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2012/02/22

3月10日 チェルノブイリハート上映会&中村隆市さんトーク

3月10日福岡県糸島市で、チェルノブイリ医療支援で経験してきたことやをします。

■いのちの映画祭自主企画上映会■

チェルノブイリハート上映会&中村隆市さんトークCafé

■とき:2012年3月10日(土)14:00~17:00

 13:00 開場
 14:00 上映会
 15:10 休憩
 15:30 中村隆市さんトークCafé
 17:00 終了

■ところ:糸島市人権センター 大会議室

■前売り:1200円 当日:1500円 (中学生以下は無料)

■チケット購入方法
  A)「お名前、人数、連絡先(メールかtel)」を明記の上、
   itonanohana@yahoo.co.jp までお申し込み下さい。
   代金(1200円)は当日受付にてお支払い下さい。

  B)チケット取扱店にて前売り券を購入、または当日清算券にてご予約下さい。 
  <取扱店>
  ・糸島くらし×ここのき ・のたり ・伊都安蔵里 ・RUSTIC BARN
  ・STUDIO KURA ・CADILLAC RANCH ・海辺YOGA-STUDIO LOTAS     
  ・和楽mama ・日と月  ・Banzo ・モバイルキッチン HINODE
………………

 映画「チェルノブイリハート」は、事故後16年後のベラルーシで、今なお続く被ばく被害の事実に迫り、その被害の多くは、何の罪もない子ども達であるという現実を痛切に伝えているドキュメンタリー映画です。
http://www.gocinema.jp/c-heart/

この映画を通して、同様のリスクを日本の子どもたちに背負わせてしまうかもしれないという「正しい危機感」を、私たち大人は持ち続ける必要があると考えています。単に不安をあおるのではなく、また、未来を否定するのでもなく、本当に描きたい未来を自分で選択するためには、まず、自分を取り巻く現実を直視し、それを自分事としてとらえ、多様な視点で検討しながら学び続けることが大切です。

そのために、映画上映後には、90年からベラルーシの医療支援に携わり、現地にも7回足を運ばれていらっしゃる中村隆市さんに、映像だけでは伝わらないベラルーシの姿や、今の日本が抱える様々な問題について丁寧に語っていただくことにしました。

今なお続く犠牲の数々。その痛みに寄り添いながら、そこから何を学び、どんな明日へとつなげていくことができるのか…集った皆さんと共に考える時間を作りたいと思っています。

■中村隆市さんプロフィール■
1955年福岡生まれ。(株)ウィンドファーム代表。
環境NGO「ナマケモノ倶楽部」世話人。 スロービジネススクール校長。
 19歳で水俣病と出会い、環境運動に関わりながら山村に移住。
無農薬で米と野菜をつくり、鶏を飼いながら有機農業の普及活動に取り組む。
86年チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品が途上国にまわされたと知り、
「途上国の子どもたちが気になり始めた」。
それが中南米やアジアの農民とフェアトレード(公正貿易)を始めるキッカケとなる。

90 年から チェルノブイリ原発事故被害者の医療支援を続け、98年から「有機コーヒー・フェアトレード国際会議」を日本、ブラジル、エクアドルで開催。2000年ブラジル初のオーガニックカフェを開店。04年ブラジルのマッシャード市から有機農業とフェアトレードを普及した功績により名誉市民章を受章。同年「いのちを大切にする仕事」を広めるためにスロービジネス・スクールを設立。

06年から福岡県田川郡に「ゆっくり村」という名のエコ・コミュニティをつくり始め、農的な暮らしをベースに「買う 豊かさ」から「つくる豊かさ」への移行を楽しみながら進めている。08年からは、青森県六ヶ所村に「東北あしたの森」という名の大きな森があるエコビレッジをつくり始めている。著書に『スロービジネス』(ゆっくり堂)。 『考える絵本 しあわせ』のモデル。
ブログ http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze

・・・・・・・

■託児について
●要予約・6か月以上の未就学児に限ります
 ●料金:800円 (マクロビおやつつき)  ●定員:20名
 ●お子様の氏名、年齢(月齢)、緊急連絡先を明記の上 itonanohana@yahoo.co.jp まで
お申し込み下さい(*2月29日まで!)

*小学生を対象とした「こうもり先生のアートワークショップ」も別室で開きます。
 詳細はhttp://nanohana.aikotoba.jp にて…

■主催  いとしま菜の花プロジェクト 
■協力  グリーンコープ生協ふくおか
?ウィンドファーム いのちの映画祭・実行委員会
     *この上映会は「いのちの映画祭」の自主企画上映として開催されます。
      

草の根線量測定 広がる 9都県30市民団体 初会合

草の根線量測定 広がる 9都県30市民団体 初会合
(2012年2月20日 07時04分 東京新聞)

 福島第一原発事故後の食品や環境の放射能汚染を測っている団体が「全国市民放射能測定所ネットワーク(仮称)」をつくり、十九日に東京都内で初会合を開いた。測定所の運営態勢について意見交換し、高い数値が出た場合の多重チェック、研究者との連携などの提案が相次いだ。

 測定所ネットは、専門性が高い放射線測定の方法や検査データの共有を目的に昨年十月、父母らでつくる約三百団体が加盟する「子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク」の集会で、福島県の市民測定所「CRMS」が提案した。メーリングリストで北海道から福岡県までの約百六十人が、測定器選びや測り方のコツを話し合ってきた。

 初会合には、福島県や首都圏など九都県で測定所を運営したり、開設準備中の約三十団体の約五十人が参加した。測定の技術をめぐり「放射能は同じ検体を測るたびに数値がゆらぐので、どう見たらいいか」「測定器の汚染を防ぐ方法は」などと、放射能測定に独特な課題が出された。

 測定を希望する人のため、全国の測定所の場所が分かる地図を作るアイデアも出た。「測定依頼者にデータを説明するため、内部被ばくに関する学習が必要」「放射線の測定には限界があることを理解していただかなくては」といった意見もあった。

 CRMSの丸森あや理事長は「測ることが目的ではなく、例えば福島ならどうやって防護するかなど、その先にあるものを忘れないようにしたい。定期的に情報交換してレベルアップし、息の長い活動の助け合いの場に」と話した。

(東京新聞)

2012/02/19

米国環境保護庁 ダイオキシンの発ガン性以外の健康リスクを評価

米国EPA、27年ぶりにダイオキシンの発ガン性以外の健康リスクを評価
(掲載月日:2012年2月19日 独立系メディア E?wave)

池田こみち 環境総合研究所

 日本ではすでにダイオキシン問題は終わったかのように言われて久しいが、今週は全米の環境問題、医療問題に取り組むNGO、NPOにとって大きな節目となる発表があり、大いに盛り上がった。

 それは、日本ではすでに常識と考えられているダイオキシン類による発ガン性以外の健康影響がようやく米国環境保護庁(以下、EPAと略)によって評価され報告書が発表されたことに起因している。

 米国EPAはこれまでダイオキシンのリスクとして、発ガン性(癌の誘発と癌への変異)を最も重視し、それ以外の健康影響には明確に認めていなかった。27年の永きにわたり、多くの市民、市民団体が闘いを続けてきたが、化学工業界の強力なロビー活動により市民の訴えは阻まれてきたのだ。

 そのため、2012年2月17日のEPAの発表は、まさに彼ら活動家たちにとっての「闘いの勝利」であり、大いに盛り上がり、全世界の仲間たちに情報が伝達された。

 これにより、ますますダイオキシンの低濃度曝露による多面的な健康被害が大きな問題になると思われる。そんな中日本では依然として焼却主義が蔓延しているという状況を見るに付け、市民の意識の低下、市民活動の盛り上がりの欠如に忸怩たる思いがある。

 以下、簡単に国際POPS低減ネットワーク(IPEN)のダイオキシンWGのMLに送られてきた報告を翻訳したので報告しておきたい。翻訳は一部意訳となっていることをご承知の上ご覧いただきたい。

 池田こみち

全文はコチラ

放射能基準を緩めたタイ 「日本向け輸出缶詰は、日本産が95%」

福島原発の事故以前は、放射能汚染食品の輸入基準が厳しかったタイが、原発事故の翌月に基準を緩和し(6ベクレル/kg → 500ベクレル/kg)日本からの輸入量を大幅に増やした。そして、「タイの日本向け輸出缶詰は、日本産が95%」となっている。

<福島原発事故から1週間後>
日本からの輸入食品に放射能検査を開始―生産地など明記した書類が必要に(タイ)
(2011年3月18日 JETRO 日本貿易振興機構 バンコク・センター発)

保健省食品医薬品局(FDA)は3月16日、バンコク市内で食品輸入業者などを対象に説明会を開催し、日本から輸入される食品に対する放射能検査の実施を明らかにした。2段階に分かれる検査のうち、現在は1段階目にあり、検査結果を待つことなく通関できるサンプリング検査にとどまる。ただし、3月15日以降日本から輸入される食品は、輸入の際、輸入港のFDA事務所に生産地、生産日、食品の種類を明記した書類の提出が求められる。

<国内消費者の安全確保が目的>
「日本から輸入される食品の放射能汚染に関して」と題する3月16日の説明会で、FDAは今回の放射能検査の背景と内容を説明した。
冒頭、FDAのピパット長官は、日本の原子力発電所の状況に関連して国内の消費者から、日本の食品の安全性と放射能汚染の有無について、多くの問い合わせがあったことを明らかにした。
同長官は「現時点で、日本の食品に放射能汚染は確認されていない」としながらも、放射能による汚染は、食品に付着する直接的なものと、大気や土壌中の放射能を農産物が取り込む間接的なものとがあるとして、今回の措置は、国内の消費者の安全確保のために必要な対応だと述べた。

<食品中のセシウム137の量で汚染を判断>
FDAは、1979年食品法(Food Act B.E.2522)に基づき、輸入食品のモニタリング検査を実施している。放射能検査についても、86年のチェルノブイリ原子力発電所の事故を受け、保健省告示第102号「放射能汚染を受けた食品に関して」が、88年にはその改正告示第116号がそれぞれ施行されている。今回の検査はこれらの告示を根拠として実施される。
告示第102号の第2項では、放射能汚染を受けた食品の規制について、セシウム137(Cs?137)の検出量が以下の基準値を超えないことと定めている。

(1)生乳:7ベクレル/リットル
(2)粉乳、乳製品、幼児用食品:21ベクレル/キロ
(3)穀物およびその他の食品:6ベクレル/キロ

FDAは、基準値を超えるセシウム137を含む食品を輸入した者に対しては、5万バーツ(約 15万円)以下の罰金を科すことになると説明している。


<福島原発事故から1ヵ月後>
日本からの輸入食品に新基準等を導入(タイ)
(2011年4月12日 JETRO 日本貿易振興機構 バンコク事務所発)

保健省食品医薬品局(FDA)は4月11日、放射性物質に汚染された食品に関する新基準と、放射性物質による汚染の可能性がある食品の輸入条件に関する保健省令をそれぞれ官報告示した。これらの保健省令は翌4月12日より施行されている。福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉の12都県で生産された食品の輸入に際しては、食品の種類、生産地のほか、放射性物質の量が明記された書類の提出が求められる。

<食品中のヨウ素131、セシウム134および137の量で汚染を判断>
今回施行された保健省告示「放射性物質汚染食品の基準」(注1)では、放射能汚染を受けた食品の規制にあたり、これまで食品の汚染の判断に用いてきたセシウム137のみならずセシウム134とヨウ素131も加え、これら放射性物質の検出量が以下の基準値を超えないことと定めることになった。

(1)ヨウ素131:100ベクレル/kgもしくはリットル
(2)セシウム134とセシウム137の合計:500ベクレル/kgもしくはリットル

今回の新告示の施行を受け、86年のチェルノブイリ原子力発電所の事故以来、食品中の放射性物質検査の根拠となってきた保健省告示第102号「放射能汚染を受けた食品に関して」およびその改正告示第116号は廃止されることになった。


★タイの日本向け輸出缶詰は、日本産が95%(2003年)>4月にタイの、放射性物質の食品輸入基準が緩和されていた、輸出の激増
(2012/02/17 portirland)

班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」

班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」
(2012年2月18日 東京新聞)

 原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は十七日、定期検査で停止中の原発を再稼働する条件とされている安全評価(ストレステスト)の一次評価について「再稼働とは関係ない。二次評価まで終わらなければ、安全性の判断はできない。一次評価は安全委が要求している(安全性の)レベルに達していない」との見解を示した。 

 安全委で一次評価結果が妥当か否かを審査中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題に影響を与えそうだ。

 民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム事務局長の川内博史衆院議員との会談の中で述べた。

 経済産業省原子力安全・保安院は十三日、関電が提出した大飯原発3、4号機の一次評価結果を「妥当」とする審査書を安全委に報告。安全委も妥当と判断すれば、政府は福井県など地元自治体の同意を得たうえ、首相と関係閣僚の判断を経て、早期に再稼働したい意向だ。しかし、班目委員長が「一次評価は再稼働に関係ない」との認識を示したことで、安全委に再稼働の可否を判断する権限はないものの、福井県が一段と再稼働への慎重姿勢を強める可能性がある。

 安全評価には、定期検査で停止中の原発の再稼働の条件となる一次評価と、全原発対象の二次評価がある。一次評価は核燃料の溶融を防ぐ対策のみ、二次評価は核燃料が溶融する深刻な事故の対策までを対象とする。

「原発安全審査、不十分だった」 班目・寺坂両氏が謝罪
(2012年2月15日21時1分 朝日新聞)

 東京電力福島第一原発事故の原因を検証する国会の事故調査委員会は15日、参考人として、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長から、事故時の対応や原発規制などについて聴取。両氏は原発の安全審査指針が不十分だったと認め、謝罪した。

 班目氏は、原発の立地基準や設計についてまとめた原子力安全委員会の安全審査指針について、津波や長時間の電源喪失に対する十分な記載がなかったことに言及。「瑕疵(かし)があった。誤りがあったと認めざるを得ない」と陳謝。寺坂氏も「安全規制担当者として、本当に申し訳ない」と語った。

 事故調の黒川清委員長は聴取後の記者会見で「(現在の)審査指針は全面的な改定が必要。緊急時の備えができていない」と述べた。


原発安全指針に「明らかな誤り」…班目氏が陳謝

(2012年2月15日20時49分 読売新聞)

  内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は15日、国会の「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」(委員長=黒川清・元日本学術会議会長)に参考人として出席し、原発の津波対策や全電源喪失などに関する国の安全指針について、「瑕疵(かし)があったことは認めざるを得ない。おわび申し上げたい」と陳謝し、指針の抜本的な見直しが必要との認識を示した。

