2012/06/02

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク

ガレキを焼却せず、瓦礫を活かして「森の防潮堤」をつくる「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を市民が応援する運動が始まりました。この運動が全国に広がり、国民運動に展開されていくことを願っています。

東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100mほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなります。

世界にも例がない「凄い森づくり」に対して、東北の本当の復興を願う人々からの支援が日本全国から集まるはずです。さらに、世界からの支援も集まることでしょう。壮大な「森の防波堤・森の長城」は、観光資源にもなります。5年、10年と森が成長するほどに観光客が集まってくるでしょう。

「防波堤の森」は、植林して年数が経つほど生物多様性が豊かになり、20年後には、日本全国、世界各国から訪問者が増えるでしょう。大震災の瓦礫を活かして「森の長城」をつくり上げた人々の偉業は、人間の智慧と森の素晴らしさを学ぼうとする人々が集まる「聖地」となり、いずれは、世界遺産になるでしょう。

このプロジェクトを立案した宮脇昭さんは今年84歳。これまでに日本国内各地やアジア、南米、アフリカなど1700ヵ所以上で植林活動を行い、 約4000万本の木を植えてきた「日本の宝」ともいえる人です。政治家をはじめ日本人はもっと宮脇さんの声に耳を傾けるべきでしょう。

(チラシの表面)

みんなで応援しよう「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」

震災ガレキは、
被災地の方々にとって、
その土地に息づいていた生活の形見です。

〜命の宿っていたところに、命を再生させる〜 
今こそ、瓦礫の山から、未来へ伝えるいのちの森を。
それは、津波から人びとを守る「森の防波堤・防潮堤」です。

昨年5月から南相馬市の桜井市長も要望し続けてきた、
震災によって生じたガレキを、復興の第一歩である防潮林の土台に
再利用しようというプロジェクトが、大きく立ち上がりました。

宮城県岩沼市や、岩手県大槌町では既に始まっています。

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」
理事長・細川護熙元首相
副理事長・宮脇昭・横浜国立大名誉教授(植物生態学)
理事・秋元康(作詞家)、ロバート・キャンベル(東京大教授)
   佐藤可士和(アートディレクター)他
評議員・倉本聰(脚本家)

■9000万本の苗木を栽培し被災地の沿岸部で防波堤づくりを。
1口500円の寄付に協力しましょう!


<ダウンロード用 データ↓>
森の長城 チラシ表面(カラー)
森の長城 チラシ表面(白黒)
森の長城 チラシ裏面(白黒)↓

◆震災がれきを活用、東北に「森の防波堤」を 横国大の宮脇氏に聞く
(2012/2/1 日本経済新聞)から抜粋

――震災がれきを活用した「森の防波堤」とは。

震災で生じたがれきのほとんどは、家屋などに使われていた廃木材やコンクリートだ。これらはもともと自然が生み出したエコロジカルな『地球資源』だ。捨てたり焼いたりしないで有効に活用すべきだ

「海岸部に穴を掘り、がれきと土を混ぜ、かまぼこ状のほっこりしたマウンド(土塁)を築く。そこに、その土地の本来の樹種である潜在自然植生の木を選んで苗を植えていけば、10~20年で防災・環境保全林が海岸に沿って生まれる。この森では個々の樹木は世代交代しても、森全体として9000年は長持ちする持続可能な生態系になる

「将来再び巨大な津波が襲来しても、森は津波のエネルギーを吸収する。東北地方の潜在自然植生であるタブノキやカシ、シイ類などは根が真っすぐに 深く地下に入る直根性・深根性の木であるため容易に倒れず波砕効果を持つ。背後の市街地の被害を和らげ、引き波に対してはフェンスとなって海に流される人命を救うこともできる」

東北の海岸線に南北300~400キロ、幅30~100メートルほどの鎮守の森を再生できれば、緑の防波堤となるだけでなく、鎮魂の場にもなり、後世の人々が緑を満喫できる自然公園にもなる

――がれきを使うことに問題はないのですか。

がれきを使うことにこそ意味がある。根が浅いマツなどと違って常緑広葉樹は根が深く地中に入る。根は息をしており,生育には土壌の通気性が大事だ。土とがれきを混ぜることで通気性のよい土になる。木材など有機性の廃棄物はゆっくり分解し樹木の養分となる

がれきを利用した復興の事例はたくさんある。第2次世界大戦後の復興でドイツやオランダでは公園づくりにがれきを利用した。身近な例では横浜の山下公園は関東大震災のがれきを埋め立てて復興のシンボルにした

――潜在自然植生の森なら、丈夫で長持ちするということですか

「世界各地で植樹活動をしてきたが、世界は日本をじっと見つめている。大災害からどのように立ち直るのか、日本人の力を見定めようとしている。日本人は6000年にわたって守り続けてきた鎮守の森の知恵を生かし、9000年はもつ本物の命の森をつくり、二度と津波で多くの人命が失われないようにしなければならない。世界にも例がない先見的な試みをやってのけたときに、世界の人たちは『さすが日本人』と言うに違いない」

今年84歳の宮脇昭さんは、これまで日本国内各地や中国、インドネシア、ブラジル、アフリカなど1700ヵ所以上で植林活動を行い、 約4000万本の木を植えてきました。(毎日出版文化賞、朝日賞、紫綬褒章、瑞宝章 、ブループラネット賞など多数受賞)

宮脇さんが昨年4月に提唱した「森の長城プロジェクト」という優れたアイデアは、東北の人たちが最も恐れている津波から人びとを守る「森の防波堤」をつくるために、東北の人々の思いがこもった大切なガレキを焼却したり、捨てたりせず、逆にそれを東北を守るための「森の土台」として活かすという取り組みです。この「森の長城」は、震災で犠牲となった方々の鎮魂にもなるはずです。

南北300~400キロほどの植林用のマウンド(土塁)を築く費用、9000万本の苗木代など多額の費用がかかりますが、例えば、ガレキの広域処理をやめて地元処理にするだけで、1兆円の予算が半額の5000億円で足りるとも言われています。そうすると残りの5000億円を「森の防波堤」づくりに活用できます。

世界にも例がない「凄い森づくり」に対して、東北の復興を願う日本全国からの支援が集まるはずです。さらに、世界からの支援も集まることでしょう。また、南北300~400kmの壮大な「森の長城」は、植林や苗木の生育段階から観光資源となり、5年10年と森が成長するほどに「壮大な森の長城」を見にくる観光客が日本全国、世界中から集まってくるでしょう。

20年経って、生物多様性が豊かになった森は、世界のエコロジー運動の中心地となり、大学や研究施設も集まってくることでしょう。そして、いずれは「森の長城・森の防波堤」は、世界遺産となることでしょう。

「絶対に起こらない」はずの原発事故を起こして、子どもたちや未来世代が生きていく環境を放射能で汚染してしまった私たち大人世代は、今、自分たち自身のことよりも子どもたちの未来を少しでも明るいものにするために、できるだけの努力をしたいと思います。

それが、子どもたちや未来世代からの信頼を取り戻す第一歩になると私たちは信じています。できるだけ多くの日本人と世界の人々が一緒にチャレンジしてくれることを願っています。
あなたも一緒に、できる範囲でこの取り組みに参加されませんか。

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を応援する市民ネットワーク
(事務局)福岡県遠賀郡水巻町下二西3-7-16 ウィンドファーム内

 

2012/05/31

瓦礫焼却バグフィルターの放射性物質除去性能に疑問(東京新聞)

「見切り発車」の災害がれき処理
(2012年1月21日 東京新聞)から抜粋

焼却ありき 密室で決定

昨年6月19日、東京・霞が関の環境省第一会議室。非公開で開かれた有識者会議「災害廃棄物安全評価検討会」は、福島原発周辺の警戒区域・計画的避難区域を除く福島県内の災害がれきの処理方針を了承した。非公開の理由は「表に出せないデータがある」(同省廃棄物・リサイクル対策部)だった。
 
密室で決まったのは、大きく言って
(1)木くずなどの可燃物は、新たに放射能対策を講じなくても、既存の焼却炉で焼却可能
(2)放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下の不燃物や焼却灰は
  最終処分場に埋め立てが可能で、8000ベクレル超については一時保管ーの2つだ。

可燃物については「十分な能力を有する排ガス処理施設」との条件を付けた。「十分な能力」とは、ダイオキシン対策で整備された「ろ布式集じん機(バグフィルター)」と呼ばれる高性能の排ガス処理装置のこと。ダイオキシン対策が放射能汚染に通用するとは、にわかに信じ難い。

この時点で、放射能汚染がれきを実際に焼却炉で燃やしたデータはなかった。環境省によれば、その主な根拠は、検討会委員の大迫政浩・国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長が同会に提出した資料だった。

環境省 実証データなし 批判黙殺

その一つが、同センター作成の「放射能を帯びた災害廃棄物の処理に関する検討」 ぜんそくや肺がんを引き起こす可能性のある「PM2・5」という粒子状物質は、バグフィルターで「99・9%以上(除去できる)」だから「(放射性セシウムなどの)元素も捕集される」と報告している。ただ、わずか4ページの資料だけでは、その理由はよく分からない。

もう一つが「一般廃棄物焼却施設の排ガス処理装置におけるセシウム、ストロンチウムの除去挙動」と題した論文だ。2009年秋、バグフィルターを備えた「A自治体」の焼却炉で測定したところ、セシウムの除去率は「99・99%」という。だが、ここに登場するのは放射能を持たない「安定セシウム」と「安定ストロンチウム」。そもそも放射性物質をテーマにした実験ではないのだ。

有識者のお墨付きを得た環境省は6月23日、この方針を正式決定した。後日公表された会議の議事録によれば、これらのデータについて「机上の仮定の数字が多い」(酒井伸一・京都大学環境科学センター長)と批判的な意見もあったが、環境省は黙殺した。

同省廃棄物・リサイクル対策部は「十分なデータはなかったが、方針はすぐ出さなければならなかった。ごみを燃やすことができなければ都市生活は成り立たなくなる」と説明する。まさに「焼却ありき」だった。

ダイオキシン対策で整備
フィルター本当に安全?

