2011/08/11

泊原発3号機の営業運転先送り 地元の意向考慮

泊原発3号機 判断先送りへ (NHK)
8月11日 12時46分

調整運転が5か月も続く異例の事態になっている北海道電力泊原子力発電所3号機について、経済産業省は、11日にも営業運転への移行を認める方針でしたが、地元で反発が起きているなどとして北海道の意見集約を待つことになり、11日の判断は先送りされる公算が高くなっています。

泊原発3号機を巡っては、通常1か月程度で終える安全確認のための調整運転が5か月も続いていましたが、原子力安全・保安院が10日までの2日間、営業運転への移行に必要な最終検査を行った結果、異常がないことを確認し、11日にも営業運転への移行を認める方針でした。しかし、北海道によりますと、10日夜、海江田経済産業大臣から高橋知事に電話があり、「道の判断は大切なので待ちたい」と話し、道側の意向を確認したうえで判断したいという考えを伝えてきたということです。これに対し、高橋知事は「道としての考え方を意見集約したい」と応じたということです。営業運転への移行を巡っては、最終検査の申請が地元・北海道の判断を待たずに行われたことに、北海道側から「地元軽視だ」などと反発が出ており、大臣側がこうした地元の意向に配慮したものとみられ、11日にも行われる予定だった営業運転の移行の判断は先送りされる公算が高くなっています。


泊原発3号機の営業運転先送り 地元の意向考慮
 (日本経済新聞)
2011/8/11 10:21 (2011/8/11 12:38更新)

 調整運転の続く北海道電力・泊原子力発電所(泊村)3号機の営業運転への移行で、海江田万里経済産業相が10日夜、北海道の高橋はるみ知事に、地元の意向を考慮する考えを伝えていたことが11日分かった。これを受け、高橋知事は道議会や泊村などと意見調整し地元の見解を取りまとめ、国へ回答する方針。11日にも予定されていた3号機の営業運転移行は数日程度先送りされる見通しとなった。

 泊3号機の最終検査は10日に終了。原子力安全・保安院は11日午後の原子力安全委員会に結果を報告する予定だ。ただ委員会で了承されても、営業運転への移行は道など地元の判断を待って決定する方針だ。

 道は7月に泊3号機の最終検査が再稼働にあたるかどうかなどについて国へ質問。今月9日午前に再稼働ではなく運転の継続との回答を受けた。道は国の対応を受け、「道の考えを整理する」とのコメントを発表した。

 ただ北電は国から最終検査を受けるよう指示を受けたとして、道の対応を待たず、国へ最終検査を申請していた。これに対し、高橋知事は記者団に「国のやり方は大変遺憾」と反発していた。

首相の「脱原発依存」発言を批判した広島県知事(元資源エネルギー庁 原子力産業課 課長補佐)と長崎市長発言の大きな違い

元資源エネルギー庁 原子力産業課 課長補佐だった広島県の湯崎英彦知事が、平和記念式典で「原発に依存しない社会を目指す」と表明した菅首相を批判した。一方、田上富久・長崎市長は、9日の平和祈念式典で、原子力に代わる新たなエネルギー社会への転換を訴え、再生可能エネルギーの開発に着手するよう呼び掛けた。

知事が8・6首相発言を批判 (8月10日 中国新聞)

 広島県の湯崎英彦知事は9日の記者会見で、菅直人首相が6日にあった広島市の平和記念式典でのあいさつで「『原発に依存しない社会』を目指す」と表明したことについて、「式典を政治的に利用したと疑われても仕方がない。不適切だ」と批判した。

 湯崎知事は「式典は本来、被爆者や核兵器(廃絶)について考える時間」と強調。「核兵器廃絶と方向が違う『脱原発』が注目されるのはいかがなものか。注目が集まる場で支持率上昇を狙った発言と疑われても仕方がない」と述べた。

 さらに、首相が打ち出した「脱原発依存」を「唐突だ」と批判。今後のエネルギー政策の在り方について「適切な情報開示に基づく国民的な議論が必要」と訴えた。

 湯崎知事は式典あいさつでエネルギー政策について触れなかった。「原発による放射線被害や脅威は許されることではないが、それを結び付けてしまうと『平和祈念』ではなく『脱原発』に注目されてしまうので言わなかった」とあらためて説明した。


