弊社は、12月29日(金)から1月4日(木)まで休業いたします。
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]]>オーガニックコーヒーの(株)ウインドファームは、新商品の「有機栽培ホンジュラス産カフェインレスコーヒー」を12月に発売した。同社は本誌12月号「今、目覚める『デカフェ』市場」P40でも既報のとおり、生産、加工、流通に関わる生産者・加工者・販売者の全てが厳しいオーガニック認証をクリアした商品を提供する、国内オーガニックコーヒーのパイオニアとして知られる。2013年よりメキシコ産カフェインレスコーヒーの取り扱いを始めており、これまでに成城石井やオイシックスなどで取り扱いがある。先月号で既報のように、同社ではカフェインレスコーヒーが最も人気であり、今後はホンジュラス産だけでなく、様々な地域のものをそろえる方針だという。
「有機栽培ホンジュラス産カフェインレスコーヒー」各種は、オンラインショップにて2月下旬までセール価格で販売している。なお在庫がなくなり次第、終了となる。
オーガニック(有機栽培)のコーヒーを専門に輸入販売を行う(株)ウインドファームで最も売れているのが「有機栽培 メキシコ産カフェインレスコーヒー」。メキシコの生産者とカフェイン除去工場、そして日本のウインドファームの全てが各国の公式な有機認証を受けた、正真正銘の「オーガニック」なカフェインレスコーヒーだ。生産者の支援から消費者への安全でおいしいコーヒーの提供まで、包括的に関わる同社の取り組みを紹介しよう。
同社は2013年より、メキシコ産の有機カフェインレスコーヒーを継続して販売している。有機認証には長期間の手続きや高い費用を要し、コーヒーの場合は商社などが「割に合わない」と撤退するケースも多かった。が「カフェインレスでオーガニックなものはなかなかない。大規模な展示会でも年々反応が良くなっている」(同社の岩見知代子氏)と、約10年続けてきた手応えは確かだ。
カフェイン除去にはメキシコ発の「マウンテンウォーター製法」を活用。旨味成分で飽和させた水の中に生豆を入れると、浸透圧で豆からカフェインのみが流出し、うまみ成分がとどまる。化学薬品を使わず、おいしく安全なカフェインレス豆に加工することができる。「『おいしくない』というイメージは横に置いて、まず試していただけたらと思います」(岩見氏)と、通常のコーヒーと遜色ない味わいも好評だ。
メキシコでは現地の研究者と一緒に「森林農法」にも取り組む。コーヒーと同じ農場内でシナモンやオールスパイスなどを同時に栽培することで、豊かな土壌が生成する。また病害虫の拡散が抑えられ、生産者の経済的安定につながる。農薬や化学肥料が不要になり、安全で良質なコーヒーを収穫することができるのもメリットだ。
同社は前身の有機農産物産直センターから30年以上、一貫してフェアトレードの有機農産物を販売してきた。生産者との深いつながりは、海外でも事例として多く紹介されている。また購入客にも生産者とのつながりを意識する人々が多いという。現地で災害があった際に呼びかけると、寄付に協力したりメッセージを送ったりと、アクションを起こす人も現れている。
受注後に焙煎し新鮮な豆を届けることや、深煎りでも一般的なものより浅くとどめ素材の味わいを残すことも、おいしさの秘訣だ。
現在は成城石井、オイシックスなどが取り扱うほか、大手企業の社員向けコーヒーにも採用されている。「妊娠中の方などにとどまらず、どんな方にも飲んでいただきたいと思います」(岩見氏)。
コントは様々な地域のカフェインレスコーヒーを揃え、バラエティを増やしていく。コーヒーを通して多様な人々と各地の生産者をつなぐ、壮大なストーリーの展開に期待したい。
(2022年7月22日 西日本新聞)
福岡県水巻町のカフェ「ウインドファーム」には、中南米やアジアなど16カ国で有機栽培されたコーヒー豆が集まる。運営会社代表の中村隆市さん(66)が現地の人々と協力し、30年以上かけて増やしてきた?森を守るコーヒー?だ。カフェは消費者に生産過程を知ってもらう場でもあり、環境保護に取り組む若者の雇用の場でもある。
「これはメキシコのナワット族」「これはタイのカレン族」。豆を手に取る中村さんの頭には、生産者一人一人の顔が浮かぶ。
