2012/02/08

原発推進の高浜町副議長、関電から工事受注 原発関連で3・6億

高浜の副議長、関電から工事受注 原発関連で3・6億
(2012年2月7日 18時47分 東京新聞)

 関西電力高浜原発が立地する福井県高浜町の粟野明雄町議会副議長(62)が経営する金属加工会社「粟野鉄工所」(同町)が2011年までの3年間に、関電や関連会社発注の原発関連工事を少なくとも65件、計約3億6千万円分受注していたことが7日、分かった。

 高浜町議会は昨年9月、「エネルギー政策が『脱原発』に大きく振れてしまうことなく、安全確保を前提に今後も原子力を堅持すること」を国に求める意見書を可決。粟野副議長が提案者だった。多額の原発関連工事を受注している議員が、原発推進を主導していることに批判が集まりそうだ。
(共同)

原発業界から多額寄付を受けた原子力委3人の交代求める意見書 

原子力委3人の交代求める意見書 寄付問題受け一部委員
(2012年2月7日20時47分 朝日新聞)

 今後の原子力政策の基本方針を論議する内閣府原子力委員会の新大綱策定会議のメンバーである専門委員23人のうち、原子力専門の大学教授3人全員が原発業界から多額の寄付を受けていた問題で、2人の専門委員が7日、東京で開かれた同策定会議で、メンバーの入れ替えを求める意見書を提出した。

 3人の教授は東京大の田中知、大阪大の山口彰、京都大の山名元の各教授で、2010年度までの5年間に計約1800万円の寄付を電力会社や原発メーカーから受けていた。専門委員である金子勝・慶応大経済学部教授、NPO「原子力資料情報室」の伴英幸・共同代表は「利害関係のある人が委員にいるのはなじまない」などとして、委員の交代と会議の再スタートを求める意見書を提出し、会議の場でも要求した。

 近藤駿介委員長は会議後の記者会見で「策定会議は(原子力)安全委員会のような規制の場とは違い、様々な人が集まって議論する場だ、という考え方もある」と述べた。3教授は会議でそれぞれ発言したが、自身への寄付については触れなかった。伴氏は「引き続き指摘していく」としている。(大谷聡)

2012/02/04

人口減の千葉、転出の半数は外国人…原発事故で

人口減の千葉、転出の半数は外国人…原発事故で
(読売新聞 2月4日)

 今年1月1日現在の推計人口が初めて前年を下回った千葉県で、昨年1年間の減少数1万693人のうち半分の約5000人が外国人だったことが分かった。

 県の人口推計は、外国人登録者の出生・死亡や転出入による増減も加味するため、外国人の流出が人口減の大きな要因となった。県は、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で、県外や国外へ転出した留学生や技能実習生などが多いとみており、今後は安全性を積極的に発信する方針だ。

 読売新聞が県内全54市町村に取材したところ、2011年12月末現在の外国人登録者数は11万635人で、前年比5046人(4・4%)減だった。千葉市では1122人、松戸市で864人、市川市で841人減少した。

 外国人の大幅減の理由については、震災の影響を挙げる市町村が多い。「津波の影響で休業した水産加工会社の研修生が帰国した」(銚子市)、「液状化被害の大きい美浜区で大きく減少している」(千葉市)といった理由や「原発事故があったので子供を帰国させた外国人もいた」(茂原市)というケースもあった。

最終更新:2月4日(土)15時29分

読売新聞

みんなで決めよう!「原発」都民投票 署名締め切り迫る

「原発」都民投票のための署名が
厳しい情勢ですが、あと一歩のところまで来ています。
東京の皆さん、力を貸して下さい。

★★★みんなで決めよう!「原発」都民投票★★★

2月1日現在 署名数 188,832筆(前日比:+8,118)
法定署名数:(現時点では)214,236筆
*無効署名があるので、あと3万筆以上は必要です。

★署名締切日まであと5日(2月9日 署名締切!)

