インタグの森に関する記述3(カルロス・ソリージャの手紙)

親愛なる友よ、
インタグから御挨拶申し上げます。この地球上で、最も生物学的な多様性を有しているいくつかの森の運命に深い関心を寄せて下さる全ての人達に、私はこの緊急のSOSを送っています。他の人々にも手紙を書いて、この情報を伝えて下さい。御協力に感謝します。
エクアドル北西部インタグ地方を脅かしている大規模な銅山開発プロジェクトを阻止するために考え出された手紙キャンペーンの、宛名のリストが同封されて います。 その人達に手紙を送るとともに、デコインにも手紙のコピーを送って下さい。デコインはこの生態系破壊事業を阻止するために、地域共同体とともに活動してい る我々の環境保護組織です。以下にあげる事実に基づいて、あなたの手紙を書いていただけると幸いです。
・銅山開発プロジェクトはフニンと呼ばれ、トイサン山脈に位置し、西エクアドルに最後に残された原生林の中にあります(今残っているのは元の原生林の約 10%です)。打撃を受ける原生林のほとんどは、雲霧林です。開発プロジェクトは今のところまだ現地調査の段階で、CODIGEM(鉱山エネルギー省の一 部門)と日本のビシメタル・エクスプロレーション(三菱の子会社)によって行われています。彼らは この地域を1990年から調査していますが、1996年にやっと、採掘段階に入るための環境影響調査を終了しました(彼らは現地調査に入るための環境影響 調査は一度もしておらず、これは国の法律に違反しています)。
・ニューヨーク植物園によると、西エクアドルの森林は南アメリカで2番目に存続が危ぶまれている森林です(一番危機に瀕しているのはブラジルの大西洋沿岸 の森林)。二人の世界的生物学者、E.O.ウイルソンとノーマン・メイヤーズはこの森林を、私達の地球上で最も生物学的多様性に富んだ森林のひとつであ る、と言ってい ます。
・今進められている種類の大規模な露天の採掘のためには、道路整備が必要となりま す。もしそれを許せば、トイサン山脈の全ての森林が乱開発の危機にさらされ、エクアドルの他の地域の生態系も荒廃させられるでしょう(エクアドル・アマゾンのように)。
・環境影響調査でさえ「大規模な森林伐採は、乾燥(砂漠化) を招き、地域の気候の変化をもたらし。」と予測しています。また、この調査では鉱山がコトカチ・カヤパ生態系保護区(採掘地域の一部がこの保護区の緩衝地 帯にある )にも打撃を与えると予測しています。ここは地球上で最も生物学的な多様性を有する 保護区であり、西エクアドル全体の中で唯一残された重要な場所です。調査書は4500ヘクタール(11,000エーカー以上)の土地が直接の打撃をうける だろうとしています。そのほとんどが、原生林です。(フニン・プロジェクトは1997年7月に30, 000エーカー以上に拡大されました)
・鉱山開発の影響をうける恐れがあるとデコインが認めた絶滅に瀕している生き物は以下の通り;
1,メガネグマ  2,ジャガー  3,プーマ  4,オセロット(山猫の一種) 5,ジャガランディー(山猫の一種)6,オオアリクイ 7,クモザル 8,ホエザル 9,矮小性のシカ 10,マウンテン・バク 11,パカラナ(大型の 齧歯動物) 12,プレート・ビルド・マウンテン・オオハシ 13,ゴシキドリ 14,アンデスイワドリ 15,カサドリ 16,ハヤブサ  17,アカ アシミツドリ 18, ジャイアント・アリヤイロチョウ 19,ハイイロタカ 20,キミミオウム(絶滅寸前)*
昆虫、両生類、爬虫類などの他の動物を含めた、さらに一層深い研究が行われれば、 打撃を受けて絶滅の危機に瀕する動物は全体で30種を超えると私達は考えています。
**鳥類学上の研究によると、インタグ地方は今までこの鳥が観察された唯一の場所で す。エクアドル全体でも18羽しか存在が確認されていません。
どうか、上に上げた動物が絶滅の危機に直面する生き物の全てというわけではな いことを心に留めて下さい。道路が建設されれば、私達がここにはあげていない低地性の動物、例えば、オオギワシやフクロカッコー(非常に数が少ない)なども影響を受けると思われます。
(エクアドルの絶滅寸前の鳥類の新しいリストが1997年発刊されましたが、少なくとも5種類はさらに数が増えると思われます!)