長崎市長、原発なき社会へ転換を 被爆66年、原爆の日

66回目の「長崎原爆の日」 (長崎新聞 9日PM 8:59)

 被爆地長崎は9日、66回目の原爆の日を迎え、長崎市の平和公園では市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。田上富久市長は平和宣言で、放射線被害が深刻化している東京電力福島第1原発事故を踏まえ、歴代長崎市長で初めて原発の是非に具体的に言及。原子力に代わる新たなエネルギー社会への転換を訴え、再生可能エネルギーの開発に着手するよう呼び掛けた。

 田上市長は宣言の冒頭、「『ノーモア・ヒバクシャ』を訴えてきた被爆国が、どうして再び放射線の恐怖におびえることになってしまったのでしょうか。人間の制御力を過信していなかったか、未来への責任から目をそらしていなかったか…」と問い掛け、原子力依存のエネルギー社会への反省と議論を促した。

 その上で「たとえ長期間を要するにしても、より安全なエネルギーを基盤にする社会への転換」を強調。原発事故の収束と福島復興を願うメッセージを送った。

 平和宣言では、米国が新たに実施した核兵器性能実験を「核兵器のない世界」を掲げたプラハ演説に「逆行する動き」と批判。オバマ大統領を名指しし、核兵器廃絶に向けたリーダーシップを発揮するよう求めた。日本政府には「非核三原則」の法制化と、日本と韓国、北朝鮮を非核化する「北東アジア非核兵器地帯」の創設を要請。高齢化する被爆者の援護充実を訴えた。

 式典には、遺族や被爆者、菅直人首相のほか、過去最多の44カ国の政府代表が出席。在日米国大使館のジェームス・ズムワルト首席公使が米国代表として初めて参列した。菅首相は来賓あいさつで、今後のエネルギー政策について、「白紙から見直す」と表明。今回の事故を「人類にとっての新たな教訓と受け止める」とし、「原発に依存しない社会を目指す」との決意をあらためて示した。

 式典では、昨年8月2日から今年7月末までに死亡が確認された3288人の原爆死没者名簿3冊を奉安。献水、献花の後、原爆投下時刻の午前11時2分に黙とうをささげた。被爆者代表の松尾久夫さん(83)は「平和への誓い」で、家族5人を亡くしたあの日の記憶を証言し、世界恒久平和と核兵器廃絶の実現を世界の国々の指導者に訴えた。

 平和公園には、夜明け前から原爆犠牲者を追悼する市民ら約2万8千人(午前7時~午後10時)が訪れ、被爆地長崎は終日、祈りに包まれた。


長崎市長、原発なき社会へ転換を 被爆66年、原爆の日(共同通信)

原発なき社会へ転換を

 長崎は9日、被爆から66年の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園で市主催の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれ、田上富久市長は平和宣言で「原子力にかわる再生可能エネルギーの開発を進めることが必要」と述べ、将来的に原発のない社会を目指すことを呼び掛けた

 宣言で市長は「どんな社会をつくるのか、根底からの議論と選択を」と訴えた。核兵器の非人道性も強調した。

 原発の是非に触れなかった広島市の平和宣言よりも大きく踏み込んだ。被爆地の市長が核の平和利用の是非にまで踏み込んだことは、今後の原発をめぐる議論にも大きな影響を与えそうだ
2011/08/09 11:39 【共同通信】


長崎県知事も原発について以下のように発言している。
「福島第1原子力発電所の事故は、放射線が人々の営みに与える影響の大きさを改めて知らしめるとともに、住民生活はもとより広範な社会経済活動に深刻かつ甚大な被害をもたらしております。
 私は、このような状況を目の当たりにし、これからは、福島原発の事故原因を徹底的に検証し、諸課題を明らかにするとともに、今後、私たちは、原子力にどのように向き合うべきであるのか、決して侮ることなく、真摯に議論を重ねて行かなければならないと考えております。