 班目氏は従来の指針の問題点に関して、「津波に対して十分な記載がなかったことや、原発の電源喪失は『長時間は考えなくていい』と書くなど、明らかな誤りがあった」と指摘した。

 そのうえで、「諸外国で(厳しい安全指針が)検討されている時に、日本ではそこまでやらなくていいという言い訳ばかり時間をかけて、意思決定ができにくいシステムになっている。そのあたりに問題の根っこがあるのではないか」と語り、構造的な問題があるとの認識を示した。

 今回は事故調査委にとって初の本格的なヒアリングとなった。班目氏のほか、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長も参考人として出席し、「(原発事故への)備えができていないままに今回の事故が生じてしまった。規制当局としても問題があった」と述べ、安全対策が不十分だったと認めた。
(2012年2月15日20時49分 読売新聞)

保安院の専門性「不十分」=前院長が認める?福島原発事故の国会事故調

 東京電力福島第1原発事故で、国会の事故調査委員会(委員長=黒川清・元日本学術会議会長)は15日、4回目の会合を開き、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長と内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長から事情を聴いた。寺坂氏は保安院の能力について「専門性、知見、習熟度において、米国などと比較すると十分なものではない」と認めた。
 当時の保安院トップが能力不足を認めた発言は、事故の背景に規制制度の欠陥があることを改めて浮かび上がらせた。(2012/02/15-20:21)


【原発】トップ2人謝罪…脆弱な事故対応浮き彫り

(02/16 05:50 テレ朝NEWS)

 福島第一原発の事故で、原子力安全委員会の班目委員長ら2人が国会の事故調査委員会に参考人として呼ばれ、謝罪しました。当時の脆弱(ぜいじゃく)な対応振りが浮き彫りになりました。

 原子力安全委員会・班目春樹委員長:「(安全審査の指針に)瑕疵(かし)があったことは認めざるを得ない。(電源喪失対策は)言い訳というか、やらなくていいという説明ばかりで、抵抗があってもやるんだという意思決定がしにくいシステムだ」

 班目委員長は、「過酷な事故が日本では起きないという言い訳が通用しないのは明白だ」と規制を強化する考えを示しました。保安院の寺坂前院長も、「安全規制担当者として、本当に申し訳ない」と謝罪しました。また、事故直後に官邸を離れた経緯について、「私は事務系なので、技術的に分かった人間を残した」と説明し、委員からは「トップが原子力の知見を持っていないのか」と揶揄される一幕もありました。官邸とは電話で数回連絡しただけだったということです。

斑目委員長陳謝“安全指針に瑕疵”
(2月15日 18時59分 NHK)

国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は、国会に設置された原発事故調査委員会に参考人として出席し、原発の安全対策を示した国の指針について「瑕疵(かし)があったことは、はっきり認めざるをえない。おわびする」と陳謝したうえで、見直しを進める考えを示しました。

15日に開かれた国会の原発事故調査委員会には、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長と、原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長の2人が参考人として出席しました。
この中で班目委員長は、原発の安全対策を示した国の指針について「いろんな意味で瑕疵があったことは、はっきり認めざるをえない。津波に対する十分な記載がなかったり、すべての電源の喪失も『長時間考えなくてもいい』とされていた。原子力安全委員会を代表しておわびする」と述べたうえで、見直しを進める考えを示しました。
また、班目氏は、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムのデータの扱いについて「迅速に公開されていたらもっとうまく避難できたというのは、全くの誤解だ。しかし、データの公開は早い時期にされてしかるべきものだった」と述べました。
一方、原子力安全・保安院の寺坂前院長は、政府の原子力災害対策本部の議事録が作成されていなかったことについて「事故発生当時の事務局長として、大変申し訳ないと思っている。概要的なものは途中からは残されているので、復元する作業を行っている」と述べました。
国会の原発事故調査委員会のあと、黒川委員長は記者会見し、「班目氏が、原発の安全対策を示した国の指針が不十分であったことを認めるなど、今後の調査に向けて極めて参考になるヒアリングだった。緊急時の備えが、極めて出来ていなかった。原発事故を引き起こした日本としては、国際的に認識されるような安全基準をつくる責務がある」と述べました。

SPEEDI:班目氏「避難に使えぬ」…国会事故調
(毎日新聞 2012年2月15日 22時02分)

原発事故調の第4回委員会で、参考人として答弁する班目春樹原子力安全委員会委員長=国会内で2012年2月15日午後2時、手塚耕一郎撮影
原発事故調の第4回委員会で、参考人として答弁する班目春樹原子力安全委員会委員長=国会内で2012年2月15日午後2時、手塚耕一郎撮影

 東京電力福島第1原発事故に関する国会の事故調査委員会(委員長、黒川清・元日本学術会議会長)は15日、東京都内で第4回委員会を開いた。会合には原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長が出席。班目氏はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)に関し、「計算には1時間必要で、風向きが変わる場合がある。SPEEDIが生きていたらうまく避難できていたというのが誤解だ」と述べ、住民避難に生かすのは困難だったとの見解を示した。また、原発に関する国の安全指針について「瑕疵(かし)があった」と陳謝した。

 政府のマニュアルでは事故の場合、保安院が緊急時対策支援システム(ERSS)を起動して放射性物質の放出源情報を把握。SPEEDIで放射性物質がどこに拡散するか予測することになっている。しかし、今回の事故では、地震による原発の外部電源喪失により、ERSSからのデータ送付ができなくなって拡散予測はできず、避難区域設定への活用もできなかった。

 班目氏は「SPEEDIの予測結果に頼った避難計画にしていること自体が問題で、直ちに避難するようなルールにしておくべきだった」と述べた。

 安全委によると、仮にERSSからデータが届いていたとしても、今回の事故では水素爆発や炉心溶融などシステムの想定外の出来事が起きていたため、正確な計算ができず間違った予測結果になっていたという。

 また、班目氏はこれまでの国の安全指針について「津波について十分な記載がなく、長時間の全交流電源喪失も『考えなくてよい』とするなど明らかに不十分な点があった。おわび申し上げる」と謝罪。その要因について「諸外国では検討しているのに、我が国ではそこまでやらなくてもいいという言い訳ばかりに時間をかけ、意思決定がしにくい状況にあったことが問題の根底にある」と指摘した。

 一方、寺坂氏は事故に関する政府の議事録が作られていなかった問題について、「事故当初に対応できていなかったのは申し訳ない。公文書管理法上も問題がある」と陳謝した。【岡田英、比嘉洋】

毎日新聞 2012年2月15日 22時02分(最終更新 2月16日 0時47分)

2012/02/18

「日本は災害瓦礫処理でも『焼却主義』の大愚」 青山貞一

がれき受け入れ問題:黒岩知事が現行案撤回、地元拒否で「ほかの知恵を」/神奈川
(2012年2月17日(金)23時40分配信 神奈川新聞)

県最終処分場(横須賀市)への震災がれき焼却灰の受け入れ問題で、黒岩祐治知事は17日、「前に出した提案は撤回せざるを得ない。同じことを繰り返しお願いすることはない」と述べ、現行の計画をいったん撤回する意向を表明した。一方で「何らかの形で受け入れたいという思いは変わっていない。ほかの知恵を出さなければいけない」とも述べ、引き続き受け入れを模索する考えを示した。

処分場周辺町内会から撤回を求める要請を受けた後、県庁内で記者団に述べた。

また同趣旨の要請を受けた吉田雄人横須賀市長は、受け入れを拒否する姿勢を鮮明にした。

撤回要請は周辺10町内会でつくる大楠連合町内会(長谷川俊夫会長)の総意として提出。県と協定を結んでいる芦名町内会も名を連ねている。

要請書は放射性物質に対する処分場の管理・除去能力や農水産物への風評被害などを問題視。「被災地支援の思いは同じだが、子どもたちの未来に不安を残す選択はできない」として、計画の撤回や芦名町内会と結んでいる協定書の改訂断念などを求めた。知事の唐突な受け入れ表明や記者会見での発言も批判している。12日付の決議文も添えた。

長谷川会長ら6人が県庁を訪れ、非公開で約40分間、知事らと会談した。

知事はその中で、発言に対する反省のほか「地元にじっくり話す機会を逸して申し訳ない」と陳謝したという。

会談後、知事は記者団に、撤回の対象について「(放射性セシウム濃度が)1キログラム当たり100ベクレル以下などと説明したパッケージ」と表現。搬入物の条件を見直す考えを示唆した。一方、長谷川会長は今後の県との話し合いについて「百パーセント拒否ということはない。知事の気持ちを聞くことはやぶさかではない」と述べ、県側の新たな提示内容次第で協議に応じる姿勢を示した。

連合町内会はその後、横須賀市役所で吉田市長に面会。吉田市長は、受け入れ拒否の姿勢かとの記者団の質問に「地元に寄り添うとはそういう趣旨」と述べ、早い時期に知事と面会したい意向を示した。

日本は災害瓦礫処理でも「焼却主義」の大愚
青山貞一 東京都市大学大学院
(2012年2月19日 独立系メディア E?wave Tokyo )
         
 3.11の東日本大震災・津波とそれに続く福島原発事故は、私たち日本国民にとって、いまだかつてない多くの問題を突きつけてきた。とりわけ前代未聞の原発事故がもたらした放射性物質に汚染された災害廃棄物の国による広域処理推進の方針は、現在、日本の津々浦々の基礎自治体であらたな問題を引き起こしている。

 周知のように、3.11直後から国や東京電力は、「想定外」という言葉を乱発し「千年に一度の自然災害」を強調してきた。しかしながら、歴史をひもとけば誰でも分かるように、比較的甚大な津波ものだけをとっても、次のようなものがある。

  869年 貞観三陸津波
 1611年 慶長三陸津波
 1896年 明治三陸津波
 1933年 昭和三陸津波
 2011年 東日本大震災・津波

 このように我が国では、千年に一度ではなく、百年に一度は類似の大震災や津波が三陸及びその周辺地域で起きてきたと言える。国や東京電力がことさら千年に一度あるいは想定外を繰り返すのは、その後の国家賠償や民事の損害賠償の免責をねらうレトリックであることは容易に分かるというものだ。

 ところで筆者らは3.11の大震災以降、昨年末までに都合9回、被災地を現地調査してきた。また福島県にも6回、放射線測定ででかけた。そこで見たこととして、「3.11」が過去の震災・津波と明らかに異なるのは、災害廃棄物(以下単に瓦礫)の量と質のすさまじい多様さにある。

 福島県を中心に被災地の瓦礫にはコンクリート片、木材等の建材、プラスチック類、金属類、生ごみ(魚類、水産加工物等)、油類など、まさに現代経済社会を象徴そして反映する多種多様なものが含まれている。

 初期段階での環境省調査によれば、内訳は可燃ごみ(柱、壁、家具)23%、不燃ごみ(コンクリート等)66%、不燃ごみ(金属くず)2%、不燃ごみ(家電等)4%と報告され、本来その多くは家庭から出る一般廃棄物として処理されるものである。

 だが現地を子細に調査すると、多くは産業廃棄物の様相を呈している。加えて問題解決を複雑かつ困難としているのは、福島原発事故により周辺に移流、拡散、飛散し沈降した大量の放射性物質が瓦礫、下水汚泥、浄水発生土、通常の焼却炉の焼却残渣(主灰、飛灰など)に高濃度に濃縮され含まれていることである。

 これら瓦礫の量は太平洋沿岸域で2011年8月30日現在、岩手508万t、宮城1,584万t、福島228万t、青森22万t、茨城50万t、千葉12万tと実に2,400万トン超に達しており、その後も増え続けている。平成21年度の日本の一廃の年間排出量が4,625万tなので瓦礫の総量はその半分に相当する。

 さらに、実際には上記に加え膨大な数の船舶、自動車などの廃棄物もある。また保管されていた農薬類、PCBを含む化学物質、重油・石油・ガソリンなどの燃料・油類が津波で流出し、海水と共に瓦礫に付着ししみ込んでいる。また古い建築物が破壊され、そこからアスベストが流出している可能性も高い。川や海の底質から高濃度の砒素が検出されているという調査報告もある。

 もともと日本は人口で約4倍、面積で約40倍の米国よりも廃棄物の焼却量が多く、先進諸国のなかで飛び抜けた「焼却主義」をとってきた国である。こうした多種多様な汚染物質が渾然一体となった災害廃棄物を通常の一般廃棄物と同様に全国各地の基礎自治体で焼却処理そして処分することには極めて問題が多い。

 歴史を見れば明らかなように、先進諸国はゴミを燃やせばダイオキシン類などの有害物質が生ずるとして早くからゴミの焼却量を減らし、厳しい規制基準を制定してきた。しかし、日本はと言えば、1999年に起きたいわゆる所沢ダイオキシン大騒動に至るまで法規制をせず、ゴミ処理を優先しまさに野放図としてきた。

 いうまでもなく、瓦礫を焼却すれば、飛灰、焼却灰、煙、下水に、浸出水などに放射性物質が濃縮されて残る。

 もとより、廃棄物の焼却は、焼却しない場合と比べて非意図的な有害化学物質が多数生成される。この研究分野の国際的第一人者である宮田秀明大阪工大教授(元摂南大学薬学部教授)によれば、プラスチックを含む廃棄物を焼却すれば、「短時間で1種類の化合物から千種類もの非意図的物質が生成される」と述べている。

出典:プラスチック焼却の問題点、宮田秀明摂南大学薬学部教授
    (現在、大阪工業大学教授)

出典:プラスチック焼却の問題点、宮田秀明摂南大学薬学部教授
    (現在、大阪工業大学教授)

 同様のことをゴミ弁護会長の梶山正三弁護士(理学博士)も東京都日の出町広域最終処分場に関して東京地裁八王子支部で開かれた行政訴訟の公判で述べている。さらに、この分野で

 このようにさまざまな物質が付着、混ざった災害廃棄物を被災地から各地の市町村の焼却炉で安易に焼却処理することは、セシウム137などの放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどを未汚染地しかも人口の超密集地域に広め新たな問題を作り出すことになりかねない。

 またライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた残飯はじめ下水汚泥など有機廃棄物の処理方法毎の環境負荷比較でも、焼却処理が最も環境負荷が高いという東京都市大学大学院環境情報学研究科湯龍龍氏(現在博士課程)の研究論文がある。

 さらに温室効果ガスに関して、日本政府は京都会議(COP3)以降、廃棄物焼却由来の二酸化炭素を総負荷量から除外しているが、焼却した場合は、しない場合に比べ二酸化炭素の排出がかなり増えること、また有機物を堆肥化した場合に発生するメタンガス量を考慮したとしても、廃棄物の焼却による温室効果ガス量が多くなるという東京都市大学大学環境情報学部環境情報学科の佐藤直樹氏の卒業研究論文もある。