汚染状況
1997年7月に公表された別の分野での環境影響調査のなかで、いくつかの今まで人の手が入ったことのない河川が、以下にあげる毒性の物質でひどく汚染 される可能性があると、予測されています;鉛(自然レベルの100倍の濃度)、ヒ素、カドミウム、 クロミウム、銅、モリブデン、硝酸塩。全ての物質においてその予想汚染レベルは、 EPAが飲み水として認めるレベルを遥かに超えていますが、私達は実際に汚染され れば、そのレベルは予想値をも遥かに上回るだろうと考えています。

植物の楽園
西エクアドルの森林は植物学上、地球上で最も多様な種が見られる森林のひとつと見なされています。世界中の森林の中でも、この地方の固有種が生息する割 合が非常に高いのです。**鉱山の予定地は二つの奥まった自然保護区のすぐそばで、その内のひとつは沢山の種のドラキュラ蘭(吸血蘭?)がみられることで 世界的にも知られて います。つい最近も蘭の新しい属がインタグ地域で発見されました(エクアドリアン ・インテグナ)。この二つの保護区は、合わせて10,000ヘクタール以上の最も貴重な二つの森林を守っています。(**E.O.ウイルソン「生命の多様 性」参照)
これらの森林の、他に例を見ない生物の多様性は、エコ・ツアー産業にとって大きな魅力となりうるはずです。それは、インタグ地域にとってもエクアドルの 他の地域にとっても理想的なことです。エコ・ツアーが産業として成り立てば、未来のエクア ドルの子どもたちにきれいな空気と安定した気候ときれいな水を残してやれるし、環境を汚さずに雇用を生み出し、収入を得ることができるのです。

地域のリーダー達と環境保護活動家への迫害
5月15日、鉱山予定地周辺の8つの地区の住人150人が、政府の役人と会おうと何回も試みたが果たせなかったので、フニン地区の鉱山キャンプだけを平 和的に占拠しま した。全ての設備を丁寧に調べた後、それらを取り外して荷車に安全に保管しまし た。そして鉱山プロジェクトに対する地元住民の反対の明確な意思表示として、キャンプ内に残された板やゴミといったものを燃やしました。保管した設備はす ぐに役所宛に送り返しました。その後、政府は三人の住民側のリーダーに対して鉱山キャンプ破壊の容疑で逮捕状をだしました。また、デコインのメンバーであ るわたし(カルロス ・ソリージャ)とマリー・エレン・フィーヴェガーに対しても、鉱山焼き打ちを裏で指図したと公に非難するといういやがらせをおこなっています。私達がデコ インとしてやったことは、日本側が作成した環境影響調査書に基づいて、フニン地域の住民に 鉱山プロジェクトが及ぼす被害についての情報を提供しただけです。マリー・エレンも私も住民達がキャンプを占拠し焼いたときには、フニン地域にはいません でした。

デコインはあなた達全ての協力が必要です。どうか、同封リストの人達に手紙を書いて、エクアドル政府が、地球上で最も生物学的に豊かな地域を破壊 し、絶滅に瀕している20種以上の動物に深刻な影響を与えるのが目に見えているこの鉱山プロジェ クトの許可を再考するようお願いして下さい。また、私達は、この他に比肩するもののないこの自然を守ろうとしているに過ぎない住民側のリーダーや環境保護 活動家への迫害にたいしても、抗議して下さることをお願いします。まだ、間に合います。いまこそノー!というときです。

カルロス・ ソリージャ
デコイン副代表

特記事項;1997年7月23日、全国紙上でフニン銅鉱山プロジェクトに対し、400,000ヘクタール(100万エーカー)以上のトイサン山脈の 開発許可を与えるつもりであるという記事が出されました。この地区での採掘が許可されれば、インタグの水体系は深刻な影響を受け、多様な生物が失われ(絶 滅に瀕するより多くの動物や植物に被害が及ぶでしょう)、コタカチーカヤパス保護区そのものが破壊される可能性が高いです。あなたの手紙に、この近視眼的 で破壊的な愚行に対する感想も付け加えて下さい。
****もし、デコインの環境保護と啓蒙教育活動を支えるため是非とも必要なカンパに御協力いただければ、本当に助かります。デコインあて小切手を書留で送って下さい。また、別便でカンパを送ったことをお知らせ下さい。御協力に感謝します。

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