 そのためにも、国においては、再生可能エネルギーの利活用促進に留まらず、今後のエネルギー需給の具体策と手順を早急にお示しいただきたいと考えております。」

東電関連会社元社員が保安検査官に

東電関連会社元社員が保安検査官に
(10日20:47 TBSニュース)

 かつて福島第二原発に勤務していた東京電力の関連会社の元社員が今年4月から原子力安全・保安院に再就職し、「保安検査官」として福島第二原発で検査業務にあたっていることが分かりました。

 原子力安全・保安院によりますと、東京電力の関連会社の元社員は4月に保安院に中途採用され、5月から福島第二原発で「保安検査官」として検査業務にあたっています。

 東京電力によりますと、この元社員は関連会社に所属していた際、一時、東京電力に出向し、福島第二原発で勤務していました。検査を「受ける」側から「行う」立場になったことで、検査の「甘さ」につながるのではないかとの指摘もありますが、保安院は、「原子力への専門知識を持っている人を採用した。福島第二原発で働いていたから採用したわけではない」としています。

 「(中途採用の人が)技術的能力が非常に高い方がいるのは事実。(外から見たときに)どうかなとか、そういったことにならないように気をつけている」(原子力安全・保安院 寺坂信昭院長)

 保安検査官には、電力会社のほか原子力発電所関連のメーカー出身者も多く、規制当局である保安院に「専門知識を持つ人材が不足している」という実態が、ここでも現われたかたちです。(10日20:47)

メルトダウンの可能性、事故直後に認識 寺坂・保安院長

メルトダウンの可能性、事故直後に認識 寺坂・保安院長
(8月11日0時37分 朝日新聞)

 福島第一原発の事故発生から5カ月を迎えるのを前に、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が10日会見し、事故直後の3月12日に、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)に近い状態になっていた可能性を認識していたことを明らかにした。

 当時の広報担当の審議官が3月12日、炉心溶融の可能性があると発言したことについて、寺坂院長は「セシウムが検出されており、そういう受け止めはあり得る」と思っていたという。

 また、この審議官が発言直後に広報担当を交代させられたことについて、「発言そのもので交代したことではない」とした。


原子力安全・保安院:震災翌日に「炉心溶融も」…寺坂院長
(毎日新聞)

 東京電力福島第1原発事故への対応や、国主催の原発シンポジウムでの「やらせ問題」を受け、12日に更迭される経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が10日、記者会見した。同原発のメルトダウン(炉心溶融)について、震災翌日の3月12日に放射性セシウムの検出があり、「可能性は否定できないと考えた」と述べた。当時広報担当の保安院審議官が炉心溶融の可能性を認める発言の直後に交代した経緯があり、寺坂院長の認識が注目されていた。

 寺坂院長は事故後の対応について、「多くの人が避難して不自由な状態となっており、規制部門として大変申し訳ない。結果について批判があるが、私としては精いっぱい務めてきた」と述べる一方、原発の外部電源喪失対策や住民の避難態勢など、保安院の責任を問われると「事故調査・検証委員会で作業が進められている」と回答を避けた

 「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)のデータ公表が遅れたことについては、「報道発表の少し前に知った」と弁明。事故後、記者会見にほとんど応じなかったことに「批判は真摯(しんし)に受け止めたい」と話した。【平野光芳】

毎日新聞 2011年8月10日 22時00分(最終更新 8月11日 1時07分)



「フクシマの情報公開怠り住民被曝」 NYタイムズ報道

2011/08/10

首都圏の一部も チェルノブイリ並みに汚染されている

首都圏もチェルノブイリ並みに汚染されている (日刊ゲンダイ)

【政治・経済】2011年8月9日 掲載

衝撃 1都4県土壌150カ所調査結果
 福島原発の事故による放射能汚染が首都圏でもジワジワ進んでいる実態が分かった。市民団体「放射能防御プロジェクト」は8日、首都圏150カ所の「首都圏土壌調査」を公表。東京や埼玉でもチェルノブイリ並みの「汚染区域」があちこちで見つかった。