 このように、国がさしたる根拠もなく、放射能レベルが低いことのみを理由に瓦礫を広域処理しても問題ないと結論づけたことは、熱力学第二法則など物理学の原理からしても過ちであると言える。また放射性物質が最終的に海に流れ込めば、食物連鎖、生物濃縮により魚介類が高度の汚染されることを知らねばならない。

◆青山貞一: 福島原発事故で、本当に怖いのは魚介汚染 You Tube

 にもかかわらず環境省は2011年5月以降、非公開の「災害廃棄物安全評価検討会」を重ね、途中からは議事録も公開せず、さらに最新の情報開示では環境省は議事録もつくっていないと情報開示請求をしている鷹取敦氏に通知している。その上で、さしたる根拠なく広域処理を正当化してきたことはきわめて遺憾であり、およそ民主主義国家にあるまじき行為であると思える。

環境省「災害廃棄物安全評価検討会」委員名簿

井口 哲夫
 名古屋大学大学院工学研究科教授
大垣 眞一郎(座長)
 独立行政法人 国立環境研究所理事長
大迫 政浩     
 独立行政法人 国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長
大塚 直
 早稲田大学大学院法務研究科教授
酒井 伸一
  京都大学環境科学センター長
杉浦 紳之
 独立行政法人 放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長
新美 育文
  明治大学法学部専任教授
森澤 眞輔
  京都大学名誉教
出典:環境省公式Web

 これについては、環境総合研究所の鷹取敦調査部長による一連の論考を見て欲しい。科学的根拠がない、あるいは乏しいことを無理矢理強行しようとするから国の検討会を非公開にし、議事録を出さず、あげくの果ては録音をせず、議事録をつくっていないなどと鷹取氏の正規の開示請求に「堂々」と回答してきているのである。

 まさに設置、委員選任などまったく正当性がない検討会が、非公開できわめて重要な事項を審理し、その結果を細野大臣らが国民や基礎自治体に押しつけるという、民主主義国家であるまじき対応、態度である。

◆鷹取敦:議事録作成をやめた「災害廃棄物安全評価検討会」
◆鷹取敦:環境省への議事録開示請求の経過報告(2012/02/17現在)
◆青山貞一:立法府が本来の機能を取り戻すために You Tube

 最後に、毎年冬、スイスで開催されている通称ダボス会議、世界経済会議で今から10年前、米国のエール大とコロンビア大が世界各国の「環境保全力ランキング」を公表した。

 日本は何と62位であった。エンド・オブ・パイプあるいはバック・エンド・シンキングと呼ばれるように、日本は本質的な問題解決をせず、巨額の税金と巨大な装置(技術依存)で事後処理的に焼却に依存し対応してきたこと、すなわち何でもかんでも燃やして埋めるの愚をしてきたことが、現在の国の苦境に繋がっていることを厳しく反省しなければならない。

 さらに環境省の検討会を非公開にし、議事録を公開しないことで分かるように、そこにいる委員はおよそ科学者や研究者に値しないだろう。

 ひとことでいえば、この検討会はどうみても非科学的なことを国民や住民に押しつける、いわば政治家がすることをしているのである。こんな環境省に原子力規制庁を設置しても到底国民の理解など得られるはずもない。
 
 環境省の前身、環境庁(当時、総理府)は、もともと人材不足で各省庁からの出向が幹部を占め、いわば他省庁の植民地であった。しかし、人材不足、力量不足は今まででも変わっていない。

 その環境省やつくばの研究所(国立環境研究所)は、3.11以前は、法的にだけでなく研究や実務面でも無関係だった環境省が、誰が見ても経済産業省の暴走をとめられるはずもない。これはまるで自民党から民主党に政権が移っても政治主導も利権構造も変わらなかったことと酷似している。

 結局、新設される環境省の原子力規制庁は、人材の多くを経済産業省、その独立行政法人はじめ「原子力村」に依存せざるを得ず、巨額をかけても肝心なときに何一つ役に立たないSPEEDIと同じ運命をたどるだけだ。元も黙阿弥である!

 せめてトップを米国の原子力規制委員会(NRC)のヤッコ氏のように民間からの政治任用とすればと思うが、それも期待薄である。

 いずれにせよ、上述のように原理的に間違ったこと、すなわち世界に類例のない廃棄物をもやし埋め立てる危険きわまりない「焼却主義」をとり続ける環境省に将来はないだろう!

原子力規制庁、独立果たせず?経産省と「同居」
 (読売新聞 2012年2月7日)

 環境省は、4月に同省の外局として発足する原子力規制庁について、経済産業省別館で業務を始める方針を固めた。原子力安全・保安院の看板を掛け替える。原子力行政を推進する経産省から移転し、規制官庁として、新たな場所での船出を印象づける狙いだったが、入居先選びが間に合わなかった。転居は早くても夏頃になりそうだ。

 原子力行政を推進する経産省と、規制する保安院が経産省内に同居し、互いに人事交流もあることが、東京電力福島第一原発事故を招いた一因と批判された。規制庁の大部分は、経産省から移転してくる保安院が占めることになるだけに、環境省は国民に独立性をアピールするためにも、新たな入居先を探した。

 その条件は、首相官邸に近く、十分な耐震性を備え、低層階に入居できること。さらに、規制庁の定員は約500人で、事故調査を担う原子力安全調査委員会も新設されるため、最低でも6000平方メートルの広さが必要になるという。これに合う有力な民間ビル候補が近くの汐留地区でいったん浮上したが、最終的にはまとまらなかった。

高木仁三郎市民科学基金 公開プレゼンテーションのお知らせ

============【 転載歓迎 】============

  高木仁三郎市民科学基金
  公開プレゼンテーションのお知らせ
   < 2/18(土)・東京・YMCAアジア青少年センター >

 高木基金は、生涯をかけて、在野の立場から核・原子力問題への専門的批判
に力を尽くした高木仁三郎の遺志に基づき、「市民科学」を志す市民研究者・
グループへの調査研究・研修を助成しています。
 以下の通り、2012年度の調査研究助成の最終選考の一環として、「公開プレ
ゼンテーション」を開催いたします。

 公開プレゼンテーションでは、書類選考を通過した応募者の方に調査研究の
ねらいや具体的な実施計画などを発表していただきます。ご支援を頂いている
みなさまや一般の方々にもご参加いただき、応募者と顔を合わせ、直接、意見
交換をしていただく中で、「市民科学」にふさわしい助成先を選びたいと考え
ております。遠方の方には恐縮ですが、たくさんの方にご参加いただきたいと
思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  日 時 : 2012年2月18日(土) 
        9:00 開場 9:30 開会 18:40頃 閉会
  場 所 : YMCAアジア青少年センター9 階ホール
 JR総武線・水道橋駅から徒歩約7分
 JRお茶の水駅から徒歩約10 分
参加費: 無料(会場でのカンパにご協力ください。)

 公開プレゼンテーション対象者の調査研究計画の概要は、以下のページから
ご覧頂けます。
 → http://www.takagifund.org/activity/2011/20120218kp.html
 なお、今回の公開プレゼンテーションでは、調査研究助成の書類選考通過者
24人・グループの内、16人・グループに発表して頂きます。助成選考の全体的
な状況については、以下のリンクからご覧下さい。
 → http://www.takagifund.org/activity/2011/20120201senkou.html

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   高木基金 2012年度助成の公開プレゼンテーション:プログラム
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9:00 開場
9:30 開会・趣旨説明
9:40 調査研究計画の発表 午前の部              助成応募金額

◆ 熱帯プランテーション問題研究会 / 飯沼佐代子さん *1 ―【100万円】
  『熱帯プランテーションにおける紛争と人権問題の調査研究・提言』

◆ モペッ・サンクチュアリ・ネットワーク / 畠山 敏さん *2 ―【100万円】
  『アイヌ民族の権利回復に根ざした海と陸(おか)をつなぐ
 持続可能な地域づくりに向けての調査研究?北海道・紋別?』

◆ 市民と科学者の内部被曝問題研究会 / 矢ヶ崎克馬さん *3 【150万円】
『福島原発事故による内部被曝問題の研究と市民科学者の育成』

◆ 神奈川母乳調査ネットワーク / 入澤牧子さん   ――――――【100万円】
  『神奈川県における乳幼児への放射能汚染の実態調査』

◆ 高知県太平洋核実験被災支援センター / 山下正寿さん  ――【100万円】
  『ビキニ事件の実相と福島原発被災との関連調査・研究』

◆ 六ヶ所再処理工場放出放射能測定プロジェクト
 / 澤井正子さん *4 ――【100万円】
  『六ヶ所再処理工場からの放射能放出に関する調査研究』
   
12:35 <昼食休憩>

13:30 調査研究計画の発表 午後の部・前半

◆ 長島の自然を守る会 / 高島美登里さん ―――――――――【100万円】
  『上関原発予定地周辺の生物多様性の解明と普及活動』

◆ 市民科学者放射線防護ネットワーク / 隅田聡一郎さん ――【100万円】
  『福島第一原発事故による放射能汚染と「低線量」被ばくによる
 健康影響を検証するプロジェクト ―国内外の市民・科学者を
   結集し、日本政府による放射線防護対策を検証する―』

◆ 泊原発の廃炉をめざす会 / 菅澤紀生さん *5 ――――――【 80万円】
  『泊原発の廃炉を実現させるための研究』

◆ 福島原発震災情報連絡センター / 中山 均さん ―――――【100万円】
  『福島原発震災による放射能汚染被害者援護策の策定に向けた
   課題に関する調査研究』

◆ 泡瀬干潟を守る連絡会 / 前川盛治さん ―――――――――【 68万円】
  『泡瀬干潟・浅海域での埋立工事による「濁り(SS)」
   「濁度(FTU)」の調査』

15:55 <休憩>

16:10 調査研究計画の発表 午後の部・後半

◆ 情報公開クリアリングハウス / 三木由希子さん ―――――【100万円】
  『福島第一原子力発電所事故に関する情報公開制度を利用した
 政府の持つ一次情報の収集・分析』

◆ 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
             / 小野南海子さん *6 ――――――【 99万円】
  『隠れGMナタネ及び交雑種の拡大調査』

◆ 土井麻記子さん ―――――――――――――――――――【100万円】
  『製鉄所由来の粉塵を解決するための保健調査及びリスク
   コミュニケーションの土台を作る』

◆ 国際環境NGO FoE Japan / 満田夏花さん ―――――――【100万円】
  『低線量被ばく回避のための調査研究および原発事故被害者救済
   政策の形成』

◆ eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)
               / 吉田明子さん ――――――【100万円】
『原発事故被害への対応と脱原発への方向転換を目指す政策提言
   と社会ムーブメントづくり』

18:40頃 閉会

*1 代表者の原田公さんに代わって飯沼佐代子さんが発表します。
*2 応募グループの方がやむを得ない事情により参加できないため、
  事務局が資料を代読します。
*3 代表者の沢田昭二さんに代わって矢ヶ崎克馬さんが発表します。
*4 代表者の古川路明さんに代わって澤井正子さんが代読します。
*5 代表者の小野有五さんに代わって菅澤紀生さんが発表します。
*6 代表者の天笠啓祐さんに代わって小野南海子さんが発表します。

その他、やむを得ない事情により、発表者や発表時間帯が変更になる場合もあり
ますので、ご了承下さい。

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     高木基金は、一般市民からの会費・寄付を財源として
     市民グループの調査研究を助成する市民ファンドです。
     高木基金へのご支援には寄付金控除が適用されます。
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      特定非営利活動法人 高木仁三郎市民科学基金

      〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21 戸田ビル4F
        TEL 070-5074-5985 FAX 03-3358-7064
       URL http://www.takagifund.org
       E-mail info@takagifund.org

      郵便振替口座 00140?6?603393
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2012/02/17

石原都知事:日本は核武装を、原発も捨てられぬ

自民党が原発を推進してきた(今もやめようとしない)根本の理由がよく分かります。

石原都知事:日本は核武装を、原発も捨てられぬ
(2011/07/19 ブルームバーグ)から抜粋

  7月19日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所事故を受け日本では原子力政策の見直しが進められているが、東京都の石原慎太郎知事は、原子力発電はなお必要であり、中国や北朝鮮からの脅威をかわすためにも核兵器を保有すべきだとの考えを強調した。15日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。

  石原氏は核兵器について「私は核保有論者だ。日本は絶対、持つべきだと思う」と強調。「核なき世界」を掲げたオバマ米大統領の対応について「世界の核をなくすと調子のいいことを言って、ノーベル賞をもらったが、そのすぐ後、新しい核兵器のシミュレーションをやった。日本もシミュレーションをやったらいい」と指摘した。

  日本の歴代政権は1960年代に自民党の佐藤栄作首相(当時)が打ち出した「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の非核3原則を順守する姿勢を示してきた。首相官邸公式ウェブサイトによると、菅直人首相も昨年8月、広島や長崎での原爆犠牲者の慰霊式典でのあいさつで「核兵器廃絶」を訴え、非核3原則の堅持を誓っている。

  石原氏は、原子力発電については「日本経済がこれからどういう形で膨らむのか縮むのか。そういうものの想定で、それを支える電力をどう供給するのかというコストバランスを考えると原発はそう簡単に捨てられないと思う」と今後とも必要との認識を示した。

「原発反対は人間がサルに戻る事です」東京都原発投票署名が集まった事について、
石原慎太郎都知事会見2/10(音声&文字起こし)
から抜粋

記者:
先日原発の是非を問う住民投票についてですね、一部の自治体を除いて締めきりがきまして、必要な数を上回る数の署名が集まる見通しが立ちました。これについて都知事として、今どのようなことを

石原慎太郎都知事:
いや、やったら手続き出したらいいんですよ。
そんなもん条例作れるわけないでしょ。作るつもりもないよね。

私はこの間自分のコラムに書きましたがね、
やっぱり人間ね、一番厄介なのはセンチメントなのね。
センチメントって言うのは恋愛と同じでね

「あんな女に引っ掛かるぞ」とか
「あの男と一緒になったらひどい目にあうぞ」って言ったってね、

(話がよく分からないので、省略)

これはね、だからね 原爆もそうなの原発も
原爆のね、トラウマがあるからね、なんかみんなね、
その一種のセンチメントで、恐怖感で言うけどね、

あなた言うんだかどうか知らないけど、こんなのは吉本隆明の人までがね、
とにかくね、「原発に反対するのはサルと同じだ」と。

人間の進歩っていうのはね、この近代精神っていうのは、
とにかく、人間はね、技術を開発することで進歩してきたと。

それを容認するのがね、歴史の原理だという事を言っててね、
その原発をとにかく反対って言う人は、代案も出さずに言っているから
センチメントで言ってるから、これは結局人間の進歩というのを認めない。
ま、人間がサルに戻る事です。