原発のことを「政府」とか「国会」とかに任せてしまったら
99%以上の確率で、原発がたくさん再稼動することでしょう。
もうすでに、その体勢に入っています。

この流れを止めるのは、市民が自ら動くしかないと思います。

★以下のサイトを見てみて下さい。

1.【写真】「私が署名をした理由」

2.「大人の人に伝えたいこと」小学6年生 鷲野天音

3.中学1年生が書いた作文「原発はいるか、いらないか」

4.福島県の中学生、高校生からのメッセージ

5.中学3年生(富樫君)からのメッセージ「原発都民投票」(動画)


★仲間のみなさんへ(1月30日夜)

◆「原発」都民投票の実施を求める署名収集は(八王子市など一部地域を除いて)2月9日まで。あと10日で終了となります。 30日現在で獲得が確認されている署名数は約15万筆。これで請求に必要な法定署名数(現時点では214,236筆)に達するのか?

と心配されている方は少なくなく、電話やメールも頂戴しています。実際、大阪市での署名収集運動で起きたような、爆発的な動きが東京ではまだ見られず、楽観できない状況が続いています。

◆事態を打開するには、みなさんの具体的な支援が必要です。この先10日間、1日、いや半日だけでもいいですから、ぜひ署名収集にご協力ください。本会の事務所にお越しいただかず「直行直帰」でOKです。

例えば、渋谷のハチ公前の常設署名所に直接足を運び、現地責任者の指示に従って手伝ってください。渋谷の他にも、行っていただける所はたくさんあります。
ここにアクセスしてご確認ください

みなさんの応援を、よろしくお願いします。

※今朝の『東京新聞』『中日新聞』の社説
「原発住民投票 意思表示へ扉を開こう」
ぜひご一読ください。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012013002000015.html

【社説】
原発住民投票 意思表示へ扉を開こう
(2012年1月30日 中日新聞)

 原発の是非を問う住民投票を実現させようという東京と大阪での運動に注目したい。命や暮らしを左右しかねない原発政策が住民不在のまま進められてきた。そんな不条理への抗議行動でもある。

 原発を動かすのか、止めるのか。自分たちで決めようと呼び掛けているのは、市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」。東京都と大阪市で住民投票のルールとなる条例づくりをそれぞれの首長に求めようと活動している。

 福島第一原発の事故がもたらした放射能汚染は、原発が立ち並ぶ福島県をはるかに越えて広がった。関東一円の住民は、生活環境の除染や、食品や水の安全確認に生涯にわたり追われる羽目になった。

 一方で事故原因の究明も、健康への影響の見極めも、損害賠償もままならないのに、国は収束を宣言した。定期検査で止まった原発の再稼働や原発プラントの海外輸出に血道を上げているようだ。

 こんな矛盾に直面しても、原発政策の決定は、国と電力会社、立地先の自治体のみに委ねられている。普通の住民にとって意思表示の場は用意されていない。

 東京都が東京電力の、大阪市が関西電力の大株主であることを踏まえ、まずこの電気の二大消費地で住民投票を試みる意義は大きい。電気の消費者として、“間接的な株主”として住民には一票を投じる資格があるだろう。

 条例づくりの直接請求には有権者の2%の署名が要る。大阪では一カ月の署名期間にそれを大幅に上回る六万一千余りを集め、市選挙管理委員会が審査している。

 脱原発依存を掲げて市長選に勝った橋下徹市長は、民意はとうに示されたとして住民投票には後ろ向きだ。しかし、住民投票の結果は市長が交代しても消えない。その重みを忘れてはいけない。

 片や東京での署名集めがはかどらないのは気掛かりだ。首長選がありずれ込んだ四市村を除き、二カ月の署名期間は二月九日に締め切られる。それなのに、必要な二十一万四千余りのようやく七割ほどに届いたばかりだ。

 意に沿わない結末を予想しておじけづく心情も分かる。だが、こんな機会に一歩前へ踏み出さないと、またぞろ原発政策の傍観者でしかいられなくなると思う。

 史上最悪レベルの事故が起きたのだ。反対派であれ、賛成派であれ、もはや内輪で気勢を上げて済ませている場合ではない。未来の世代のためにも声を上げたい。

「考・原発 私の視点」 井戸謙一 「司法の信頼」取り戻せ

「考・原発 私の視点」 井戸謙一
(2012年2月4日 西日本新聞 朝刊一面)

