2012/09/25

チェルノブイリでは、森林火災で放射性物質の大気拡散を恐れ、日本では、自らガレキを焼却している

チェルノブイリでは、森林火災で放射性物質が大気に拡散することを最も恐れている。日本では、自ら進んでガレキや汚泥を焼却している。

【チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告】
「第1回 ベラルーシの苦悩」
(NHK・ETV特集)

この番組で、ガレキに関する重要な話が出てきた。(動画の5分17秒~6分23秒を書き起こし)

「ベラルーシでは、森林の除染はコストがかかり生態系を破壊するため、行なわれませんでした。「ゾーン」の中には、放射性物質に汚染されたガレキが持ち込まれ、捨て場となっている場所がありました。

この辺りの空間線量率は、およそ毎時0.3マイクロシーベルト。事故直後と比べると、100分の1以下に減少しました。しかし土壌には、人体に入ると骨に入って排出されにくいストロンチウムや肺がんを引き起こすといわれるプルトニウムなども沈着しています。

放射性物質が集められているゾーン。いちばん恐れられているのが森林火災が起き、放射性物質が大気に拡散することです。火事が起きないよう厳しい監視が続けられています。」

◆日本はがれき処理でも「焼却主義」の大愚
http://eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp10189…html

◆放射能汚染がれきや汚泥、剪定ごみは燃やしてはいけない
http://savechild.net/archives/11027.html

◆【放射能汚染の森を必死に消火する国】と【ガレキを焼却する国】
https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-10255

◆下水汚泥の焼却灰、処分進まず セシウム検出、住民反発
http://www.asahi.com/eco/news/TKY201111190622.html

【福島県・がれき本格焼却】 高線量灰どうする 

【いわき・がれき本格焼却】
高線量灰どうする 南部、保管限界迫る 北部は開始めど立たず

(2012/09/20 福島民報)

 いわき市は、19日に市南部清掃センターで始まった震災がれきの本格焼却を「復興に向けた第一歩」とし、復興の妨げになっている廃棄物の早期処分を目指す。ただ、国の処分場設置が不透明な中、焼却灰のうち煙をフィルターで処理した後に残る、放射性物質濃度が高い飛灰は仮置き場が決まらず、施設敷地内に保管するしかない状況だ。敷地は生活ごみの飛灰で既に圧迫されており、早ければ今年度内にも保管場所に限界がくる。一方、市北部清掃センターでは灰保管への住民不安から本格焼却開始のめどは立っていない。

■敷地を圧迫
 いわき市泉町の市南部清掃センターに19日、次々と震災がれきが運び込まれた。舘典嗣市環境整備課長は「がれきがなくなれば、市民の精神的再建につながり、復興が加速する」と強調する。

 この日は埋め立て処分も始まり、がれき処理に一定の道筋が立った。しかし、飛灰の行き場はないままだ。放射性物質が1キロ当たり8000ベクレルを超える焼却灰は国の責任で処理することになっているが、処分場はいまだ決まっていない。このため、飛灰は清掃センター敷地内に一時保管するしかない。

 がれき焼却が始まる前から取り扱ってきた生活ごみの飛灰も一部が1キロ当たり8000ベクレルを超えているため保管対象となっており、敷地を圧迫している。南部清掃センターが現在保管している飛灰は約3300トン。がれきを燃やすことで飛灰の量はさらに増える。今後は1日当たり約8.8トンを新たに保管しなければならず、今年度内で敷地がいっぱいになるという。

 センターがある下川区の江尻幸男区長(69)は飛灰処理に不安が残る中、焼却を了解した理由について「がれきを背負って生活するのは住民の負担になる。1日も早く片付けることが優先」と話した。

■住民に不安
 同市平にある市北部清掃センター周辺の住民は、市が飛灰の仮置き場を施設外に設置することをがれき焼却の条件として提示している。現在、生活ごみを燃やした飛灰の保管量は約1500トン。今月中で敷地内に収容できなくなる。現在は敷地内に新たな保管場所を設ける工事を急ピッチで進めている。

 神谷地区区長協議会の木村徳夫会長(68)は「がれきを焼却すること自体には反対しない。ただ、飛灰の仮置き場が決まらなければ住民を不安にさらすことになる。条件が整わなければ、焼却を認めないという考えは変わらない」と語った。

■「出口」決まらない
 日ごとに増える飛灰。市は震災がれきの処理を平成25年度末までに完了させるとしている。しかし、今年度内に仮置き場を造らなければ北部清掃センターの焼却開始が遅れ、南部清掃センターも処理が滞る恐れがあり、間に合わない可能性が出てくる。

 設置場所について市の担当者は「市有地、民有地、国有地、県有地…、全て検討対象だ」とし、複数箇所への設置も含めて用地選定に当たっていることを明かす。ただ、国の処分場設置計画が明確でないため、「半永久的に飛灰が仮置き場に置かれるのでは」という住民の不安が拭えないことが、設置の妨げになっているという。
 鈴木秀幸市生活環境部長は「飛灰の『出口』が決まらないとどうにもならない。国にはスピード感を持って進めてほしい」と求めている。

■国に処理代行要請
 いわき市以外の浜通りの自治体は震災がれきの焼却処理をまだ本格的に始めていない。一般廃棄物の震災がれきは市町村に処理をする義務があるが、がれきの量が膨大であるため、単独での対応は難しいのが実情だ。
 相馬市と新地町は国に処理代行を要請している。国は地元に仮設焼却施設を建設中で、来年2月に本格的な焼却に入る予定。

 南相馬市は布などの一部のがれきは既存施設で焼却を始めているが、本格的な焼却に入るため、今後、国に処理代行を要請する方針だ。一方、市内の旧警戒区域から出た震災がれきは国が直轄で処理する。
 焼却施設やがれきの仮置き場の設置場所を決めるには住民理解を得るのが難しいなど課題がある。県は「市町村それぞれの課題に対応した支援を進める」(生活環境部)としている。
 中通りや会津地方では震災がれきを家庭ごみと一緒に焼却処理している。

