原発事故についての重要なメッセージ

イギリス、ロシア、日本 3人の科学者からのメッセージ
あまりにもひどい 「日本原子力技術協会の最高顧問」

Press TVとクリス・バズビー教授とのインタビュー

2011年3月24日付 (Press TV)

日本の当局は、原子炉からの放射線物質漏えいを軽視し、最小限の危険性を市民に知らせることの重要性を軽視しているが、実際はその反対を行うべきである。

バスビー教授はロンドン在住の放射線リスク欧州委員会(ECRR)の委員である。彼は今回の日本の原発事故はチェルノブイリのレベルあるいはそれ以上で、東京が危機にさらされている可能性があると警告した。

Press TV:日本で起こっている原発事故による放射線漏えい状況はどれくらい深刻ですか?

バスビー教授:この状況は、チェルノブイリ事故に非常に似ています。最初は、誰もかも大した事故ではないと言い、次に多量の放射線が漏えいしているわけではないと言い、そのうち、問題が深刻になるにつれて、立場が後退していきました。

現時点では、おそらくチェルノブイリに非常に近づいていると感じています。
コミュニケが多く出されていますが、私は信じていませんし、事実に基づく情報が十分に提供されているとも思いません。私は膨大な量の放射能がすでに原発から放出されたと推定しています。

たとえば、昨夜のIAEAのウェブサイト情報によれば、汚染は原発から58キロ範囲にまで広がっているという。このレベルはチェルノブイリの立ち入り禁止区域のレベルの2倍になります。チェルノブイリの立ち入り禁止区域は30キロだった。既にこのレベルで大きな事故になっているわけです。

Press TV:あなたはコミュニケを信じていないとおっしゃいますが、なぜ、日本のメディアは間違った情報を報道し、IAEAからこれについての詳細な情報が出てこないのですか

バスビー教授:IAEAは、何が実際に起こっているのか知らないのだと思います。彼らは日本側当局が言う事を聞いているだけなのでしょう。原子炉内の放射線レベルが余りにも高いので、そこに近づくことはできません。近づけば死ぬだけです。というわけで、原子炉で何がおこっているのか誰も知ることができないのです。それが問題なのです。

そして、制御室にある原子炉で何が起こっているかを測定する計器類がすべて破壊されています。これでは、何が起こっているかを知る方法はありません。彼らは必死に燃料棒と原子炉そのものを冷やす水を注ごうとしています。ということは原子炉内部には水は入れられないということなのでしょう。

これらは、IAEAが公表している濃度です。これは、信じるとか、信じないとかの問題ではありません。それは入手可能な事実に基づいて、何が起こったかを推測することです。入手可能な事実は2つです。第一に原発からかなりの距離の場所でも放射線レベルが非常に高いことです。第二に原発から少なくとも50キロ以内の地点で地上の汚染レベルが非常に高いということです。

Press TV:あなたは、この事故がチェルノブイリと同じ、あるいはほぼ同じ位に大事件だとおっしゃっているわけですが、現時点で、これ以上、事態を悪化させないために彼らに何ができると思いますか?

バスビー教授:何も思いつきません。燃料は原子炉圧力容器内部で溶融したようです。少なくとも3つないしそれ以上の圧力容器の底部に溶融燃料が溜まっていると思われます。これが第一の問題でしょう。

そして、溜まった溶解燃料に水を注いで冷やすことはできません。分離されている燃料棒は、水を循環させることにより冷やすことができますが、熱い大きな金属塊を冷やすことはできません。もう一つの問題は、原子炉1、2と3の使用済み燃料が爆発して、周辺地域の空気中に放出されたと推測されますし、おそらく海にも放出され、海水も汚染されていると推測されますが、手の打ちようはありません。

これまで、だれもこのような事故を見たことがありません。ですから、何ができるかを知ることは非常に難しいのです。私には解決策はありません、ただ祈るのみです。

Press TV:第3原子炉から黒煙が出たとか、また別の場所から白煙が出ているという報道がありますが。煙の色の違いは何を意味するのですか?

