2004/05/07

憲法記念日と子どもの日に考えたこと

5月3日と5日、憲法と子どもたちを思いながら、新聞記事を読んだ。昨年、日本政府は、イラクに対する米軍の「先制攻撃」を支持して、平和憲法の最も大切な理念を破壊した。そして、自衛隊を戦闘の続くイラクに「派遣」した。
大量破壊兵器は見つからず、イラク市民の死者が1万人を超えてもこの戦争が誤りであることを認めようとしない。未だにイラクで米兵を輸送するなどして、占領軍をサポートし続けている。
だが、日本とは違って、世界の世論は変わってきている。
イラク人の57%が米英軍の即時撤退を要求し、71%が米軍を「占領者」と考え、「解放者」と見る人は19%に過ぎないことが明らかになった。

多くの国々が撤退し始めた。

そして、米国内の世論すら変わり始めた。

加えて、米軍のイラク人虐待、拷問、殺人が次々と明らかになってきている。

戦争の実態が明らかになっていく中で、参戦国の世論も変化している。

こうしたイラク戦争に対する世界的な批判が高まる中、日本の政府与党で
ある自民党と公明党の幹部は、ブッシュ政権に「ほめられて」喜んでいる。
自民党の安倍幹事長は米国で講演し、憲法を変えて集団的自衛権を認めさせ
戦闘にも参加できるようにしようとしている。

イラク人の52%が、イラク駐留米軍に対する武装勢力の攻撃について、「正当化できる」と考え、57%が米英軍の即時撤退を要求し、71%が米軍を「解放者」ではなく「占領者」とみている。にもかかわらず、日本政府は、自衛隊はイラク人に歓迎されているとして、米軍の占領を後押しし続けている。
小泉首相は、「戦争に行くんではないんです。人道援助に行くんです」と言った。そして、武器を持った米兵を輸送している。「援助」とか「開発」によって、「途上国」の人々が苦しめられていることが多い。
民衆の声にじっくりと耳を傾けることなく、一部の人間の声しか聞かないために、深刻な問題が起こっている。その一例がコトパンジャンダムである。
1996年、日本のODA(政府開発援助)約312億円で、インドネシアのコトパンジャンダムを建設するために、約5000世帯、23000人の家や農地が奪われた。強制移住先は、水も手に入らないほどの不毛な土地であった。
農業ができなくなり、住民は、満足な食事もできない、子どもたちは学校をやめざるをえない。中には、「身売り」された娘の仕送りで生活している家族もいる。そして、自殺者も出ている。
この「開発」で利益を得たのは、一部の有力者と日本企業である。
2002年9月、被害者住民3861名は、日本政府や東電設計などを相手にダムの撤去-原状回復と損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。さらに、2003年3月、被害者住民4535人が追加提訴を行い、原告合計は、被害者住民の成人の過半数8396人となっている。
この「援助」(ODA政府開発援助)は、私たちの税金や郵便貯金などから資金が出ているが、マスメディアがあまり取り上げないこともあり、多くの日本人は、この裁判の存在すら知らない。
援助という場合、民衆の声にじっくりと耳を傾けることが大前提である。1万人以上の市民が犠牲になっているイラク戦争において、それができていないということは、恐ろしいことである。
日本の世論は、これからどちらの方向に動いていくのだろうか。
イラク関連の記事を読んでいて、印象深い記事があった。
イラクで死亡した米兵の名読み上げ番組放映 米ABC(朝日新聞)
という記事である。

2004年05月01日(土)
 イラクで死亡した米兵の名前を1人ずつ読み上げる米ABCテレビのニュースショー「ナイトライン」の特別番組が30日夜(日本時間1日午後)、放映された。一人一人の写真を紹介し、看板キャスターのテッド・コッペル氏が名前と年齢、所属部隊などを読み上げた。昨年3月のイラク戦争開始以来、同国で死亡した米兵は700人を超える。番組をめぐっては「亡くなった人たちに、名前も顔もあったことを思い起こしてもらいたい」と説明する局側に対して、「戦死者を政治目的に利用している」などとの批判が放映前から起きていた。 ABCテレビは、ホームページにもイラクで死亡した兵士の名前、年齢、出身地、死亡時の状況を紹介したリストを掲載している。

毎日新聞は、さらに詳しく掲載している。
この記事を読んで思った。
亡くなった若き米兵たちも犠牲者であり、この戦争は、彼らの人生をも破壊したのだと。そして、米兵だけでなく、数千人の子どもや女性を含む1万人を超えるイラク市民の名前や年齢、死亡時の状況も伝えるべきではないかと。
そして、米軍の先制攻撃を支持し、今も米軍を後押ししている日本でもその番組は放映されるべきだろう。戦争の犠牲となった子どもたちを見ながら、思いながら、静かに自分の心と対話をしてみたい。
そして、日本中で対話を始める必要があるのではないだろうか。
いま、日本がやっていることは、どういうことなのか。
なぜ日本は、米国政府に「先制攻撃をやめろ」と言えなかったのか。
なぜ、「劣化ウラン弾の使用はやめろ」と言えなかったのか。
なぜ、「無差別攻撃はやめろ」と言えないのか。
本当の国際貢献とは、どういうことなのか。
とことん話し合う必要があるのではないだろうか。
12歳のセヴァン・スズキが92年のリオサミットで、こう言いました。「もし戦争のために使われているお金をぜんぶ、貧しさと環境問題を解決するために使えば、この地球はすばらしい星になるでしょう」と。
いま瀕死の状態にある地球の危機を放置して、さらなる環境破壊と汚染を広げる愚かな戦争を続ける時間が、人類に残されているのでしょうか。
中村隆市

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