環境省自ら「不十分」と認める状況下で、放射能汚染がれきを燃やすのは「人体実験」ではないのか

大迫氏は「こちら特報部」の取材に「バグフィルターでのばいじんの除去率や、安定セシウム、安定ストロンチウムでの除去率の高さから、バグフィルターで十分除去できる、と検討会で判断した。安定セシウムの挙動は、放射性と同じになると考えていい。災害廃棄物を燃焼した試験はこの時点では行っていないが、災害廃棄物も通常の可燃物なので、性状が都市ごみと大きく異なることはない」と主張した。

環境省も「放射性セシウムの除去率は実際に99・99%だった」と反論する。その根拠を尋ねると、同省が昨年11月末から12月中旬までの間、福島県内6カ所の焼却施設で測定した結果を示された。そこには「除去率99・92~99・99%」とある。しかし、これは、バグフィルター付近の測定結果から算定したにすぎない。投入したがれきに含まれていた放射性物質の総量は調べておらず、実際にどれくらい除去できていたのかは疑問が残る。

放射性物質 除去性能に疑問も

福島県での処理方針は、岩手、宮城両県の災害がれきの広域処理にも継承された。見切り発車した「福島モデル」が今や全国標準になったのだ。岩手、宮城両県の災害がれきは、通常の年間量の10~20年分に相当する約2千万トン。東京都と山形県が受け入れているが、そのほかの地域では住民の反発で調整が難航している。

環境省は、広域処理の安全性を必死にアピールしている。そこで振りまいているのが「バグフィルター安全神話」だ。住民向けのパンフレットには、バグフィルターの図入りで「放射性セシウムをほぼ100%除去でき、大気中への放射性セシウムの放出を防ぎます」と強調している。受け入れに反対する住民は「無知」と言わんばかりだ。

ごみ問題に詳しい環境ジャーナリストの青木泰氏は講演会や著書などで、「バグフィルター安全神話」に疑問を投げかけている。

「バグフィルターではダイオキシンもすべて取り切れないのに、原子レベルの放射性物質が除去できるというのは、サッカーのゴールネットで野球のボールを捕獲できると言うに等しい暴論だ。焼却炉の煙突から放射性物質が放出されれば、その空気を吸った住民は内部被ばくする」

検討会のあり方については「技術的な検討の場を非公開にする理由は全くない。本来は2~3年かけて検討を重ねなければいけない問題だが、環境省は、放射性物質が除去できるという実際のデータがないまま、がれき焼却方針を決めてしまった。方針を決めた後に実験でつじつまを合わせても、誰にも信用されない」と憤る。

では、どうするか。青木氏は訴える。

「バグフィルターで99・99%除去できるという説明は直ちにやめるべきだ。現在のように、汚染度にかかわりなく、何でも燃やすのは間違っている。受け入れの基準を早急に決める必要がある」


バグフィルターで放射性物質が除去できるか? ―放射能汚染廃棄物の焼却処理―

(2011年9月16日 青木泰氏のブログ)より抜粋

6月23日、環境省は、放射能汚染されたがれきの処理方法として、可燃ごみは市町村の清掃工場の焼却炉で焼却し、不燃ごみは除洗せず、埋立て処分する方針を発表した。焼却炉は、バグフィルターが付設されていれば良いとした。環境省の肝いりで作られた「災害廃棄物安全評価検討委員会」(=有識者検討会)でも了解されたとマスメディアに流された。<ここでは焼却問題について検証する。>

●放射性物質は、燃やすことで無くなるわけではない。

清掃工場の焼却炉では、通常木や紙、生ごみなどの有機物が焼却される。有機物は、焼却によって、炭酸ガスや水蒸気などのガスと微細な粒子,煤塵となって煙突から排出される。有機物は、1割ぐらいの燃え殻,灰を残して、分解して無くなってしまう。燃焼状態によって、煤塵が増えれば、煙突から黒々とした煙が出、ダイオキシン等の有害物も排出されることになる。

バグフィルターなどの集塵装置は、この煤塵や有害物の除去装置としてつけられたものである。しかし無機物である放射性物質は、焼却したからといって無くなる訳ではない。焼却すれば、ガスや微細な粒子に形を変えて、清掃工場の煙突から放出される。微細な粒子も総て取りきれるわけではなく、気化したガスはバグフィルターで除去できない。

ガスや微粒子になった放射性物質は、毒性がなくなるわけではなく、拡散放出される。放射性物質の排出源が、福島第1原発に加え、多発化されることになる。(その上焼却灰に濃縮された形で残し、保管一つを取っても後処理を困難にする。)

●放射性物質は、バグフィルターで除去できると裏付けなしに語る。

 
有識者検討会の委員で環境省の方針を積極的に後押ししたのは、国立環境研究所の大迫政浩資源循環・廃棄物研究センター長である。大迫氏は、バグフィルターが付加されていれば、放射性物質を除去できるため、煙突から煙となって拡散されることはないと朝日新聞の週刊誌「アエラ」で語っている。
 
しかし大迫氏らの発言は、実証的な実験の裏付けがあって語っているわけでない。有識者会議に大迫氏が資料として提出した論文は、放射性物質がバグフィルターで除去できるというものでなかった。

その論文は、論題は、「都市ごみ焼却施設から排出されるPM2.5等微小粒子の挙動」であった。微小粒子が喘息等に影響を与えると言う米国や環境省の報告を受けて、既存の焼却炉で除去できているかの実験をしたものである。微小粒子が、バグフィルターで99.9%除去できたとする実験結果でしかなかった。

実際廃棄物関係の専門誌である「月刊廃棄物」では、大迫氏は、「元来放射性物質は廃棄物処理法に含まれていなかったので、われわれ国立環境研究所は、知見もノウハウもほとんどありませんでした。」「自治体からの要請に基づいて、排ガス中の挙動や放射能レベルが高くなる原因究明などについての調査なども行ってゆきます。」と語っている。アエラで語った「放射性物質は除去できる」というのは裏付けなく話していたにすぎない。

●放射能汚染物焼却の背景
 
市町村の焼却炉は、有害物の除去装置として造られたものでない。市町村の街中から排出される生活ごみの量を減らす減容化のための手段に過ぎない。バグフィルターなどの除去装置は、焼却の過程で産み出される有害物や吐き出される有害物を除去するための装置に過ぎず、放射性物質に限らず、有害物を除去分解するための装置ではない。

今回の環境省の方針や大迫氏などの判断には、放射性廃棄物を市町村の焼却炉で燃やした時の周辺への影響を真剣に検討した後は見られない。

東北大震災で発生した大量のがれきを町中からなくしたいということがあり、従来の災害廃棄物と同様に市町村の焼却炉で燃やすということになったと考えられる。当初は、放射能の影響を考えていたが、放射能汚染されたがれきを燃やさなくとも、すでに市町村の焼却炉から排出される焼却灰は、放射能汚染度が高く、がれきを投入しても影響はないと今回の措置に踏み込んだものと考えられる。

しかし災害地だけでなく、東日本各地の市町村の焼却炉で放射能汚染されたごみが燃やされている。焼却灰が高濃度汚染されているのは、街路樹や公園、庭木などの樹木が放射能汚染され、それらの剪定ごみを燃やしている自治体が多く、その影響と考えられる。バグフィルターで捕捉された煤塵(飛灰ともいう)や燃え殻等を焼却灰というが、焼却灰が高濃度汚染されているというのは、相応の放射性物質が煙突から環境中に排出されているということである。

この事実を前にして、国民のために環境を守り、科学的な対処を考える環境省や専門家ならば、今すぐ市町村での剪定ごみの焼却をやめさせなければならない。

ところが、どうせ現状の市町村の焼却炉でも放射能汚染物を燃やしているのだからそこに放射能汚染がれきが追加されても、大したことはないだろうというのが、環境省が取った、放射能汚染がれきの焼却方針化といえる。

●バグフィルターを付設した焼却炉の影響

バグフィルターは、布や不織布で作られた袋状のフィルターで、掃除機のフィルターと基本的には同じである。ごみ焼却炉で燃やされ大量に排出される排ガス中には、微細な粒子状の煤塵が含まれているため、これをバグフィルターを通して除去することが目的である。その際ダイオキシンなどの有害化学物質も除去される。

布で作ったフィルターで、微細な粒子が取れるのは、布の表面に微細な塵が蓄積し、層をなしそこを通るより微細な粒子も取ることができるようにしているからである。これは掃除機のフィルターにごみがたまると急に吸い込みが悪くなるが、その分より細かなチリも取ることができるのに似ている。

層を成し厚みを増すと、排ガスも流れなくなるため、焼却炉のバグフィルターには、振動させて、たまったチリを落としたり、逆からガスを流し布にたまったチリを落とすように工夫している。チリの層がふるい落とされた時には、排ガスの流れがよくなるために、その分微細なチリは除去できなくなる。

またふるい落としのタイミングが悪い時には、焼却炉から排出される秒速数メータの排ガスの圧力で、バグフィルターが破れ破損することがある。

また焼却炉から排出される排ガスの温度は850℃前後であるが、
バグフィルターの前で、200℃前後に冷却するようにしている。

しかし温度が下がりきらないことがあり、その時熱風がバグフィルターを破損するため、排ガスの流れを切り替えて、直接煙突に排ガスを流すバイパスを設けている焼却炉もある。(「プラスチックごみは燃やしてよいのか」青木泰著、リサイクル文化社P170~)

このときにはもちろん放射性物質を始め有害物質は煙突からそのまま大気中に放出される。いずれにせよ、このようなバグフィルターの技術の状況で、バグフィルターで放射性物質は除去できるというのは、ざるで水をすくうことが出来るというに等しい暴論である。

