2014/03/06

原発停止で温排水も止まって 周辺の海洋環境が劇的に改善

原発長期停止で“海の環境変化”
(2014年3月5日 20時11分 RKBニュース)から抜粋

玄海原発周辺の海 長期停止で環境変化

■佐賀県玄海町の玄海原子力発電所が4基すべて運転を停止してから2年以上が経ちました。

■1号機が運転を開始してからおよそ39年、これまでに前例のない長期間の停止によって、周辺の海である変化が起きていました。

この映像は今から8年前、2006年2月28日に、玄界灘で撮影されたものです。

玄海原発では1975年に1号機が運転を開始してから、ほぼ連続して原発が動いてきました。

ところが、東日本大震災後の2011年12月に、4号機が定期点検に入って以降、4基すべてが2年以上にわたって停止したままです。

なぜ海はこれほど変化したのでしょう?

その原因として考えられるのが、原発から出される暖められた海水、『温排水』です。

原子力発電所は、タービンを回す蒸気を、海からくみ上げた水で冷やします。

暖められた海水は『温排水』として再び海に戻されます。

原発からは最大で7度まで、周囲より高い温度の水を出すことが認められています。

その量は、岩につかまらないとダイバーが流されてしまうほどだったということです。

大量の温排水で海が温められたため、南方系の魚が冬も生き残っていたのです。

原発停止後の変化は、魚だけではありません。

●今林記者・水中リポート
「この四角のコンクリートブロックは原発が動いている時は、全く海藻が生えていませんでしたが、今は一面びっしりと海藻に覆われています」

同じく今から8年前の映像です。

原発稼働中は、ほとんど海藻は生えておらず、岩がむき出しの状態でした。

ところが、現在はいたるところにアラメやクロメなど、コンブの仲間が生えていました。

同じ場所で比べてみると違いは一目瞭然です。

原発周辺の海で変化が起きているのは、玄海だけではありません。

京都大学の益田准教授は2004年から若狭湾で潜水調査を続けています。

益田准教授は、原発停止直後の海の劇的な変化に、目を見張ったといいます。

●京都大学舞鶴怜治水産実験所・益田玲爾准教授
「予想よりはるかに急激でしたね。南方系の生き物がたちどころにいなくなって、それで本来の若狭湾の生き物が戻ってきたということですね」

若狭湾沿岸にはあわせて14基もの原発が集中しています。

益田准教授は、そのひとつ高浜原発からおよそ2キロの地点で調査を続けています。

益田准教授によりますと温排水によってこの地点では周辺海域と比べ水温がおよそ2度高くなっていました。

この2度が冬場、生き物の生死を分けていたのです。

●京都大学・益田准教授
「水の中では、陸上よりもはるかに熱が伝わりやすいということがあるんですね。ですから、水中の2度の違いというのは、魚にとって非常に大きな違いになります。人間が陸上で2度というのはどうにでも調節できますが、魚にとっての2度というのは、調節がきかないエリアになってしまいがちなんです」

温排水は火力発電所からも出ますが、益田准教授の調査では近隣の火力発電所では大きな変化は起きていませんでした。

原発の運転が海の生態系に大きな影響を与えているのは明らかだと益田准教授は話します。

福井県・若狭湾の原発停止で北方系の魚介類が戻ってきた
(日刊SPA 2013/12/20)

現在、日本で稼働している原発は1基もない。これまで、原発を冷やすために取り込んだ海水が温められ、海に放出され続けてきた。ところがこの「温排水」が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという! 原発停止によって(良い意味で)激変した各地の海の状況をリポートする。

<福井県・若狭湾の原発> 

温排水停止で、減少していた北方系の魚介類が戻ってきた

高浜原発
             高浜原発

 原発の温排水が海の生態系に与える影響について、実際に海に潜って調査している研究者がいる。京都大学舞鶴水産実験所の益田玲爾所長は、’04年以降、毎年1月下旬~3月上旬に高浜原発の放水口から北東約2kmの「音海」という海域に生息する魚介を定点観測してきた。益田所長は「温排水による生態系への影響は明らか」と語る。

「’04~’11年にかけて、原発から2kmの地点の水温が、湾内外の他の海域より2℃高くなっていました。水中では熱が伝わりやすいため、2℃というのは魚介類にとって大きな違いなのです。熱帯・亜熱帯の南方系の魚介類が生活できるギリギリの温度は11℃なのですが、原発の温排水で、春や夏に来た南方系の魚介類が冬を越せるようになっていました。本来いるはずのない生物が繁殖することで大きな混乱が起きていました」

 ところが、温排水が止まったことで、元の健全な生態系が音海の海に戻りつつあるという。

「例えば、ガンガゼという南方系の毒ウニが大量発生していたのですが、温排水が止まったことで死滅。地元特産のおいしいアカウニやムラサキウニはガンガゼとの競合で追いやられていましたが、再び姿を見せるようになりました。同様に、地元特産で食用のマナマコも、南方系のトラフナマコが水温低下で減少すると、また数を増やし始めています」

 温排水の停止の好ましい影響の中でも、特に喜ばしいのは海藻の復活だろう。

若狭湾 原発地図

「海の生態系で非常に重要なのは、浅瀬に生い茂る海藻。さまざまな魚介類の餌である生物が棲むエサ場であり、稚魚が育つ棲み処でもあります。アワビやサザエなどの貝類も海藻を餌としています。温排水が放出されていた頃は、『磯焼け』といって海藻が壊滅した状態でした。海水温の変化による直接的なダメージに加え、本来冬場の音海にはいないはずのアイゴという海藻を食べる魚が温排水の影響で一年中いるようになり、海藻が食い荒らされてしまったのです。