「放射能防御プロジェクト」は放射性物質による食品汚染や健康被害を懸念する市民らが結成。5月中旬から約1カ月半かけて、東京や千葉、神奈川、埼玉などの土壌を採取し、民間の検査機関に放射性物質の含有量や分析を依頼。その結果を一覧にまとめた(記事末尾の表)。

 チェルノブイリ事故では、土壌の汚染状況に応じて4段階で居住区域などが制限された。最高レベルの「居住禁止区域」は、1平方メートル当たりの汚染濃度が148万ベクレル以上で、住民は直ちに強制避難し、立ち入りを禁止された。2番目の「特別放射線管理区域」(55万5000ベクレル以上)は住民に移住の義務が課せられ、農地利用を禁じられた。3番目の「高汚染区域」(18万5000ベクレル以上)は住民の移住の権利が認められ、4番目の「汚染区域」(3万7000ベクレル以上)は不必要な被曝(ひばく)を防止するための措置が講じられた。

 この区分に調査結果を当てはめると、例えば東京・江戸川区臨海町や、千葉・松戸市の紙敷と松戸、茨城・取手市藤代はそれぞれ「高汚染区域」に相当。埼玉・三郷市早稲田は、2番目の移住レベルに匹敵する値だ。他の地域でも「汚染区域」レベルの土壌が見つかっており、首都圏が広範囲にわたって「まだら模様」に汚染されている実態が分かる。

<巣鴨に「居住禁止」級のホットスポットが…>

 今回の調査では、「ホットスポット」も確認された。
 東京・豊島区巣鴨で採取された道路沿いの土砂から、1キログラム当たり6万超ベクレルという極めて高い値が検出されたのだ。仮に近隣の土壌が同程度に汚染されているとすれば、1平方メートル当たり401万ベクレルとなり、「居住禁止区域」レベルとなる。

 風の吹きだまりや、流れ込んだ雨水などの影響で放射性物質が局所的に集中したとみられるが、怖いのは、こうした「ホットスポット」に多くの住民が気付いていないことだ。結果公表の会見に同席した医師の土井里紗氏はこう言った。
首都圏はチェルノブイリ事故のような汚染はない、とされてきたが、(調査結果は)それを否定するもの。降り積もった(高濃度汚染の)砂塵(さじん)が風などで吹き上がれば、皮膚や粘膜に吸着される可能性もあります

 首都圏の汚染状況が徐々に明らかになってきたというのに、相変わらず遅い対応の国や自治体には呆れるばかりだ。

「フクシマの情報公開怠り住民被曝」 NYタイムズ報道

「フクシマの情報公開怠り住民被曝」 NYタイムズ報道
(8月10日1時45分 朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、米ニューヨーク・タイムズ紙は9日付紙面で、日本政府が緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)のデータを事故直後に公表することを怠ったために、福島県浪江町など原発周辺自治体の住民らが被曝(ひばく)している可能性が高いと伝えた。

 長文の記事は、菅政権との対立で4月に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘・東大大学院教授が、事故直後にSPEEDIのデータ公表を政府に進言したが、避難コストがかさむことを恐れた政府が公表を避けたと指摘。「原発事故の規模や健康被害のリスクを過小評価しようとする政府に対し、社会の怒りが増大している」と論評した。

 そのほか、原子炉のメルトダウンを裏付けるデータ公表の遅れや、校庭での放射性物質の基準値をめぐるぶれなども問題視した。(ニューヨーク=田中光)

泊原発:営業運転へ北電検査申請 政府「再稼働あたらぬ」

泊原発:営業運転へ北電検査申請 政府「再稼働あたらぬ」

 海江田万里経済産業相は9日、定期検査の最終段階にあたる調整運転中の北海道電力泊原発3号機の営業運転再開について高橋はるみ知事に文書で回答し、「すでに原子炉が起動し運転中の状態にあり、(安全評価を1次評価から受ける必要のある)再稼働にはあたらない」とする政府見解を明らかにした。経産省原子力安全・保安院の最終検査に、内閣府原子力安全委員会の審査を加え、運転再開を判断する。北電は同日、保安院の指示を受け、泊原発3号機の最終検査を申請した。