金沢地裁裁判長として2006年3月、北陸電力に志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転差し止めを命じた。「電力会社の想定を超えた地震によって原発事故が起こり、周辺住民らが放射線被ばくする具体的可能性がある」と認めた判決から5年。福島第一原発事故が起きた。

「いろんな思いがあり一言では言えないが、現実的なリスクがあると思って差し止め判決を出したわけだし、そのリスクは全国の原発にもある。一方で、事故を起こさず廃炉を迎えるのではないかとの思いもあった。恐れていたことが現実になってしまった。自分の甘さを思い知らされた」

「大阪高裁の裁判官室で揺れを感じ、次の日はテレビにかじりついた。原発が爆発したときは、建屋だけとは思わず、首都圏は人が住めない、放射能が大量にやってくると覚悟した。政府は事故対応にもたつき、国民を放射能から保護することもできず、ほったらかしにした。こんな国だったのかと衝撃を受けた」

原発建設が加速した1970年代以降、原発の危険性を訴え、設置許可取り消しや運転差し止めを求める訴訟が全国で起きたが、ごく一部を除き、「住民敗訴」の連続。一審で、稼動中の原発の運転中止を命じる唯一の判決が出た志賀原発2号機の運転差し止め訴訟は二審で原告が逆転敗訴、最高裁で確定した。

「科学的問題や国の根幹をなすエネルギー政策を素人の裁判官が決めて良いのかという、そういう空気が社会にあった。最高裁では専門家の判断を尊重すべきだと言う議論が優勢で、へ理屈をこねてでも原発を止めないという最高裁の意思が透けて見えた。どうしても一歩引いてしまう感覚が現場の裁判官に強かった」

「裁判所は事後救済ではある程度の役割を果たしてきた。原爆症認定訴訟や薬害訴訟では原告側が勝つケースも多い。ただ、被害が出ないうちに事前に差し止めることにはかなり慎重だ。抽象的危険があるだけでは差し止めはできない。災害防止上支障のないもの、という国の設置許可の要件は絶対的な安全を要求しているものではないと解釈されている。求められる安全は99%なのか、99.9%なのか、と数字では線を引けず、具体的な危険を示すのが非常に難しい」

事故後、九州電力玄海原発など原発の運転停止や廃炉を求める訴訟が各地で相次ぐ。自らも脱原発の弁護団に参加。原発に関して国策追認との批判もある裁判所を外から見つめる。

「司法に対する落胆や幻滅感が広がっていると感じる。事故が起きた責任の一端は司法にある、原子力ムラは官政財に学者と大手マスコミ、それに司法を加えた六角形だ、と言う人もいる。司法への批判は、司法に対する期待の裏返しかもしれない。行政、立法への不信感が大きくなる中で、司法が健全性を取り戻し信頼感を得ないと日本の国家システムは危機にひんする」

「裁判官の判断には、世の中の空気感みたいなものが影響する。国民の中でこれだけ、原発はこりごりと思う人が増えている。裁判官はそういうものを感じている。これからの判決の中で見えてくるはずだ」

弁護士 井戸謙一さん
いど・けんいち 1979年に裁判官に任用され、2002年から06年まで金沢地裁裁判長。11年3月に退官し、弁護士登録。滋賀県彦根市に事務所を構える。堺市出身。57歳。


放射線懸念 「学校疎開」求め申し立て
(2011/06/25 風の便り)より抜粋

郡山市民が原告となって「被ばくのおそれがある学校から生徒の疎開を求める」仮処分裁判が提訴されました。代理人の1人は、金沢地裁の裁判長として、志賀原発差止の判決を下した井戸謙一さんです。

「被ばくのおそれがある学校から生徒の疎開を求める」、そんな申し立てが24日、裁判所に行われました。原発事故で子どもを集団疎開させるべきか、司法の判断を求める初めてのケースです。