えらいはっきりした事言ったけど、私も同感ですな。

人間のねー、進歩っていうのはやっぱり、人間が自分の手で技術を開発し、
挫折があったり、失敗があったり、その、あ、事故もあったけど、
それをね、体験しながらね、要するに克服をすることで、
その文明は進歩し、今日まできたんですよ。

エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク

今、多くの人に読んでほしい本をご紹介します。

『受ける?受けない?エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク』
発行:高木学校

この本から一部抜粋します。

「はじめに」より抜粋

がんは早期発見、早期治療をすれば生存率が上がると信じられ、早期発見に力が注がれています。そのために、近年急速にエックス線を使うCT検査、マンモグラフィが増加し、放射性物質を注射してがんなどを探すPET(ペット)検査など放射線を利用した検診がすすめられるようになりました。

特にCTの使用頻度は急速に増加しています。しかし、CTの線量は他の検査に比較して格段に高く、被ばくによる発がんのリスク(危険性)が心配されます。

驚いたことに、大部分の病院では放射線検査にはリスクが伴うことを全く説明していませんし、放射線の線量について触れている病院も「低線量なので問題ない」といっています。検査を受ける利益とリスクを比較説明している病院は一つもありませんでした。

2004年1月にイギリスの医学雑誌『ランセット』に発表されたA・ベリングトンらの論文で日本は群を抜いて医療被ばくが多いと指摘された後も、日本の医療界では「検査に使うエックス線は低線量なので心配ない」というばかり。これといった対策をたてる動きはみられませんでした。

このような状況を危惧して、高木学校では、二○○五年四月に『医療被ばく記録手帳』試作版をつくり、環境問題に関心をよせる若い人が集まる代々木のアースデイ会場で配布してみたところ、予想以上に関心が高く、医療被ばくを心配してるいる市民が多いことがわかりました。

子ども、赤ちゃん、胎児、というように年齢が低くなればなるほど、そして体の中では細胞が盛んに増殖している臓器ほど、放射線の影響を受けやすく、障害が心配されます。

この冊子は、感受性の高い赤ちゃんや子どもを持つおかあさん、若い方々に特に読んでいただきたいと思います。

1、今なぜ医療被ばくを問題にするのか

エックス線検査は、学校の集団健康診断、職場の定期健診、入学や就職時検診でおなじみです。市町村では無料あるいは低料金で成人病検診やがん検診を奨励しています。このほかにも人間ドック、病気の診断など私たちが放射線検査を受ける機会は多いものです。なかでもCT(コンピューター断層撮影)検査は、急速に普及し、検査の機会も急増しています。

放射線は的確に使えば人の健康に恩恵をもたらします。もし放射線に生物を傷つけるという性質がなければ医療被ばくを心配する必要などありません。しかし、放射線は目に見えず匂わず、味もせず身体を透過しても感じないという性質のために、長い間、人はその傷害作用に気づかなかったという歴史があります。

現在では放射線の生物に与える影響は、そのメカニズムも含めかなり明らかになっていますし、低い線量でもその線量に応じた傷害を与えることも知られるようになりました。現に2006年6月に米国科学アカデミーや国際がん研究機関から、公衆一般の年間限度線量(1ミリシーベルト)の被ばくでも発ガンの可能性があることが相次いで発表されました。これは検診などで受ける低線量の放射線でも発ガンのリスクがあることを意味します。

A・ベリングトンらの論文が新聞報道されてから、日本の医療被ばくは世界でも突出して多いことが一般の人にも知られるようになり、医療被ばくを心配する声が高まっています。CTをはじめ医療放射線機器が多い日本で、本格的な医療被ばくのリスク推定が行われなかったのは残念です。その上この論文が発表された後、日本の専門家からは、国内向けにはこの論文に対する批判は盛んに行われましたが、国際的な専門誌にこれを反証する論文発表は行われていません。そして医療機関からは科学的な証拠を挙げることなしに、相変わらず「危険はない」という見解が出され続けています。

サリドマイド、薬害エイズ、アスベスト等々は、その害が明らかになると外国では使用禁止になりました。にもかかわらず、日本では対応が遅れ、多くの犠牲者を出してしまった歴史を持っています。その苦い経験を医療被ばくでまた繰り返してはなりません。

2、日本と世界の医療被ばく―日本の発ガン4.4%はエックス線検査が原因

1991年から6年に調べられた医療先進国15カ国の年間のエックス線検査件数で、単位人口あたりで日本が世界一多くなっています。

それによるとエックス線検査による年間の発がん数は7587人になっています。日本のCT台数は人口当たり他の国の3.7倍であることを加味して計算すると、年間の発がん数は9905人、発がん数に占めるエックス線検査による割合は4.4%にもなり、一番少ないイギリスの7倍になります。


3、まだまだふえる日本の医療被ばく

日本の医療被ばくが多いのは無駄な検査が多いからです。みなさんも学校や職場の集団検診でなんとなく胸のレントゲン検査を受けてきたのではないでしょうか。それが何のためでどの程度効果があるのか考えてみたことがありますか。結核を見つけるという目的のためだとしたら、症状も無いのに受けるのはまったく無意味だと数十年前から言われているのです。最近ようやく、結核予防法や労働安全衛生法で、健診での胸部エックス線検査義務廃止の動きが出ています。

ところが今度は、1回の検査でそれより数百倍も被ばく線量の多いエックス線CT検査が急増しています。CT装置が、大きな病院から比較的小さな診療所まであちこちに導入されています。1990年代から2000年代にかけての台数は毎年急カーブで増えています。「とりあえず」とか、「念のため」とか、「がん診療のため」、「CTを撮っておきましょう」といわれたら要注意です。

4、医療被ばく――限度が決められていない

職業的に放射線を扱う人は、線量計をつけて作業します。彼らの線量限度は「どの1年間でも50ミリシーベルトを超えず、5年間で100ミリシーベルトを超えない」と決められており、限度を超えた場合には、放射線を扱わない職場に移すことも考慮されます。

公衆一般の被ばくについては、「年間1ミリシーベルト」を超えないという限度が定められており原子力施設などから排出される放射性物質を規制する目安になっています。公衆の限度を低くした理由は、公衆の中には妊婦や子どもなど放射線に感受性の高い人が含まれていること、個人ごとの被ばく管理ができないこと、被ばく期間が長いことなどが挙げられています。このように被ばく線量に限度が決められているのは、被ばくにリスクが伴うことが認識されているからです。

しかし、患者の医療被ばく線量については限度がありません。ということはその線量を管理し、責任を持つ機関が無いことを意味します。赤ちゃんから老人になるまでに入学の検診、学校での集団検診、就職時の検診、職場検診、成人検診など行政で決められた数々の検診のほか、それぞれが病気にかかったときに病院、医院、歯科などでたくさんのエックス線検査を受けます。特にCT検査は線量が高く、数回受けると公衆の限度どころか職業被ばくの限度も軽く超えてしまうこともあります。それなのになぜ限度が決められていないのでしょうか?

(結核検診について)エックス線検査よりも感度が高く、より正確に診断できる喀痰検査の方法があるにもかかわらず、それへの変更はなされていません。また、がん検診についても「検診の有効性を示す証拠」がなく「被ばくリスクを考慮したら中止した方が良い」という意見も出ているなか、業界の利害が考慮されて廃止されそうにはありません。CTによる肺がん検診も、それによって寿命が延びたという確かな証拠はないままに進められようとしています。


5、先駆者たちの職業被ばく――レントゲン線犠牲者の碑

アメリカでの職業被ばくによるがん死の初めての例は、エジソンの助手ダリーといわれています。彼はエックス線を発生させる真空管を作っていました。その性能を自分の手を使って試していた結果、何回も被ばくを繰り返すことになり、皮膚の火傷、潰瘍から皮膚がんとなり、両腕を切断しましたが、効なく死亡しました。このような例はダリーにとどまりませんでしたが、人々はエックス線が原因であるとは考えませんでした。

医師、看護師、技師なども被ばくから自身を防護するという観念がなく、放射線をあびながら透視をしたり、透視の両面を大勢の医師や看護師が放射線をあびながら取り囲んで見るなど、被ばくの機会が多かった医療従事者の中に、多くの障害が報告されるようになりました。

1936年にドイツのハンブルグにある聖ゲオルグ病院に、168人の「レントゲン線犠牲者の顕彰碑」がたてられました。その後の約20年間にさらに360名の犠牲者が追加されています。障害の大半は皮膚がんで、白血病、再生不良性貧血、その他の固形がんもありました。

欧米における医療従事者の犠牲がピークになったのは1920年から30年代にかけてで、その後は防護の努力がなされ減少していきます。日本の場合はそれに遅れること20年でピークに達しています。欧米で採用された防護処置からいち早く学ぶ努力がなされていれば、犠牲者の数は減らせたと思われます。今日、放射線が診断や治療に多用されるようになり手技も複雑化したこともあって、再び医療従事者の被ばくが問題となっています。

8、低線量なら心配ない?――小学生時代からの教育

「低線量の放射線は身体に害を及ぼさない」、「がんなどの原因になるという証拠はない」という記述をよく見かけます。

学校で「総合的学習の時間」あるいは「エネルギー教育」の時間に放射線について考える授業には、日本原子力文化振興財団、NPO法人放射線教育フォーラム、エネルギー環境教育情報センター、自治体や電力会社が大きな役割を果たしています。これらの財団などは、文部科学省や経済産業省エネルギー庁から委託を受けて、莫大な予算を使い広報活動を行っています。その財源の大部分は電源開発促進対策特別会計で、例えば日本原子力文化振興財団が2004年に得た受託事業収入は10億8000万円でした。

活動の内容は、教材作り、学校や自治体への講師の派遣、全国各地で学校の先生を招いて講習会を開くなど、放射線教育活動に力を入れています。その基本的方針は、放射線教育フォーラムから出版されている成果報告書『一段と重要性が増した放射線教育』の序文に端的に書かれています。引用しますと「・・・現状を放置しておくと人々がわずかな放射線を恐れて、原子力の一般の受容が進まず、エネルギー問題の観点から日本の前途が危なくなる・・・」というものです。

原子エネルギーの受容促進のためには「少しの放射線を恐がらせないこと」が必要であるという認識の上に立った教育をしているのがよくわかります。

さらに、日本原子力学会や放射線教育フォーラムではワーキンググループや委員会を設けて、教科書に放射線や原子力エネルギーがどのように記述されているかを調査しています。そして不正確な記載や、放射線に危険性があるとか、チェルノブイリ事故のように、原子力エネルギーの受容を進めるのに不都合な記述があると、これを改めるように文部科学省に要望書を提出しています。

私たちは、学校時代からずっとこれらの宣伝活動の中で教育されていることになります。検診に、治療に、医療被ばくを受ける機会は増加の一方です。しかし検査時に放射線検査の利益とリスクについて説明を受けることはありません。「被ばくが心配」と訴えても「低線量ですから心配ありません」という答えが返ってきます。一般の人が医療被ばくにリスクがあることを知らなければ、むしろ喜んで検査を受けてしまいます。このような現状が医療被ばく大国を支える一因となっているのではないでしょうか。

9、お医者さんもこわさをを知らない?

放射線画像診断の書物には、放射線が生物に与える影響についての説明はほとんどないか、あってもごくわずかです。利用に関する本の数に比較して、医療被ばくのリスクを理解するために必要な放射線の基礎知識を扱う教科書の少なさに驚かされます。

放射線教育は物理、化学、分子生物学、環境科学の基礎から臨床医学まで含めた幅広い領域をカバーします。そのため教える側からは「教育に困難さを感じる」、「教員数が不足」、「適当なテキストが欲しい」という回答があることが注目されます。学生には、放射線影響関連講義は魅力に欠け、学習意欲がわかない不人気な授業の筆頭のようです。

このような教育環境で育った学生も、卒業し医療現場に出れば、日常的にエックス線検査をし、検査をオーダーする立場になります。一般の開業医では、医師の指導の下で資格を持たない看護師にエックス線撮影を担当させるところも多いのが現状です。放射線の単位も人体への影響もよく知らない医療従事者によって放射線診療が行われていることが多いといっても過言ではありません。「この検査は、どの位の線量になりますか」とか「検査をするとどの位危険ですか」などと質問しても答えられない医師が多い、というのが患者さんから寄せられた感想です。医学教育の不十分さが、医療被ばくの増大に歯止めをかけられない原因の一つになっています。

【寄稿】医療被ばくに対する患者の意識  小児科医 山田 真

戦後日本では健康保険制度が充実したため、患者側の医療費自己負担分が少なかった。それを悪用して多くの医者が、過剰に検査を行い過剰に薬を出してきた。それは「検査漬け」とか「薬漬け」とか呼ばれるようになる”乱療”であったが、医者の側は「濃厚な医療が高度な医療」であるといった言説を振りまいてそのような医療を正当化してしまった。

検査を行わなくても丁寧な視診、聴診、触診をすれば診断がつく病気は沢山ある。余計な検査をしないで診断するのが経済的な面から考えても最良なのだが、「検査をしないと正確な診断がつかない」と考えている市民が多い。そして最新の機器を揃えている病院ほど高度な病院と思われ、沢山検査をしてもらうことが親切な医療だとする幻想が市民の間に定着してしまった。これは医者の側の宣伝が効を奏したということだ。

放射線診断についても同様で、「レントゲンを撮ってもらえば安心」という風潮が市民の側にある。それは医者や専門家の側が「レントゲンを撮れば何でもわかる」式の宣伝をし、”レントゲン検査による放射線被ばく”というマイナス面を情報として伝えてこなかったことによる。

健康診断で行われるエックス線検査について『EBMによる健康診断』では、「これまでの諸外国の報告ではスクリーニング検査としての胸部X線検査が効果的でないとするものが多い」と書かれている。無効なエックス線検査を有益とする言説が多量に流され市民のエックス線検査信仰ができ上がったというのが日本の実情である。

10、CT検査には放射線を使います

CT検査という言葉を聞いたこともないという人は少ないと思います。しかし、この検査には放射線が使われるということは意外と知られていません。CT検査は、患者をベッドに寝かせたままで、エックス線を出す線源とそれを感知する検出器が身体の周囲をぐるりと廻りながら、放射線を照射・計測し、それをコンピュータ処理して輪切りの映像にします。一回転で64スライス、すなわち64枚、あるいは256枚の画像が撮れる機器もあります。全身を検査するのに1秒もかからないものもあり、ジッとしていない子どもにも麻酔をかける必要もなく、しかも鮮明な映像が得られるために、小児の検査にも多く使われます。問題は被ばく線量が高いことです。胸部の単純撮影に比較すると200倍から400倍にもなります。