 保安院の最終検査は9、10日に実施され、結果は11日に安全委に報告される見込み。早ければ11日中に経産相の検査終了証が交付され、営業運転が可能になる。再開されれば、東日本大震災以後、定期検査中の原発としては初めてとなる。

 枝野幸男官房長官は記者会見で、3号機の最終検査について「保安院のチェックにとどまらず、安全委にもしっかり関与してもらうことが重要だという基本的考え方に基づき、安全委に意見を求める」と述べた。

 高橋知事は、国の回答とともに北電が最終検査を申請したことについて「(地元自治体が)回答を検討する(時期と)と同時に、事業者へ検査の指示を出すことは地元軽視であり、甚だ遺憾だ」と政府の対応を批判。回答内容への評価を避けた。【高山純二、大場あい、影山哲也】

毎日新聞 2011年8月9日 22時04分(最終更新 8月9日 23時40分)


「地元軽視」と高橋知事…泊原発の営業運転

 定期検査中で調整運転している北海道電力の泊原子力発電所3号機(北海道泊村、91・2万キロ・ワット)について、最速で11日中にも営業運転に移行する見通しとなった。

 北電は営業運転に移行するための最終検査(総合負荷性能検査)の受検申請を9日、海江田経済産業相に行ったが、最終検査は9、10の両日に行われ、結果は11日に予定されている原子力安全委員会で報告される見通しとなったためだ。問題がなければ北電は定期検査の終了証の交付を受け、営業運転に移行する。

 泊3号機の営業運転移行に向けては、北海道の高橋はるみ知事が国に対して質問書を提出していた。国は9日に「泊3号機は再稼働でなく運転の継続として扱う」などと回答、北電には改めて最終検査を受けるよう求め、北電がすぐに申請に踏み切った。高橋知事は申請について、「地元軽視で、甚だ遺憾だ」と、不信感を表した。
(2011年8月10日00時20分 読売新聞)

九電やらせ問題 佐賀知事「メモは真意と違う」と誘発否定

九電やらせ問題:佐賀知事「メモは真意と違う」と誘発否定(毎日新聞)

 佐賀県の古川康知事が九州電力の「やらせメール」を誘発する発言をした問題で、同県議会は9日、知事から説明を受ける原子力安全対策等特別委員会を開催した。古川知事は同社幹部に対する発言の趣旨が早期に原発を再稼働させたい考えだったことを認めたが、幹部が知事発言として残したメモについては「真意と違った形で九電に伝わった」と述べ、やらせ要請と自らの責任は否定した。

 発言メモの概要が明らかになって以降、知事が自らの発言について説明するのは初めて。メモは、知事が玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働に向け、賛成意見の投稿や県議会の工作を要請する内容で、九電はこの日の特別委に全文を提出した。

 知事は冒頭、「今回の発言でお騒がせしていることを県民に心からおわびする」と改めて陳謝し、メモについて「確かに当日話した項目が書かれている」と認めた。その上で「県民の生活を考えると夏場のピークに再稼働を間に合わせたいとの思いがあった」と早い段階から再稼働容認姿勢だったことを明らかにした。

 しかし、自らの責任については「(自分の発言とメモは)内容やニュアンスが相当違う。(やらせを)要請した事実はない。私の発言が誤解され、増幅された。責任を取らねばならないとの認識はない」と否定した。

 九電のやらせメールの舞台となった経済産業省主催の説明番組で、当時は公表されていなかった出演者を事前に九電幹部に伝えたことについては「しゃべりすぎだった」と自らの非を認めた。

 一方、自身の政治団体が玄海原発所長ら九電幹部から個人献金を受けてきたことについては「これからは受けないよう後援会に提案している」と述べ、辞退を検討していることを明らかにした。