 「今、行政は速やかに学校ごと疎開するという決断をすべきであると考えます。未来を見据えて、放射能の迫害から子どもたちの生命・健康を守ることを最優先の課題とすべき緊急事態なのであり、この点をご理解いただきたいと思います」「子どもたちを守るためには、外部被ばくおよび内部被ばくを抜本的に改善した新たな環境を子どもたちに提供するしか方法はない」(井戸謙一弁護士)

2012/02/03

上昌広教授 「食の安全、除染より優先」 内部被ばく 今後も注意を

〈放射能 本当のことを知りたい〉東大医科学研究所特任教授 上昌広氏「食の安全、除染より優先」
(2012年1月25日) 【中日新聞】

内部被ばく 今後も注意を

 −福島の医療の現状は?

 「もともと医師不足なのに、震災後はさらに人手不足がひどい。南相馬市最大の病院でも、250床の病院に医師8人。満足な医療が提供できるわけがありません。放射能なのかストレスなのか、見分けはつかないけれども、高血圧、糖尿病など持病を悪くしている人が多い。相馬市のように放射能の影響が小さいところでも、前年度のデータと比較すると、明らかに悪化しています

 「初期に高い被ばくをした住民がいるのは確実です。南相馬では原発周辺から避難してきた人から、ガイガーカウンターの針が振り切れるほど線量が出ました。放射線大量放出があった3月15日は飯舘村などでは、子どもを外で遊ばせていました。土壌の汚染濃度も高い。甲状腺がんは将来出ると思います

 −内部被ばくの実情は分かりますか。

 「ホールボディーカウンターのデータが、私たちの測定で得られました。南相馬では2800人測定し、ほとんどの人で、セシウム137の値が、体重1キログラムあたり10ベクレル以下。平均値は低いのです。しかし30ベクレルを上回る子どもが数人いました体内のセシウム量は1週間くらいで半減するから、この子たちは継続的にセシウムを摂取していたということです。一人一人聞くと、親が放任的で家庭菜園の野菜などを食べさせていたようです」

 「被ばくした子と親に、食生活の個別指導をすると、しばらくして数値はぐんと下がった。またデータを見せられて、被ばく量が少ないと分かった人たちはとても安心していました。政府が『問題ありません』というよりも、データを知る方が説得力がある」

 −これから気をつける点は。

 「ウクライナでは、チェルノブイリ事故後10年たって、内部被ばく量が再び上がり始めた。原因は食品の汚染。時間がたつと、あらゆる食品に汚染が広がってくる。日本でもこれから20年、30年、気をつけなくてはならない。ウクライナの研究者は、内部被ばくに関しては、日本の初期対策は成功したと評価しています。汚染された食品の流通を止めたからです」

 「投入できる資金も人手も限られている中、ウクライナでは、環境の除染はあきらめ食品の安全確保に力を入れています。街のあちこちに線量を測定する装置があり、店で売っている食材にもベクレル数が書いてあるんです。日本政府は除染に大量の資金をつぎ込む姿勢ですが、それには疑問を感じます

 かみ・まさひろ 1968年兵庫県生まれ。東大医学部卒。血液内科医として臨床に携わる。現在は医療ガバナンスが専門。福島の被災地で教室スタッフと診療にあたる。

「考・原発 私の視点」 原田正純

考・原発 私の視点 原田正純 
(2012年2月3日 西日本新聞)から抜粋 

「原発推進」の国策が招いた福島第一原発事故と、公害の原点とされる水俣病。産業優先のひずみを地方に押しつけ、自然環境や罪のない人が被害を受けた点で、この二つの類似性を指摘する声がある。

「確かに共通点はある。明らかな人災で、非常に広範な人が影響を受け、地域社会が破壊されたことなどだ。しかし、安易に似ていると見てはいけない。水俣病が公式確認から半世紀を経ても解決しないのは行政や企業の怠慢。放射能汚染の問題は違う。事故が起きた以上、これから100%の対策を講じても、放射線の影響は20年、30年先に及び、長期にわたり解決できない。そもそも放射線の影響についての医学的知見はわずか。将来、がんになっても、原発事故の放射線によるものかどうか判定できない」