米国で子どものCT検査の被ばくによって将来がんが増えることが予想されると発表され、大きな反響を呼んだのは2001年のことでした。子どもは体が小さく大人の5分の1以下の線量でよいにもかかわらず、線量を調節しないで余計な被ばくをさせていました。その警告が出された後、線量を体重に応じて自動的に調節するなど機器の改良は進んだようですが、検査の数は年々増える一方です。

米国の統計では2007年には年間6200万件のCT検査が行われ、そのうち400万件が小児CT検査です。1996年には日本には米国の2.6倍のCT検査機器があり、その後も増えていますから検査件数もそれに応じて多いと考えられます。しかし、厚生労働省には小児CT検査がどのくらい行われているのか、その統計はありません。

11、ふえるCT検査――高い被ばく線量

CT検査は優れた性能を備えています。CTは、単純撮影などと比べて鮮明な画像が撮れる、短時間で手軽、患者に検査時の痛みがなく事故も少ないといわれています。CTの難点は放射線量です。一回のCT検査で受ける線量は10~20ミリシーベルトで、公衆の年間の線量限度1ミリシーベルトを10倍以上うわ回ります。医療被ばくには制限がないとはいえ、この数字の大きさは看過できるものではありません。通常の単純撮影と比べると、胸部CTでは特に差が大きく、単純撮影の200~400回分に相当します。

(1989年の調査で、エックス線検査の中でCT検査の割合は4.2%なのに)CT線量34%という数字が報告されています。これらの調査からもCT検査は1回あたりの被ばくが多いことがよくわかります。

(医療現場が多忙を極めているため)「とりあえずCT」といった傾向があります。医療スタッフ自身が低線量放射線のリスクを知らないという現状があります。そのうえ患者からの検査の要望が加わりCT検査はますます多用されることになります。

2002年12月の調査でCT装置台数は、世界4万1000台のうち日本が1万2868台とずば抜けて多くなっています。(世界のCT装置の31%が日本にある)これは設備の充実度が患者の信頼や評判と密接に関わっている結果ともいえます。日本の医療保険制度ではCT検査単価が米国の10分の1という安さなので、設置費用の回収のためにもいきおい検査数が増えることになります。

12、CT検診―受けるべきか、受けざるべきか

米国食品医薬品局ホームページでは全身CT検診を「受けるべきか、受けざるべきか?」と問いかけ考察しています。自覚症状がない健康な人がCT検診を受けた場合、予想される結果は、1)異常なし、2)異常の疑いのため精密検査が必要、のどちらかです。1)の場合は見逃しの可能性がある。2)の場合は、精密検査のための麻酔、検査に伴う出血、感染、被ばくによる発がん、造影剤に対するアレルギー反応などのリスクを背負うことになる。

すべて考慮すると「自覚症状がない場合、CT検診によって命にかかわる疾病を早期発見し、延命できるという利益は期待できない」が結論です。従って受けない方がよいということになります。

日本では肺がんCT検診が推進されようとしていますが、検診によって肺がんの死亡率が減少したという信頼性の高いデータはあるのでしょうか?

米国がん協会の「がんの早期発見のためのガイドライン」は、2005年、喫煙者の肺がんCT検診の調査結果を次のようにまとめています。

1、CT検診は確かに第1期の初期腫瘍の発見に役立つ。
2、しかし、発見された腫瘍は必ずしも悪性のがんとは限らない。そのまま他の病因で死亡するまで悪性化しない可能性もある。
3、腫瘍が発見されれば、さらに高コストの危険を伴う検査を受けなければならない。
4、腫瘍があることがわかったことによって心配や不安にさいなまれる。

これらを考慮すると喫煙者であっても、症状がない限りCT検診は推奨しない、まずすべきは禁煙で、まして喫煙歴のない女性などリスクの低い人に対しては受診を勧める根拠がない、としています。肺がんのCT検診を受けたい場合は、まず医師に相談すること、医師は患者に「検診によって寿命が延びたという研究結果は存在しないこと、CTで見つかった腫瘍は本物のがんではない可能性もあり、それにより必要のない外科手術を受けなければならなくなる可能性があることを説明しなければならない」と注意を促しています。

ここではCT検診での被ばくによる発がんのリスクは考慮に入れられていませんが、考慮に入れればさらにリスクの方が高くなります。

2012/02/16

岡田正彦教授 「長生きしたければガン検診は受けるな」

世界一の医療被ばく大国・日本に住むすべての人に知ってほしい重要な情報
皆さん、できるだけ多くの人に広めて下さい。

岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
(2012年02月15日(水) 週刊現代 賢者の知恵)

 早期発見・早期治療で寿命は延びない。それどころか、CTなどの検査にはこんなに害がある

 3人に1人ががんで死亡する時代。恐怖に駆られ、多くの人が検診へ急ぐ。だがその検査に、治療に、寿命を左右しかねないほどのリスクを伴うと知ったら—あなたはそれでもがん検診を受けますか。

肺がん検診で肺がんになる

 ここ数年、「がんの見落とし」に関する裁判が急増しています。患者側は「どうしてくれるんだ!」と激怒して病院を訴えますが、私は、見落とされてかえって良かったかもしれないと思うんです。へたに発見されて激しい治療を受けていたら、もっと苦しい思いをして、寿命を縮めてしまう可能性があるからです。

 私は過去20年にわたって、世界中で発表された検診の結果に関する論文を読んできました。睡眠時間、体重、生活習慣、過去に受けた医療行為など、あらゆる条件を考慮した上で、がん検診を受けた人と受けない人が十数年後にどうなっているか、追跡調査した結果にもとづく論文などです。

 その中で最も衝撃的だったのが、20年以上前にチェコスロバキアで行われた肺がん検診の追跡調査です。そこでは、検診を定期的に受けていたグループは、受けなかったグループより肺がんの死亡率が圧倒的に多く、それ以外の病気による死亡率も明らかに多いという驚愕の結論が出ているのです。

 その後、欧米各国でより精密な追跡調査が行われてきましたが、その多くが同様の結果でした。つまり、「検診を受けようが受けまいが、寿命が延びることはない」のです。

 肺がんだけでなく、他のがん検診やその他の検診でも、同傾向の結果が出ています。
肺がんの検診を受けると、なぜ死亡率が高くなるのか。理由の一つはエックス線検査にあります。

 国や専門家たちは、「エックス線検査には放射線被曝というデメリットがあるけれど、それ以上にがんの早期発見というメリットの方が大きい。だから害は無視できる」と主張します。

 しかし、これには科学的根拠がありません。私はありったけの関連論文を読んできましたが、放射線を浴びても、それを上回るメリットがあるということを科学的に証明した論文は、1本もなかったのです。

 イギリスの研究チームが、医療用エックス線検査で起こったと考えられるがんを調べたデータがあります。その研究では、日本人のすべてのがんのうち、3.2~4.4%はエックス線検査が原因だと結論づけています。残念ながらこのレポートは、日本では話題にされることはありませんでした。

 新潟大学医学部教授の岡田正彦氏(65歳)は予防医学の第一人者で、現代医療の無駄の多さ、過剰さに疑問を呈し、健康のために真に必要なものは何なのか、独自に調査・研究を進めてきた。

 胸部エックス線検査でさえこれだけ有害なのですから、被曝量がその数十倍から百数十倍もあるCTを使った検診が身体にどれだけ大きなダメージを与えるかは、火を見るより明らかです。

 CTが原因でがんが発症するというデータは年々増えています。アメリカには、CTを繰り返し受けると、がんが十数%増えるというデータもあるのです。ところが、日本では全く問題になりません。それどころか、日本のCTの普及率は、2位以下を3倍も引き離す、ダントツの世界一なのです。

 それでも、CTを使って数mmのがん腫瘍を早期に見つけることができれば、手遅れになる前に手術で切除して命を繋ぐことができる。だからCTは素晴らしいものだと、多くの人は思ってしまうでしょう。でも、一概にそう言えるでしょうか。

 手術となったら、肺にしろ、胃にしろ、肝臓にしろ、組織をごそっと取り去ります。しかも、がんはリンパ管を通って転移するので、近くのリンパ節も全部取らなくてはいけない。大変な肉体的ダメージを受け、免疫力が大幅に落ちます。手術後には何度もエックス線写真を撮りますし、抗がん剤治療も必ず行われます。放射線療法をする可能性も高い。なおかつ、人間の身体にとって最もハイリスクな寝たきり状態を強いられ、何重もの責め苦を負うわけです。これで健康でいられるわけがありません。

 そうは言っても、やはりがんは悪いものなんだから除去すべきだという反論が必ず返ってきます。しかし、「がん=悪性」というイメージは、もはや古い認識です。

治療しない方がいいがん

 動物実験で人工的にがんを発症させて、経過を調べたデータがあるのですが、がんの大多数は大きくならず、身体に悪影響を与えないタイプのものでした。

 近年、世界的な研究が行われ、人間の場合も生涯大きくならないがんが相当数あることが分かってきました。そうしたがんは、へたにいじらない方がいい。それに、もしタチの悪いがんなら、早い時期に全身に転移するので、早期発見した時には手遅れの場合が多く、予後はそれほど変わらないというのが私の考えです。

 だとすると、検診で微細ながんを見つけ出し、激しい治療を施される不利益の方が、放置しておくよりもむしろ大きいかもしれない。これ一つをとっても、がん検診の有効性には大きな疑問符がつくのです。

 そのことを考えるのにもってこいの、前立腺がんに関するデータがあります。死亡後、解剖によって初めて見つかる前立腺がんは非常に多いのですが、彼らはがんを抱えたまま天寿を全うしたことになります。もし彼らが前立腺がんの有無を調べるPSA検査を受けていたら、必ず手術になっていたでしょう。その場合、果たして天寿を全うできたかどうか・・・。治療の弊害で早く亡くなっていたかもしれません。同じことが、すべてのがんについて言えるのです。

 がんの発症人口が増えている中、近年、急激に死亡者数が減っているのが胃がんです。多くの専門家は検診の効果であると口を揃えますが、胃がん検診が普及したのはごく最近で、胃がんが減り始めたのはもっと前。実は胃がんの死亡者数が減少した本当の理由は、日本人の塩分摂取量が減ったことが大きく関係しているんです。

 私の計算では、胃がん検診は、胃がんを減らすどころか、むしろ増やしている可能性があります。肺がん検診はエックス線写真を1枚撮れば済みますが、胃がん検診ではバリウムを飲んで検査をしている間、ずっと放射線を浴びなくてはなりません。その被曝量は、肺がん検診の100倍近くも高くなります。

 そもそも胃がん検診をやっているのは、世界中で日本だけ日本は、大規模な追跡調査をやらない国なので、胃がん検診が有効だということを実証する証拠は一切ありません。にもかかわらず国が推奨しているのが、私は不思議でならないのです。

 大がかりな検診は意味がないという認識は、すでに欧米の研究者の間で広まっています。アメリカ人の医者千数百人を対象にしたアンケート調査のデータでは、大部分のドクターは、「検診はやった方がいい。ただし血液検査や尿検査があれば十分で、レントゲンや心電図までは必要ない」という意見でした。

人間ドック、脳ドックも

 ところが日本では、いまだに検診は有効だと盲信され、国を挙げて推奨されています。それはなぜかというと、ひとつはビジネスマター、つまり金儲けをする手段として検診がもてはやされているということ。もう一つは「検診は有効だ」という、人々の深い思い込みによります。なくてもいいという発想そのものを持っていないのです。

 医者の側にも問題があります。医療が細かく専門化した結果、自分の領域しか知らない医者ばかりになり、検診が他の領域に及ぼす影響まで思いが至らなくなっているのです。

 また、医者はこれまで自分のやってきたことが正当だったと信じたいため、検診に否定的な論文を目にしても、それは例外だと自分自身にも言い聞かせ、患者さんにもそう伝えるのです。

 だから、がん検診を受けても寿命は延びないし、かえって苦しい思いをしたり、がんを発症させたりする可能性があるという事実が、患者側には一切伝わってこないのです。

 こういったケースは、がん検診だけに限ったことではありません。人間ドックに入れば、ありとあらゆる検査の中で何らかの病気が見つかりますが、その中には無理に治療が必要でない微細な病気も多く、結果的に過剰医療に繋がって身体にダメージを与えてしまう恐れがあります。

 そもそも、人間ドックという言葉があるのは日本だけ。推奨している国も他にはないのです。

 また糖尿病の検査にも身体に悪いものがあります。ブドウ糖負荷試験という検査方法で、75gのブドウ糖を飲んで血糖値を計るのですが、これは5g入りのコーヒー用スティックシュガー15本分の糖分に相当します。これを一気に飲むのですから、糖尿病体質の人にとっては、発病の後押しをするようなものです。

 そもそも、この検査をしなくても早朝空腹時の血糖値を計れば必要なデータが得られるということは、外国の調査研究で15年も前に明らかになっています。

 脳ドックも毎年多くの人が受診しています。検診を受けた結果、小さな脳動脈瘤が見つかり、手術で取り去ることができた—そう聞いたら、それは良かったと思うでしょう。脳動脈瘤が破裂すれば、命にかかわるということは広く知られていますから。

 しかし、’03年に世界13ヵ国の医師と研究者が5年間放置した脳動脈瘤が破裂した割合を調査したところ、動脈瘤の大きさが7mm未満で0・2%、7~9mmで0・5%、9mm超で3・1%だけという結果でした。一方で、破裂を予防するために手術を行った場合、1年後に2・7%が治療そのものが原因で亡くなり、半身麻痺などの障害を加えると、じつに12%が死亡もしくは障害を受けていたことが明らかになったのです。

 日本政府が熱心に進めてきたメタボ健診も、有効性は認められません。健診では特に腹囲が重視されますが、欧米の研究で、腹囲の大小と寿命は無関係ということが実証されていますし、メタボリックシンドロームという病気自体、そもそも存在しないのでは、と思っています。最初にこの言葉を使い始めたWHO(世界保健機関)も、’06年以降は使わなくなりました。

検査が余病を引き起こす

 メタボ健診の大罪は、血圧が少しだけ高いと判定された人にも降圧剤が処方されてしまうことです。調査の結果、降圧剤を飲んでも飲まなくても、5年後、10年後の死亡率そのものは変わらないか、飲む薬によっては増えるということがわかっています。降圧剤を飲めば、確かに血圧は下がります。しかし、心筋梗塞を誘発したり、思わぬ余病を引き起こすことがあるのです。

 要するに、早期発見・早期治療をしても結果が変わらないということを、様々なデータが示しているのです。

 検診に大金を費やすより、予防に力を入れるほうが、国民の健康保持にとってはるかに有効だと私は思います。

 がんも、8割方予防できると考えられます。遺伝によって起こるがんは全体の5%ほどだけで、残りの80%は原因が分かってきましたから。

 その一つには、前に述べたエックス線検査があります。そして、今深刻な問題となっている放射能。それ以外にも、よく知られたところでたばこや塩分の取りすぎ、野菜や果物不足も、がんの発症の大きな要因となっています。それらを解消すれば、がんの半分以上は防ぐことができるのです。