 終了後、古川知事は報道陣に対し「私の思い、考え方を誠意を持って説明できたと思う」と述べた。

 メモは6月21日に古川知事と面談した段上守・九電副社長(当時)の指示で、同席した佐賀支社長が作成。その後、同社原子力部門の社員約100人にメールで配信され、九電の「やらせメール」につながった。特別委は23日も審議し、参考人として段上氏や佐賀支社長ら3人の出席を求めることを決めた。【斎藤良太、竹花周】

毎日新聞 2011年8月9日 21時16分


九電やらせ問題:古川知事発言 佐賀支社長メモ全文

2011年8月9日 20時3分

 九電佐賀支社長作成のメモ全文は以下の通り(実物はA4判2枚の横書き。左上に「関係者外秘」の判が押されている)。

平成23年6月21日

 段上副社長・諸岡常務退任挨拶(あいさつ)メモ

 1・日時 平成23年6月21日 8時50分~9時15分

 2・場所 知事公舎

 3・挨拶先 佐賀県 古川知事 (当社)段上副社長、諸岡常務、大坪支社長

 4・内容 副社長、常務から退任の挨拶を行った後、懇談に入った。以下、古川知事発言のみ記載

 ○発電再開に向けた動きを一つ一つ丁寧にやっていくことが肝要である。

 とりあえず、「国主催の県民向け説明会」を26日(日)午前中に開催することとなった。その後、月末から来月初めにかけて「経済産業大臣に来県」いただく予定である。

 ○20日から始まったIAEA閣僚級会議にも注目しており、国には「IAEAから緊急時対策を評価するコメント」を出してもらえるように説得工作すべしと進言しているが、国側は「今回は裁かれる側の立場なので言いにくい」と頼りない返答ぶりであった。

 ○「国主催の県民向け説明会」は、ケーブルTVやインターネットで中継し、県民の代表者5人程度が質問する形で開催する予定である。

 ・県民5人の構成をどうするかだが、一人は商工会議所の島内専務理事を予定している。

 ・反対派も一人入れようかと考えたが、反対を標榜(ひょうぼう)する人達(たち)にもいろいろな考えがあり、複数のグループから代表者を一人選抜することが難しいとのことであったため、残りは県民代表として普通の参加者を選ぶことになるであろう。(イベント企画会社が運営する予定)

 ・普通の人に素朴な疑問をぶつけてもらうのが会の趣旨に沿うことになると思う。反対派はかなり勉強もしており、専門的議論になってしまうと、一般県民にはつまらなくなる懸念がある。

 ○県民の不安は原子力発電所そのものではなく、目に見えない放射線への恐怖に対してである。それに答えるべき保安院は全く信用を失っている状況。そのような不安に答えるために長崎大学の放射線医学の専門家に同席してもらうことも考えているが、国主催の説明会なので難しいかもしれない。(専門家の承諾が貰(もら)えないかもしれないとのこと)

 ○今後の動きに関連して、以下の2点を九電にお願いしたい。

 (1)自民党系の県議会議員さんはおおかた再起動の必要性について分かっているが、選挙を通じて寄せられた不安の声に乗っかって発言している。議員に対しては、支持者からの声が最も影響力が大きいと思うので、いろいろなルートで議員への働きかけをするよう支持者にお願いしていただきたい。

 (2)「国主催の県民向け説明会」の際に、発電再開容認の立場からも、ネットを通じて意見や質問を出して欲しい。(6月2日の県執行部に対する保安院説明時と同じ対応をお願いしたい)

 ○このような段取りを踏んでいく際、危惧される国サイドのリスクは「菅総理」の言動である。発電再開に向けての総理自身のメッセージが発せられない。全国知事会議では、発電再開に向けてのメッセージを読み上げる予定で、経産省とすり合わせた原稿が用意されていたのに、その場になって読み上げてくれなかった。6月末から7月にかけて「菅さん」が首相のままかどうか分からないが、首相の言動で考えているスケジュールが遅れることを心配している。以上

九電幹部 やらせ調査妨害 関係資料廃棄を指示

九電幹部 やらせ調査妨害 関係資料廃棄を指示
(朝日新聞 8月10日0時45分)