コーヒー栽培には通常、多量の農薬や化学肥料が使われる。自然環境を守るためには有機栽培が理想とはいえ、生産者にとっては容易ではない。中村さんは1980年代から生産地を巡って有機栽培を広め、適正な価格で買い支えるフェアトレードを行ってきた。
輸入した生豆は独学で磨いた技術で焙煎して国内各地のカフェに卸すほか、インターネットでも販売する。水巻町のカフェは今年4月に開店。生産者の取り組みを動画で紹介するコーナーも店内に設けた。
中村さんは19歳で水俣病患者と知り合ったのを機に、公害や環境問題に関心を持った。自ら農家となり、米や野菜の無農薬栽培を始めたが、思うように売れない。流通システムや消費者の意識を変える必要があると考え、福岡県内の生活協同組合に就職して有機農業の普及を推し進めた。
その間も、環境問題は世界規模で深刻化していく。
「コーヒー栽培を通じて発展途上国に有機農業を広めよう」。再び独立すると、提携できる生産者を探して南米を飛び回った。
93年、ブラジルの有機コーヒー栽培の先駆者カルロス・フランコさんと出会い、輸入販売を始める。これを起点に提携先は各国へ広がった。生産者を日本に招いて「国際有機コーヒーフォーラム」を開いたり、生産地を巡るツアーを開催したりと奔走した。
近年、環境保護への関心はこれまでになく高まる。国連の持続可能な開発目標(SDGs)を意識する企業が増え、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの影響で取り組みに参加する若者も増えた。だが「学生時代に熱心に活動しても、卒業後に思いを生かせる仕事がない」。
中村さんはそんな若者の受け皿にと、水巻町のカフェで20?30代の8人を雇った。キッチンカー3台で移動販売も開始。8月には福岡市にも新店舗を開く。
環境保護を事業として成り立たせるのは難しく、ふすま張りをして家計を支えた時期もある。近年は原料価格の上昇に加えて急激な円安で、輸入経費は増える一方だ。来月、泣く泣く生豆の値上げに踏み切ることにした。それでも生産者からの買い取り価格は下げないと決めている。
今こそ気候変動を止めなければ後戻りできなくなる。目指すのは「格差を生む経済から、みんなを幸せにする経済へ」。そんな世界を築き、次世代に託したいと思う。(山田育代)
ウインドファームは午前11時〜午後6時。月曜定休。電話=093(482)9555。
]]>環境や支援 考えるカフェ 無農薬コーヒー、有機野菜
(2022年5月3日 読売新聞)
【SDGs つづく未来へ】
途上国から有機栽培のコーヒーなどを適正価格で購入し、現地の人たちの自立を支援するフェアトレードに取り組んでいる水巻町の会社「ウインドファーム」が、カフェを同町猪熊にオープンした。環境保全に配慮しながら農産物の栽培を続ける現地農場の取り組みも紹介しており、代表の中村隆市さん(66)は「地球温暖化の問題や途上国支援に関心のある人に、気軽に訪れてほしい」と呼びかけている。 (柿本高志)
店名は「オーガニックカフェ ウインドファーム」で、広さは約170平方メートル。遠賀川に架かる御牧大橋の近くにある飲食店跡を改装し、4月22日にオープンした。
長年、ブラジルで農薬を使わないオーガニックコーヒーを生産している農場主にちなんで命名した「カルロスさんのコーヒー」や、エクアドルとメキシコの豆をブレンドした「ハチドリのひとしずく」などオリジナルのコーヒーを楽しめる。有機栽培した野菜をたっぷり使った筑紫野市の「オーガニックパパ」の弁当も販売する。
中村さんは、途上国のコーヒー農場で多くの子どもたちが働き、大量の農薬を使うケースが多いことを知り、「有機農法を広め、子どもたちの置かれた状況を改善したい」と、1988年に無農薬コーヒーの取引を始めた。国内外でフェアトレードの大切さを訴え続けており、現在は、中南米や東南アジア各国からコーヒーや紅茶、カカオ豆なども輸入している。
今回オープンさせたカフェの店内では、フェアトレードや有機農法など各国の取り組みを紹介する映像を流し、パネルも展示。メキシコを中心に中南米各国で広がっている森林農法も紹介している。
この農法では、樹木や多様な果樹、トウモロコシといった農産物を植えた農場でコーヒーなどを栽培している。多くの人々が農法を通じて生活しながら働いており、荒れた農場の再生と森を育てる取り組みとして注目されている。
