2012/11/06

東電のウソ 原発作業員登録数 説明の3分の1だった 被曝量が多い過酷な作業で辞める人が多い

福島第一原発の事故は収束しておらず、今も放射性物質を放出し続けており、現場で事故処理作業に従事している作業員の被ばく量も多い。そうした過酷な「被ばく労働」を体験して辞める人も多く、作業員の確保ができていないことが明らかになった。こうした状況がある中で、他の原発を稼動させればさせるほど「被ばく労働者」がより多く必要になり、福島原発の作業員が不足していくだろう。

原発作業員登録数 説明の3分の1だった
(2012年11月5日 18時47分 NHKニュース)から抜粋

東京電力が、福島第一原子力発電所の廃炉に向けて、現場で働く作業員として登録した人数が、先月時点で、これまで説明してきたおよそ2万4000人より少ない、8000人であることが、取材で分かりました。
東京電力は、「再び登録する人がいる」などとして、短期的には作業員の確保に問題はないとしていますが、長期的な確保に懸念が出ています。

福島第一原発では、メルトダウンした3つの原子炉の核燃料の取り出しなど、前例のない廃炉に向けた作業が続けられていて、今も1日3000人が働いていますが、過酷な作業で辞める人も多く、作業員の確保は大きな課題です。

これについて東京電力は、ことし必要となる作業員の人数を1万1700人と想定し、これに対して、現場で働くために登録した人がおよそ2万4000人いるとして、「要員の不足は生じない見込み」と、これまで説明してきました。ところが、この2万4000人は、事故以降、福島第一原発で働いたことのある作業員の総数で、このうちの1万6000人はすでに登録を解除し、先月時点で登録のある人は8000人であることが、東京電力への取材で分かりました。東京電力は、「いったん登録を解除しても再び登録する人がいる」などとして、短期的には作業員の確保に問題はないと説明しています。

しかし、再登録した作業員の人数を把握していないうえ、一度現場を離れた人が再び登録する保証はなく、その一方で必要な人数は想定より増え続けており、作業員の確保の見通しは不透明な状況です。こうした状況について、東京電力は「確保できる作業員の人数が、一定の幅を持って不確かさであることは事実だ。今後、長期的な確保が相当難しくなる可能性があり、人材の育成に力を入れていく必要がある」と話しています。


元原発作業員 放射線量が高い現場で働かせた関電工を告発
(11月1日 NHKニュース)から抜粋

東京電力福島第一原子力発電所で、事故直後に対応に当たった元作業員が、放射線量が高い現場と知りながら作業を続けるよう指示されたと主張して、作業を請け負った関電工を労働安全衛生法違反の疑いで労働基準監督署に刑事告発しました。


福島第1原発の作業員被曝線量、平年の16倍 事故後1年の総量
(2012/7/25 日本経済新聞)

 東京電力福島第1原発で事故が起きた昨年3月から今年2月末までの1年間に、同原発で作業した人の被曝(ひばく)線量の総量である「集団被曝線量」が、事故前の通常の年の約16倍に上ることが25日、東電の集計で分かった。

 同原発では高線量の場所が相次いで見つかっており、廃炉に向けロボット導入など作業被曝を抑える態勢整備が課題になりそうだ。作業員が線量計を鉛カバーで覆い線量を偽装したケースも発覚しており、正確な線量の把握も求められる。

 集団被曝線量は、作業員一人一人の被曝線量を足した総数で、単位は「人シーベルト」。作業被曝を低減するための目安などに使われる。

 東電などによると、福島第1原発では事故前の2009年度の1年間は14.9人シーベルトだったのが、事故後は244.6人シーベルトと跳ね上がった。事故があった昨年3月だけで約半分の120.2人シーベルトを占めた。

 同原発では、2月末までの1年間に約2万人が平均約12ミリシーベルト(1ミリシーベルトは1シーベルトの千分の1)被曝した。作業員の被曝量の最高値は678.8ミリシーベルト。09年度は約1万人で平均1.4ミリシーベルトだった。

 事故後に引き上げられた職業被曝の上限値250ミリシーベルトを超えたのは、5月末現在で6人。発がんリスクがわずかに上昇するとされる100ミリシーベルト以上は6人以外に161人に上る。通常時の職業被曝の年間線量限度である50ミリシーベルト以下の人が96%だった。

 1986年のチェルノブイリ原発事故では、作業員や住民を合わせた集団被曝線量は60万人シーベルトに上ったとされる。〔共同〕

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上記記事に「発がんリスクがわずかに上昇するとされる100ミリシーベルト以上」という表現があるが、以下の記事にあるように、5ミリシーベルトの被曝でガンになった原発労働者が労災の認定を得ている。また、ノーベル賞を受賞した米国の「社会的責任を果たすための医師団」も伝えているように、100ミリシーベルトの線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10ミリシーベルトでは1000人に1人、そして1ミリシーベルトでも1万人に1人である。「発がんリスクがわずかに上昇するとされる100ミリシーベルト以上」という表現は適切な表現だとは思えない。(中村コメント)

原発労働者のガン 5ミリシーベルトで労災認定 福島では250ミリ

原発作業員:被ばくでがん 労災10人 (毎日新聞 2011年7月26日)から抜粋

 ◇9人は100ミリシーベルト以下

 東京電力福島第1原発事故で収束作業にあたる作業員が緊急時の上限250ミリシーベルトを超えて被ばくするケースが相次いだが、過去にがんを発症して労災認定された原発作業員10人のうち9人は累積被ばく線量が100ミリシーベルト以下だった。遺族からは福島第1原発の作業員を案じる声が上がる。 

 厚生労働省によると、10人は作業中に浴びた放射線を原因として労災認定された。内訳は白血病6人、多発性骨髄腫2人、悪性リンパ腫2人。累積被ばく線量が最も高かった人は129.8ミリシーベルト、残り9人は100ミリシーベルト以下で、最も少ない人は約5ミリシーベルトだった。

ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告
(警告は、2011年3月23日)(掲載記事 2011/04/16 風の便り)から抜粋

日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト(mSv)被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100 mSv の線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10 mSv では1000人に1人、そして1 mSV でも1万人に1人である。

学校放射線基準は「安全でない」 ノーベル賞受賞の米医師団
(2011/05/02 共同通信)

 福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。

 PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。

 声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。

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