「原発が本当に安全なのなら、わざわざ過疎地に造らず、送電コストがかからない都会の真ん中に造ればいい。しかし水俣病は都会では起きず、原発は大都市にはない。公害は社会的、政治的に弱い人たちに集中する。世界の公害の現場を見て思うのは、そういう差別の構造が常にあるということだ」

原発の「安全神話」をつくり上げた原子力ムラと呼ばれる専門家集団。水俣病の原因をめぐっても、熊本大研究班の有機水銀説を否定する企業寄りと取れる学説も出てきて、被害が拡大する一因になった。

「学者の存在が問われている。原発について推進、反対、いろんな意見があっていい。そうした人たちが公平に議論する場が保障されるのがアカデミズムであり、成熟した民主国家だ。全国の国立大が推進派だけを優遇し、反対派を冷遇しているのなら大学として機能していない」

「事故後、多くの学者が『想定外』と言っていた。これは、自分が無能だと言っているようなものだ。ずっと原発反対を言ってきた学者もいるが、そうした人たちは大学などで偉い地位になっていない。水俣病問題と比べてもあまりに露骨だ。原発を推進したのは電力会社と国。巨大さと権力の大きさが水俣病の原因企業のチッソとは全然違うということだろう」

研究分野の枠を超えて多角的に水俣病を検証しようと、2002年、熊本学園大に「水俣学」を開講した。原発事故を機に「水俣学」から得られる教訓に注目が集まる。

「放射性物質を海に流せば拡散して薄まるから大丈夫という学者がいる。とんでもない。海で薄まった毒が食物連鎖で濃縮され水俣病が発生した。有機水銀と放射性物質の違いがあるとはいえ、都合が良すぎる。水俣病から何を学んだのか、と言いたい」

「学問の壁を取り払うことも重要だ。ある地震学者は『なぜ原発に関心が向かなかったのか』と後悔していた。専門的だからと議論を学者任せにしてはいけない。市民に分からないような議論を専門家にさせてもいけない。どこに問題があったのか、未来に対してどうしたらいいのか、一つ一つ解明していくことが大事だ」

医師 原田正純さん
はらだ・まさずみ 熊本大大学院の学生時代に水俣病と出会い、一貫して患者側に立ち診断と研究を行う。熊大助教授、熊本学園大教授など歴任。鹿児島県出身。77歳。



「健康調査」が「被害はなかった」という言い訳に使われないよう
(2011/09/10 福島大学安全安心な教育環境をめざす保護者の会)から抜粋

9月8日東京新聞24,25面 こちら特報部の記事「原発事故 水俣病に学べ・原田正純医師に聞く」という記事があります。

水俣病の発見と治療に尽力された原田医師はこの中で、原発事故を『人為的に引き起こされた広大な環境汚染、科学技術への過信、国策と企業の利益が優先され、住民が切り捨てられてきたこと』と水俣病と原発事故の共通点に思いを馳せています。

しかし、『原発の推進が国家そのものであり、その圧力は水俣病の比ではないだろう』、また『原発被害は水俣病よりはるかにやっかいだ。水俣病には手足の感覚障害など特徴的な症状がある。しかし、放射性物質によるがんなどの発症は他の原因による場合特別が付きにくい・・・』となどと指摘しています。

そして、『被害の認定をする機関は医者だけで構成してはだめだ。住民代表を入れる必要がある。』と訴えています。「日本の水俣病では、専門委員会は医師ばかりで構成された。複数の症状がなければ認定せず、地域や出生時期で線引きすることで患者を切り捨てた。一方カナダの水俣病では認定機関は医師以外に法律家や被害者代表たちも参加している」そうです。