【背景】
 いわき市の震災がれきは、今後取り壊す予定の建物などから発生する分を含めて約70万トンに上る見通し。処理別の内訳はリサイクルが約56万トン、埋め立てが約10万トン。残りのリサイクルできない木くずや廃プラスチックなどの可燃物約4万トンを焼却処理する。市の南部・北部両清掃センターで年間に焼却する可燃ごみは約11万トンで、その4割近くに当たる。今年に入って市が測定した南部清掃センターから出た飛灰の放射性物質は1キロ当たり約6000~1万2000ベクレル。2月に震災がれきを混ぜて7日間実施した試験焼却では同約6800~8500ベクレルだった。

(2012/09/20 12:23カテゴリー:3.11大震災・断面)


チェルノブイリでは、森林火災で放射性物質の大気拡散を恐れ、日本では、自らガレキを焼却している
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2012/09/24

子ども1人甲状腺がん 福島の保護者 「一刻も早く避難を」

「子ども1人甲状腺がん」の波紋 事故影響の否定は早計
(2012年9月22日 北陸中日新聞・東京新聞)

福島の保護者「一刻も早く避難を」

 11日に開かれた福島県の県民健康管理調査検討委員会の席上、18歳以下の子どもの甲状腺検査で1人が甲状腺がんと報告された。県側は福島原発事故の影響を否定したが、チェルノブイリ原発事故の影響を調べてきた専門家たちは「否定の判断は時期尚早」と警告する。子どもたちの避難を求める声がより強まっている。 (中山洋子)

 「福島の子どもたちを守ってほしい。もう一刻の猶予もない」

 21日夕の文部科学省前。国の対応に抗議する福島の保護者からは、同県の子どもたちの避難を急ぐ声が相次いだ。

 保護者らは「多くの子どもたちが、年換算で被ばく限度線量が5.2ミリシーベルトの放射線管理区域よりも危険な地域に1年半以上、放置されている」と訴え、即時疎開を求める署名を集めていた。

 こうした人びとの危機感を刺激したのが、11日の発表だった。甲状腺検査は18歳以下の全福島県民約36万人が対象で、昨年度に避難区域の約3万8千人、本年度は福島市などの約4万2千人が受けている。

 これまでに425人に5.1ミリ以上のしこりや分泌液がたまった20.1ミリ以上ののう胞が見つかり、2次検査へ。このうち、1人が甲状腺がんと診断された。

 調査主体の福島県立医大の鈴木真一教授は、1986年のチェルノブイリ原発事故でも、事故による甲状腺がんの発見は発生から4年後だったとして、福島原発事故との因果関係を否定した。

 だが、チェルノブイリ事故の影響に詳しい京大原子炉実験所の今中哲二助教は「チェルノブイリでは、事故から4年以内にも甲状腺がんが見つかっていたが、事故との関係はよく分からなかった。4年後に甲状腺がんが急増して、原発事故の影響と断定された。ただ、当時も当初は『事故の影響としては(4年は)早すぎる』と、1度は否定された」と話す。

 「チェルノブイリの経験を踏まえるならば、否定は早計。専門家は謙虚に観察するべきだ

 実際、再検査を必要としない5ミリ以下のしこりや20ミリ以下ののう胞は3万人以上から見つかっている。昨年度の検査で35.3%、本年度分では43.1%に当たる。

 この数字について、県側は事故と無縁な状態での疫学データがなく、評価できていないとしている。政府は来年3月までに比較する数値を得るため、県外の3カ所で甲状腺調査をする。

 ただ、北海道深川市立総合病院の松崎道幸医師によると、チェルノブイリ原発事故では、91〜96年に周辺の18歳未満の16万人が甲状腺検査を受けた。その結果、のう胞の保有率が0.5%だったという。

 同医師は「のう胞のサイズが不明で単純比較はできないが、今回ののう胞保有率は過去例と比べて高い。数カ月単位で、きちんと検査する必要がある」と指摘する。

 チェルノブイリ原発のある現ウクライナの隣国ベラルーシでは、91年制定の法律により、年間被ばく線量が5ミリシーベルトを超える地域では、国が仕事や住居を用意することを前提に、住民の移住を義務付けている。

 同県郡山市の小中学生14人と保護者が「集団疎開」を求めた仮処分申請(抗告審中)の主任弁護人を務める柳原敏夫弁護士は「調査を重ねるたびに、のう胞やしこりがある子どもの割合が増えている」と懸念。「チェルノブイリ並み」の国の保護を訴えている。

2012/09/23

放射能汚泥焼却灰 行き場なし

【焦点 再訪】
汚泥焼却灰 行き場なし
(2012年06月25日 朝日新聞・マイタウン神奈川)

 下水処理で出る汚泥。横浜市は発生するガスを燃料に、焼却灰を建設資材などに利用し、パンフレットで「捨てる物は何も無いよ!」と説明してきた。ところが原発事故で事情が一変。放射性物質が検出された焼却灰は「捨てる所がどこにも無いよ!」という状態が続く。

 横浜市金沢区の埋め立て地にある「南部汚泥資源化センター」。汚泥をためる高さ26メートルの巨大タンクから見下ろすと、すぐ下に何かを覆ったビニールシート。その向こうにはコンテナが並んでいた。

 シートの下には、行き場をなくした下水汚泥の焼却灰がある。飛散防止のために水を混ぜ、500キロごとに袋詰めにした。スペースに余裕がなくなり、3月、コンテナに移し始めた。

 コンテナを2段に積むと約24トン。軟弱な地盤を補うため、土にセメントなどを混ぜて約50センチ盛り、アスファルトで固めた土台の上に置く。記者が訪れた22日も置き場造りが進んでいた。

