トセパンの地震被災地支援活動の続報 (2018年5月)

今年1月にスタートした「メキシコ中部地震 トセパン支援プロジェクト」。これまでたくさんの皆さまからご寄付を頂きました。本当にありがとうございます。1回目の送金後、トセパン協同組合(以下、トセパン)の生産者たちからも「日本の皆さんの温かいお気持ちに、心から感謝しています」とのメッセージが届いています。

今回は、そのトセパンの地震被災地支援活動の最新の情報をお伝えしたいと思います。

<サンタクルス村での支援活動 -仮設ではない住宅建設を目指して->
地震後からトセパンが支援を行っているのは、プエブラ州にあるサンタクルス村(人口1,500人くらい) です。そもそもなぜトセパンがこの村での支援活動を始めたのか、ここで少しお伝えしたいと思います。

地震が発生し、日本にいる私たちもとても心配していましたが、幸いトセパンでは被害がありませんでした。トセパンの人たちは、「自分たちには支援は必要ない。でも被災した人たちへ自分たちが出来ることはあるはずだ」と支援できる場所を探し始めました。その時ちょうど、以前から交流のあったプエブラ大学からトセパンへ安否確認の連絡があったため、トセパンとして支援が必要な人たちを助けたいと大学側へ相談したのです。そして、支援が必要な地域がないか共に調査を始めました。そこへ大学を通してある村の情報が届き、被災地支援を担当していたトセパンのレオナルドさんが視察に行くこととなりました。 実際に訪れ、その村では行政からの支援もあって特別な助けは必要ないという状況が確認出来たため、改めて支援先となる地域の情報収集を開始しました。そこへ届いたのがサンタクルス村の情報でした。行政からの支援がない地域であり、村としても支援を望んでいるということから、レオナルドさんが訪問して現状を確かめたのち、トセパン組合として支援を行うことを決定したのです。

村では竹の仮設住宅の建設を無償で始め、現在(2018年5月時点)では100棟が建設されています。 ただ、竹の仮設住宅は人手がかかることもあり、またあくまで仮の住居ということで、現在は建築家も加わって耐震構造の2階建ての住宅建設も始まっています。

今はトセパンから10名程度の大工がサンタクルス村に常駐し、建設プロジェクトに携わっています。トセパンのあるクエツァランから車で片道5時間程度かかる場所にある村ですが、プロジェクトリーダーとしてレオナルドさんも週1回現地に入っています。

5月中旬に行われたトセパンでのお祭り(キリスト教で農耕・農民の守護聖人イシドロのお祭り) ではトセパンがバスを出し、サンタクルス村から被災者30人程度を招待しました。被災して国からの支援もない中、厳しい状況にあるはずですが、被災者の皆さんは明るい表情で悲壮感もなく、今後に前向きな様子だったようです。


トセパンでのお祭り(聖イシドロ)の様子

お祭りの招待された被災者の一人、ビクトルさんは、今回支援を受けて初めてトセパン協同組合やその活動を知ったとのことです。そして、これだけ大規模でありながら、連帯意識を持ち、自立して多様な組合活動をしているトセパンに非常に驚いたそうです。トセパンよりもサンタクルス村は規模が小さいので、自分たちでもトセパンを見習った組合のような活動が出来るのではないかという思いが村人たちに出てきているといいます。

今後のサンタクルス村の在り方や村の人たちの意識の変化にまで影響を与えたということで、トセパンの支援活動は思いがけない新たな成果を生み出しています。サンタクルス村の人たちに悲壮感がなかったのも、こうした村としての目標や将来像がトセパンの支援によって見えたからかもしれません。今後が楽しみです。


ビクトルさん一家

私たちは、これからもトセパンの地震支援活動を見守りながらサポートしていきたいと思っています。同時に、支援活動の新しい情報が入りましたら、また皆さまにお伝えしてまいります。

引き続き、皆さまからのご支援、お待ちしております。
どうぞよろしくお願い致します!

★トセパン地震支援のページ

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