25面には

「水俣病では健康調査が遅れ、被害が拡大した。今回福島県はすでに県民健康調査に着手している。原田医師は『初期に健康調査をやるのはいい。だが”被害は無かった”という行政の言い訳に使われてはならない』と注意を促す。『住民の不安を取り除く』目的で調査をすると、被害の過小評価につながりかねないからだという。原田医師は住民の長期的な健康管理や体調の異変に対応できる恒久的な窓口の設置が不可欠と説く一方、『調査が新たな差別を生まないようにしなければ』とも話す。『将来起こりうる差別にどういう手だてを講じるのか。政治家を中心に全力で考えないと。」とも書かれています。

「考・原発 私の視点」 梅原猛

「考・原発 私の視点」 梅原猛
(2012年2月2日 西日本新聞)から抜粋 

福島第一原発事故で広大な国土が放射能で汚染され、多くの住民が古里を追われた。事故前の日々には戻れない。日本や日本人が目指してきたものに、どこか間違いがあったのか。

「地震、津波は天災だが、原発事故は『文明災』だ。絶対安心と言って原発を推進してきた政府や東京電力の責任は重いが、それだけでは済まない。世界の文明国は、多かれ少なかれ原子力発電にエネルギーを頼っている。そうした私たちの文明が否定されている」

「人類は最初は木を燃やしてエネルギーを得た。その後、石炭、石油を手に入れた。いずれも太陽の恩恵を受けた動植物が起源である。そして原子力からエネルギーを引き出す技術を発明した。生活を豊かにするためという近代西洋文明の必然の要求だったと思う。しかし、それは悪魔のエネルギーだったことが明らかになった。原発の再稼動はとんでもないことだ」

科学技術の進歩で、人類は豊かさを享受してきた。原発を放棄すれば、経済成長できなくなるとの指摘もある。

「国は核融合研究に多額の予算を費やしてきた。地球上に太陽をつくる研究。でもそれは人間の分を越えた研究だ。原発、原爆も核エネルギーに頼る悪魔の科学が生んだもの。やはり太陽を地球につくるのではなく、太陽の恩恵をより多く受ける科学へとシフトするべきだ」

「今の日本人の生活は結構、豊かで、これで十分ではないか。この生活が末永く続くことが重要だ。そのためには考え方を変え、欲望を満たすことのみを優先させるような思想、文明を捨てなければならない。生活水準を2割抑えれば、原発を使わなくて済む。それを5年か10年続ければ、必要な電力が十分に賄える自然エネルギーが必ず開発される。必要は発明の母。すでに各企業は開発に乗り出しているはずだ」

それまで漠然と考えていた西洋哲学への批判が、東日本大震災で明確になった。政府の「復興構想会議」の特別顧問に就任する一方、エネルギー問題についても哲学の視点から積極的に発言する。

「問われているのは世界観の問題だ。西洋文明は、人間が自然を征服すればするほど幸せになるという思想で、科学技術文明を生み出した。しかし、その文明のままでは、人類の滅亡につながる環境破壊や戦争がある。今こそ西洋文明への忠告を、非西洋側から出すべきだ。日本にはもともと、草木や動物、鉱物も含めた森羅万象が仏になれるとする『草木国土悉皆成仏』という仏教の思想がある。自然の恐ろしさを知り、敬い、共存をはかる思想こそが人類存続の道との思いを強くしている。西洋側も、特に日本的原理に基づくこうした健全な哲学が出てくるのを待っている」

「国は自然エネルギーの研究に予算をつぎ込み、世界の緑を増やすような環境先進国を国是とするべきだ。日本発の哲学を世界に広め、技術も日本が主導すれば、世界から尊敬も受け、利益も得られる。日本人が自信を持てば、それは可能だ」

哲学者 梅原猛さん
うめはら・たけし 京都市立芸術大学長、国際日本文化研究センター所長、日本ペンクラブ会長などを歴任。1999年に文化勲章受賞。宮城県出身。86歳。