 焼却灰はセメント会社が副原料としてすべて引き取っていた。昨年5月に放射性物質が検出されると、取引がストップ。施設内にたまった焼却灰は、5月末で計8800トンに達した。

 1日2・5基分の灰が増え続ける。市の計算では、2014年2月分で満杯になるという。

 市内の汚泥資源化センターはもう1カ所、北部(鶴見区)があり、ここでも処理できない焼却灰がたまる。市は、保管費用を東電に請求した。中古コンテナ購入代、地盤工事など昨年5月?今年3月分で計6億2400万円。野村茂南部センター担当課長は言う。「東電が払うといっても結局は電気代金として市民の懐に跳ね返る」

■地元になお不信感

 南部センターの汚泥焼却灰の放射性セシウム濃度は昨年6月、1キロあたり6468ベクレルの最高値を記録。ここ数カ月は1300ベクレル前後で下げ止まっている。

 国は100ベクレル以下なら、コンクリート製品として流通を認めている。セメントに混ぜる灰は1%程度で、計算上は再利用できる。

 だが、セメント会社は取引再開のめどについて口を濁す。市幹部は「300ベクレル以下なら、と聞いている」と明かす。製品状態で、ほぼゼロになるレベルだ。

 再資源化が難しいなら、捨てるほかない。林文子市長は昨年9月、中区の南本牧廃棄物最終処分場への埋め立てを表明した。

 この処分場では、国の埋め立て基準8千ベクレル以下を根拠に、ごみ焼却場から出た放射性物質を含んだ細かい灰(飛灰)の埋め立てを続けている。飛灰は、最高で約2100ベクレル。当時の汚泥の焼却灰は2353ベクレルでほぼ同レベルだった。

 ところが、抗議が殺到。事前説明の拙速さも明らかになり、発表から5日後に埋め立て方針を凍結した。

 埋め立て地に最も近い本牧・根岸地区連合町内会の岩村和夫会長は朝、自宅を訪ねてきた市の課長とのやり取りを覚えている。

 「6日後から焼却灰を埋め立てる。国の基準内だから安全だ」と言われ、「いきなり言われても判断できない。ちゃんと説明して下さい」と頼んだ。しかし、市はその日の午後、埋め立てを発表。「本当に驚いた。市への信頼を失った」

 埋め立てについて、林市長は20日の定例会見で「なるべく早く行いたいが、近隣住民や関係者の理解を得ることが最優先だ」と強調した。市はこれまでに住民向け説明会を処分場視察を含めて8回開いた。広段雄治・下水道施設管理課長は「分かりやすい資料を配った。徐々に信頼されてきたと思う」と手応えを語る。

 一方、岩村会長は「市の資料は分かりにくい。市が『安全』といって信用できるか難しい。安全の目安にできるとすれば、セメント会社の言う300ベクレルかなぁ」。失った信頼が、大きなつけになっている。

(伊丹和弘)

※下水汚泥焼却灰・・・下水には雨水とともに土砂や落ち葉などが流れ込む。下水に含まれたごく微量の放射性物質は脱水、焼却などの処理で濃縮され、焼却灰の段階では下水の約4万倍の濃度になる。北部センターでは、施設内で焼却灰を建設残土と混ぜ、道路の埋め戻しなどに使う改良土にしている。放射性物質の濃度を下げるため、混ぜる灰の量を減らさざるを得ず、5月末現在で余った灰4700トンを保管している。

下水汚泥の焼却灰、処分進まず セシウム検出、住民反発
(2011年11月20日3時1分 朝日新聞)

 東日本の下水処理施設で下水の処理過程で出る汚泥などから放射性セシウムが検出された問題で、汚泥や汚泥を燃やした焼却灰の処分が進まない。埋め立て処分できる数値の基準を国が示したものの、搬出しようにも住民の反対にあったりして、多くが施設内に保管されたままだ。

 東京・お台場から5キロ離れた海上にある中央防波堤外側処分場。ダンプカーが焼却灰を投じていく。埋め立て場所の広さは東京ドームの4倍超。10月末、東京23区分に加え多摩地区の焼却灰も受け入れ始めた。

 多摩地区10カ所の下水処理施設は施設内で焼却灰を保管していたが、パンク寸前になった。昭島、八王子市長らが9?10月、処分場に隣接する江東区と大田区を訪れ、「やむをえない」とようやく了承を得た。

 東京都によると焼却灰の放射性セシウムの濃度は次第に下がり、現在では搬入の段階で、埋め立てが認められる1キロあたり8千ベクレル以下になっているという。途中で水やセメントで薄めており、基準を超えることがあっても問題ないという。

2012/09/22

18歳以下1人が甲状腺がん 福島健康調査 

子ども甲状腺検査で初めてがんの診断
(9月11日 19時23分 NHK NEWSweb)

原発事故を受けて福島県が進めている子どもの甲状腺検査で、再検査を受けた1人に甲状腺がんが見つかりました。
この検査でがんが見つかったのは初めてですが、検査に当たった福島県立医科大学は、原発事故による放射線の影響とは考えにくいとしています。

これは、11日に開かれた福島県の健康調査の検討委員会の中で、県が明らかにしました。
原発事故で放出された放射性ヨウ素は子どもの甲状腺に蓄積してがんを引き起こすおそれがあるため、福島県は事故当時18歳以下だったすべての子どもを対象に検査を行い、ことし3月までに避難区域の3万8000人余りが検査を受けました。

しこりが見つかるなどしてこれまでに60人が再検査を受け、このうち1人から甲状腺がんが見つかったということです。この検査でがんが見つかったのは初めてです。

これについて、検査を担当している福島県立医科大学の鈴木眞一教授は、記者会見で「子どもの甲状腺がんが増加したチェルノブイリの原発事故では福島よりも多い量の放射性物質が放出されたが、事故からがんが発症するまでの期間は最短でも4年程度だった」として、今回見つかったがんについては原発事故による放射線の影響とは考えにくいと述べました。