●大学の論文の結論を覆す実証例。

バグフィルターについて少し付け加えておくと、大学の研究発表で発表された事例と実際には大きく違うことがいくつかある。今回の有識者検討会で出された微小粒子除去の実験報告の京都大学の高岡准教授の論文では、99.9%除去できるとなっていた。

この論文の結論から言うと焼却炉でごみを燃やしたときに発生するSPMやPM2.(*SPMは、10ミクロン前後、PM2.5は、2.5ミクロン以下の微粒子)の微粒子はほぼ除去できる。そのためバグフィルターを付設した焼却炉の周辺では喘息は起こらないとなる。

しかし神奈川県横浜市の栄区のごみの焼却炉が、稼働を停止したところ周辺の小学校の喘息の被患率が、桂台小学校では、19.7%から9.4%に半減し、本郷小学校では15.6%から5%に3分の1になった。
(「プラスチックごみは燃やしてよいのか」青木泰著、リサイクル文化社P184~)

また日の出の最終処分場内に作られたエコセメント工場の近くにある青梅市の第2小学校では喘息の被患率が、エコセメント工場が稼働した2006年の翌年の2007年から大きく変化した。それまで0%~0.8%の間で推移してきた被患率が、2007年度に一気に14%に増加し、2010年まで13~14%の間となっている。

また同じ高岡氏は、東京23区清掃一部事務組合の焼却炉で水銀が自主規制値を超えて排出され、清掃工場が止まった後の講演会で、焼却炉で排出される水銀は97.5%除去できると話していたが、その後の調査の中で、金属水銀は原理的にも除去できないこと。焼却炉メーカ自身が除去できないと発表していたことが分かった。

このように学者の研究論文で発表した少数の事例を基に、行政官庁は、バグフィルターで何もかも除去できるとしがちだが、それをそのまま前提にすることはできない。

2012/05/30

CNNが放送 「福島原発事故と 政府の対応に国民の怒り」

ついに世界放送!北九州の現状
(2012年5月25日 がれきSTOP北九州!子どもを守ろうプロジェクト)

CNNより、権力で市民を押さえつける北九州の現状を放映したいと連絡がありました。

「KEPT IN THE DARK いまなお終息を見せない福島原発事故の問題と
政府の対応に対する国民の怒りについて」

(2012年5月25日 19~20時放送 CNNj World One)

以下、文字起しです。

アナウンサー
悲しみが怒りの声に変わりました。日本では、東日本大震災から1年以上がたちましたが、日本の人達は福島原発による放射線量について明確な情報を得ることが出来ないままここまで来ました。キョン・ラー記者に東京から伝えてもらいます。」

記者
「福島第一原発の事故、これは後片付けに追われる、日本政府の在り方と、そしてどうすれば政府を信じられるのかそうした思いに繋がることになりました。日本政府は嘘を言ったのか、それとも情報を伏せたのか。日本の人々が知る情報と政府が公開する情報、そして政府が知っている情報との間には違いがあることが分かっています。

福島原発の問題については大々的な抗議デモが展開されました。かなりの怒りの声が上がっています。
首相府の首相にアドバイスをしていた核関係の科学者にもインタビューをしました。この人物(田坂広志氏)によりますと、政府は国民に対して期待に沿った形の対応が出来なかった、今でもそれは同じだということです。」

田坂広志氏(元内閣官房参与・原子力工学博士・多摩大学大学院教授)
政府を信じるということには透明性が求められています。情報を提示する必要があるのです。ところが、国民に対する誠意のあるメッセージを打ち出す必要があるのに、そうなってはいないのです。それが私の理解です。だからこそ国民は政府を信じてくれないのです。

記者
「政府の在り方にも多少状況が変わりました。原子力安全保安院、日本政府の在り方も変わってきました。しかし、もっと基本的な変化が必要であり、福島原発の事故を乗り越えるには、更なる変化が必要だと専門家は述べています。」

アナウンサー
政治家たちは日本の制度の中でかなり短命であることも確かだと思います。ここ5年間で6人の首相が交代している訳ですね?」

記者
「そうです、5年間で6人です。このような政府では満足がいかない、そうした考えが国民の間にあることも確かです。政治家の間では行き詰まり状態が続いています。つまり、政治家は、政府の首脳としての役割を守る事が出来ない状態です。国民が求めている問題については、まだ対応できていないのが現状です。」

(終)

2012/05/29

「環境大臣への新潟県知事の再質問」を読んで 

多くの人に読んでほしい「新潟県知事から環境大臣へ【ガレキの放射能対策】の再質問」とそれを読んでのコメント

新潟県知事の再質問を読んで 青山貞一
(2012年5月29日 独立系メディア E-waveTokyo)

 新潟県知事が環境大臣に出した再質問を読むと、今回の「がれき特措法」が、いかに地方自治を無視した、しかも放射性物質にまったく素人な環境省が拙速く、稚拙なものであるかが分かります。

 環境省は御用学者以外の専門家、法律家の意見を聞くことなく、一方的に法律、政策、施策、施行規則などをつくったかがよく分かるというものです。

 本来、新潟県知事の質問内容は、立法過程で都道府県知事、政令指定都市市長、基礎自治体長の意見を十分に聞き、さらに第三者の専門家の意見を聞き、まともなパブコメをやれば、今の段階でこのような本質的な課題、質問がでるはずもないのばかりです。

 私が何度も申し上げているように、思考停止となっている国会議員全員が昨年8月に安易に賛成した「がれき特措法」は、議員立法の形態を取りながら、その実、強権的な官僚立法であったことが新潟県知事の今回の再質問から分かります。

 環境省が昨年設置したがれき問題の検討会は、当初から完全に傍聴も認めず完全に非公開、環境行政改革フォーラムの鷹取事務局長らが開示請求、異議申し立てするまでは一切、議事概要すら出さない対応でした。

 友人の梶山正三弁護士(ゴミ弁連会長、理学博士)は、この「がれき特措法」をして憲法違反の可能性が高いと述べています。

 まさにその通りです。

 国会議員全体が思考停止でのなかで、見識有る自治体首長らが本気で問題の本質を読み取れば本来、全知事、市町村長らがこぞって国に対して行政訴訟を提起すべき内容だと思います。 


泉田新潟県知事から細野環境大臣への重要な質問
(2012年05月21日 新潟県ホームページ)から抜粋

環境大臣 細野 豪志 様
新潟県知事 泉田 裕彦

 東日本大震災により生じた災害廃棄物の放射能対策及び広域処理の必要性に関する再質問について(平成24年5月21日 新潟県)

1 放射性物質に関する国の認識について

 原子力発電所等の施設から排出される低レベル放射性廃棄物は、ドラム缶等に封じ込め、放射性廃棄物を処分するために整備した我が国唯一の最終処分場において処分するという厳格な対応をとっている。また、環境中への放射性物質をやむなく放出する場合においても、厳格な基準を遵守し、その基準を満たすことを確認するための排ガス等の常時監視などの措置をとることとされている
放射性廃棄物を処分するために整備された青森県六カ所低レベル放射性廃棄物埋設センターにあっては、埋設を行う放射性物質をセメント、アスファルト等で固化することなどを規定し、埋立総量も上限を定め、更にその周辺の放射線モニタリングを徹底し行うことで国から事業許可を受け、事業を行っている。

(1)震災後制定された法令により、放射性廃棄物の処分を想定していない市町村の廃棄物処理施設で放射性廃棄物の焼却や埋設等の処分を可能とし、排ガス、排出水中の放射性物質濃度を常時監視しないなど、震災以前の規制を緩めたことは、環境への放射性廃棄物の漏洩・拡散のリスクを高めることを許容したということでよいか。

 その場合、その考え方は何か。
 また、決定に至る議事録等を示されたい。

(2)ICRPの1990年勧告では、低線量・低線量率の発がん確率について「線量反応関係には真のしきい値を想定しうる十分な証拠はない。」とされているが、国の放射性廃棄物に関する規制値の設定の考えは、このICRPの考えを維持しているのか。

 また、そうであれば担保している根拠を示されたい。
 一方、維持していないのであれば、その理由を明らかにされたい。

(3)放射性物質を扱う専門組織及び専門職員が存在しない市町村に、放射性物質の管理をさせることの妥当性をどう考えているのか。
 環境省は、市町村が行う放射性物質の管理に係る予算措置や職員の教育訓練を実施しないのか。また、管理の実効性を確保するためにどのようなことを行うつもりか。

(4)震災後制定された法令では、放射性廃棄物を含む焼却灰等を市町村最終処分場で埋立可能とする濃度を8,000Bq/kg以下とし、濃度規制だけをもって規制しているところであるが、放射性物質の貯蔵については、その量を国に許可・届出することが義務づけられていることに対し、当該処分場に埋立できる放射性物質の総量を規制しない理由を示されたい。

(5)福島県内の災害廃棄物の処分の方針を決定するために重要な安全評価を行う「災害廃棄物安全評価検討会」を非公開とすることについて、環境大臣が「不安をあおらないやり方」と発言した旨公表されているが、どのような部分が不安をあおると考えたのか。

2 放射能対策についての技術的問題について

(1)最終処分場の排出水から放射性物質が出ることを前提としてゼオライトで対応することを指示することは、国が示した処理基準では完全に放射性物質を封じ込めることができないことを示唆しているのか。

(2)ゼオライトの設置が事故の発生を想定したものであれば、法令や基準にその設置や措置方法を規定しない理由を示されたい。

(3)ベントナイトによる雨水の浸透の防止能力の科学的検証を示されたい。
(4)土壌層による放射性セシウムの吸着能力(量・期間)の科学的検証を示されたい。
(5)大雨により処分場が冠水した場合の安全性の検証について示されたい。
(6)浸出水が漏洩した場合、周辺環境への影響の把握など恒久的な対応方法をどうすべきか国の考え方を示されたい。