2012/02/02

【いのちの映画祭】 最初のゲストは、映画監督 てんつくマン

★いのちの映画祭 最初のゲストは、映画監督 てんつくマン

「いのちの映画祭」の記念すべき第一回(2月5日福岡市)のゲストとして、映画監督であり、「路上詩人」でもある「てんつくマン」が来てくれる。


てんつくマンの本『天国はつくるもの ―天使と戦士に贈る詩― 』から抜粋

数年前に書いていた映画の脚本を手直しするために、一人で合宿をしました。
その時、自分に何度も問いかけました。
「なんのために映画を創りたいのだ?」
僕の答えは、「世の中を変えたい、変えるきっかけになるような映画を創りたい」でした。
そう確認できた時、今まで自分が書いていた脚本ではないということがわかりました。

「映画ができたことによって、世の中が今よりもハッピーになること!」
僕は“「ペイ・フォワード」という映画を観た時に、これだと思ったのです。
その映画は、「世の中はクソ」だと思っている少年が、担任の先生に「自分の力で世の中を変える」というテーマを与えられ、ペイ・フォワード(恩を先に送る)というゲームを考える。自分が3人のために力を貸す。そしてその3人に「僕に恩を返すのではなく、あなたが違う3人の力になってあげて」と伝える。そして、その3人がさらに違う3人の力になり、どんどん広がっていく”という話でした。

この映画を観た時、感動しました。そしてみんなに広めたのです。この映画が広まれば、世の中は変わると思ったから。しかし、映画を観たある人がこんなことを言いました。
「あれは映画やからな、あれは作り物やから」

否定の中には、未来へのヒントが隠されている。
そうか、作り物は作り物としてしか、捉えられないこともあるのか。
そして、決心しました。
「ドキュメンタリー映画を創ろう。実際にペイ・フォワードしてしまおう」

今まで、自分の脚本に惚れて応援してくれた人には、本当に申し訳ないと思ったけど、僕はドキュメンタリーを選びました。

映画のタイトルはそのまま。
「107+1 天国はつくるもの」
しかし、自分の名前を変えました。
「軌保博光」から、天国をつくる男「てんつくマン」に。

映画の内容は・・・環境問題なんて知らん奴が、環境問題に取り組み、ボランティアなんてやったことない奴ばっかりが、寒さで亡くなっているアフガンのチビッコたちのために・・・

すべてに共通するテーマは、「命」。
命を大切にするってどういうことなんやろう?
自分の命を活かすってどういうことなにゃろう?
という、人間としての原点をテーマにしました。

冒頭は、赤ちゃんの出産シーンです。

・・・『天国はつくるもの ―天使と戦士に贈る詩― 』からの引用はここまで・・・

今回、いのちの映画祭で上映する『107+1 天国はつくるもの Part2』も冒頭は、出産から始まります。
みなさん、ぜひ、この映画を観て下さい。そして、てんつくマンの話を聞きに来て下さい。

【いのちの映画祭】 てんつくマンとの対談から生まれた 「号外」
 

【いのちの映画祭】 てんつくマンとの対談から生まれた 「号外」

★いのちの映画祭 最初のゲストは、映画監督 てんつくマン

「いのちの映画祭」の記念すべき第一回(2月5日福岡市)のゲストとして、映画監督であり、「路上詩人」でもある「てんつくマン」が来てくれる。彼との出会いは、2006年に遡る。その日私は、元お笑い芸人で、映画監督であり、「路上詩人」という謎の肩書きをもつ人物と対談するために、福岡から特急電車に乗って、鹿児島の会場に向かっていた。

ところが、めったにない豪雨によって、大分から宮崎に向かう途中で線路が水没し、電車が止まってしまった。田舎町でタクシーもすぐに手配できず、対談を企画した人に連絡した。「対談の時間までに間に合わないので、対談を中止にしてほしい」と。しかし、その人は「遅れてもいいので、とにかく会場まで来て下さい。中止にするかどうかは、会場のお客さんに決めてもらいます」といった返答だった。

対談の予定時間から2時間ほど遅れて、「対談は中止になってるだろう」と思いながら会場に到着したら、なんと会場は満席で、拍手で出迎えてくれた。そんな奇跡的な出来事があったため、私はその日、話す予定にしていなかった青森県六ヶ所村の「核燃料再処理工場」の話をし始めた。「今日はこんな話をしてほしい」と言われていたことだけでなく、「自分が話したいこと」を話すことにしたのです。