そのうえで、「甲状腺がんは症状が出てから検査を受けて初めて見つかるケースが多く、見つかったとしても一般的に治療の経過がよいため、慌てる必要はない」と説明しています。

子どもの甲状腺がんとは

甲状腺は、のどの辺りにある成長に必要なホルモンを分泌する臓器です。
ヨウ素を取り込んでホルモンを作るため放射性ヨウ素をため込みやすい性質があり、放射線で細胞の遺伝子に傷がつくと、特に感受性の高い子どもでは数年から十数年後にがんになるおそれがあります。

乳児を含む子どもが甲状腺がんになる確率は通常、数十万人に1人とされ、国内では平成18年の統計で甲状腺がんと診断された20歳未満の人は46人でした。

一方、旧ソビエトのチェルノブイリ原発事故のあと、周辺では、牛乳などを通じて放射性ヨウ素を取り込んだおよそ6000人の子どもが甲状腺がんを発症したとされています。

甲状腺がんはほとんどの場合、早期に治療すれば完治するほか、進行が遅く、国連科学委員会は、チェルノブイリ周辺で子どもの甲状腺がんが増え始めたのは事故から4年以上たったあとだったと報告しています。

こうしたことから、専門家は、今回、福島県の検査で見つかった子どもの甲状腺がんについて、原発事故で放出された放射性ヨウ素の影響とは考えにくいとしています。

放射線影響研究所の長瀧重信元理事長は「福島第一原発の事故では、食品の出荷制限などが行われ、周辺の子どもの被ばく線量はチェルノブイリで甲状腺がんを発症した子どもの10分の1以下とみられる。今回見つかったがんが原発事故の影響による可能性は極めて低いが、国や県はきちんと説明を行い、今後も注意深く影響を見ていく必要がある」と話しています。

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甲状腺がん1人確認 福島医大「放射線の影響ない」
(2012年9月12日 福島民報) 

 11日に福島市で開かれた県民健康管理調査検討委員会で、福島医大は子どもを対象とする甲状腺検査について、二次検査の結果、1人の甲状腺がんが確認されたと報告した。検査で甲状腺がんが見つかるのは初めて。福島医大は「放射線の影響ではない」としている。

 甲状腺検査は東京電力福島第一原発事故時に18歳以下だった子ども約36万人が対象で、検査結果が判明したのはこれまでに約8万人。

 今回、甲状腺がんが見つかったのは平成23年度実施分の二次検査。23年度は双葉郡8町村と伊達市、南相馬市、田村市、川俣町、飯舘村の13市町村の3万8114人で一次検査を実施した。

 186人から5.1ミリ以上のしこりなどが確認され、二次検査対象(B判定)となった。検査を終えた38人のうち、超音波検査や細胞を吸引して詳細に調べた結果、1人が甲状腺がんと確認された。それ以外は良性だった。

 福島医大は対象者についてプライバシー保護の観点から性別や年齢、住所、被ばく線量などを公表していない。

 福島医大は24年度の一次検査結果も公表した。福島市の4万2060人を検査し、「直ちに二次検査を要する」(C判定)と判定された県民はいなかった。二次検査対象は239人で全体の0.6%。23、24年度では425人に上る。

 しこりなどが見られない「A1判定」は2万3702人で全体の56.3%、5.0ミリ以下のしこりなどがある「A2判定」は1万8119人で43.1%だった。

■「高い外部被ばくない」福島医大鈴木教授
 甲状腺検査で甲状腺がんが見つかったことについて、調査を担当する県民健康管理調査検討委員会の鈴木真一福島医大教授は「内部被ばくのあったチェルノブイリ事故でさえ甲状腺がんは発生まで最短で4年。本県では広島や長崎のような高い外部被ばくも起きていない。事故後1年半しか経過していない本県では、放射線の影響とは考えられない」と東京電力福島第一原発事故の影響を否定した。

 検討委の座長を務める山下俊一福島医大副学長も検討委として同様の見解を示した。

 鈴木教授らによると、子どもの甲状腺がんの頻度は100万人に1~2人といわれるが、通常はしこりを感じる本人の自覚症状などで数センチ大になってから見つかるケースが多いという。今回のように18歳以下全ての子どもを対象に精度の高い超音波検査を実施した例がなく、「比較はできない」としている。

 首都大学東京大学院放射線科学域長の福士政広教授は「甲状腺がんの進行は遅く、現段階で原発事故の放射性ヨウ素を原因とする症状が出ることは考えられない。今回症状が確認された人は原発事故以前から発症していたはずだ」と指摘する。

(2012/09/12 10:57)

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甲状腺がん:検査で子ども1人確認 原発事故と関係否定
(2012年9月11日 毎日新聞) 

 福島県の子どもの甲状腺検査で初めて1人が甲状腺がんと診断されたことが11日、県民健康管理調査の検討委員会(座長=山下俊一・福島県立医大副学長)で報告された。同大で担当の鈴木真一教授は「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」などとして、福島第1原発事故との因果関係を否定した。

 昨年度受診した原発周辺13市町村の3万8114人のうち、一定以上の大きさのしこりが見つかった2次検査対象者186人の中の1人。性別や年齢は公表していない。細胞検査でがんと分かった。甲状腺検査は同管理調査の一環で、事故時18歳以下だった約36万人全員が対象。これまでに約8万人が終えた。

 検討委では、40歳以上の特に男性で、肥満や肝機能異常のある人の割合が震災前より増えたことも報告された。避難生活のストレスなどが原因と考えられるという。【乾達、泉谷由梨子】

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18歳以下1人が甲状腺がん 福島健康調査で8万人分析
(2012年9月11日 中国新聞) 

 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)が11日開かれ、事故発生当時18歳以下を対象とした甲状腺検査について、1人が甲状腺がんと報告された。