(7)環境省の資料では、「排ガスは冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは、主に塩化セシウムとして固体状になり、ばいじんに凝集したり吸着する。」とあり、全てのセシウムが塩化物となることを想定していると考えられる。

 市町村の廃棄物処理施設で焼却した場合、セシウムは何%が塩化セシウムになるのか、また、ガス化するセシウムはないのか、科学的検証を示されたい。

(8)震災がれきを焼却している施設では、国の指導に従って通常の測定方法(JISZ8808「排ガス中のダスト濃度の測定方法」)により検体を採取、測定し、排ガス中の放射性セシウム濃度としているが、ガス化している放射性セシウムがある場合は正確な測定でない可能性があるが、これに対する科学的検証を示されたい。

(9)静岡県島田市の災害がれきの試験焼却の結果において、公表されているデータによれば、焼却から発生する排ガス、ばいじん等の一連の行程での放射性セシウムの物質収支量を見ると、4割の放射性セシウムが所在不明となっているが、その原因と理由を示されたい。

3 放射能対策についての管理面の問題について

(1)震災以前は厳格に国が規制していた放射性廃棄物の処分について、これまで放射性廃棄物の処分の経験がなく、また、放射能に関する専門職員及び組織を持たない市町村に委ねることは、放射性物質の漏洩によるリスクを高め、本来国が負うべき責任を市町村に転嫁しているように見えるが、トラブルが生じた場合、国はどのような具体的な責任をとるのか。(現に国の基準を満たした焼却灰を埋め立てたにも拘わらず、その排水から放射性セシウムが基準を超えた事例が見られている。

(2)放射性廃棄物の処分のために設置されている青森県六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターでは、管理期間を概ね300年と見込んでいる。
 放射性セシウムの半減期は30年であるが、市町村の一般廃棄物最終処分場で封じ込む期間や封じ込めのレベルをどの程度と見込んでいるのか。

 また、市町村最終処分場の埋立期間は概ね15年とされているが、その期間を超えた後、どのようにして管理するつもりか(「廃棄物最終処分場の性能に関する指針(平成12年12月28日付け)(環境省)」第四1(1)性能に関する事項に「埋立処分を行う期間内(十五年間程度を目安とし、……)とされている。)

(3)群馬県伊勢崎市の最終処分場や千葉県市原市の廃棄物処理会社の排水から、国が示した排水基準の目安を超える放射性セシウムが検出されるなど、実際に放射能の漏洩等、現に管理できていない事例が見られる。
 放射性物質の取り扱いの経験のない多数の事業主体が、なぜ厳格に管理できると考えているのか、本来、国で一元的に管理すべきではないか、根拠を示されたい。

「がれき処理の全体計画の明示」について

(1)5月10日付けの回答では、「岩手、宮城両県の災害廃棄物の発生量、処理量等について見直しを行っているところであり、広域処理の必要量についても改めて精査が行われる予定」とのことであるが、これらが未確定な中では広域処理の必要性について明確にならないと考えられるので、これらを明らかにした上で、改めて4月6日提出の質問に回答いただきたい。また、その際、岩手県及び宮城県における可燃物の発生量についても示されたい。

(2)今回回答いただいた参考資料及び環境省ホームページ等を基に推計(別表参照)すると、平成26年3月末における地元未焼却量の推計は98.4万トンとなり、これは、広域処理を行わなくとも、平成26年3月末から岩手県では2か月弱、宮城県では7か月弱で焼却処理が終わる量である。一方、4月17日付け環境省資料によれば、既に162万トンの広域処理が現実的なものとなりつつあるとのことなので、これ以上の広域処理は不要ではないか。

(3)仮設焼却炉を岩手県で2基、宮城県で29基、合計31基が稼働中又は設置予定であるとのことだが、これらによって全ての災害廃棄物を本当に域内処理できないのか、改めて明確な根拠を示されたい。

(4)今回回答いただいた参考資料では、宮城県で災害廃棄物を処理する焼却炉に既存の焼却炉がないが、なぜ既存の焼却炉も活用しないのか。地元で埋立の反対運動があったことが原因なのか。

(5)仙台市では地域内の処理が進み、他地域の災害廃棄物についても10万トンの処理を引き受ける一方、来年12月までには焼却処理を終了するとのことである。
 国は、被災地の災害廃棄物処理を全体的に見通しつつ、被災地域間の災害廃棄物処理の進捗の違いを調整して、できるだけ域内処理できるよう調整すべきと考えるが、現在どのような調整を行っているか。また、そうした調整を行っていない場合は、その理由を示されたい。

(6)阪神淡路大震災においては、仮設焼却炉は発災後約3か月後には設置され始めていたが、今回仮設焼却炉の大半の設置が約1年後以降と著しく遅れているのはなぜか。

(7)阪神淡路大震災では、兵庫県内において、可燃物の23%程度が埋立処理がされたが、なぜ、放射性物質の濃縮の危険がある東日本大震災の可燃物の埋立処理を行わないのか。

(8)このように、広域処理の必要性が明確でない中では、むしろ広域処理により生じる多額の国家予算を、被災地支援に有効利用すべきではないか。
(例)岩手県のホームページによれば宮古地区広域行政組合の処理単価が1トン当たり16,300円なのに対し、財団法人東京都環境整備公社の広域処理単価(運搬費含む)は1トン当たり59,000円となっている。広域処理引受量162万トンで差額を算出すると、約700億円となる。

(9)なお、環境省は、5月21日に、岩手県、宮城県の広域処理必要量の見直し結果を発表しているが、従来の必要量はどのように見積もったのか、また、今回見直しの理由と内容について、改めて明確に回答願いたい。

【参考】5月10日付け環境大臣からの回答(新潟県報道発表資料へリンク)


 4月6日、環境大臣に対し、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請」に対する検討結果を、別紙のとおり提出しました。

環境大臣 細野 豪志 様
新潟県知事 泉田 裕彦

                  
 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請に対する検討結果について

 本県においては、長岡市、三条市、柏崎市及び新発田市が、平成24年3月31日、新潟市と5市共同で受入表明を行ったところです。
しかし、岩手県等のごみ焼却施設で最大3万ベクレル/kgの飛灰が検出されていることからも震災がれきの広域処理にあたっては、放射能の安全対策を厳格に対応する必要があります。さらに、国が定めた基準(8,000ベクレル/kg)以下の焼却灰等を埋め立てた処分場から基準を超過する放流水が確認されており、放射能に関する安全基準に問題があるという懸念があります。

 がれきの受入れについての地域のコンセンサスが得られていない中で、県としては、県民に説明できる十分な情報を持っておらず、直ちに受入れを決められる状況には至っておりません。
 このため、まず、別紙の質問について御回答くださるようお願いします。

(別紙)

災害廃棄物の広域処理の必要性及び放射能対策に関する質問

  
1 がれき処理の全体計画の明示について

(1)地元でのがれきの量、焼却施設の設置基数、処理能力についてデータを明示していただきたい。

(2)地元での処理を極力推進すべきではないか。
 被災地の地元自治体が、がれき処理のための焼却施設建設を希望したが、環境アセスメントが障害となって実現しなかったと聞いている。

(3)可燃物について、焼却ばかりでなく埋立も推進すべきではないか。
 宮城県の県道10号線における道路嵩上げ工事や防災林のための土台などでがれきを再利用する方針であると聞いているが、地元公共工事全体でどれだけのがれきの再利用が可能か精査したのか、その結果はどうなっているか、併せて関係機関との調整状況について説明していただきたい。

(4)これらを踏まえて地元での処理が可能なのではないのか。被災地であっても処理状況に違いが出ていると聞いているが、その現状とともに原因を明示していただきたい。

2 放射能対策について

(1)管理型処分場で、長期に渡って本当に放射性物質を封じ込められるのか。
 管理型廃棄物処分場で国の基準値以下の焼却灰を埋め立てたにもかかわらず、水溶性の放射性物質を含む排水が基準超過になった事例(伊勢崎市)や、処分場の水漏れがあった事例(君津市)がある。

(2)国の基準の信頼性への疑問
 国が示した農地の作付けに係る放射性セシウムの濃度の上限値(5000ベクレル/kg)以下であっても、当時の暫定規制値(500ベクレル/kg)を超過する玄米が確認されている。

「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」 5/25 設立記者会見

ガレキを燃やさず、本当の絆を強めるプロジェクト。
津波からいのちを護るために「大事なガレキ」を生かす。
宮脇昭・横浜国立大学名誉教授「9000年続く」東北の希望の森づくり。

瓦礫を活かす森の長城プロジェクト:がれき活用へ財団設立
(毎日新聞 2012年05月26日 東京朝刊)

 東日本大震災で出たがれきを活用した盛り土に植樹する「森の防波堤構想」の推進を目的とした一般財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」(理事長・細川護熙元首相)が25日、設立された。同構想の提唱者、宮脇昭・横浜国立大名誉教授(植物生態学)が副理事長となり、理事には作詞家の秋元康、東京大教授のロバート・キャンベル、アートディレクターの佐藤可士和の各氏らが名前を連ねる。1口500円の寄付や企業からの寄付を募り、9000万本の苗木を栽培し被災地の沿岸部で防波堤づくりを目指す。

◆「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」設立記者会見 2012.5.25

一般財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」の理事長らが設立後に会見を行い、記者の質問に答えた。

細川護熙・理事長、宮脇昭・副理事長、倉本聰・評議員
理事・澁澤寿一、ロバート・キャンベル、佐藤可士和
冨木田道臣・顧問、新川眞・事務局長、川瀬修平・監事


以下、関連記事

ガレキを活用し【森の防波堤】をつくる
(2012/05/26 風の便り)から抜粋

瓦礫を活用し本物の森をつくり防波堤を築く方法

4000 万本の木を植えた植物生態学者 宮脇 昭 緊急提言
津波からいのちを護る 「森の長城」 プロジェクト
瓦礫を生かす。いのちをまもる。力を合わせて築く。 未来へのモニュメント