バスビー教授:私にできるのは推測だけ。我々が知っていることは黒い煙と白い煙が出ているということだけ。それについて私が言えることは、どちらの煙も強い放射性がある、これは疑いの余地がありません。さらにこの煙には非常に熱い放射線微粒子が含まれており、光を反映していること、海方面あるいは風向き次第で何処にでも飛んでいくだろうと感じています。

現在、約5日間、放射線リスク欧州委員会では、第一と第三原子炉の爆発から出て海に行き、最後に東京に戻ってきた空気の流れをモデリングしています。我々は観察したのは、気流が一旦外に出て東京上空を大きな輪を描き、それから日本を北上するということでした。

気流が逆転する前に沖縄を囲んだ。その地域では放射線量が突然高くなったので、そこの発電所で融解事故があったのかと考えた程だった。

ウランやトリチウムやヨウ素はもちろん、その他の放射線物質は本州を汚染しており、今や原発から遠距離に住む住民の健康に重大な影響を与えるものと思われる。

Press TV:日本では原発から20キロ以内に住む人々に避難命令が出されましたが、あなたが日本国内にいて意思決定の立場にあったらもっと広い地域の住民に避難勧告しますか?

バスビー教授:ええ、最初からそうします。実際、私たちは100キロ以上にしたらよいというアドバイスを欧州委員会のウエブサイトなどでしました。今や彼らは東京の住民を避難させることを考えなければいけないと思います。彼らはどこに避難させるという問題は悪夢です。

東京自体はヨウ素だけでなく種々の放射性成分のリスクにさらされています。その中には検出することが容易でないものもあります。トリチウムは、あらゆる場所にまき散らされ、遺伝的欠陥、ガンや様々な病気を発生させる可能性があります。

原子力産業はまだ使えるとか、原子力発電所の建設を続けようと説得しようと、あるいはウランの株価を下げさせないなどのために議論することは犯罪だと思う。人々はこの結果として死ぬことになる。彼らはできるだけ早くそこの人々を脱出させる必要がある。

Press TV:あなたは人々が死ぬと言っていますが、日本政府は、環境中により高い放射線レベルを認めたが、さして重要なことではないとか、人が通常のX線で浴びる程度の放射線量とか、それほど重要でないとか言っています。これについて、あなたのご意見は?

バズビー教授:犯罪と言って良いほど無責任です。チェルノブイリ事故の後、ガンや他の病気の発生率が増加されています。例えば、2004年にスウェーデンで行われた研究では、チェルノブイリ事故で汚染されたスウェーデン北部の地域では住民のガン発症率は11%増えた。将来のことを考慮しなくても、汚染地域でのガンの発生率がこの数字の2倍以上になる可能性さえあります。

問題は、これらの声明が出てくる根拠となっているリスクモデルは、時代遅れで正しくないということです。放射線防護国際委員会(ICPR)の事務局長は、このリスクモデルは、最大900倍エラーであると認めています。

そこで、われわれは様々な研究からこのモデルが間違って設定されており、日本の今回の被曝には有効でないことを知っています。人々はリスクモデルで予想されたよりもはるかに高い割合でガンに罹患する可能性がありますから、避難させる必要があります

Press TV:ヨウ素が人々を放射線の影響から保護するという報道がありますが、本当に役に立ちますか、日本人はヨウ素を服用したりする必要がありますか?

バズビー教授:ありますね。人々は安定したヨウ素を服用すれば、甲状腺が放射線ヨードの吸収をブロックして、甲状腺ガンを増加させる効果の多くを軽減します

チェルノブイリ事故の後、甲状腺ガンが大きく増加し、これは放射線ヨウ素が原因だとされています。あなたが通常のヨウ素を十分にとっていれば甲状腺ガンにはならなくて済みます。しかし、これは甲状腺ガンだけに限定されますし、甲状腺ガンの発生は稀です。

放射線放出の結果として起こる癌には、乳癌、白血病を含んだありとあらゆるガンがありますし、他の病気や先天性奇形や不妊の問題がチェルノブイリ事故の影響を受けた旧ソ連領土の全土で見られました

Press TV:食物についてはどうでしょう? 放射線が検出された野菜や海産物についてのニュースが報道されています。米国はこの地域からの輸入を禁止していますし、EUもまた、コントロールしようとしています。

バスビー教授:私がこれから言う事は命を救いますし非常に重要です。人々は、安定ヨウ素の錠剤を服用し、子供たちに与えること。第二に、水は危機発生以前に詰めた瓶詰の水を飲むこと、あるいは南部から純粋な水を持ってくること。ミルクは決して飲まない事。新鮮野菜や生鮮魚介類は食べないこと。缶詰食品だけを食べてください。

この危機が続く限り、これらの行動が多くの生命を救います。

Press TV:最悪のシナリオは?