 最近では、手軽に野菜の栄養素を摂取できると謳ったジュースやサプリが売られていますが、それでは野菜を食べたのとイコールにはなりません。成分を分解してしまうと、がんを抑制する抗酸化物質が作用しないため、意味がなくなってしまうんです。野菜はぜひ、生で食べるようにしてください。

 生活習慣のちょっとした工夫で、病気は改善されます。薬や手術では、効果があっても微々たるもので、生活習慣を改善した方が、その1・5倍もの効果があります。50%も違うということですから、これに匹敵するような医療行為は他にありません。

 人間の身体は、余計な手を加えずとも、自然に沿った生活をすることで、健康が保たれるようにできているのです。検診大国・日本で健康に生きていくために、過剰検査・過剰医療の恐ろしさをよく理解することが大事なんです。


日本は、放射線による世界一の医療被ばく大国
(2011/10/08 風の便り)

日本は世界で最も医療被ばくが多く、それが原因でガンになる人の比率も世界一多い。(日本での発がん数に占めるエックス線検査による割合は4.4%にもなり、イギリスの七倍)

『市民科学』第 20 号(2008 年 11 月)から抜粋、編集

書評
世界で最大の医療放射線被ばく国・日本の現状への鋭い批判の書
『受ける?受けない? エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク』
高木学校医療ばく問題研究グループ
(発行:高木学校 発売:七つ森書館、2008年)

評者:笹本征男(低線量放射線被曝研究会メンバー)

●はじめに

本書は、おそらく、日本における医療放射線被ばく問題を扱った、最初の書籍であろう。本書を一読して受けた感想は、「日本は世界で最大の医療放射線被ばくの国である」ということを発見した驚きである。

本書に寄稿している小児科医の山田真氏は、「日本には世界中のCTの四分の一があるといわれ、入院施設のないような小さな医療機関でもCTが設置されています」と指摘している。

本書では、CT(Computed Tomographyの略、コンピューター断層撮影)は、エックス線を使い、その放射線量は、「一回のCT検査で受ける線量は10~20ミリシーベルトで、公衆の年間の線量限度1ミリシーベルトを10倍以上うわ回ります」と述べている。

何度もCT検査を受けている私であっても、治療を受けている病院の放射線技師にCT検査による一回分の放射線量を聞いたのは、つい最近のことである。放射線技師は「約20ミリシーベルトです」と私に伝えた。

●『医療被ばく記録手帳』の発行と本書出版の経緯

高木学校では、『市民版 医療被ばく記録手帳』を作成した。目的は、手帳を「エックス線検査を受けるとき医師あるいは技師に示し、線量を記入してもらうことによって、医療関係者に被ばく線量とそのリスクに関心を向けてもらい、ひいては医療被ばくを少なくしたいという」ことである。

2005年11月28日付毎日新聞が、『手帳』のことを報道したことで、全国各地から『手帳』の注文と「被ばくを心配する多くの声が寄せられました」。高木学校では、「市民の立場から医療被ばく問題をどう考えるのか、この冊子を発行することに」なった。

ここで留意すべきは、「ここで考慮する放射線被ばくによるリスクは、治療のための照射は含みません」ということである。

さらに、初版の「はじめに」では、「子ども、赤ちゃん、胎児、と年齢が低くなればなるほど、そして体の中では細胞が盛んに増殖している臓器ほど、放射線の影響を受けやすく、障害が心配されます。この冊子は、感受性の高い赤ちゃんや子どもをもつおかあさん、若い方々に特に読んでいただきたい」と述べてある。

高木学校医療被ばく問題研究会グループの崎山比早子氏は、その後、好評を得て、今度の増補新版を発行することになったと「はじめに」に書いている。

以下、本書を読んで、私が特に注意を引いた問題について述べる。

●医療被ばくを問題にする理由

「今なぜ医療被ばくを問題にするのか」
日本では、これまで「本格的な医療被ばくのリスク推定が行われなかった」ことが指摘され、「医療機関からは科学的な証拠を挙げることなしに、相変わらず「危険はない」という見解が出され続けています」と述べられている。これが、現在の日本において、医療被ばくを問題にすべき理由である。

2004年、A・ベリングトンらは、「診察用エックス線によるがんリスク:イギリスとその他14カ国のための評価」を発表した。

本書には、この論文の結果を図にしてある。それによると、「1991年から6年に調べられた医療先進国15カ国の年間のエックス線検査件数で、単位人口あたりで日本が世界一多く」、日本の「エックス線検査による年間の発がん数は七五八七人」になっている。さらに、「日本のCT台数は人口当たり他の国の3.7倍であることを加味して計算すると、年間の発がん数は9905人、発がん数に占めるエックス線検査による割合は4.4%にもなり、一番少ないイギリスの七倍」になる。

ベリングトンらの論文に対して、日本国内では、専門家が盛んに批判したが、「国際的な専門誌にこれを反証する論文発表は行われていません」という。なぜ、日本の専門家は、この論文への反証を国際的に行わないのであろうか。

●患者の医療被ばく線量に限度がないということ

「患者の医療被ばく線量については限度がありません」と述べられている。そしてこのことは、「線量を管理し、責任を持つ機関がないことを意味します」。なぜ、線量の限度が決められていないのか。

「職業被ばくの場合は被ばくを伴う業務から利益を得る人と、被ばくのリスクを負う人は別の人です。これとは異なり、医療被ばくの場合には被ばくにリスクが伴っても、それによって病気を発見できれば、被ばくした本人が利益を得ることになります」という。このことも、私には新しい発見であった。

医療の現場における放射線業務従事者の中の医療従事者についても、驚くべき事実が紹介されている。医療従事者は、2004年で40万人を超えたと推定され、医療従事者の被ばくは、「職業被ばくの全線量の六〇%以上を占めているといわれています。にもかかわらず、放射線を扱う医療従事者は、その人数も被ばく線量も正確には把握されていません」

●低線量なら心配ない?

低線量なら心配ない? 小学生時代からの教育
学校における「総合的学習の時間」や「エネルギー教育」の授業における放射線教育は、「日本原子力文化振興財団、NPO法人放射線教育フォーラム、エネルギー環境教育情報センター、自治体や電力会社が大きな役割を果たしています

これらの財団などの広報活動の資金は、文部科学省や経済産業省エネルギー庁などからの国家予算である。そして、学校における放射線教育は、「原子エネルギーの受容促進のためには『少しの放射線を怖がらせないこと』が必要であるという認識」の上に立って行われている、という。

人々は、このような認識に基づく教育を、小学校時代から受け続けている。
人々が、検診の時に「被ばくが心配」と言っても、「低線量ですから心配ありません」という答えが返ってくることの原因に、「低線量なら心配ない」という教育がある、ということを本書は、教えてくれる。

●医師と患者の問題ーー市民のエックス線信仰

「お医者さんもこわさを知らない?」
放射線の教科書について、「医療被ばくのリスクを理解するために必要な放射線の基礎知識を扱う教科書の少なさに驚かされます」とあり、大学における医学教育の中でも、放射線教育に割かれる時間は多くない現状が紹介されている。しかし、「このような教育環境で育った学生も、卒業し医療現場に出れば、日常的にエックス線検査をし、検査をオーダーする立場になります。放射線の単位も人体への影響もよく知らない医療従事者によって放射線診療が行われていることが多いといっても過言ではありません」。

小児科医の山田真氏が「医療被ばくに対する患者の意識」という文章を寄稿している。

戦後の日本では、「検査漬け」「薬漬け」という状態があり、「医者の側は『濃厚な医療が高度な医療である』という言説を振りまいてそのような医療を正当化してしまった」という。放射線診断についても、「レントゲンを撮ってもらえば安心」という風潮が市民の側にある。

それは医者や専門家の側が「レントゲンを撮れば何でもわかる」式の宣伝をし、“レントゲン検査による放射線被ばく” というマイナス面を情報として伝えてこなかったことによる」と山田氏は批判している。

無効なエックス線検査を有益とする言説が多量に流され市民のエックス線信仰ができあがったというのが日本の実情である

●放射線検査のリスクなど

<CT検査の危険性>
CT検査には放射線を使うことが述べられているが、放射線を使うことを知らない人が多い。「問題は被ばく線量が高いことです。胸部の単純撮影に比較すると200倍から400倍にもなります」

「すべてを考慮すると『自覚症状がない場合、CT検診によって命にかかわる疾病を早期発見し、延命できるという利益は期待できない』が結論です」

<PET検診について>
PET(陽電子放出断層撮影、Positron Emission Tomographyの略)
何の症状もない健康な人のがん検診にPETが使われるのは有害無益です

<気をつけたい妊婦と子どもの被ばく>

胎児の被ばくを可能な限り避けるために提案された「10日規則」を紹介し、この規則が緩和されている実情を紹介している。
「放射線への感受性は胎児が一番高いのです」
「胎児期の被ばくによる脳の障害と小児がん」

子どものCT検査の危険性
「子どもは大人に比べ細胞が盛んに分裂しているために放射線の傷害を受けやすい。子どもは、被ばく以降に残る人生も長いために、その間に被ばくによるがんが発症する機会も多い」という二点は、子どもに放射線検査を行う時に考慮すべき点である。

「0歳でCT検査を受けると三五歳で受けた場合よりもがん死する危険性は10倍以上になりますから、CTはできれば避けたい検査です」

「放射線をあびると…」の項では、被ばくのリスクが蓄積すること、「しきい値」はないということが国際的な常識であること、線量当たりの発がんのリスク、晩発的傷害、子孫に与える影響、大量被ばく、急性傷害、外部被ばくと内部被ばく、放射能汚染食品、原発事?の時の甲状腺がんを防ぐためのヨウ素剤の服用、ホルミス効果、について述べられている。

●無駄な被ばくを減らすための取り組み

英国における被ばく対策が成果を挙げていることを述べているが、英国の健康保険局(HPA)は、1992年から。全国患者線量データベースを作成し、五年ごとに報告している。

2001 年から2006年までの最新の報告では、全国316の病院と歯科医から報告された約30万件の線量測定記録が集計されている。健康保険局は、「各種の検査に対して基準となる線量を規定し、それからはずれている検査室があると注意を促します」

CT検査に対する英米の取り組みを日本と比較している。英国の健康保険局は、「環境放射線の医学的側面に対する委員会」の行った「健康な個人に不えるCT検査の影響についての評価報告書を公開しています」

米国では、食品医薬品局(FDA)が、「全身CT検査――あなたが知っておかなければならないこと」という冊子で、「病状のない人の検診は、それによって寿命が延びたという証拠がない。被ばくは通常のエックス線検査の数百倍にもなり、必ずリスクが伴う」という注を促している。

国立がん研究所(NCI)は、「放射線と小児CT――健康管理のためのガイド」において、「子どもの放射線被ばくで特に注意すべきことを挙げています。特記すべきは『放射線には、がんのリスクがゼロで安全であるという線量は存在しないという合意が国際的に成り立っている』ことを明記していることです」

日本の現状はどうであろうか。「厚生労働省には医療被ばくを扱う部門のありませんし、被ばく線量も把握されておらず、リスクと利益を比較した科学的検証も行われていません」

●高木学校の医療被ばくアンケート調査と被ばく低減対策

小児科医へのアンケート調査で
「子どもの親が強く要望するため不要なCT検査をせざるを得ない」

●おわりに

私は本書を読んで、あらためて、冒頭に紹介した、私が受けた驚きに戻らぜるを得ない。「世界最大の医療放射線被ばく国・日本」についてである。日本政府の厚生労働省には、医療被ばくに関する担当部署が存在しないことは、何を意味するのであろうか。

私は、厚生労働省に対して、医療放射線被ばくに関して、早急に、対策を講じることを検討するように、要望する。
■(2008年9月18日、記)

2012/02/15

「放射能は役に立つ」という感想が多い放射線授業始まる

横浜市で放射線授業始まる 親ら不安の声、教員にも戸惑い
(2012年2月10日14時35分 朝日新聞)

 東京電力福島第一原発の事故を受け、横浜市立の小中学校で、放射線の基礎知識についての授業が始まった。内容は放射線の性質や活用法についての説明が中心で、保護者からは「放射線は怖くないと、子どもが思い込んでしまう」との不安の声も上がっている。

 「私たちは今も昔も放射線がある中で暮らしています」。スイセンから放射線が出ていることを示す写真とともに、教材はこんな文言で放射線を説明する。X線などの活用法、放射線の単位や測定法、事故が起きた時の身の守り方などを解説している。

 この教材は、文部科学省が昨年10月に公表した「放射線等に関する副読本」を横浜市教育委員会が要約し、A3判のプリントにしたもの。市教委は昨年12月に教員向けの研修会を開き、年度内に授業をするよう求めた。小学校低学年で30分程度、中学校では100分程度の授業が始まっている。

 緑区の小学2年の児童の保護者(41)は授業後、「放射能は役に立つ」という感想が多かったと聞いて不安になった。「子どもはスイセンや、X線の例など目新しい知識に注意を引かれ、『大丈夫、安全』という印象を持ってしまう」と心配する。

 「事故前と今で身の回りの放射線量がどう変わったのかなど、今起きていることを教えて欲しい」

 手探りで教える教員側にも戸惑いが広がる。旭区の中学校教諭(51)は「原発事故で多くの人が苦しんでいるのに、『安心神話』を振りまく授業になりはしないか」。鶴見区の小学校教諭(56)は、「給食の汚染を心配して弁当を持参する子に対し、『心配しすぎ』という意見が出ないか」と懸念する。

 市教委は「内容に偏りがあるという見方もあるが、公的に作られた副読本なので引用した。ニュースでも多く取り上げられるため、まずは基礎的な知識を学んでもらうのが狙い」と説明している。(星井麻紀)

■横浜市教委が作成した教材の抜粋

・放射線は、太陽や蛍光灯から出ている光のようなものです。
・目に見えていなくても、私たちは、今も昔も放射線がある中で暮らしています。
・放射線の利用が広まる中、たくさんの放射線を受けてやけどを負うなどの事故が起きています。
自然にある放射線や病院のエックス線撮影などによって受ける放射線の量で健康的な暮らしができなくなるようなことを心配する必要はありません。
・一度に100ミリシーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません。
しかし、(中略)放射線を受ける量はできるだけ少なくすることが大切です。
・事故が収まってくれば、それまでの対策を取り続けなくてもよくなります。