いのちを守る森の防潮堤
いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会のウェブページ

2012/05/28

多くの人に知ってほしい【ふくしま集団疎開裁判】

多くの人に知ってほしい裁判の内容

1
「ふくしま集団疎開裁判」の概要
2012年2月26日

第1、 申立の結論について
(1)、原告(14人の小中学生)が求めたこと
郡山市に対し、14人の原告が空間放射線量が年間1mSv以下の安全な環境の地域で教育を受けられるように避難すること

(2)、被告(郡山市)が求めたこと
原告の申立を却下する。

第2、申立の理由について

1、外部被ばく

(1)、原告の主張
ア、 原告らが通う7つの学校は、「郡山合同庁舎」の空間線量の値から推計した結果
●昨年3 月12日~8月31日の空間線量の積算値は7.8~17.16mSv
●昨年3 月12日以来1年間の空間線量の積算値は12.7~24mSv
●裁判の審理終結日(昨年10月末)から年間1mSv以上
イ、チェルノブイリ事故で旧ソ連とロシア等3国が定めた住民避難基準を郡山市に当てはめると、原告らが通う学校周辺は、昨年10月末の時点で、全て移住義務地域に該当(別紙の汚染マップ)。

(2)、被告の主張(答弁)
 すべて不知(積極的に争うことはしない、しかし相手の主張を認める積りもないという態度のこと)。

(3)、被告の反論
第1の反論:平成23年6月と7月に実施した、原告が通う学校で積算線量計で
測定した結果によれば、空間線量は毎時0.08~0.2μSv
第2の反論:学校滞在中の年間推定被ばく線量について
学校滞在時間を1日8時間、年間200日と仮定した年間推定被ばく線量は、
0.08μSv×8時間×200日=0.13mSv
0.2μSv ×8時間×200日=0.32mSv  いずれも1mSv 以下。

(4)、原告の再反論
第1の反論に対し:積算線量計を携帯したのは子どもでなく、教職員。子どもが校庭で過ごす時、「教職員」はコンクリートの校舎内で過ごすことが多いのが実態であり、測定結果は子どもの被曝線量にひとしくない。
第2の反論に対し:木造家屋の低減係数を原子力安全委員会により木造家屋0.9 とし、登校日は登下校に1時間を要し、帰宅後は自宅から出ないものと仮定し、休日は1日に3時間を戸外で過ごし、その他の時間は自宅ですごすものと仮定すると、年間の被曝量は2.5~6.3mSV。1mSv をはるかに超える。

2、内部被ばく

(1)、原告の主張
ア、原告らが住む郡山市の子どもたちは、今後、チェルノブイリ事故により、郡山市と汚染度が同程度の地域で発生した次の健康被害が予想されること(琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏の意見書)。
 通常であれば、甲状腺のがん等は10 万人当たり数名しか子どもには出ないのに、
(ア)、5~6 年後から甲状腺疾病と甲状腺腫の双方が急増し、9 年後の1995 年には子ども10 人に1 人の割合で甲状腺疾病が現れた。
(イ)、甲状腺がんは甲状腺疾病の10%強の割合で発病、9 年後は1000 人中13 人程度となった。

イ、ゴメリ医科大学学長のバンダジェフスキーが、チェルノブイリ事故後に死亡した人を解剖して臓器ごとにセシウム137 を測定した結果、子供たちの心臓病多発の原因がセシウム137 の心臓への高濃度蓄積によるものであることを指摘し、原告らが住む郡山市の子どもたちも内部被ばくにより、今後、同様の心臓病多発が予想されること(医師の松井英介氏の意見書)。
(2)、被告の主張(答弁)
すべて不知。

3、まとめ

(1)、原告の主張
被曝による被害は最先端の科学でも未解明な部分が多く、他方で健康障害が発生してからでは取り返しがつかない。このような予見不可能性と回復不可能性を有する事故については、「疑わしきは保護する」という予防原則が採用される必要がある。未来を担う子どもの場合、この原則が無条件に妥当する。
原告らの空間線量は3.11以来年間12.7~24mSvであり、チェルノブイリ避難基準に照らしても、またチュルノブイリ事故による健康障害との対比からも、被告には原告らを避難させる義務があることは明らか。

(2)、被告の主張
ア、原告は被曝が危険だと思うなら自ら転校すればよい。郡山市は転校を妨げていない。
原告に転校する自由がある以上、郡山市は原告の権利の侵害者に当たらない。
イ、郡山市は福島原発事故の被害者ではあっても加害者ではない。加害者は東京電力である。従って、原告の権利を侵害したのも東京電力であって郡山市ではない。

(3)、原告の反論
 郡山市には子どもを安全な環境で教育するという憲法上の責務がある。原告に転校の自由があるからといって、郡山市がその義務を免れるものではない。たとえ郡山市が福島原発事故の被害者だとしても、郡山市がその義務を免れるものではない。

新潟県知事から環境大臣へ【ガレキの放射能対策】の再質問

泉田新潟県知事から細野環境大臣への重要な質問
(2012年05月21日 新潟県ホームページ)から抜粋

放対第13号
廃第377号
平成24年5月21日
環境大臣 細野 豪志 様
新潟県知事 泉田 裕彦

 東日本大震災により生じた災害廃棄物の放射能対策及び広域処理の必要性に関する再質問について(平成24年5月21日 新潟県)

平成24年4月6日付け廃第73号により提出した質問に対して平成24年5月10日付け環廃対発第120510001号で回答をいただいたところです。しかしながら、従来の説明の域を超えない内容であり、県としては、依然として、受入れを決められる状況に至っていないことから、災害廃棄物の放射能対策及び広域処理の必要性に関して、別紙のとおり再質問します。

 (担 当)
 防災局 放射能対策課
 TEL:025-282-1693
 県民生活・環境部 廃棄物対策課 
 TEL:025-280-5159

1 放射性物質に関する国の認識について

 原子力発電所等の施設から排出される低レベル放射性廃棄物は、ドラム缶等に封じ込め、放射性廃棄物を処分するために整備した我が国唯一の最終処分場において処分するという厳格な対応をとっている。また、環境中への放射性物質をやむなく放出する場合においても、厳格な基準を遵守し、その基準を満たすことを確認するための排ガス等の常時監視などの措置をとることとされている
放射性廃棄物を処分するために整備された青森県六カ所低レベル放射性廃棄物埋設センターにあっては、埋設を行う放射性物質をセメント、アスファルト等で固化することなどを規定し、埋立総量も上限を定め、更にその周辺の放射線モニタリングを徹底し行うことで国から事業許可を受け、事業を行っている。

(1)震災後制定された法令により、放射性廃棄物の処分を想定していない市町村の廃棄物処理施設で放射性廃棄物の焼却や埋設等の処分を可能とし、排ガス、排出水中の放射性物質濃度を常時監視しないなど、震災以前の規制を緩めたことは、環境への放射性廃棄物の漏洩・拡散のリスクを高めることを許容したということでよいか。

 その場合、その考え方は何か。
 また、決定に至る議事録等を示されたい。

(2)ICRPの1990年勧告では、低線量・低線量率の発がん確率について「線量反応関係には真のしきい値を想定しうる十分な証拠はない。」とされているが、国の放射性廃棄物に関する規制値の設定の考えは、このICRPの考えを維持しているのか。

 また、そうであれば担保している根拠を示されたい。
 一方、維持していないのであれば、その理由を明らかにされたい。

(3)放射性物質を扱う専門組織及び専門職員が存在しない市町村に、放射性物質の管理をさせることの妥当性をどう考えているのか。
 環境省は、市町村が行う放射性物質の管理に係る予算措置や職員の教育訓練を実施しないのか。また、管理の実効性を確保するためにどのようなことを行うつもりか。

(4)震災後制定された法令では、放射性廃棄物を含む焼却灰等を市町村最終処分場で埋立可能とする濃度を8,000Bq/kg以下とし、濃度規制だけをもって規制しているところであるが、放射性物質の貯蔵については、その量を国に許可・届出することが義務づけられていることに対し、当該処分場に埋立できる放射性物質の総量を規制しない理由を示されたい。

(5)福島県内の災害廃棄物の処分の方針を決定するために重要な安全評価を行う「災害廃棄物安全評価検討会」を非公開とすることについて、環境大臣が「不安をあおらないやり方」と発言した旨公表されているが、どのような部分が不安をあおると考えたのか。

2 放射能対策についての技術的問題について

(1)最終処分場の排出水から放射性物質が出ることを前提としてゼオライトで対応することを指示することは、国が示した処理基準では完全に放射性物質を封じ込めることができないことを示唆しているのか。

(2)ゼオライトの設置が事故の発生を想定したものであれば、法令や基準にその設置や措置方法を規定しない理由を示されたい。

(3)ベントナイトによる雨水の浸透の防止能力の科学的検証を示されたい。
(4)土壌層による放射性セシウムの吸着能力(量・期間)の科学的検証を示されたい。
(5)大雨により処分場が冠水した場合の安全性の検証について示されたい。
(6)浸出水が漏洩した場合、周辺環境への影響の把握など恒久的な対応方法をどうすべきか国の考え方を示されたい。

(7)環境省の資料では、「排ガスは冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは、主に塩化セシウムとして固体状になり、ばいじんに凝集したり吸着する。」とあり、全てのセシウムが塩化物となることを想定していると考えられる。

 市町村の廃棄物処理施設で焼却した場合、セシウムは何%が塩化セシウムになるのか、また、ガス化するセシウムはないのか、科学的検証を示されたい。

(8)震災がれきを焼却している施設では、国の指導に従って通常の測定方法(JISZ8808「排ガス中のダスト濃度の測定方法」)により検体を採取、測定し、排ガス中の放射性セシウム濃度としているが、ガス化している放射性セシウムがある場合は正確な測定でない可能性があるが、これに対する科学的検証を示されたい。