 しかし、温排水の放出が止まった途端に海藻が復活し、アミなどの動物プランクトンも一緒に戻ってきました。以前は姿をまったく見なかった、ヒラメの稚魚が姿を見せるようになったことも良い傾向です。若狭湾の特産物で、煮付けにするとおいしいメバルも戻ってきました。基本的に、南方系の魚よりも、もともといた北方系の魚のほうが、商品として高く売れるので、地元の漁師さんにとっても、温排水がないほうがいいといえるのではないでしょうか」

― 原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート【1】 ―

原発停止で周辺の海洋環境が劇的に改善
(日刊SPA 2013.11.26 ニュース)

 現在、日本で稼働している原発は1基もない。

 そのため、稼働中に海に放出され続けてきた原発から出る温排水が止まったことで、原発周辺の海域の環境が回復してきているという声が各地から挙がっている。

◆鹿児島川内原発の場合……

川内原発周辺の海岸に打ち上げられたウミガメの死体
             ウミガメ

川内原発周辺の海岸に打ち上げられたウミガメの死体

 鹿児島県にある川内原発の近くで海岸の清掃ボランティアやウミガメ監視員を務める中野行男さんは、10年ほど前から月に20日以上、川内原発の南海岸を歩き続けてきた。

「これまで、季節によっては毎日のようにサメやエイ、ダツなどの大型魚類や、クジラ、イルカなどの海生哺乳類、ウミガメなどの死体が海岸に漂着していました。原発ができる前は、こんなことは全然ありませんでした」(中野さん)

 サメの死体が1日で4体もうち上げられたこともあったそうだ。

「それが、川内原発が停止した’11年9月以降、これらの死体漂着は一切なくなったのです」

 また、この近辺ではウミガメの異常行動がよく確認されていた。

「例えば、通常のウミガメは満潮の夜に産卵のため岸に上がりますが、昼間や干潮時に産卵に来るケースがしばしば報告されていました。ところが、現在では産卵は順調に行われています」

 週刊SPA!11/26発売号「原発止めたら[海の環境がもりもり改善!?]リポート」では、他にも、原発が止まったことによって取水口に取り込まれる魚が減ったり、海水温が下がったために外来種が減り、漁業にも好影響が出ていることを報じている。また、福井県の若狭湾周辺の原発、北海道の泊原発周辺地域での(よい意味での)激変をリポートしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>


上関原発建設計画:温排水の影響を懸念
(2010/05/20 風の便り)から抜粋

世界有数の漁場だった瀬戸内海が埋め立てや海洋汚染によって、生態系が破壊されてるなか、今も豊かな自然が残っている周防灘という海域(山口、福岡、大分の3県にまたがる海域)があり、絶滅危惧種や希少な生物がたくさん棲息しています。

そこに上関原発が建てられようとしており、その計画に28年前から反対し続けている人々(祝島や長島の自然を守る会など)がいます。

ここを破壊してしまったら、瀬戸内海の再生は不可能になるだろうと多くの学者が指摘している重要な地域を、生物多様性国際会議を開く主催国が破壊しようとしているわけです。

原発は、過熱した炉心を冷やすために大量の海水を吸いあげて、7~7.3℃熱くなった海水(温排水)を海に放出しますが、その量が恐ろしく多量です。

平均的な規模(100万キロワット)の原発1基で1秒間に70トンも温排水を海に放出します。上関原発は、137万キロワットを2基建設するために、1秒間に190トンもの温排水を海に放出します。

現在、日本にある54基の原発全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン。日本全土に降る雨の量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トン。

つまり原発は、日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。

それに加えて、上関原発や各地で増設される原発からの温排水が上乗せされようとしています。

また、海水を冷却水として吸い上げる際にプランクトンや魚卵、そして、稚魚なども大量に吸い込み、原発の高熱でその多くが死んでしまいます。

問題はこれだけでなく、吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダ)が使用され、海洋を汚染しています。

海の小さないのちを吸い上げて殺し、殺生物剤で殺し、膨大な温排水を海に捨てながら「地球温暖化防止のために」原発を増やす現代人に対し、海に暮らしている生きものたちは、どう感じているのでしょう。

まさに今、私たちは「生きものの声を聞く」必要があるでしょう。

上関原発建設計画:温排水の影響を懸念 広島で環境考えるシンポ /山口

 中国電力の上関原発建設予定地(上関町)周辺の慎重な環境評価を国や中電に求めてきた日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会によるシンポジウムが10日、広島市中区の広島国際会議場であった。学者らは集まった約500人に対し、建設地の生物の多様性の貴重さと、原発建設による影響調査の必要性を強く訴えた。

 学者らの一番の懸念は原発から出る温排水。原発周辺海域の温度が上がり、希少生物や魚類の生息環境が変わってしまう恐れが強いという。また、京都大大学院の加藤真教授(生態学)は、冷却水として海水を取り入れる際に投入される殺生物剤、次亜塩素酸ソーダの危険性を指摘した。

 建設地周辺では天然記念物の鳥、カンムリウミスズメも生息している。上関地域周辺での生息を初めて発見した九州大大学院の飯田知彦研究員は、上関の海の豊かさを強調。魚の卵や稚魚、イカの子どもといった浮遊生物が冷却水として原発に取り込まれて加熱されることで多くが死ぬことが予想されることから、食物連鎖への影響を懸念した。【矢追健介】

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