 九州電力の「やらせメール」問題などを調べている第三者委員会の郷原信郎委員長(名城大教授、弁護士)は9日夜、福岡市内で緊急に記者会見し、原子力発電本部の幹部が住民説明会の関係資料を廃棄するなど、調査を妨害していたと発表した。

 郷原氏によると、九電の経営管理本部が社内調査のため7月21日、原発本部に玄海原発(佐賀県玄海町)のプルサーマル計画を巡る住民説明会の資料について提出を求めた。これに対し、原発本部の中村明・副本部長(上席執行役員)が「個人に迷惑をかけるような資料は抜いておけ」などと部下に指示。2、3冊のファイルから、一部の文書が廃棄されたという。

 第三者委の要請に基づき経営管理本部は8月5日、佐賀支社にも資料の提出を求めたが、中村氏は同日中に廃棄を指示。社内から第三者委に情報提供があり、捨てられる直前にファイル15冊を確保できたという。

 中村氏は8日に第三者委に、廃棄の指示を認めたという。9日夜、朝日新聞の取材には、資料は様々な折衝メモで、役人や原発の地元住民らの個人情報が含まれていたと説明。「間違えて書いている部分があってはいけないので、迷惑がかからないように考えろ」と部下に指示したという。


九電、提出求められた資料廃棄 指示した幹部「自分の判断」
やらせメール調査で
(日本経済新聞 2011/8/10 1:28)

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール問題」に絡み、同社が設置した第三者委員会の郷原信郎委員長(弁護士)が9日、福岡市内で記者会見し、原子力発電本部の中村明副本部長(上席執行役員)が、第三者委などが提出を求めたプルサーマル発電導入に関する証拠の資料廃棄を指示していたと発表した。実際に資料の一部が廃棄されたという。

 中村副本部長は第三者委の調査に「個人に迷惑のかかるような資料の廃棄を指示した」と説明。郷原委員長は個人について「政治家や県、経済産業省の関係者などの可能性がある」との見方を示した。

 9日夜に日本経済新聞の取材に応じた中村副本部長は、迷惑がかかるとした「個人」について「役所とか地元とかいろんな人がいる」と説明。資料は「(役所などとの)やり取りや折衝のメモ」だとした。上司の指示については「なかった」と話し、自分の判断だったと主張した。

 廃棄対象となった資料の具体的内容は判明していない。郷原委員長も「個人」の具体的な名前には言及しなかった。

 郷原委員長によると、7月21日、社内の調査を担当していた同社経営管理本部が原子力発電本部に対し、プルサーマルに関する資料をすべて提出するよう要請。しかし、2、3冊の関連ファイルの中の一部が抜き取られて廃棄された。

 7月27日の第三者委発足後の8月5日には佐賀支社でも、経営管理本部が提出を求めたプルサーマルの関連資料15冊を廃棄しようとしていた。同月8日に郷原委員長に内部告発が寄せられ、廃棄前に資料を回収した。

 郷原委員長は「ここまで露骨な証拠隠しは経験したことがない。重大なコンプライアンス違反。九電の体質にかかわる問題かどうか明らかにしないといけない」と述べ、第三者委で調査する方針を示した。

 中村副本部長は原子力発電本部のナンバー2。これまでの第三者委の調査では、トップの原子力発電本部長の指示や関与は確認されていないという。第三者委はこのほかにも調査に協力せずに廃棄した資料がないか調べている。

放射性物質:小名浜の魚が規制値超え グリーンピース調査

放射性物質:小名浜の魚が規制値超え グリーンピース調査(毎日新聞)

 環境保護団体グリーンピースは9日、福島県内の漁業関係者らの協力で7月に採取した海産物の放射性物質の独自調査結果を発表した。同県いわき市の小名浜港で採取した魚の身から、暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムを検出。最大値はクロメバルの1053ベクレルだった。

 グリーンピースは「放射性物質には絶対に問題ないという内部被ばくの許容量はない。摂取量を可能な限り低く抑える必要がある」と指摘。魚介類のモニタリング強化や、商品に放射性物質の数値などの表示を義務付けるよう求める要請書を9日、菅直人首相らにあて提出した。

毎日新聞 2011年8月9日 20時42分

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