世界一の医療被ばく国である日本では、X線検査によって 年間1万人(全がんの4.4%)ガンになっている

ヒロシマ、ナガサキを経験しながら、世界でも突出して多い日本の医療被ばく。それを低減するために活動している高木学校・医療被ばく問題研究グループが、べリングトンの論文以後の重要な米国の動向を紹介しています。

【べリングトンの論文:X線検査による各国の発がん増加数0.5~1.8%と比べ、日本は3.2%と飛びぬけて高い。しかもこの数字に近年のCT検査の増加を加えると4.4%にもなるという医学専門誌LANCETに発表された論文】

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「想定津波」の数値を改ざんした「大飯原発ストレステスト」

「想定津波」の数値を改竄した「大飯原発ストレステスト」の嘘八百
(2012/02/14 Foresight)から抜粋

塩谷喜雄 Shioya Yoshio
科学ジャーナリスト

 経済産業省の原子力安全・保安院が再稼働にゴーサインを出そうとしている関西電力・大飯原発3、4号機について、安全性の根拠とされる「ストレステスト」の中身に、数値の改竄と偽造という重大な疑惑がみつかった。津波への安全性が最大の焦点であるストレステストで、全ての推定や計算の基準になる数字、設計段階で想定していた最大の津波高さを1.86メートルから2.85メートルへと、関電は1メートルも水増し・改竄していたのだ。虚偽を承知で、結果を妥当と言い募る保安院も、「合作」の共同責任を強く疑われる。もともとお手盛り満載のストレステストに、でっち上げが加わり、再稼働に向けた茶番劇の非科学的インチキぶりは極まった。

 関電は大飯原発だけでなく、高浜原発1号機のストレステストでも、同様の改竄をしている。設計上の想定津波高さ1.3メートルを2.6メートルへと、2倍も水増ししている。ミスではなく、明らかな意図をもった改竄であることは間違いない。

数値改竄による「安全詐欺」

 想定津波高さは、建設当初の設計思想に基づくもので、後からちょこちょこ変更するようなたぐいの数字ではない。それを大きく変えるということは、基本設計を根底から見直すことだ。関電はいつ、想定津波高さを大幅に変更し、設計思想の大転換を図ったのだろうか。

 福井新聞の昨年11月29日の記事では、福井県内の原発の想定津波高さは、高浜原発は1.3メートル、美浜原発は1.6メートル、大飯原発は1.9メートル、となっている。数字はまるめてあるが、筆者が持っている資料と同じである。

 少なくとも11月末までは、この数値が公式な想定津波高さだった。ところが、その前、同月17日に経産省に提出された大飯4号機のストレステスト評価報告では、1メートルかさ上げした2.85メートルという数値が使われている。明らかな偽造数値だ。

 関電には改竄の理由と、2.85メートルという数値の根拠を、逃げずに示してもらいたい。合わせて、これを妥当な評価結果だとした論拠を、原子力安全・保安院には求めたい。

 事実の外形を見れば、関電は安全性データの虚偽申告で、原子炉等規制法違反の疑いが濃厚で、虚偽を承知で再稼働に動いた保安院には、公衆の安全を損なう行為、原子炉等規制法違反と放射線障害防止法違反が問われる。国家公務員法違反の疑いもある。

 改竄の目的とからくりはとてもわかりやすい。というより子供も騙せないほど単純で見え見えの「安全詐欺」である。

お手盛り計算のストレステスト

 ストレステストは、設計の想定より厳しい条件を課しても、そのシステムの安全が保てるかどうかを確認するものだ。コンピューターシステムや機械プラントなどの、「安全余裕」をチェックするのに使う。

 今回の原発ストレステストで、フクシマ級の津波に耐えられるという結果を出さなければ、原発の再稼働はない。幸い、ストレステストは、徹底したお手盛り計算が成り立つ。使うデータも、計算の基準も、みんな電力会社が自前で用意し、自ら評価する。その評価の妥当性を審査するのは、ストレステスト抜きでも原発を再稼働させようとしていた保安院である。これを多重防護ならぬ多重お手盛りと呼ぶ。

 実際の原発プラントに海水をかけたり、揺らしてみたりするわけではない。揺れの強さがどれほどで、津波の高さがどれほどなら、全電源が失われたり、冷却用の再循環配管が破損したりせず、放射性物質を閉じ込めたまま冷温停止できるかを、机上であれこれ推定して見積もる。数値の員数合わせなら、官僚と電力会社にかなうものはいない。

保安院が指示した「プラス9.5メートル」

 関電が提出したストレステストの評価結果の報告書で、その手口を検証してみよう。
 まず、昨年5月、保安院が電力各社に指示を出す。東京電力・福島第一原発の設計上の想定津波高さは、5.7メートルだったが、それより9.5メートル高い15メートル超の津波に襲われて過酷事故を起こした。再稼働を目指す各原発は、想定津波高さに9.5メートルを足した高さの津波に備えよ、というのが指示内容だ。

 設計上の想定津波高さがそもそも著しく過小ではないかという検証抜きに、一律9.5メートルを足すということに科学性は全くないが、世間の厳しい視線をかわして再稼働にこぎつけるには、この程度のことは考慮せよ、というわけだ。この期待される津波耐性、プラス9.5メートルが、国民をたばかるインチキテストの出発点である。

 大飯4号機は、設計上想定すべき最大地震動=基準地震動Ssを、重力加速度にして700ガル、設計上の想定津波高さは、2.85メートル(本当は1.86メートル)、高浜原発1号機は、基準地震動Ssが550ガル、想定津波高さが2.6メートル(本当は1.3メートル)、とそれぞれ書かれている。

 揺れや津波の高さを変えてシミュレーション(模擬計算)し、最低限の安全性確保、冷温停止が不可能になる破綻ポイントを弾き出している。

 大飯4号機では、地震動については、想定の1.8倍、1260ガルで、核燃料冷却に関係する高電圧開閉装置という機器が破損して冷却機能を失う。津波については、想定高さの4倍、11.4メートルが限界で、それを超すと、交流電源をすべて喪失する可能性が出てくる、としている。

 高浜1号機では、地震動では想定の1.7倍の935ガルで原子炉コントロールセンターにダメージが現れ、津波は想定の4.1倍、10.8メートルで、タービン建屋の補助給水ポンプは壊れて、安全確保の限界に達する。

結論から逆算された数字

 大飯4号機と高浜1号機の評価結果を比べると、奇妙なことに気づく。大飯4号機の津波に対する安全余裕の限界、11.4メートルは、本来の想定津波高さ1.86メートルに、例の9.5メートルを足した値にほぼ一致する。高浜1号機の津波に対する安全余裕の限度、10.8メートルも、本当の想定津波高さ1.3メートルに、9.5メートルをプラスした数値だ。

 運転年数は大飯4号機が19年、高浜1号機が37年で、倍も違う。プラントの安全設計も違うし、出力も違う。その2つの原発の、津波に対する安全余裕が、まるで測って揃えたように、設計上の想定プラス9.5メートルでぴったり一致する。しかも、それは再稼働に向けてお役所が示唆していた「期待される数値」とも、寸分たがわない。

 ストレステストにおいて、関電が最初に安全余裕度=プラス9.5メートルを決め、それに合うように屁理屈を並べていったことはもう明白だろう。数値操作による「やらせ安全余裕」の創作といっていい。想定津波高さを改竄した理由は、設計上の想定と安全余裕の関係を割合で表わすと、大飯では6.1倍、高浜では8.3倍という、とてつもない数字になるからだ。

 設計上想定していた津波より8倍以上も高い津波に耐えるだけの「安全余裕」など、誰も信じはしない。4倍程度なら納得が得られそうだという浅知恵から、プラス9.5メートルの数値、大飯なら11.4、高浜なら10.8を、それぞれ4や4.1で割った値を、設計上の想定津波高さと偽ったのであろう。

 人を騙すにしても、ずいぶんお手軽な「やっつけ仕事」ではないか。原子力ムラの劣化は、騙しのテクニックにまで及んでいるようだ。公然たる安全詐欺には、厳しい罰をもって臨むべきだろう。

 大飯4号機のストレステストに関する関電の「評価結果の概要」にはこう書いてある。「評価の結果、安全上重要な施設・機器等は、設計上の想定を超える事象(地震・津波等)に対する安全裕度を十分に有していることが分かりました」。

 こう書き換えるべきだろう。「福島クラスの津波にも耐える十分な安全余裕があることにして逆算すると、大飯4号機は、建設当初から、設計上の想定津波の6倍も大きな津波に耐えられるよう、最初から作ってあったようです。信じられない話ですが、どうか信じてください」。

東電の手抜きか、関電のオーバースペックか

 百歩も千歩も譲って、関電の余裕度評価を信じると、奇妙なことになる。例えば、福島第一原発が設計上想定していた津波高さは、5.7メートル。福島第一にも大飯原発並みの津波に対する安全余裕があったら、5.7メートルの6倍、34.2メートルの巨大津波にも耐えられた計算になる。

 想定の「わずか2.6倍」でしかない、高さ15メートルの津波で冷却機能を失い、放射性物質を外部に大量にばらまいたのは、福島第一が他の原発に比べてかなり余裕が不足していて、事故は手抜き工事が原因だったということになってしまう。関電のストレステスト評価の結果は、はからずも(?)福島第一事故に関する東電の企業責任を厳しくとがめているわけだ。

 原発の地震、津波の想定は、徹底した調査と最新の科学的知見に基づいて、起こりうる事象の規模を最大限見積もった値だと、電力会社と経産省は言い続けてきた。裁判でも、これを守っていれば、安全は確保できると主張している。限界に近い想定ならば、それを超す安全余裕といっても、せいぜい1.5倍とか2倍ほどの範囲が妥当なところだろう。

 設計基準の6倍もの強度というのは、どう見ても立派なオーバースペック(過剰仕様)といえる。余計な装備でごてごてと飾り立て、必要以上に、使いこなせないほどの高い強度や性能を持たせるオーバースペックは、ただ意味なくコストを膨らませ、システム全体のバランスを崩し、品質を低下させる。手抜き(アンダースペック)と並ぶ、産業の大敵である。

 オーバースペックによる原発建設費の増加分は、総括原価方式によって、全て電気料金に上乗せされてきたことになる。大飯3、4号機は、運転開始から20年と19年たっている。関電自身が建設当初からのオーバースペックを認めた以上、その間ずっと取り過ぎていた料金を、全利用者に返さなければならないことになる。良心的な公益事業者なら、当然、そうするはずだ。

炉型差別から見える原子力ムラのほころび

 想定の6倍などという、およそ信じがたい安全余裕を振り回すと、予想外のアラが随所に見えてくる。そのひとつが、原子力ムラの終わりの始まりを予感させるほころび、再稼働をめぐる炉型による差別化である。
 3.11以後、原子力関係者の間では、ずっとこんなことがささやかれていた。「事故を起こした福島第一と同じBWR(沸騰水型)の再稼働は、よほどの安全対策を取らない限り難しいが、PWR(加圧水型)なら地元の納得さえ得られれば、何とかなる」。

 3.11を受けて原発が次々と停止していくなか、唯一、営業運転再開がみとめられたのは、北海道電力の泊原発だった。電事連と経産官僚の使いっぱしりよろしく、当時の海江田経産相が現地に飛んで、定期点検あけの原発再稼働を地元に懇願したのは、九州電力の玄海原発だった。どちらもPWRである。

 世界の原発の主流は、圧倒的にPWRである。BWRをずっと採用し運転し、進化型の炉の開発まで進めているのは、日本と台湾だけと言っていい。

 BWR の主力メーカーである東芝でさえ、原発輸出で世界にうって出ようとした時、買収した米国の原子炉メーカーはPWR 専門のウエスチングハウス社だった。

 日本では東京電力がBWR 路線をひたすらまい進し続けてきた。理由は判然としない。ただその強大な影響力のもと、東北電力、中部電力、北陸電力、中国電力の各社が、原発にBWR を採用している。メーカーはGE、日立、東芝である。

 一方のPWR は関西電力を筆頭に、九州電力、北海道電力、四国電力の各社で、メーカーはすべて三菱重工業とウエスチングハウスである。日本原子力発電=日本原電だけが、BWRとPWRの両方を保有している。

 BWRは原子炉内で高温高圧となった水(1次冷却水)が、隣のタービン建屋にそのまま行って、発電機を直接回す。放射性物質を大量に含んだ水が大移動し、その熱と圧力が原子炉内の環境を左右するため、配管の安全性確保が技術的に大きな課題となる。

 PWRは1次冷却水の熱エネルギーを、蒸気発生器で2次冷却水に移動(熱交換)し、放射能汚染があまりない2次冷却水で発電機を回す。1次冷却水は閉じた短いサイクルを回るだけだが、蒸気発生器の細管部分が技術的には大きな弱点とされる。

大飯3、4号機が選ばれた理由

 関電と原子力安全・保安院が再稼働候補の筆頭に、大飯3、4号機をもってきたのには、それなりのわけがある。

 いずれも出力100万キロワットを超す大型原発で、1990年代初頭に運転を開始した、稼働20年前後の働き盛り。3号機は2008年に配管損傷が見つかったものの、それまでは、2基ともさしたるトラブルはなく、日本の原発の優等生といえる存在だった。

 3、4号機の格納容器は「プレストレストコンクリート」を使っている。コンクリートはもともと押しつぶす力には強いが、引っ張る力には弱い。論より証拠。福島第一原発の分厚いコンクリート製の原子炉建屋が、内部の水素爆発で簡単に、無残なまで吹き飛んだのは、引っ張り強度の弱さを見せつけている。

 プレストレストコンクリートは、その弱点をカバーする。コンクリートの中に、鉄筋の代わりにあらかじめ引っ張って強い張力を掛けた鋼の線を通し、コンクリートに縮もう縮もうとする力(ストレス)を負荷しておく。そこに内部爆発などで引っ張り力が働いても、ある程度以下なら、負荷されている縮む力がそれを相殺して、決定的な破壊を防ぐ。

 福島第一原発は、配管や機器の損傷やひび割れを隠し続け、地震や津波への備えの不足、リスクの過小評価を度々指摘されてきた。そんな札付き老朽原発とは段違いの優等生、大飯の3、4号機なら、再稼働はOKだろうという読みが、関電、経産省両者にはあったに違いない。

 しかし、PWRの多少の有利性も、プレストレストコンクリートの採用も、原子力ムラの内部でしか通用しない論理だ。お手盛りの数字まで改竄・偽造した事業者と行政が、再稼働を口にできる日は遠くなった。現実に原発を襲った津波に比べて、あまりに小さな津波しかリスクとして想定していなかった原発の設計思想そのもの、安全規制の制度自体が抱える重大な欠陥を認めなければ、再出発などあり得ない。ムラの屁理屈を反省・撤回・転換することなしに、事を済まそうという、いかがわしい魂胆を、世間はとっくに見抜いている。このまま再稼働を許すほど、世の中は甘くない、と思いたい。