カフェではこうした環境問題に関心がある大学生らもスタッフとして働いている。その一人、北九州市立大国際環境工学部3年の中牟田リラさん(20)は、地球温暖化や環境保全に関する啓発活動をする中で、中村さんと知り合い、スタッフとなった。
中牟田さんは「自分たちが考案した有機バナナの粉を使ったクレープのメニューもある。気軽に来店して、環境問題や森林農法への関心を持ってほしい」と願っている。
カフェの営業時間は午前11時〜午後6時。月曜が定休日。今月5日までは、コーヒーやソフトクリーム、クレープなどの商品が割引価格となる。問い合せはウインドファーム本店(093・202・0081)へ。
○令和5年(2023年)1月1日からの定休日:土曜日、日曜日、祝祭日
お客様におかれましては、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ないのですが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
今後とも、弊社をご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
ウインドファームグループの始まりは、1987年の「有機農産物産直センター」の設立でした。翌1988年には無農薬コーヒーの自家焙煎を始めます。その後、生産者から直輸入するフェアトレードを広める中で、「有限会社有機コーヒー」という会社を設立しました。当時は「有機コーヒー」という言葉が一般に使用されていなかったため、「一般名詞」である「有機コーヒー」が奇跡的に社名として登記されました。有機コーヒー社は、日本で初めて有機コーヒーをフェアトレードで輸入した会社であり、日本で初めて有機認証のあるカフェインレスコーヒーを製造した会社でもあります。そんなウインドファームグループが創立35周年の年に、オーガニックカフェ(テイクアウト+イートイン)を開店しました。
有機農業とフェアトレードの普及に取り組んできたウインドファームグループが
「オーガニックカフェ・ウインドファーム」を開店した理由
今から50年前の1972年にローマクラブが資源と地球の有限性に着目し『人類の危機リポート・成長の限界』を発表しました。その内容は、「人口増加や環境汚染などの現在の傾向が続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」 つまり、このまま地球環境の将来に配慮しない経済活動が続けば、地球の破局は避けられないという強い警鐘を鳴らすものでした。
それから20年後の1992年、ブラジルで国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、当時12歳の少女だったセヴァン・スズキが演壇に立って「伝説のスピーチ」をしました。
「今、動物や植物たちが毎日のように絶滅していくのを、私たちは耳にします。それらは、もう永遠にもどってはこないんです。・・・こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを。
・・・死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。 どうやって直すのかわからないものを、こわし続けるのはやめてください」と。
伝説のスピーチから30年が経ちました。「成長の限界」の発表からは50年が過ぎました。しかし、人類は未だに地球環境を悪化させ続けています。世界の森や海や大地で「開発」という名の自然破壊がくり返され、世界の生物多様性は過去50年で68%も失われ、その結果「生物種の絶滅」が信じられない速さで進行しています。1975年の年間絶滅数は1,000種だったのが、今は年間4万種もの生物が絶滅しています。実に40倍にもなっています。
※IPBES(生物多様性に関する政府間科学政策プラットフォーム)は、「人間活動によって生物種の多くで地球規模の大絶滅が進行しており、およそ100万種が今後数十年のうちに絶滅する恐れがある」と2019年に警鐘を鳴らしている