 甲状腺検査の対象は約36万人で、これまで結果が判明したのは約8万人。

 調査主体の福島県立医大の鈴木真一教授は検討委で「チェルノブイリ原発事故でも甲状腺がんが見つかったのは最短4年。福島では広島、長崎のような外部被ばくや、チェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」と述べ、放射線の影響を否定した。

 鈴木教授は終了後、記者会見。小児甲状腺がんは100万人に1人~2人の頻度といわれていたが、自覚症状が出てから診察する場合がほとんどで、今回のように全ての子どもを対象とした検査の前例がないため「比較できない」と述べた。

 年齢や性別、外部被ばく線量などについては「たった1人しかいないので、個人のプライバシーに関わる」として、一切明らかにしなかった。

 山下副学長は「いろいろなデータが出てきた。検診から次の医療行為に移っていく。プライバシーの配慮に努める」と話した。

 これまでの調査で425人が、5・1ミリ以上の結節(しこり)や、20・1ミリ以上の袋状の嚢胞(のうほう)が見つかり「2次検査が必要」とされた。60人が2次検査を受け、うち38人の結果が判明。この中の1人ががんと判断された。

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18歳以下1人が甲状腺がん 福島健康調査8万人分析 放射線の影響は否定
(2012年9月11日 共同通信)

 東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が11日開かれ、事故発生当時18歳以下を対象とした甲状腺検査について、1人が甲状腺がんと報告された。
 甲状腺検査の対象は約36万人で、これまで結果が判明したのは約8万人。

 福島県立医大の鈴木真一(すずき・しんいち)教授は「チェルノブイリでも甲状腺がんは(発生まで)最短4年。福島では広島、長崎のような外部被ばくや、チェルノブイリのような内部被ばくも起きていない」と述べ、放射線の影響を否定した。

 これまでの調査で425人が「一定の大きさのしこりなどが見られるため2次検査が必要」とされた。60人が2次検査を受け、うち38人の結果が判明。この中の1人ががんと判断された。

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「落ち着いて対処」「慌てずに」と福島県立医大 甲状腺がん検査で1人判明
(2012年9月11日 産経ニュース) 

 原発事故を受け福島県で始まった子供の甲状腺検査で、1人ががんと判明した。36万人が対象という前例のない検査に、県や県立医大は「見つかった時にいかに落ち着いて対処できるかが鍵だ」としてきた。記者会見した鈴木真一教授は「大人より子供の方が発症後の経過が良いので慌てなくていい」と述べた。

 11日の検討委員会終了後の記者会見は「15分間」と時間が区切られ、鈴木教授らは年齢や性別など詳細について「プライバシーに関わるので明らかにできない」と繰り返した。

 県や検討委の中で発表の仕方をめぐり意見が分かれ、県民などに過剰な反応が出ないよう最低限の説明になったという。

 鈴木教授は、チェルノブイリ原発事故の結果を基に「超音波などの機器の精度も良くなったということもある」と話し、冷静な対応を呼び掛けた。

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甲状腺検査 不安ぬぐう診療態勢を
(2012年9月13日 信濃毎日新聞 社説) 

 福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会で、18歳以下の子どもたちを対象とした、甲状腺検査の途中経過が報告された。

 福島第1原発の事故後、1次検査を受けた約8万人のうち、425人が2次検査の対象となった。1人は甲状腺がんと診断された。検査に当たった福島県立医大は、事故による放射線の影響を否定している。

 1986年のチェルノブイリ原発事故では、4年ほどたってからがんを発症する子どもが増えた。検査が重要になるのはこれからといえる。36万人の対象者のうち、1次検査を終えたのは一部にすぎない。手が足りないのなら、他県の協力を求めるべきだ。

 甲状腺がんは、体内に入った放射性ヨウ素が甲状腺にたまり、内部被ばくによって引き起こされる。専門家は、福島原発事故の影響でがん化が始まったとしても、検査で見つかるまでに5~6年はかかるとする。

 福島県は、超音波による甲状腺検査を進めている。けれど、いまだに検査を受けられず、不安を募らせている保護者は多い。検査結果も書面で通知されるだけといい、十分な説明を受けられないことへの不満の声も聞かれる。

 今夏、大町市をキャンプで訪れた福島の小中学生が、市立大町総合病院で甲状腺検査を受けた。市民団体と病院の協力で実現した。丁寧な診察と説明が保護者らに好評だったという。こうした取り組みを広げ、福島の人たちの不安を少しでも和らげたい。

 2次検査の対象にはならなかったものの、しこりなどが見つかった子どもは3月末までで全体の4割近くに上った。血液や循環器、免疫系の異常についても全員を対象に調べるべきだとの指摘もある。各地の病院や開業医らとともに、継続して健康状態を診ていく態勢を整えなければならない。

 国の姿勢には問題がある。原子力安全委員会は昨年、甲状腺内部被ばくの簡易測定で数値の高かった福島の子どもを精密測定するよう勧告した。が、国の原子力災害対策本部は「不安を与える」とし、実施していない。いまも対応を福島県に委ねたままだ。

 未曽有の原発事故に対する国の責任として、福島県を積極的に支援し、県民の健康管理に努めなければならない。子どもの体調を気遣う保護者は、東日本の各地にいる。放射性物質が飛散したそれぞれの地域で健康への影響の度合いを調べ、結果をきちんと公表することが求められる。

2012/09/12

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」その5

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」
この問いが生まれた背景・その5

【福島県の甲状腺検査の責任者を務める山下俊一氏の発言】
100ミリシーベルト以下の健康リスクは明らかには証明されていない、または非常に小さいというのが科学者の国際的合意だ。」「日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。

山下氏は、子どもを守る気があるの?

ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告

日本で危機が続く中、人に発がんの危険が生じるのは最低100ミリシーベルト被曝したときだという報道が様々なメディアでますます多くなされるようになっている。これまでの研究で確立された知見に照らしてみると、この主張は誤りであることがわかる。100ミリシーベルトの線量を受けたときの発がんリスクは100人に1人、10ミリシーベルトでは1000人に1人、そして1ミリシーベルトでも1万人に1人である。

甲状腺検査:福島県外の子供と比較 内閣府方針
(2012年08月26日 毎日新聞)から抜粋

 福島第1原発事故を受けて福島県が始めた子供の甲状腺検査に関連し、国は放射線の影響の有無を調べるために県外でも同様の検査を実施し、今年度中に比較データを得ることを決めた。福島では受診者の約35%にしこりなどが見つかり、県は「良性の小さなのう胞やしこりは通常でもよくある」と説明しているが、通常の保有率の精密なデータがなく保護者の不安が募っている。国の担当者は「比較可能なデータを得て、福島の人々の安心につなげたい」という。

 チェルノブイリ原発事故で子供の甲状腺がんが増えたことから、福島県は昨年10月、震災時に0〜18歳だった県民約36万人を対象に超音波検査を始めた。今年3月末までに受診した3万8114人のうち35.8%にあたる1万3646人で結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋状のもの)が見つかり、186人が2次検査の対象となった。がんが判明したケースはない。

 検査を実施している福島県立医科大の鈴木真一教授は、チェルノブイリ事故後に子供の甲状腺がんが増え始めたのが4〜5年後だったことなどから「現時点で放射線の影響が出ることはない」と説明する。一方、放射線の専門家からは「子供の一般的なしこりの保有率を調べて比べなければ、被ばくの影響の有無は判断できない」との指摘が出ていた。

 ◇説明不足、不安招く

 「子供の健康を見守り、安心してもらうため」として福島県が無料で実施している18歳以下の甲状腺検査に、保護者の不安が募っている。セカンドオピニオンを求めて県外の病院を受診する人も続出。背景には結果に関する県の説明不足がある。【須田桃子、鈴木泰広、坂井友子】

 福島県川俣町に住む60歳の女性は6月、4歳の孫を秋田市の中通(なかどおり)総合病院に連れて行った。車と新幹線で片道3時間、前日から宿泊し、甲状腺の触診と超音波、血液の検査を受けさせた。健康診断のため保険は適用されず、費用は約1万4000円。交通費なども約4万円かかった。

 福島県立医大から検査結果の通知が来たのは2月。「小さな結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋のようなもの)がありますが、2次検査の必要はありません」とあるだけで、約2年後の次回検査まで放置して大丈夫か不安が募った。秋田の病院で複数ののう胞を確認、気が動転した。医師は半年後の再受診を勧め「今度は病名がつき保険も使える」と言ったという。

 この病院には今年3月14日から約5カ月間で福島県の子供ら65人が訪れた。新潟や北海道、首都圏でも同様の受診が相次ぐ。福島医大が実施する県の検査は担当医を日本甲状腺学会など7学会に所属する専門医に限っているものの、検査は設備と経験のある医療機関ならどこでも可能だ。

 だが、遠くまで足を運ぶ人の中には、福島県内で検査を拒否された例が少なくない。会津若松市に避難する2児の母親(38)は市内の5病院に電話をかけ、断られた。「診てもらいたい時に診てもらえないなんておかしい」と憤る。

 医師らに理由を聞くと、「福島医大と異なる判断が出たら混乱を招く」(福島市の小児科医)▽「保護者の不安を解消するのは民間病院の役目ではない」(会津地方の病院)。県の検査に携わる医師の一人は「今回の福島医大の検査は放射線の健康影響を追跡する世界でも例のない疫学調査。他の病院で受けて県の検査を受けない人が出ると、邪魔することになる」と話した。

 福島医大の山下俊一副学長らが1月に日本甲状腺学会など7学会に出した文書の影響を指摘する声もある。県の検査結果に関する相談があった際、「次回の検査までに自覚症状等が出ない限り追加検査は必要ないことを、十分にご説明いただきたい」との内容だ。同学会に所属する医師の一人は「この文書に従うと、医師は診療を拒否してはいけないという医師法に反してしまう」という。

 この文書について山下氏は「県は精度の高い検査を行っているので保護者が混乱しないようにきちんと説明してほしいという意味で、セカンドオピニオンを与えることを否定するものではない」と説明する。

 保護者の不安が広がる中、浪江町は7月、県の検査がない年は町の診療所で検査する事業を独自に始めた。紺野則夫健康保険課長は「県は保護者や子供の気持ちが分かっていない。もっときめ細かく対応しデータを提供すべきだ」と話す。

 ◇詳細結果、開示請求が必要

 福島県の甲状腺検査は、しこりやのう胞の有無、大きさを基に「A1」「A2」「B」「C」の4段階で判定している。BとCは2次検査を受ける。

 保護者の不安が最も大きいのは「A2」だ。しこりなどが見つかったが基準より小さいため2次検査の対象外のうえ、通知にはしこりの数や部位、大きさが具体的に記されていないからだ。福島医大には電話の問い合わせが250件を超え、同大は改善を始めた。今後は結果に関する住民説明会も開くという。

 だが、他にも課題はある。検査前に保護者が署名する同意書には、結果について「(保護者や本人の)希望により、いつでも知ることができる」と明記されているが、医師の所見やエコー画像を見るには、県の条例に基づき情報公開請求しなければならない。

 開示請求はこれまでに6件あった。うち3件が約3週間後に開示されたが、静止画像は通常のコピー用紙に印刷されたもので、より鮮明な画像のデジタルデータは「改ざんされる恐れがある」(福島医大)と提供されなかった。同大広報担当の松井史郎特命教授は「身体に関する情報の取り扱いは特に慎重を期さなければならない。本人と確認するには開示請求してもらうのが確実だ」と説明する。