「今日は、地球温暖化を防ぐための話をしていますが、今、日本で大変な問題が進行しています。『地球温暖化を防ぐために原発を推進しなければならない』という政治家がたくさんいますが、彼らは原発が抱えている様々な問題―燃料であるウランを掘る段階から環境破壊と放射能汚染を広げている問題に始まり、原発周辺での病気の増加、「被曝労働」や「温排水」の問題、そして、最後の「放射性廃棄物」の問題をよく知らないまま原発を推進しています。

それに加えて、今、大問題が進行しています。それは、青森県六ヶ所村の「核燃料再処理工場」の問題です。私は、1990年からチェルノブイリ原発事故の被害者の医療支援に関わり、ベラルーシやウクライナを何度も訪問して、病院に薬や医療機器を届ける活動のなかで、病気に苦しむ人々の様子を目の当たりにしてきました。特に、放射能汚染地の子どもたちに病気が増えていて、子どもが親よりも先に亡くなるという悲劇があちこちで起きている事実を知り、原発の本当の恐ろしさを身にしみて感じてきました。

そんな体験をしてきた者の責任として、核燃料再処理工場が日常的に放出する放射能の問題を見過ごすことができません。

もしも今、地震などによって原発事故を起こり、放射能が放出されたら、大変な大騒ぎになります。避難が必要になります。ところが、再処理工場は、事故を起こさなくても大量の放射能を日常的に放出するのです。その量は、原発から日常的に「漏れている」放射能の300倍から400倍にもなります。そのため、「再処理工場は、原発が1年間で放出する放射能を1日で放出する」と言われるのです。

原発は事故を起こさなくても原発周辺にガンや白血病を増やしていますが、再処理工場は、その原発の300~400倍の放射能を放出する。つまり、今、日本にある原発54基全部の6倍もの原発が1ヶ所に集まっている、ということを意味するのです。

この再処理工場のことを日本人のほとんどが知らないまま放射能が放出されるのは、大問題です」

人を笑わせることを仕事にしてきた元お笑い芸人のてんつくマンは、初対面の私との対談においても、数分おきに会場を爆笑させていた。しかし、六ヶ所村の核燃料再処理工場の話を聞いたときは、本当に驚いた顔をしていた。対談が終わったあとの懇親会で、それまで沈黙していたてんつくマンが話を切り出した。

「さっきの話にあった原発で使った使用済み燃料の再処理の話ですけど、初めて聞く話でびっくりしました。大変な話だと思うんですけど、会場の人もほとんど知らなかったし、あの話を知ってる人はどのくらいいるんですかね?」

「たぶん、日本人の1%も知らないよね」

「えっ!? あれだけの大問題を1%も知らないんですか?!
どうして知らないんですかね?」

「マスコミがほとんど報道しない、ということが大きいね」

「なぜ、マスコミは報道しないんですか?」

「テレビや新聞にとって、たくさんの広告料を払ってくれる電力会社や原発メーカーとその関連企業は、経営的に最も大事なお客さんだから、そのお客さんが困るようなことは、なるべく報道しない、というのが実態だね」

「じゃあ、どうしたら、再処理工場の問題を多くの人に伝えることができるんでしょう?」

「現状では、この問題を知った人たちが、自分たちで知らせていくしかないよね。例えば、号外をつくって全国で配布するとかね。」

「じゃあ、それやりましょうよ!」

と酒を飲みながら「アホな2人」が話したことが、汗と涙の伝説の「豪快な号外」3000万部発行、全国で2万人以上が号外を配るという一大ムーブメントに展開していったのです。多くの著名人が、この取り組みに賛同して呼びかけ人にもなってくれました。そして、てんつくマンは号外を配る人たちの様子も収録したドキュメンタリー映画 『107+1天国はつくるもの Part2』をつくったのです。

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【いのちの映画祭】 最初のゲストは、映画監督 てんつくマン

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