(9)静岡県島田市の災害がれきの試験焼却の結果において、公表されているデータによれば、焼却から発生する排ガス、ばいじん等の一連の行程での放射性セシウムの物質収支量を見ると、4割の放射性セシウムが所在不明となっているが、その原因と理由を示されたい。

3 放射能対策についての管理面の問題について

(1)震災以前は厳格に国が規制していた放射性廃棄物の処分について、これまで放射性廃棄物の処分の経験がなく、また、放射能に関する専門職員及び組織を持たない市町村に委ねることは、放射性物質の漏洩によるリスクを高め、本来国が負うべき責任を市町村に転嫁しているように見えるが、トラブルが生じた場合、国はどのような具体的な責任をとるのか。(現に国の基準を満たした焼却灰を埋め立てたにも拘わらず、その排水から放射性セシウムが基準を超えた事例が見られている。

(2)放射性廃棄物の処分のために設置されている青森県六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターでは、管理期間を概ね300年と見込んでいる。
 放射性セシウムの半減期は30年であるが、市町村の一般廃棄物最終処分場で封じ込む期間や封じ込めのレベルをどの程度と見込んでいるのか。

 また、市町村最終処分場の埋立期間は概ね15年とされているが、その期間を超えた後、どのようにして管理するつもりか(「廃棄物最終処分場の性能に関する指針(平成12年12月28日付け)(環境省)」第四1(1)性能に関する事項に「埋立処分を行う期間内(十五年間程度を目安とし、……)とされている。)

(3)群馬県伊勢崎市の最終処分場や千葉県市原市の廃棄物処理会社の排水から、国が示した排水基準の目安を超える放射性セシウムが検出されるなど、実際に放射能の漏洩等、現に管理できていない事例が見られる。
 放射性物質の取り扱いの経験のない多数の事業主体が、なぜ厳格に管理できると考えているのか、本来、国で一元的に管理すべきではないか、根拠を示されたい。

「がれき処理の全体計画の明示」について

(1)5月10日付けの回答では、「岩手、宮城両県の災害廃棄物の発生量、処理量等について見直しを行っているところであり、広域処理の必要量についても改めて精査が行われる予定」とのことであるが、これらが未確定な中では広域処理の必要性について明確にならないと考えられるので、これらを明らかにした上で、改めて4月6日提出の質問に回答いただきたい。また、その際、岩手県及び宮城県における可燃物の発生量についても示されたい。

(2)今回回答いただいた参考資料及び環境省ホームページ等を基に推計(別表参照)すると、平成26年3月末における地元未焼却量の推計は98.4万トンとなり、これは、広域処理を行わなくとも、平成26年3月末から岩手県では2か月弱、宮城県では7か月弱で焼却処理が終わる量である。一方、4月17日付け環境省資料によれば、既に162万トンの広域処理が現実的なものとなりつつあるとのことなので、これ以上の広域処理は不要ではないか。

(3)仮設焼却炉を岩手県で2基、宮城県で29基、合計31基が稼働中又は設置予定であるとのことだが、これらによって全ての災害廃棄物を本当に域内処理できないのか、改めて明確な根拠を示されたい。

(4)今回回答いただいた参考資料では、宮城県で災害廃棄物を処理する焼却炉に既存の焼却炉がないが、なぜ既存の焼却炉も活用しないのか。地元で埋立の反対運動があったことが原因なのか。

(5)仙台市では地域内の処理が進み、他地域の災害廃棄物についても10万トンの処理を引き受ける一方、来年12月までには焼却処理を終了するとのことである。
 国は、被災地の災害廃棄物処理を全体的に見通しつつ、被災地域間の災害廃棄物処理の進捗の違いを調整して、できるだけ域内処理できるよう調整すべきと考えるが、現在どのような調整を行っているか。また、そうした調整を行っていない場合は、その理由を示されたい。

(6)阪神淡路大震災においては、仮設焼却炉は発災後約3か月後には設置され始めていたが、今回仮設焼却炉の大半の設置が約1年後以降と著しく遅れているのはなぜか。

(7)阪神淡路大震災では、兵庫県内において、可燃物の23%程度が埋立処理がされたが、なぜ、放射性物質の濃縮の危険がある東日本大震災の可燃物の埋立処理を行わないのか。

(8)このように、広域処理の必要性が明確でない中では、むしろ広域処理により生じる多額の国家予算を、被災地支援に有効利用すべきではないか。
(例)岩手県のホームページによれば宮古地区広域行政組合の処理単価が1トン当たり16,300円なのに対し、財団法人東京都環境整備公社の広域処理単価(運搬費含む)は1トン当たり59,000円となっている。広域処理引受量162万トンで差額を算出すると、約700億円となる。

(9)なお、環境省は、5月21日に、岩手県、宮城県の広域処理必要量の見直し結果を発表しているが、従来の必要量はどのように見積もったのか、また、今回見直しの理由と内容について、改めて明確に回答願いたい。

【参考】5月10日付け環境大臣からの回答(新潟県報道発表資料へリンク)


 4月6日、環境大臣に対し、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請」に対する検討結果を、別紙のとおり提出しました。

廃 第 73 号
平成24年4月6日

環境大臣 細野 豪志 様
新潟県知事 泉田 裕彦

                  
 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法第6条第1項に基づく広域的な協力の要請に対する検討結果について

 本県においては、長岡市、三条市、柏崎市及び新発田市が、平成24年3月31日、新潟市と5市共同で受入表明を行ったところです。
しかし、岩手県等のごみ焼却施設で最大3万ベクレル/kgの飛灰が検出されていることからも震災がれきの広域処理にあたっては、放射能の安全対策を厳格に対応する必要があります。さらに、国が定めた基準(8,000ベクレル/kg)以下の焼却灰等を埋め立てた処分場から基準を超過する放流水が確認されており、放射能に関する安全基準に問題があるという懸念があります。

 がれきの受入れについての地域のコンセンサスが得られていない中で、県としては、県民に説明できる十分な情報を持っておらず、直ちに受入れを決められる状況には至っておりません。
 このため、まず、別紙の質問について御回答くださるようお願いします。

(別紙)

災害廃棄物の広域処理の必要性及び放射能対策に関する質問

  
1 がれき処理の全体計画の明示について

(1)地元でのがれきの量、焼却施設の設置基数、処理能力についてデータを明示していただきたい。

(2)地元での処理を極力推進すべきではないか。
 被災地の地元自治体が、がれき処理のための焼却施設建設を希望したが、環境アセスメントが障害となって実現しなかったと聞いている。

(3)可燃物について、焼却ばかりでなく埋立も推進すべきではないか。
 宮城県の県道10号線における道路嵩上げ工事や防災林のための土台などでがれきを再利用する方針であると聞いているが、地元公共工事全体でどれだけのがれきの再利用が可能か精査したのか、その結果はどうなっているか、併せて関係機関との調整状況について説明していただきたい。

(4)これらを踏まえて地元での処理が可能なのではないのか。被災地であっても処理状況に違いが出ていると聞いているが、その現状とともに原因を明示していただきたい。

2 放射能対策について

(1)管理型処分場で、長期に渡って本当に放射性物質を封じ込められるのか。
 管理型廃棄物処分場で国の基準値以下の焼却灰を埋め立てたにもかかわらず、水溶性の放射性物質を含む排水が基準超過になった事例(伊勢崎市)や、処分場の水漏れがあった事例(君津市)がある。

(2)国の基準の信頼性への疑問
 国が示した農地の作付けに係る放射性セシウムの濃度の上限値(5000ベクレル/?)以下であっても、当時の暫定規制値(500ベクレル/?)を超過する玄米が確認されている。

2012/05/27

WHOが日本全国の被ばく線量推計 マスコミ報道の問題点

以下の記事は、NHKも朝日新聞もWHO(世界保健機関)の発表をそのまま報道しています。「がんのリスクが高まるとされる100ミリシーベルト以上の被ばく」という見解は、国際的に通用するものではありません。これらの記事には重要な問題が含まれているので、記事のあとにコメントを書きます。

WHO 住民の推定被ばく量報告書
(5月24日 5時48分 NHK)

WHO=世界保健機関は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、住民の被ばく量を推定した初めての報告書を23日、公表しました。原発に近い地域では、最大で50ミリシーベルトに上ったとした一方で、がんのリスクが高まるとされる100ミリシーベルト以上の被ばくはなかったとしています。

この報告書は、日本政府が去年9月までに公表した、土壌や食品中の放射性物質の濃度などの調査結果を基に、WHOの専門家グループが住民の全身の被ばく量を推定したものです。

それによりますと、最も高かったのは、原発に近い福島県浪江町と飯舘村で、事故後4か月間で10ミリシーベルトから50ミリシーベルト。それ以外の福島県内では、年間で1ミリシーベルトから10ミリシーベルト。福島県やその近隣の県を除いた日本国内は、0.1ミリシーベルトから1ミリシーベルトでした。
がんのリスクが高まるとされる100ミリシーベルト以上の被ばくはなかったとしています。
今回のWHOの推定では、原発に近い地域での避難対応を考慮せず、事故後も住民が住み続けたと想定しているほか、被ばくを避けるための食品規制を考慮しておらず、実際よりも被ばく量が高く推定されている可能性があるということです。
WHOは「福島の事故による健康への影響を評価するため、まずは被ばく量を予備的に推定した」と述べていて、7月には最終的な報告書を取りまとめたいとしています。


WHOが被ばく線量推計、福島2カ所で最大50ミリシーベルト
(2012年5月24日 朝日新聞)

 [ジュネーブ 23日 ロイター]世界保健機関(WHO)は23日、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、住民の被ばく線量を推定した報告書を発表した。

 専門家らによると、全身の被ばく線量が最も高かったのは、福島県浪江町と飯舘村の2カ所で10─50ミリシーベルト。このほかの同県全域では1─10ミリシーベルト、日本のほぼ全域では0.1─1ミリシーベルトだった。