バスビー教授:最悪のシナリオは爆発が起こること、色んな物質が一緒になり強制的に爆発を引き起こすことです。

他の科学者は必ずしも同意しないかもしれませんが、私は可能だと考えています。1957年ソ連クイシトゥイムのマヤーク原発が爆発しました。使用済み燃料が爆発し、同じ状況が起こりました。燃料タンクの水が沸騰してなくなり、燃料棒は融解して塊になり爆発しました。1000平方マイルの土地が汚染されました。この土地は、以来ずっと現在まで、放射能があります。これと同じ事が万一起これば、噴出した物質は、いたる所に散らばるでしょう。われわれは既に物質の一部は米国に達したのではないかと疑っています。

最善のシナリオは、溶けて、地中に消散し、爆発なしというものです。ですが、それは放射線物質で非常に汚染されることを意味します。そして彼らはその上に砂、スレート等を積み上げ、それを約100キロ程離れたどこかに移し、塀で囲まなければなりません。

しかし、問題は日本の当局が放射線レベルが低いと言っていることと、人々が30キロゾーンの外に住むことができると言っていることです。彼らは、原子力発電所を建設し続け、ウランを採掘し続け、沢山のお金を儲けたいのだと思います。これは、犯罪と言っても良いほど無責任です。

ソース
https://www.presstv.ir/detail/171460.html

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「放射能被害を過小評価」 ロシアの科学者 福島原発を懸念
2011年3月27日 00:10 (西日本新聞)

旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故について、人や環境に及ぼす影響を調べているロシアの科学者アレクセイ・ヤブロコフ博士が25日、ワシントンで記者会見し、福島第1原発事故の状況に強い懸念を示した。博士の発言要旨は次の通り。

チェルノブイリ事故の放射性降下物は計約5千万キュリーだが、福島第1原発は今のところ私の知る限り約200万キュリーで格段に少ない。チェルノブイリは爆発とともに何日も核燃料が燃え続けたが、福島ではそういう事態はなく状況は明らかに違う。

だが、福島第1はチェルノブイリより人口密集地に位置し、200キロの距離に人口3千万人の巨大首都圏がある。さらに、福島第1の3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電だ。もしここからプルトニウムが大量に放出される事態となれば、極めて甚大な被害が生じる。除去は不可能で、人が住めない土地が生まれる。それを大変懸念している。

チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげている。私の調査では100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及ぶ。

セシウムやプルトニウムなどは年に1~3センチずつ土壌に入り込み、食物の根がそれを吸い上げ、大気に再び放出する。例えば、チェルノブイリの影響を受けたスウェーデンのヘラジカから昨年、検出された放射性物質の量は20年前と同じレベルだった。そういう事実を知るべきだ。

日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価している。「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。直ちにではないが、影響はあるということだからだ。

=2011/03/27付 西日本新聞朝刊=

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福島第1原発:「トラブルは峠を越えた」技術協会最高顧問
(3月26日 毎日新聞)

日本原子力技術協会の石川迪夫最高顧問

【ワシントン斉藤信宏】79年の米スリーマイル島原発事故の検証に立ち会った日本原子力技術協会の石川迪夫(みちお)最高顧問が25日、米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長らとの面会を前にワシントン市内で記者会見した。福島第1原発事故について「使用済み核燃料プールでのトラブルは峠を越えた」との認識を表明。冷却水が失われ燃料棒が損傷したとみられる1~3号機の原子炉についても「小康状態のまま2週間が経過しており、今後、大きな変化が生じるとは考えにくい」と述べて、事故は収束に向かいつつあるとの見方を示した。

石川顧問は、ヤツコ委員長が16日の米議会公聴会で、福島第1原発の4号機について「使用済み核燃料プールに水がなく、放射線量が極めて高くなっている」と警告したことについて「まったくの事実誤認だ」と強調。「使用済み核燃料の崩壊熱による水の蒸発は1日50トンに過ぎない。プールには1200トンの水があるから、仮に地震直後から蒸発が続いていたとしても、水は今も入っていることになる」と反論した。