対策はこれから

 福島の事故を教訓に、関電は安全性の向上のため、再稼働後に色々な対策を講じる予定だと宣言している。大飯4号機の評価結果に併記されている、関電の今後の「予定」を精査してみよう。

「今後、原子炉建屋への浸水を防ぐため、順次、水密扉へ取り替え、津波の衝撃を弱めるために、防波堤をかさ上げし、防潮堤を設ける。海水ポンプエリアの防護壁も設置するなど、多重防護を進める」と書いてある。
 逆に読めば、水密扉にはまだ取り替えておらず、低い防波堤はそのままで、防潮堤も作っていない。ポンプを津波から守る防護壁すらない。過酷事故を回避する要となる対策は、福島第一の事故から1年たってもまだ、何も手が着けられていない、ということである。

 ただの口約束で、行政と政治が再稼働のお墨付きを与えるようでは、本当に日本は危うい。

 現在、机上の計算ではなく、実物のストレスを負荷され、その健全性や持続可能性をテストされているのは、地域独占の電力会社と、それに連なる、行政、政治、学界、メディアの5角形である。

<核燃輸送容器>検査基準を企業に配慮 寄付受けた教授主導

<核燃輸送容器>検査基準を企業に配慮 寄付受けた教授主導
(毎日新聞 2月12日(日)2時30分配信)

 日本原子力学会が1月に議決した使用済み核燃料などの輸送容器に関する検査基準(学会標準)が、容器設計・製造会社「オー・シー・エル」(東京都)と、同社から多額の寄付を受ける有冨正憲・東京工業大教授が主導する形で審議され、国の規制より緩い内容にまとめられていたことが分かった。原発を巡っては、学会や業界団体が定めた内容が国の基準に採用される例も多いが、「原子力ムラ」内部で自分たちに有利な基準を作り上げていく構図が浮かんだ。【日下部聡】

 学会議事録や関係者によると、議決したのは「使用済燃料・混合酸化物新燃料・高レベル放射性廃棄物輸送容器の安全設計及び検査基準」。一般からの意見募集の後、今年中にも正式に制定される見込みという。

 学会標準は分科会が原案を作成し、専門部会と標準委員会でチェックする仕組みで、10年に輸送容器分科会で検討が始まった。同分科会はオ社の会議室で開かれ、原案の文書化もオ社から参加した委員が行ったという。

 有冨氏は同分科会の主査、上部組織の原子燃料サイクル専門部会の部会長で、議決機関・標準委員会の副委員長でもある。東工大の記録によれば、有冨氏は06?10年度、オ社から1485万円の奨学寄付金を受けた。分科会に参加するもう1人の研究者(東工大准教授)も10年度、オ社から100万円の奨学寄付金を受けている。

 審議の焦点は、使用済み核燃料などの発する熱が容器にどう伝わるかを調べる「伝熱検査」を、新造容器全てに実施するか否か。原案はメーカーに製造実績があればサンプル検査で可としたが、経済産業省原子力安全・保安院の通達は全数検査を求めている。昨年6月の専門部会では、保安院の安全審査官が反対意見を述べた。

 しかし、昨年12月23日?今年1月19日に行われた標準委の投票の結果、研究者や電力会社社員らの賛成多数で可決された。反対は保安院の委員1人。独立行政法人・原子力安全基盤機構の委員が賛否を保留した。

 容器メーカー関係者によると、大きな輸送容器なら38本の使用済み核燃料集合体を収納できる。伝熱検査は、集合体と同じ本数の電熱ヒーターを内部にセットしなければならず、負担が大きいという。

 有冨氏は「オ社の味方をしているつもりはない。全て検査していたら出荷が滞り、使用済み燃料の処理が進まない。学会としてサンプル検査でいいと判断した」と話す。だが、審査の全段階に関与していることについては「中立性に疑念を持たれても仕方がない。少なくとも分科会主査か標準委副委員長のどちらかは辞めた方がいいと思っている」と話す。

 ただ、有冨氏は「容器は原子炉などと違って論文の書ける分野ではなく、研究者が少ない。審議体制に問題があることは分かっていたが、他になり手がいない」とも話した。

 オ社の川上数雄常務は「公平、公正、公開の原則にのっとった委員会で活動しており、疑念を招くようなものではない」との見解を示した。

 保安院関係者は「輸送容器は市民の近くを通ることもあり、厳しい基準が必要。このまま国の基準にはできない」と話している。

 有冨氏は東京電力福島第1原発事故直後、当時の菅直人首相に内閣官房参与に任命されている。

中沢新一氏「緑の党のようなもの」グリーンアクティブ立ち上げ

中沢新一氏「緑の党のようなもの」グリーンアクティブ立ち上げ
「グリーンシールを貼らない候補者は落としましょう」政治、文化、経済を繋ぐネットワーク

(2012-02-13 22:10 骰子の眼)

人類学者の中沢新一氏がかねてから「緑の党のようなもの」として構想を伝えてきたグリーンアクティブの立ち上げ記者会見が本日2月13日、東京・千代田区永田町の衆議院第一議員会館で行われた。代表の中沢氏のほか、発起人に名を連ねている社会学者の宮台真司氏、クリエイターのいとうせいこう氏、サステナのマエキタミヤコ氏、そして賛同人として歌手の加藤登紀子氏、一水会代表の鈴木邦男氏、「マガジン9」編集者の鈴木耕氏、アースガーデン代表の鈴木幸一@南兵衛氏が出席した。

ネットのなかに潜在する声を現実の世界に引き出す

この会見のなかで中沢氏はグリーンアクティブという団体名の由来について、「3.11の後日本人のなかに力強く沸き上がった緑の意識を持った人々が行動に立ち上がるという意味を持っています。それを目に見えるかたちで、現実の政治や社会や文化を変える力に作り替えていくための様々な活動を行なっていく組織」と、政党よりゆるやかなネットワークを作り出し、そこで多様な人を巻き込んでいくことを目指すと説明。そして、「原発に依存しない社会を作り出す、とか、むやみな自由貿易や自由主義経済によって国のかたちや社会のあり方を根底から付き崩していくような動きに抵抗していこうする心や、極端な経済格差をもたらそうとしている経済や社会の動きを是正していかなければいけないという意識が強く沸き上がっています。しかし、こういう思いはネットのなかに潜在していたり声なき人々の思いのなかに隠されている。それを大きく現実の世界に引き出して、いま日本が陥っている様々な困難や袋小路を打破しいく力になっていきたい」と語った。

緑の意識によって繋がった大同団結を行う国民戦線

グリーンアクティブの組織としては4つの枠組みに分かれており、中沢、宮台両氏により思想的な部分を担う「構想部」、いとう、鈴木耕、鈴木幸一各氏に津田大介氏が加わり、デモやツイッター、フェイスブックなど草の根のメディアと新しい表現を開発し、雑誌の発刊も行う「メディア部」、農林水産業をはじめとした日本経済の根っこの部分を再生することを目的とした「経済部」(中沢氏、加藤氏、小林武史氏)、そして日本の議会制政治にも影響を及ぼしていこうと、日本独自のエコロジー政党を成長させるための「政治部」(マエキタ氏)に分かれており、このうち政治部は既に代表をマエキタ氏により緑の日本として政治団体登録が済んでいるという。中沢氏は「この集合体を中心にサポーターが支えあいながら活動が続けられる。緑の意識によって繋がった大同団結を行う国民戦線のようなものを作りあげようと思っている。政治権力からでなく、民衆の側からその意識を汲み上げて行う政治の改革を草の根から目指していく」と述べた。

いとう氏は「どうしてもいろんな政治団体やNPO、個人はネットのなかでのネットワークが可視化されて公のメディアに取り上げられることが少ないが、それを完全にネットワークして飲み込みながら、その意志を可視化して一緒にやりましょうということを呼びかけたい」と発言。また宮台氏は「〈任せて文句たれる社会〉から〈引き受けて考える社会〉へ、の変革が必要だ」とアピール。そして鈴木幸一氏は、「中沢さんを信用できると思ったのは、僕は根本的な文化運動として捉えている。自然文化を捉え直す。という根本の姿勢を持っていらっしゃると思ったから」と明かした。

原発について考えることは、アートについて考えることと同じ

マエキタ氏は緑の日本について、「緑の意識を可視化し実際に国会に持っていくための政治団体。選挙があった際には原子力発電を作らない、売らない、そしてわからないものは動かさないというポリシーに賛同してくれる議員には、どの党にいてもグリーンシールを貼ることで、脱原発の人に投票したいというのがわかりやすく投票できるようにする」というルールを発表した。

このグリーンシールのコンセプトに対しwebDICE編集部が質問をした「民主党の議員のなかでも原発賛成と反対の人がいて、個人的には反対でも、議決を取るときには党員は党議拘束されるので、グリーンアクティブの考え方を政治で活かすには、立候補者を立てるべきではないか」に対し、マエキタ氏は「立候補者がいなければ立候補者を探して、ぜひやってくださいということを頼むかもしれないし、メンバーでいる人が立つかもしれない。党議拘束という既成概念は幻想だと思っていて、造反すればいいんです。党議拘束に関わらず脱原発を表明したい人にしかこのマークはつけさせません。ですからどの党にいてもつけられるけれど、グリーンマークの原則に従うという約束においてつけてもらいます」と解説。中沢氏が「まだ流動的なので現時点では立候補者を立てるかは言えない。それからグリーンシールを貼らない候補者は(選挙を)落としましょうということですから、僕なんかはネガティブ・キャンペーンじゃないですけど、そっちを展開したい」と語ると、宮台氏も「僕も大賛成です」と返した。

最後に中沢氏は「原発について考えることは、アートについて考えることと同じ。芸術の問題、文化の問題、社会の問題と分けずに、グリーンアクティブはそれを横断していく運動になっていく」と記者会見を締めくくった。
(取材・文:駒井憲嗣)


中沢新一氏、新政党「緑の日本」設立を発表

人類学者で明治大学野性の科学研究所所長の中沢新一氏が、1月14日、15日にパシフィコ横浜で開催された「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」で、新政党「緑の日本」を設立することを発表。アカデミックな世界から現実の世界でアクティブな活動へシフトしていく決意を語った。

14日に行われたトークライブで加藤登紀子、SUGIZO、手塚眞、ピーター・バラカン、マエキタミヤコ各氏とともに登壇した中沢氏が、かねてから構想を描いてきたエコロジーや多文化平和主義を掲げる政党の立ち上げについて報告した。

中沢氏はトークのなかで、311以降、インターネットのなかの世論として8割が脱原発に動いていることを挙げ「バーチャルな世界で伝えられているものを現実の世界の力にしていかなければいけない」と、市民の声をマスコミや政府・官僚に伝えていく必要があると指摘。グリーン・アクティブというネットワークを作り、そのなかに新たに「緑の日本」を設立することになるという。すでに手続きを済ませ、2月の第1週か2週目に記者会見が行われる予定となっている。

青山貞一「福島原発事故で、本当に恐ろしいのは魚介汚染」

福島原発事故で、本当に恐ろしいのは魚介汚染
(2012年02月07日00:00 青山貞一ブログ)から抜粋

◆青山貞一「福島原発事故で、本当に恐ろしいのは魚介汚染」

 昨年4月、日本政府がグリーンピースの虹の戦士号の領海内立ち入りを2~3ヶ月待たせたあげく却下したこと、福島県内の漁業関係者が環境総合研究所に魚介類の分析を依頼しながら、その後なしのつぶてとなったことなどの裏事情についても言及しています。

 動画の時間は44分です。 

 原発事故以来、官民を問わず膨大な量のモニタリングデータが公にされてきたが、なぜか魚介類に含まれる放射性物質汚染に関するデータは、きわめて限られている。

 理由はやはり太平洋側の海洋汚染が相当深刻なためだろう。

 日本の気象庁の気象研究所が2011年11月16日に発表したシミュレーション結果によると、放射性物質のうち、とくに放射性セシウムは今年の4月までに70~80%が海に落ち、陸地に降ったセシウムは30%程度と推測している。

 気象研究所の研究チームによれば、2011年3~4月は偏西風で運ばれるために陸地に落ちる量は少なく、その分海洋が汚染されたとみている。ヨウ素131は放出量の約65%が海に落ちたとしている。

 ちなみに私たち環境総合研究所が2011年春に行った放射性物質の3次元の移流、拡散シミュレーションでも類似の結果がでている。

 陸側におちた放射性物質も最終的に海に流れ込む。今後、近海魚や回遊魚だけでなく、底生魚介類の汚染が深刻になると推察される。

 本動画は、この分野第一線で漁民やNPOとも議論しあう中で調査研究をしてきた青山貞一さんに詳しくその実態、裏事情、一般国民はどうすればよいかなどについてのご意見を伺った。

 池田こみち 環境総合研究所副所長/インタビューア 2012年2月6日 

★追加情報

 視聴者からの情報提供もあり、いろいろ新事実も分かってきました。とくに重要と思えるのは、国が公表している魚介類に含まれる放射能データが、多くの魚を計りながら、低い値だけを選択して公表している可能性が大であることです。

 昨年秋以降は、海底近くに棲むアイナメ、ヒラメ、ホウボウ、メバル、カレイ、アンコウ、タチウオなどの底生魚の濃度が高くなっているはずです。事実、最近1800Br/kgを超える底生魚が福島県北部から報告されています(これは新聞などにはでていません)。

 鷹取敦さんの調査では、魚介汚染が深刻化する昨年秋以降、国の魚介調査の件数は減少しているとのことです。今年に入ってからの測定数は極端に少なくなっています(以下参照のこと)。

鷹取敦:水産物の放射能汚染の解析(1)生息域と汚染の変化
 

 高い値の底生魚が発見されても、国、県、漁協はいずれもその対策にまともに応えず、たらい回しし、マスコミも一切書かず、うやむやのうちに、産地偽装で食卓に高濃度魚介が到着している可能性があります。

 底生魚の濃度が今後高くなることは、先のNHKの特別番組の調査でも明らかになったことです。

 福島県北部海域は、親潮、黒潮、潮流が複雑に混ざりあうため、動画に掲載しましたフランス、米国の研究機関による海洋汚染シミュレーションにも明確にあるように、近海魚、沿岸魚、底生魚だけでなく、かなり沖合にも汚染が広がる可能性が大です。

 チェルノブイリ事故時でさえ、日本近海で2,3年汚染が続いたことからして、今後10年以上、海洋汚染が続き、太平洋側の魚介の汚染は継続する可能性があります。その意味でも、水産庁などがしっかり定期的かつ大規模に定点近くで試料採取した魚類を測定分析し、すべてを公表する必要があります。

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