2011/06/29

欧州放射線リスク委員会(ECRR)の勧告、最新版(6月4日)

欧州放射線リスク委員会(the European Comittee on Radiation Risk′ECRR)の勧告、最新版(6月4日)が届きました。

・・・

福島事故後、市民はご自分で健康調査を行ってください

福島事故5000人調査計画について:
福島事故の当初から私たちが申しあげていた通り、健康に対する長期的な影響は深刻なものにはならない、と官僚は言っています。政府及び東京電力側にある対策責任不履行に対し法律上求められるはずの補償/救済を拒む意図でなされる長期間にわたる情報隠蔽がはじまっていることを示しています。

欧州委員会は市民の側が独自の調査体制を立ち上げることを勧告します:
○早急に汚染地域で5000人規模の調査組織を立ち上げる
○アンケートによりその方々の健康を調査する
○同じアンケートを用い、2014年にも健康調査を行う
○同じ調査を2016年にも行う

○<アンケート案を含む調査方法の解説です>
訳注:今回このHPにはアンケート案のみ末尾に掲載、解説の訳は後日

官の側が言う安全は嘘

官僚は相変わらず国際放射線防護委員会(ICRP)が提唱している根拠の薄弱な危険評価モデルを正当としています。広島と長崎の原爆投下後生き残った方々についての研究に基礎を置くため、ICRPのモデルは体のなかで進む被曝の影響を大幅に過小評価しています。こうした研究は内部被曝の影響については何も言っていません。1950年に至ってやっと情報収集がはじめられ、それ以前のデータは除外されました。

官の側が使っている情報源はウラニウム、プルトニウムといったアルファ線核種について何も言いませんが、ICRPモデルが最も不正確な部分はそうした核種が引き起こす内部被曝です。

チェルノブイリ、その他の被曝の事実はICRPの評価を遥かに上回る危険を示していますが、こうした事実から得られる大量の情報/危険を示す証拠を官の側は無視しています。こうした事実が教えるところは、予測より多様な病気が、そして予測より早く広がり、ICRPの外部被曝モデルとは食い違うのだ、ということです。

チェルノブイリは早期対応の重要性を教えています
官制調査はなかなか始まりませんし、充分な予算も付きません。また、明確な結論
を避ける意図のもとに行われます。
官の側は「被曝線量の事後査定」を主張します。この官の側、原子力推進の側が使う用語の意味するところは、ひとりひとりの人間が蒙った被曝線量が判らない以上は、放射能汚染によって健康被害が生じたという結論は出せない、というものです。

しかし、チェルノブイリ惨事が教えてくれるのは、こうした個人の被曝線量を特定する作業は困難であり、不可能である場合さえ多い、ということです。ICRP自身も、不確定な部分が多いため、被曝線量が特定できない状態でICRPモデルを適用できないし、するべきでもない、と述べています。内部被曝の形態のなかには「被曝線量」という考え方自体が無意味な場合も多い、ということは知られています。しかし、それにも関わらず、官僚の側は、被曝線量と健康被害の間には厳密な直線的関係が必ずある、との前提に立ちます。

官の側には、放射能汚染は、癌、白血病、子孫に現れる遺伝的影響、といった限られた病気しか引き起こさないのだ、という前提があります。従って、母胎内被曝から生じる死産や先天的障害などの癌以外の疾病は無視されます。官の主張では、こうした疾病と放射能との関係は幻想ないしは心の病であり、絶望感、心労、放射能恐怖症、あるいは、不十分な食事や薬物依存といった生活要因に起因するのだ、とされてしまいます。

官の側は、事故後10年から15年で癌と診断されるケースは被曝によって生じたものではない、という姿勢を取るでしょう。2004年、スエーデン放射線防護庁(SSI)はこうした論拠で、チェルノブイリ事故後10年間に癌が増加したことを示す研究*を攻撃しました。

SSIの当該文書(2011年6月4日引用)は**でご覧ください。ICRP危険評価モデルにとって不利な証拠に対し、官の側がいつでも示す反応は、ICRP危険評価モデルこそが正しいと言い張ることです。これは科学ではなく信仰です。

*TondelM′叫almarssonP′HardellL′CarissonGandAxelsonA(2004)Increasein
regionaltotalcancerincidenceinNorthernSweden・JEpidemi01・CorrLmunltyHealth・
581011?10.
**h仕p://tech.groups・yahoo・COm/group/Know_Nukes/message/19375

3.未来   簡単に実行できる提案です

(アンケートの解説は五部構成だが・その第三部にあたる)
ここで提案するのは、福島原発事故現場から半径30キロメートル圏内を出たところにある町か狭い地域で、1000世帯を対象とした症例対照研究(CaSe?COntrOIstudy)をすることです。

イラクのフアルージヤでも同じ方法で調査が行われています(Busbyetal.2010)。有権者名簿から特定した約1000世帯の、地域を構成する住民を対象とし・個別訪問でアンケートを集めます。アンケートの内容は・そのお宅に住んでいる方々、年齢と性別。

過去5年間に癌あるいは白血病の診断が出たか否か(癌などの種類・診断年、診断時の年齢、性別を含む)。さらに・その家庭で出生児の問題、流産に関する質問も用意します。また、家族の死因はすべて聞きます。

この方法でアンケートを取れば、すべての年齢層を含む約5000人に関するデータが集まります。3年後と5年後に実施される追跡調査の際再び接触できるよう、家屋所有者ないしはアンケート回答者にアンケート番号を割り振り・連絡先を記録しておきます。これで、健康調査の基礎データが得られ・将来生じる健康への影響を比較によって測ることができます。アンケート例は付録をご覧ください。

<環境と暮らしを考える集い>HPに載っているバズピー文書の翻訳はすべて私の責任です。不適切な箇所をご指摘いただければ幸いです。
村上 lazycat@ipc・akita?u・aC・JP

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