第11話.カルロスと農場スタッフ

ジャカランダ農場のコーヒーは農場に定住するスタッフたちの手により生産される。16人のスタッフの多くはジャカランダ農場で生まれ、その父、祖父たちもまたここで働いていた。カルロスにとって、農場のスタッフは家族同然であり、そこには農場主と労働者という枠組みを越えた関係が成り立っている。

カルロスとアイルトン

カルロスとアイルトン

カルロスの助手を務めるジョゼ・アイルトン(20)は、カルロスにこんな相談をしたことがある。当時、19歳のアイルトンは、日中はコーヒー栽培の仕事をし、夜になるとカルロスの援助により、マッシャード市の農業学校に通っていた。しかし労働の後では疲れて勉強に集中できず、結局「学校を辞めさせてくれ」とカルロスに申し出た。

「勉強は大切なことだから続けなさい」という応えがアイルトンに返ってきた。カルロスは、アイルトンがマッシャード市に寄宿して、学業に専念できるように手配し、彼が授業に出ている間の給料も保証した。

その理由について、「私もアイルトンの年令のときには、大学で勉強させてもらった。どうしてアイルトンもそれと同じことができないというのですか。全く当たり前のことをしているだけです」とカルロスは述べる。就学のチャンスを与えられているのはアイルトンだけではない。48歳のマリアーノ、30歳代のシーロやシルビオは経営学の講座を受講している。スタッフの子どもは全て小学校に通い、さらにその先の進学を希望する者にはその機会を与えられる。

カルロスはこう語る。「農場での仕事と生活に誇りをもってもらいたいのです。田舎だから、勉強ができないとか、生活が乏しいというふうに考えて欲しくない。私は彼らにできるだけ教育を受ける機会と、きちんとした家を保証したいと思います」

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