 これに対し、日弁連情報問題対策委員会委員長の清水勉弁護士は「子供を守るための検査なのに本末転倒だ。検査結果のように本人や保護者にとって切実な情報は、本人と確認できれば速やかに希望する形で開示すべきだ」と指摘。仮に提供した画像が改ざんされても「元データを管理していればよい話で、非開示の理由にはならない」という。

 ◇「親の声を謙虚に聞く」

 福島医大で甲状腺検査の責任者を務める山下俊一副学長に、課題を聞いた。

 −−検査の目的は。

 ■県民の健康増進のための医療サービスで、決して調査研究ではない。WHO(世界保健機関)の推計で、福島住民の被ばく線量はどんなに高くても100ミリシーベルト。100ミリシーベルト以下の健康リスクは明らかには証明されていない、または非常に小さいというのが科学者の国際的合意だ。

 −−県外でセカンドオピニオンを求める保護者が増えているが。

 ■改善策を考えなければならない。医師の考え方とお母さんの立場にギャップがある。謙虚に声を聞き、信頼関係を築きたい。

 −−放射線の影響をどう判断するのか。

 ■小さながんも見つかるだろうが、甲状腺がんは通常でも一定の頻度で発症する。結論の方向性が出るのは10年以上後になる。県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。


ノーベル平和賞の「社会的責任を果たすための医師団」が警告

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」その4

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」
この問いが生まれた背景・その4

福島の子どもの甲状腺被曝について、政府は昨年8月、調べた1080人の55%の保護者に「ゼロ」と通知したが、実際は一定の被曝をしていた可能性が高い。15歳以下の1080人の生涯平均の推計で12ミリシーベルト、最大で42ミリシーベルトだった

福島「線量0」の子でも一定の被曝 放医研が独自計算
(2012年7月11日8時0分 朝日新聞)から抜粋

 東京電力福島第一原発事故による福島の子どもの甲状腺被曝(ひばく)について、政府の原子力災害対策本部は昨年8月、調べた1080人の55%の保護者に「ゼロ」と通知したが、実際は一定の被曝をしていた可能性の高いことが分かった。放射線医学総合研究所が昨年3月の実測値から独自に計算した。この結果について、政府は「誤差が大きく、不安を招く」として、今後も保護者に通知しない考えだ。

 独立行政法人・放医研の鈴木敏和・緊急被ばく医療研究センター室長らが、10日に千葉県で開かれた国際シンポジウムで発表した。いわき市や川俣町、飯舘村など10市町村以上に住んでいた15歳以下の1080人の生涯平均の推計で12ミリシーベルト、最大で42ミリシーベルトだった。

 甲状腺の被曝線量の計算ではまず、放射性ヨウ素を取り込んだ甲状腺が1時間に出す放射線を測定する。この実測値から個人の年齢や被曝時期などを考慮して、生涯の被曝線量を計算する。

 政府は昨年3月下旬、1080人の1時間あたりの線量を実測した。しかし、「検査は、安定ヨウ素剤を飲むレベル以上に被曝した子どもがいたかを調べるのが目的で精度が低い」などとして、一部の高い子どもを除き、健康影響がわかる生涯の線量の計算をしなかった。

 保護者には、1時間あたりの実測値しか伝えず、55%の保護者には、「検査機器の検出限界以下」も含め、「0」と通知していた。通知も、検査から5カ月たってからだった。


甲状腺被ばく最大42ミリSv 放医研、福島子ども推計

(2012/07/11 12:26 福島民報)

 東京電力福島第1原発事故による原発周辺の子どもの甲状腺被ばく線量は、最大で42ミリシーベルト、平均で12ミリシーベルトとする推計結果を、放射線医学総合研究所(放医研)の研究チームがまとめたことが11日分かった。甲状腺がんを防ぐための安定ヨウ素剤の服用基準は国際的に50ミリシーベルトとされ、今回の推計はこれを下回った。

 放医研の鈴木敏和緊急被ばく医療研究センター室長らのチームは、政府が事故直後の昨年3月下旬に福島県いわき市と川俣町、飯舘村で、0?15歳の子どもを対象に実施した甲状腺被ばくの検査結果のうち、信頼性の高い108人分を分析。

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」その3

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」

この問いが生まれた背景・その3

「福島県の子ども」の病死者数について
?政府・人口動態統計から分かった事故後の変化?中手聖一
(2012-05-23 みんな楽しくHappyがいい♪)から抜粋

○死因ごとの病死者数
亡くなった子どもたちの数を、死因別にまとめたもの(下のグラフ)

「心疾患」による死亡数が2倍に増えています
(先天性の心臓障がいを患っていた子どもが、心疾患でなくなった場合も含まれます)。これも他の被災県にはないことです。

「感染症」「癌・白血病」「肺炎」も増えています。このグラフは参考程度にしかならないものですが、昨夏からの増加と考え合わせ、ご報告することにしました。

子どもの病死者数が、昨年の夏以降に増えたことは紛れもない事実です。今回は割愛しましたが、病死者の増加は10 代後半が最も多かったことも分かりました。

この異変が続き、何年も後に放射能汚染との因果関係が証明されても、亡くなった命は帰って来ません。

公害の健康被害では、死亡した子どもの後ろに、病気や体調不良のたくさんの子どもたちがいます。放射能被害を少しでも未然に防ぐための行動をとることが、私たち大人の役目だと思います。

保養と移住、防護策など出来ることは何でも行い、また国が約束している「患者調査の代替調査」の早期実施を改めて求めていく必要があると考えます。

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」その2

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」

この問いが生まれた背景・その2

◆甲状腺被曝、最高35ミリシーベルト いわきの子ども
(2012年2月21日 朝日新聞)から抜粋

 東京電力福島第一原発事故の影響による子どもの甲状腺の被曝(ひばく)問題について、内閣府の原子力安全委員会は21日、昨年3月下旬に福島県いわき市で実施した検査で、甲状腺の局所の被曝線量が最高で35ミリシーベルトだったという評価値を公表した。