 WHOによると、全身被ばく線量が100ミリシーベルトを超える場合、がんのリスクが高まるという。

 一方、幼児の甲状腺の被ばく線量は、浪江町で100─200ミリシーベルトだった。

 報告書は、日本政府が震災後から昨年9月までに公表した、大気や土壌、水や食物に含まれる放射性物質の濃度を基に作成された。


★2つの記事に対するコメント

どちらもWHOの発表をそのまま報道していますが、NHKは「がんのリスクが高まるとされる100ミリシーベルト以上の被ばくはなかった」を2回繰り返し、さらに「今回のWHOの推定では、原発に近い地域での避難対応を考慮せず、事故後も住民が住み続けたと想定しているほか、被ばくを避けるための食品規制を考慮しておらず、実際よりも被ばく量が高く推定されている可能性がある」というコメントをつけて、WHO以上に被害をより小さく見せようとしています。

※コメント1
上記「WHOによると、全身被ばく線量が100ミリシーベルトを超える場合、がんのリスクが高まる」というのは、WHO独自の見解であり、国際的な常識とは違っています。子どもたちの健康を守るためには、WHOが「国際原子力村」の一員であるこを知っておく必要があります。

(1)ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告
(2011/04/16 風の便り)から抜粋

◆米国科学アカデミーによれば、安全な放射能の線量というものはない。過去数十年にわたる研究から、放射線はどんなに少ない線量でも、個々人の発がんリスクを高めることがはっきりと示されている。

◆日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト(mSv)被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100 mSv の線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10 mSv では1000人に1人、そして1 mSV でも1万人に1人である。


(2)低線量被曝でも発がんリスク
―米科学アカデミーが「放射線に、安全な量はない」と結論―

(2005/8/22 原子力資料情報室)から抜粋

 米国科学アカデミーは、「放射線被曝には、これ以下なら安全」といえる量はないという内容のBEIR-VII(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)を発表した(http://books.nap.edu/catalog/11340.html)。報告書は、放射線被曝は低線量でも発がんリスクがあり、放射線業務従事者の線量限度である5年間で100ミリシーベルトの被曝でも約1%の人が放射線に起因するがんになる、とまとめている。

 また、BEIR委員でもあり、仏リヨンにある国際がん研究機関所属のE.カーディスらが中心になってまとめた15カ国の原子力施設労働者の調査が、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」誌2005年6月29日号に掲載された。この調査でも、線量限度以下の低線量被曝で、がん死のリスクが高まることが明らかになった。

■BEIR-VII報告

 この報告は米国科学アカデミーから出版される、放射線の健康影響に関するシリーズの7番目のもので、報告書の全体は733ページにもおよぶ。低線量電離放射線の被曝に対するがんやその他の健康影響に対する総合的なリスク評価を行なっている。

 エックス線やガンマ線など低LET(Linear Energy Transfer)放射線(放射線の飛程に沿う電離密度の小さい放射線)による低線量放射線被曝でもがんなど健康障害を起こす可能性があることを認めた。BEIR委員会は、低線量を0~約100ミリシーベルト程度までと定義し、この線量域での被曝によるリスク推定は「しきい値なしの直線モデル」が妥当としている。

全文

(3)原発労働者のガン 5ミリシーベルトで労災認定 
(2011/07/26 風の便り)から抜粋

原発作業員:被ばくでがん 労災10人 (毎日新聞 2011年7月26日)

 ◇9人は100ミリシーベルト以下

 過去にがんを発症して労災認定された原発作業員10人のうち9人は累積被ばく線量が100ミリシーベルト以下だった。遺族からは福島第1原発の作業員を案じる声が上がる。 

 厚生労働省によると、10人は作業中に浴びた放射線を原因として労災認定された。内訳は白血病6人、多発性骨髄腫2人、悪性リンパ腫2人。累積被ばく線量が最も高かった人は129.8ミリシーベルト、残り9人は100ミリシーベルト以下で、最も少ない人は約5ミリシーベルトだった。


※コメント2
放射能被害に関するWHO見解が「異常に過小評価されている」のは何故か?
その答えのヒントが以下の2つの動画で話されている。

(1)真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って
(2012/05/24 風の便り)

(2)IAEA(国際原子力機関)とWHO(世界保健機関)疑惑の協定
(2011/09/17 風の便り)

「チェルノブイリ・百万人の犠牲者」
http://www.universalsubtitles.org/ja/videos/zzyKyq4iiV3r/info/chernobyl-a-million-casualties/

「書き起こし」から関連部分を抜粋します

司会のカール・グロスマンです。
来る4月26日でチェルノブイリの原発事故からまる25年になります。
今日は ちょうど出版された大事な本「チェルノブイリ:大惨事の人と環境に与える影響」について取り上げていきます。

この本は公開された医学的データに基づき事故の起きた1986年から2004年までに98万5千人が亡くなったとしています。死者数はさらに増え続けています。

スタジオにはジャネット・シャーマン博士をお迎えしています。ジャネット博士はこの本の編者でもあります。著者はアレクセイ・ヤブロコフ博士とベラルーシ出身のバシリー・ネステレンコ博士そしてアレクセイ・ネステレンコ博士です。

Q,チェルノブイリ原発事故の死者は100万人ということですが死因は何でしょう?

癌、心臓病、脳障害や甲状腺ガンなど死因はさまざまでした。
何より多くの子供達が死にました。胎内死亡、又は生後の先天性障害です。

Q,科学者たちが98万5千という死者数を特定した方法は?

これは公開されている医学的データを基にしています。原子力を規制・奨励する国際機関である国際原子力機関(IAEA)はチェルノブイリの死者数を約4千人とホームページで発表しています。

Q,これは本に発表されている98万5千人と大きく異なるのはなぜでしょう?

IAEAが発表したチェルノブイリフォーラムという調査書は350の論文に基づき英文で公開されている資料でしたが、ヤブロコフ博士とネステレンコ博士たちは5千以上の論文を基にしています。

それは英文の論文に限りませんでした。また実際に現場にいた人達の声を基にしています。現場にいたのは医師、科学者、獣医師、保健師など地域の人々の病状を見ていた人たちです。

Q,この本によりますと、世界保健機関(WHO)でさえチェルノブイリの真実を語っていないと批判していますね。WHOはIAEAと協定を結んでおり発表することができないとのことですが、それについて説明していただけますか?

1959年に結ばれた協定は、それ以来変わっていません。
一方がもう一方の承諾を得ることなしに調査書を発表することを禁じています。WHOはIAEAの許可なしには調査書を発表できないのです。

IAEAは、世界中の原子力の規制だけではなく原子力の促進を行う機関でもありますからね。当然、WHOに「原子力は健康に有害だ」と言われては困るわけです。こうした協定を終結すべきです。協定は破棄されるべきです。

国際原子力機関(IAEA)と世界保健機関(WHO)の間の協定から抜粋

第I条 協力と協議

3. いずれかの機関が、他方の機関が重大な関心を持つか、持つ可能性のある計画または活動を企画するさいには、常に、前者は後者と協議し、相互合意にもとづく調整を図らなければならない。

第III条 情報と文書の交換

1. 国際原子力機関と世界保健機関は、提供を受けた機密情報の保護のために、何らかの制限を適用する必要があると判断する場合があり得ることを認める。

2. 機密資料の保護のためにこのような取り決めが必要になる場合があり得るとの前提の下で、国際原子力機関事務局と世界保健機関事務局は、双方が関心をもつ可能性のある活動計画や事業計画について充分な情報を相互に提供するものとする。

第IV条 議案の提案

こうした予備協議を必要に応じて行った後に、世界保健機関はその総会議案または理事会議案に国際原子力機関が提案した項目を含めなければならない。同様に、国際原子力機関はその総会議案または理事会議案に世界保健機関が提案した項目を含めなければならない。いずれかの側が他方による検討を求めて提出する項目には、説明の覚書を添付しなければならない。

第V条 事務局間の協力

国際原子力機関事務局と世界保健機関事務局は、両機関の事務局長の間で適宜合意される協定にもとづき緊密な業務関係を維持しなければならない。とくに、双方にとって重大な関心のある問題については、適宜合同委員会を招集して検討するものとする。

第VII条 統計業務

統計の分野では、最大限の協力を行い、情報源となる各国政府その他の機関にかかる負担を最小化することが望ましいことに鑑み、国際原子力機関と世界保健機関は、国際連合が統計に係る協力を目的として行っている一般的取り決めを勘案しつつ、統計の収集、編纂ならびに公表をめぐる両機関の間での無用な重複を避け、統計分野における情報、資源および技術職員の有効活用と、共通の関心事項を扱うすべての統計計画について、相互に協議し合うものとする。

第VIII条 特別業務の財源

いずれかの機関から他方に対して行われた支援要請への応諾が、その要請に応える機関の多額の出費をともなうか、その可能性がある場合は、そのような出費をもっとも公平に負担する方法を決めるために協議を行うものとする。

第IX条 地域事務局および支局

世界保健機関と国際原子力機関は、できる限り、いずれかの機関がすでに設置しているか、将来設置する可能性のある地域事務局および支局の施設、職員および共通の業務を他方の機関が利用することに関する協力準備に入るために、合同の協議を行うことに合意する。

国際原子力機関を代表して:(署名)スターリング・コール 1959年7月13日
世界保健機関を代表して:(署名)M. G. キャンドーの代理としてP. ドロール 1959年7月24日

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仮訳:真下俊樹(日本消費者連盟)

福島原発事故の責任をただす!告訴人募集 現在701人

第一次告訴6月11日が近づいています
(2012年5月25日 福島原発告訴団)

福島原発告訴団は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により被害を受けた住民で構成し、原発事故を起こし被害を拡大した責任者たちの刑事裁判を求め、福島地方検察庁へ告訴を行います。

告訴人1,000人へダッシュ!
2012年 05月25日

核燃料サイクル政策の見直しをしてきた原子力委員会が推進側だけで秘密会議を開いてきた問題が発覚し、「原子力村」の底知れない不正の数々が明らかになっています。福島原発事故による放射性物質の環境への放出量も、東京電力の発表でさえ、原子力安全・保安院発表の1.8倍になりました。

福島原発事故により強制的に被曝させられたわたしたちは、生活と健康の不安におびえながら、このまま泣き寝入りするわけにはいきません。いまだに責任が問われていない東京電力の経営陣、原子力委員会、原子力安全委員会の委員など、東京電力&国&官僚&御用学者の犯罪を追求し、法的責任を問うことが必要です。

福島原発事故の責任をただそう!と「原子力村」の犯罪を刑事告訴で責任を糾すため、3月16日に結成された「福島原発告訴団」は、この2ヶ月間福島県内はじめ山形、新潟、東京などで各地で説明会を開催し、告訴団への入会をすすめてきました。
5月23日までに、701名の福島県民が告訴人になるため、「福島原発告訴団」に入会しました。目標は1,000人の告訴人!この数で福島地方検察庁への告訴します。

いよいよ、福島県民による第一次告訴の6月11日が迫りました。1,000人まであと約300人です。どうかみなさま、ご家族、親類、友人、知人に、告訴人になるよう一声かけてください。あと2週間ダッシュで、告訴人1,000人を達成し、福島地方検察庁に告訴しましょう!


