生物多様性条約 締約国会議のホスト国の資格はない

「ホスト国の資格ない」 保護団体、一斉に日本非難 

 【ドーハ共同】日本が主導権を取って、大西洋と地中海のクロマグロ取引規制提案の否決だけでなく、ニシネズミザメ規制も逆転否決に導いたことなどに対し、環境保護団体は「(10月に名古屋市で開かれる)生物多様性条約締約国会議のホスト国の資格はない」と一斉に非難した。

 海洋問題に取り組むピュー環境グループのスーザン・リーバーマンさんは「日本の人々は自分たちの政府がここに来て、科学と保全を無視しただけでなく、ほかの発展途上国を引き込んでまで、条約を保全と逆方向に持っていこうとしたことを知る必要がある」と指摘。「生物多様性を破壊しようと懸命になった国が、どうして多様性を守るための会議をホストできるというのか」と難じた。

 また、国際動物福祉基金のアゼディン・ダウンズさんも、今年が国連が定める国際生物多様性年であることに触れ「2010年は生物多様性の損失を加速させる年になってしまった。地球を破壊する欲望と裏取引が、会議の主役だった」と批判した。

 海洋保全に取り組む団体「オシアナ」も「日本や中国が得ている巨大な経済的な利益によってワシントン条約が崩壊の危機に立たされた」との声明を発表した。
(2010年03月25日)

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