 現地対策本部は昨年3月下旬、安全委の助言に従って、福島県内で子ども1080人に対する甲状腺検査を実施した。安全委の公表資料では、いわき市の137人(0?14歳)のうち、11人の線量は5?35ミリシーベルトと高かった。2番目は25ミリ、次が21ミリシーベルトだった。政府は当時の検査は精度が低いとし公表していなかった。

◆「避難したくてもできない」3分の1 福島の妊婦、乳幼児家庭
(2012/02/21 17:52 東京新聞)から抜粋

福島第一原発事故による放射能汚染問題で、宇都宮大の阪本公美子准教授らが福島県内の乳幼児と妊婦のいる家庭を対象に実施したアンケート調査で、雇用への不安などから避難をためらっている世帯があることが分かった。二十日、同大が開いた会見で発表した。  

調査は、昨年四月に同大が発足させた「福島乳幼児・妊産婦支援プロジェクト」の一環。昨年八月に福島県内の子育て支援団体を通じて三百世帯にアンケート用紙を配布。

私はあえてタブーに触れます「福島県子どもの病死者数推移」
(2012-05-23 みんな楽しくHappyがいい♪)から抜粋

中山 憲 (コロンビア大学・医師)
「政府統計の総合窓口・人口動態調査」から、平成22・23年の「月報(既報)・月次」各月の「(保管表)死亡数,性・年齢(5歳階級)・死因簡単分類・都道府県(20大都市再掲)別」にある福島県データを用いて作成しました。
 
7月以降の病死者数に大きな変化が現れています。


 
通常、病死者は冬春に多く、夏秋は少ない傾向が全国的にあります。これは大人も子どもも同じです。 しかし、2011年は夏秋の病死者数が多く、ほぼ直線的に累計数が増加しています。もしもこの傾向が2012年も続いた場合は、“統計上の有意差”となりうるほどのハイペースで、子どもの病死者数が増加したことが分かりました。

このような現象が起こることはとても稀なことで、全国でも僅かしかありません。宮城県や岩手県では起こっていないことです。

昨年の夏以降に、福島の子どもたちの体に異変が起こっている可能性を疑わざるを得ません。 (こどもたちを放射能から守る会・福島より)

ーーー
中山憲医師(コロンビア大学)5/5NY記者会見

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」

女子中学生の問い 「おとなは、子どもを守る気があるの?」

この問いが生まれた背景・その1

◆福島の子ども被ばく調査 「問題なし」 結論ありき   
(2011年12月14日 東京新聞)

対象は夏以降、事故当初は無視

福島県内の子どもに配布した『個人線量計で測った累積放射線量(空間被曝線量の累積値)の結果が、順次公表されている。一般人の年間被ばく限度1ミリシーベルトを大幅に上回るケースもあるが、専門家は「問題なし」。対象期間は夏以降が多く、東電福島原発事故発生から数カ月間の大量被曝は無視されている。

福島県郡山市は8日、小中学生を対象に、10月5日から33日間測定した累積放射線量を保護者に通知した。平均値は0.12ミリシーベルトで、これは年換算で1.33ミリシーベルト。最大値は0.45ミリシーベルトで、年換算では4.98ミリシーベルトにも達した。だが、財団法人・放射線影響研究所の大久保利晃理事長ら市アドバイザーの評価は、『健康に影響を与えるような数値ではない」。

保護者には個人データとアドバイザーのコメントのほか、「放射線被ばくの早見図」が届けられた。国際放射線防護委員会ICRPが事故後の復旧段階にあびてもよいとしている年間放射線量1~20ミリシーベルトが太線で囲まれている。

専門家の評価の根拠を市学校管理課に尋ねたが、「総合的な判断」の一点張り。」
「平常時の法的な上限は1ミリシーベルトだが、今は平常時ではない。除染などによって、1ミリシーベルトに近づけようと努力している」と繰り返した。

そもそも、なぜ10月なのか?事故発生から数カ月間はどうだったのか?

福島県が子どもと妊婦計30万人に、個人線量計を配布すると発表したのは6月。県が購入費として、1台あたり1万5千円を補助する事業だ。
郡山市は8月の臨時議会で予算を計上。保護者の意向確認やアドバイザーの人選などに時間がかかったため、配布は10月にずれ込んだ。3月から9月までの被ばくの影響については(内部被曝を検査する)ホールボディカウンターを導入して対応する」と説明するが、その時期は「早くても来年夏」。

福島市は10月28日、小中学生を対象に9月の約1カ月間実施した累積放射線量の測定結果を保護者に通知した。平均値は出しておらず、最大値の0.6ミリシーベルトが3人、0.5ミリシーベルトが11人、0.4ミリシーベルトが44人など。

医師らでつくる市健康管理検討委員会の評価は、「健康に影響を与える数値ではない」。現在、10、11月分の結果を分析中だが、それ以降の調査は予定していない。

市放射線健康管理室は「現在の空間放射線量から考えると、妥当な結果だ。今すぐ対処しなければならないようなものではない」と主張。9月以前の被ばく状況については、県が全県民を対象に進めている健康管理調査に「頼るしかない」と言葉少なだった。

県健康増進課によれば、田村市や白河市、川俣町でも測定結果が出ているが、いずれも「健康に影響尾を及ぼすような数値ではない」という。

郡山市では、児童や生徒ら14人が市に学校ごと疎開する措置を求め、福島地裁郡山支部に仮処分を申し立てている。警戒区域と計画的避難区域以外では、自主避難任せで、あくまでも『定住政策』にこだわる国や行政への批判は根強い。

福島子どものいのちを守る会代表の佐藤幸子さんは、「本気で子どもを守る気持ちはないのだろうか。最近の線量を測定して、大丈夫というようなパフォーマンスはやめてほしい」と憤りを隠さなかった。

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