●以下は、「福島原発告訴団」からのお知らせです。
_________________________________

第一次告訴6月11日が近づいています
5月10日時点で約350名だった告訴人も会員の皆様に『両手にお友達』作戦を呼びかけさせていただいたところ、20日現在約700名と片手達成。目標の1000人まで、いま一歩(あと片手分)のところまできました。

福島原発告訴団 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
◇手続きの期限を、少し延ばして6月3日としました。
今から御紹介お誘いできる方には、ぜひ急ぎお声かけください。
◎入会申込みいただける方は、まず入会申込みをメール・FAXなどでお願い致します。(ブログ名の3行下に別ページのタイトルがあり3つ目?「入会申込み」です。)
次いで、会費振込み・委任状や陳述書の送付を進めてください。

◯入会済み会員の皆さまは、委任状・陳述書の送付をお早めにお願いします。
宛て先:963-4316田村市船引町芦沢字小倉140-1福島原発告訴団
※用紙はこちらからダウンロードできます。(事務局から発送もできます。至急お申し込みください。)
第一次告訴の委任状 陳述書フォーマット1(1ページ目用) フォーマット2(2ページ目以降)

※ページタイトル「?委任状・陳述書の提出」で、
委任状・陳述書の記入・捺印などの注意事項をご確認ください。

※陳述書の公開を了承くださった会員さんの陳述書を公開させていただきます。 ご参考ください。 (ページタイトル?「陳述書の記述例」からも入れます。)
陳述書例1  陳述書例2(福島市)  陳述書例3(田村市)  陳述書例4(いわき市)  陳述書例5(いわき市)

福島原発告訴団事務局(何でもお問い合わせください)
メール:info(アットマーク)1fkokuso.org
TEL:080-5739-7279 FAX:0242-85-8006


告訴宣言
福島原発事故の責任をただす!告訴宣言

(2012.3.16 福島原発告訴団結成集会参加者一同)

福島原発事故から1年を過ぎた今なお、事故は全く収束せず被害は拡大の一途をたどっています。美しい自然と豊かな生命をたたえたふるさと、何ものにも代え難い共同体を失った私たちは、地域社会の分断という重荷を背負い、いつ終わるともしれない苦難の中にいます。

福島原発事故は、すでに日本の歴史上最大の企業犯罪となり、福島をはじめとする人々の生命・健康・財産に重大な被害を及ぼしました。原発に近い浜通りでは、原発事故のため救出活動ができないまま津波で亡くなった人、病院や福祉施設から避難する途中で亡くなった人、農業が壊滅し、悲観してみずから命を絶った農民がいます。

このような事態を招いた責任は、「政・官・財・学・報」によって構成された腐敗と無責任の構造の中にあります。とりわけ、原発の危険を訴える市民の声を黙殺し、安全対策を全くしないまま、未曾有の事故が起きてなお「想定外の津波」のせいにして責任を逃れようとする東京電力、形だけのおざなりな「安全」審査で電力会社の無責任体制に加担してきた政府、そして住民の苦悩にまともに向き合わずに健康被害を過小評価し、被害者の自己責任に転嫁しようと動いている学者たちの責任は重大です。

それにもかかわらず、政府も東京電力も、根拠なく「安全」を吹聴した学者たちも誰一人処罰されるどころか捜査すら始まる気配がありません。日本が本当に法治国家かどうか、多くの人々が疑いを抱いています。

生命や財産、日常生活、そして「健康で文化的な最低限度の生活」さえ奪われた今、すべての人々がそれを奪った者への怒りを込めて、彼らの責任を追及し、その罪を認めさせなければなりません。そのために、最も深刻な被害を受けている福島でまず私たちが立ち上がり、行動しなければなりません。告訴団を結成した理由もここにあります。

私たちは、彼らに対する告訴を福島地検で行うことを決めました。自分たちも放射能汚染の中で被曝を強要されながら存在しなければならない矛盾、逃れられない厳しい現実を背負う福島の検察官こそ、被害者のひとりとして、子どもを持つ親として、この事故に真摯に向き合うべきだと考えるからです。

私たちは、自分たちのためだけにこの闘いに踏み出すのではありません。日本政府は、あらゆる戦争、あらゆる公害、あらゆる事故や企業犯罪で、ことごとく加害者・企業の側に立ち、最も苦しめられている被害者を切り捨てるための役割を果たしてきました。

私たちの目標は、政府が弱者を守らず切り捨てていくあり方そのものを根源から問うこと、住民を守らない政府や自治体は高い代償を支払わなければならないという前例を作り出すことにあります。そのために私たちは、政府や企業の犯罪に苦しんでいるすべての人たちと連帯し、ともに闘っていきたいと思います。

この国に生きるひとりひとりが尊重され、大切にされる新しい価値観を若い人々や子どもたちに残せるように、手を取り合い、立ち向かっていきましょう。

2012.3.16
福島原発告訴団結成集会参加者一同

放射線から離れる「沖縄・保養プロジェクト」参加者募集

第一回「沖縄・球美の里・保養プロジェクト」参加者募集
(2012年5月27日 ハイロアクション)から転載

「いわき放射能市民測定室たらちね」の<沖縄・球美の里>いわき事務局から、「沖縄・球美の里・保養プロジェクト」参加者募集のご案内が届きました。以下、掲載します。拡散をお願い致します。

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▼募集中!
 第一回 「沖縄・球美の里・保養プロジェクト」参加者募集!

 久米島で、のびのびのんびり過ごしてみませんか?

 このプロジェクトは傷ついた細胞を修復し、
   免疫力を少しでも高めることを目的としております。
     そのため、長期の保養期間としております。

 ※ご理解していただいた上での ご参加・申し込みをお願いいたします。

 ◆◆ 申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。

  【募集人数】 50名(子供・保護者同伴の場合、保護者はお一人まで)
  【対象年齢】 未就学児~小・中学生
  【期間】
     第一回  7/5 ~ 7/20  (15日間) *第一回は、募集終了しました!
     第二回  7/26 ~ 8/10  (15日間)   (小・中学生 対象)
     第三回  8/20 ~ 8/30  (10日間)

  【自己負担金】
  ※大人・子供の保険料は自己負担になります。
  保護者同伴で、保護者の交通費(飛行機代)、宿泊費も保養プロジェクトで負担いたします。
  ただし、 いわき市~羽田空港までの往復のバス代は
  ※お一人様 3,000円前後は 自己負担とな ります。(いわき市より大型バスが出ます)

  ■詳細につきましては、お電話にてお尋ね下さい。
   TEL  (0246)92-2526

  いわき放射能市民測定室たらちね
  <沖縄・球美の里>いわき事務局 白岩
  〒970-8162福島県いわき市小名浜花畑11?3

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「沖縄・球美の里」

久米島に、子どもの保養センターが誕生いたします。皆様のご支援を!

沖縄久米島山城(やまぐすく)に福島原発事故で被害にあった子供たちの保養センターが生まれます。
2012年3月30日の現地記者発表で、賛同人である石井達也さん(アーティスト・元米米CLUB)や久米島の平朝幸市長、沖縄の大田昌秀県知事からお話とメッセージをいただきました。

また、この保養センターの世話人代表である広河隆一氏(フォトジャーナリスト)は、20年以上におよぶチェルノブイリの救援運動の経験から、被曝した子どもたちが将来、病を発症することを防ぐために、保養がいかに大切かについてのお話をされました。

保養センターは、改修工事の打ち合わせなどの後、「沖縄・球美の里」として活動を開始することになります。

また、東京・福島の事務局は沖縄・久米島の事務局と協力し、資金集めと保養する子どもの募集などの仕事を分担し行います。

この施設を守り育て、一人でも多くの子どもたちに「健康」をプレゼントすることができるようにしたいと願っています。

さらに、東京といわきの事務局といたしましては、久米島の地で保養させていただく子どもたちが、沖縄の歴史と豊かな文化を学び、久米島の子どもたちと交流することを通じて、未来に大きな希望をもたらすと信じています。

*沖縄・球美の里 いわき事務局では、沖縄・久米島の球美の里で働くスタッフを募集しております。
久米島の豊かな自然の中で、子どもたちの保養を支え、ともに過ごすことを望む思いのある方、ぜひご連絡ください。
栄養士・保育士・その他の資格のある方、歓迎です。また、資格のない方でも、低線量被ばく地である福島からの移住をお考えの方、ご連絡ください。

 ご連絡の際は、履歴書の添付をお願いいたします。

沖縄・球美の里 いわき事務局
Eメール:tarachine★bz04.plala.or.jp(★を@に変えて下さい)
電話・FAX 0246-92-2526 担当 白岩

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