持続可能な開発に関する世界サミットにて
南アフリカ、ヨハネスブルグにて2002年9月2日
こんにちは。
私の名前はミンギュ・リァオです。中国から来ました。
私たち三人は、それぞれ違う三つの国から、環境について私たち子どもが何を心配しているかをお話しするためにここにきました。
こちらはカナダ代表のジャスティン・フリーセン、そしてこちらはエクアドル代表のアナリス・ヴェルガラです。
私たちはほんの3ヶ月前にカナダのブリティッシュ・コロンビア州、ビクトリアで開催された「国連環境プログラム国際子ども会議」に 代表として参加しました。80以上の国々から400人以上の子どもたちがその会議に参加していました。私たちには言いたいことがたくさんありましたが、なによりすべての子どもたちが心配していたのは、世界のほとんどのリーダーたちが耳を傾けようとしないということです。
あなた達が10年前リオで集まったとき、私たちはほんの幼児でした。私たちがここで言おうとしていることは、あなた達がそのときに聞いたこと、それからこの10年間くり返し耳にしてきたことと基本的におなじです。なぜなら子どもたちはより大地や環境に近しい存在で、世界の色々な問題によってより苦しんでいるからです。
世界中の子どもたちはがっかりしています。なぜならあまりにも多くの大人達が、あまりにもお金や富にしか関心がなくて、私たち子どもの 未来に影響を及ぼしている深刻な問題に気が付かないからです。
あなた自身の子どもたちや甥や、姪、あるいは孫のことを考えてみてください。あなた達はいったいどんな世界を彼らに残してあげたいん ですか?かれらには、あなたが得たのと同じ、あるいはもっと恵まれたチャンスを与えてあげるべきではないのでしょうか?
私たちの声を無視しないで下さい。今日、私たちはあなた達に−そしてみんなに聞いてほしくてここにこうして集まりました。あなた達の立場の違いは、脇に置いておいてください。私たち全員が幸せに生きていけるような選択をしてください。
国際子ども会議の最後に、取り組まなければならない多くの課題を参加者全員で出し合いました。これから世界の子どもたちの訴えを読み上げます。世界の国々の政府は
- すべての発展途上国の人々が、きれいな飲み水を利用できるようにしなければならない。
- 京都議定書に署名し、それにもとづいて行動しなければならない−夏の盛りに「雪が降るのかな」なんて心配をするのはもういやです!
- 一家族あたりの車の数を制限すること。
- すべての子ども達が無料で基本的な保健医療が利用できるようにすること。
- 植林をせずに木を切るのをやめること。
- 会議ばっかり開いてないで、世界の貧しい人々や子ども達のためにより多くのお金を使うこと。
世界中の人々は
- 代替的な移動手段を使うこと、例えば徒歩、自転車、カーシェアリングなど。
- できるかぎり消費を減らし、再利用し、リサイクルし、生ゴミは堆肥にすること。
私たちは多くの政府が、環境や人間のことを考えない人たちにお金のために簡単に同意してしまうことを心配しています。
覚えておいてください。私たちは別の惑星を買うことはできないんです。そして私たちの命、未来の世代の命がこの惑星に依存しているんです。私たちは犯罪を犯せば刑務所に送られることを知っています。なのに、環境をだめにして私たちに害を与えている国や人々を罰するのはどうしてこんなに難しいんですか?
あなたは鏡に自分の姿を写して、こう言うことができますか?「子ども達には未来がある。子ども達はきれいな水を利用できる。子ども達は貧困に苦しむことがない。子ども達は汚染地域で生活することはない。なぜなら私たちが行動を起こしてきたからだ」と。
私たちは無理なお願いをしているのではありません!あなた達はこのサミットは行動を起こすためのものだと言ったでしょう!
あなた達は拍手をして、「よくやった」とか「いいスピーチだった」と言ってくれるのかもしれないけど、私たちが求めているのはそんなことではないんです。私たちは行動を起こしてほしいんです。発言だけではなくて、行動を。
やる気だけではなくて具体的な行動を起こしてください。いま、あるのは「自分たち対あの人達」という構図です。それを「自分たちとあの人達」に変えていく必要があります。青年と大人、金持ちと貧しい人々、そして豊かな国と貧しい国の関係を。
私たちをここに呼んでくれてありがとうございました。子ども達の声に耳を傾ける重要性に気づいてくれたことを感謝しています。
挑戦すべき課題から逃げたり、忘れたりしないで下さい。これが最後に私たち子どもがあなた達世界のリーダーに出す課題です。どうか私たちが出した課題をやりとげてください。
翻訳:ウインドファーム
原文(英文)は、以下のサイトにあります。
http://www.unicef.org/exspeeches/02esp19_wssdchildren.htm