一方、経済産業省原子力安全・保安院がレベル5と発表した事故の暫定評価について「スリーマイル島原発事故に比べて放射能汚染が広範囲に及んでいる上、1号機から4号機まで計4機で相次いで事故が発生していることを考えればレベル6に相当する」と認識の甘さを指摘した。

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2号機で通常の1000万倍の放射線 タービン建屋のたまり水(東京新聞)

2011年3月27日 15時13分

東日本大震災による福島第1原発事故で経済産業省原子力安全・保安院は27日、2号機のタービン建屋地下でたまっていた水は、表面の放射線量が毎時1000ミリシーベルト以上だったとの分析結果を明らかにした。24日に作業員3人が被ばくした3号機の同400ミリシーベルトに比べても高い。

東京電力によると、線量が高すぎるため測定を途中でやめており、線量はもっと高い可能性がある。4号機のたまり水からも放射性物質が検出されたが、1~3号機に比べ濃度は低い。

2号機の水からは、半減期が53分と短い放射性ヨウ素が、1立方センチ当たり29億ベクレルという極めて高い濃度で検出された。検出された放射性物質の濃度は、通常の原子炉の水の約1000万倍。原子炉から配管を経由してたまったと考えられるという。経産省の西山英彦官房審議官(保安院担当)は「かなり大きい。見たくないようなひどい数字だ」と話した。

原発の放水口付近で26日に採取した海水からは、法令で定める濃度限度の約1850倍の放射性ヨウ素が検出された。25日の測定では約1250倍で、濃度はさらに上昇しており、放出が続いている可能性があるという。

東京電力は27日、中央制御室の照明がついていない4号機の点灯や、1~4号機の使用済み燃料プールへの真水注水に向け、作業を続けた。

プールにはこれまでは海水を入れていたが、塩分による冷却機能低下や機器への悪影響が懸念されるため、真水に切り替える。

1~4号機のタービン建屋の地下で水がたまり、1~3号機では高い放射線量が検知された状況を改善するため、1号機で地下に設置したポンプで水をくみ上げ、復水器に回収する作業を進めた。2号機の水も復水器にためる方向で準備。3、4号機は回収方法を検討している。

1~3号機の原子炉への真水の注入は、現在の消防ポンプから外部電源による電動ポンプに切り替える。消防ポンプは現場で燃料の補充が必要だったが、切り替え後は作業の手間や被ばくを減らせる。
(共同)

福島第一原発 2号機 放射線1000ミリシーベルト超(東京新聞)

2011年3月28日 07時12分

東日本大震災で被災した福島第一原発の事故で、東京電力は27日、2号機タービン建屋地下のたまり水の表面から、毎時1000ミリシーベルト超の極めて高い放射線量を測定した、と発表した。30分浴びるだけで体内のリンパ球が減少し、3時間以上で50%が死亡するとされる量で、事故後に測定した線量の中では最大。線量計が振り切れて測定を中断したため、さらに高い線量になる見込みだ。

経済産業省原子力安全・保安院は原子炉から漏れ出た可能性が高いとしており、場所の特定を急いでいる。深刻な原発危機を脱却する復旧作業は一段と難しさを増してきた。

高濃度の放射性物質を含むたまり水は作業員3人が被ばくした3号機や、1号機のタービン建屋でも見つかっている。

2号機のたまり水について、東電は昼ごろ放射性物質のヨウ素134が運転中の原子炉の水と比べ1000万倍の濃度だったと発表。ところが、28日未明の会見で検出したのはヨウ素ではなく、セシウム134で、10万倍の濃度に訂正した。

2号機は14日、原子炉内の水位が低下して高温の核燃料がすべて露出する「空だき」状態になり、核燃料の破損が指摘されていた。

東電も「燃料の数%から数十%が破損していると解釈できる」と認めている。

2号機は15日、原子炉格納容器内につながる圧力抑制室で爆発音があり、損傷した疑いも出ている。専門家は破損した燃料から高濃度の放射性物質が漏れ、抑制室の亀裂などを通って格納容器の外に出た可能性を指摘している。

東電は「原子炉周りの圧力や水位などから、炉内の放射性物質が大量に格納容器の外に出ている状況はない」と話している。

一方、第一原発の放水口近くの海水から濃度限度の約1250倍の放射性ヨウ素131が検出された問題で、保安院は、同約1850倍の放射性ヨウ素131を26日にも検出したと発表。海で拡散されるため「健康への影響はない」としている。

(東京新聞)

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