九州の全原発停止も

九州の全原発停止も 計6基、さらなる節電必至 
(2011年7月7日朝刊 西日本新聞)

 定期検査で停止している九州電力の原発再開が厳しい状況に追い込まれた。政府が突然打ち出した全国の全原発を対象にした新たな安全検査(ストレステスト)に加え、国が実施した佐賀県での県民説明会で、九電社員が再開を促す「やらせメール」の投稿を社員や関連会社に呼び掛けていたことが判明。原発再開への影響は必至で、12月中には、九州の原発6基がすべて停止する事態も現実味を増してきた。

 ストレステストは原発の耐久性について、想定を上回る規模の地震や津波などにどの程度耐えられるかを確認する検査。欧州での例をみると、数カ月かかる可能性もある。

 現時点で検査の時期や内容は不明で、九電の真部利応社長は「中身が分からないので、具体的に何をするのか、どのくらい時期がかかるか分からない」と話す。さらに、メール問題も発覚し、原発再開について「影響はあると思う」と述べた。

 現在、玄海2、3号機(出力計173・9万キロワット)と、川内原発1号機(89万キロワット)が停止中。昨夏の最大需要に対して、1・8%の余力しかない。

 さらに、9月には川内原発2号機(89万キロワット)が定期検査に入って停止。12月には玄海1号機(55・9万キロワット)、同4号機(118万キロワット)も定期検査が始まり、九州の原発全6基が停止することになる。

 その場合は供給力は約1480万キロワットまで低下。昨冬の最大電力需要は1533万キロワットで供給力が3・6%下回る異常事態に陥ることになる。

 九電側は、電力小売業者や自家発電を持っている事業者から電気を購入するなどして供給力を高めたい考えだが、今以上の節電が求められるのは確実だ。

=2011/07/07付 西日本新聞朝刊=

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