引き上げについて「あまりに遅すぎた」と述べ、20キロ圏外についても、妊婦や子どもたちを含む住民に対する保護措置をただちにとるよう、日本政府に再度呼び掛けた。

 また、ブリュアー氏は「原子力業界の歴史は、隠ぺいと原発事故のもたらす被害の過小評価であふれかえっている」と指摘し、「日本国内外の原発業界は、この大惨事がもたらす人への影響について過小評価を続けている」と述べ、「評価尺度で最悪レベルの事故であるという現実を、事故から1か月たってようやく認めた」と批判した。

 しかしブリュアー氏は、現状は「最悪のシナリオではない」と述べ、「原発業界は事故の起きた原発を管理できる状態に置こうと苦闘している。今後さらに多くの放射性物質が放出される危険性がある」と警告した。



東日本大震災:裏切られた思いで悔しい 知事会見/福島

 佐藤雄平知事は11日午後、県災害対策本部が置かれている県自治会館で会見し、「東京電力と経産省原子力安全・保安院は『原発は何重にも安全対策がある』と言っていた。裏切られた思いで悔しい」と述べた。

 佐藤知事は震災から1カ月を「地震、津波、原子力事故、風評被害の四重苦に見舞われた。県民が不安の中で毎日を過ごしているかと思うと言葉がない」と振り返った。

 依然として、収束の見通しが立たない福島第1原発事故について「いくら山を越えても次々に新しい山が出てくる」と徒労感をにじませた。一方で「福島県民の粘りと辛抱で頑張っていきたい」と復興への意欲を語った。

 東電の清水正孝社長が同日県庁を訪れたことについて所感を問われると、「謝罪に来たことは聞いていない」と不快感を示した。【種市房子】


放射性物質の放出量がチェルノブイリ超える懸念=東電

[東京 12日 ロイター] 東京電力の幹部は12日の会見で、福島第1原子力発電所の事故による放射性物質の漏れは止められておらず、最終的な放射性物質の放出量は、これまでで最悪の事故とされるチェルノブイリ原子力発電所事故を上回るかも知れないとの懸念を持っている、と述べた。

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