それに加えて、世界的な肉食の増加に伴って、牧場をつくるために森林が伐採され、さらに家畜のエサを栽培するために森を伐採しています。エサの大半は、遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシであり、大型機械を使って農薬と化学肥料と水を大量に使用して栽培しています。このような「工業的な畜産」や「工業的な農業」の拡大が生物多様性の減少と生物種の絶滅を加速させるだけでなく、温暖化ガスの吸収源をも減少させています。
森林が二酸化炭素の吸収に役立っていることはよく知られていますが、森の樹木が吸収するCO2以上に森の土壌が吸収しているCO2の方が5倍も多いことは、あまり知られていません。このことは、森の土壌だけでなく農地の土壌でも同様です。植物の根の周辺に共生する「菌根菌」と呼ばれる微生物がいますが、植物が生えると植物は根を伸ばして液化した炭素を土中に溢れさせて菌根菌に栄養を届けます。代わりに、菌根菌は根よりも多くのミネラルや栄養や水分を集めて植物の生育を支えています。
この植物と微生物群との共生関係によって炭素が微生物に与えられ、植物もよく育つことができるのですが、「工業的な農業」は農薬と化学肥料の大量使用によって、その重要な微生物を殺してしまいます。その結果、温暖化を加速させているのです。
近年、気候危機が進行する中で、こうした土壌微生物の重要性が国際的な研究で明らかになり、有機農業や森林農法の重要性が増しています。
そうした状況の中で、「私たちにできることは何か?」を考えてきました。
有機農業と森林農法、そしてフェアトレードの普及に取り組んできたウインドファームは、創業35年の経験を生かして気候変動や生物種の絶滅が加速している現状を少しでも良くしていくために、(有)有機コーヒー(株)セカエルと協力して、環境団体や有機農業生産者とも連携しながら新たな事業に取り組むことにしました。
その柱になるのは、有機農業を普及させることです。農薬と化学肥料を大量に使用して単一品種の大規模栽培や遺伝子組み換え作物を生産する工業的な農業、工業的な畜産を変えていくことです。
もう一つの柱は、森を守り森を再生できるアグロフォレストリー(森林農法/森林農業)を普及させて森林破壊をくい止め、森を増やしていくことです。
具体的には、アグロフォレストリーで生産している中南米やアジア、アフリカの有機農産物を今まで以上にフェアトレードで購入して全国に流通させていくことです。
特に、ウインドファームが長年提携してきたトセパン協同組合をモデルに、自然との共存を掲げて「国策」として森林農法に取り組んでいるメキシコを応援することは、世界に森林農法を広める上で大変重要だと考えています。今後、メキシコで増えてくる有機農産物をフェアトレードで購入する量を増やしていきたいと思います。
そのためには、今まで以上に理解者を増やしていく必要があります。そこで、森林農法の有機農産物を本格的に流通させていくための実験として「オーガニックカフェ」と「オーガニックキッチンカー」を連携させて展開することにしました。4月22日アースデイに北九州でカフェを開店し、福岡と東京でキッチンカーを走らせ始めています。8月には福岡市にもオーガニックカフェを開店する予定です。
これらの店舗(と一部のキッチンカー)では、森林農法で栽培されたコーヒーやカカオ、果物、スパイスなどの他に、国内の「フードフォレスト」で栽培された有機果実も販売しています。また、福岡県の有機農業生産者が栽培された野菜や米を使用したオーガニック弁当なども販売しています。有機農業と福祉の連携(農福連携)に取り組み、有機栽培の認証と有機レストラン認証の両方を取得されているオーガニックパパさんには、特別にオーガニック・ヴィーガン弁当をつくっていただいています。福岡県赤村で40年以上も有機農業に取り組み、全国的な生産者のネットワークを構築してきた鳥越ネットワークさんとは、ウインドファーム創業以来の連携が続いています。
こうした実験的なオーガニックカフェやオーガニックキッチンカーによって、一定の経営が成り立つ「オーガニック・ビジネスモデル」が確立されたときには、弊社の志に共感していただける全国の皆さんとの連携が進展するのではないかと期待しています。
連携の一例として、東京国分寺のカフェスロー(オーガニックカフェ)では、ウインドファームがソフトクリーム製造会社とコラボして開発した有機豆乳&有機ココナッツミルク&有機コーヒーなどでつくられたソフトクリームの販売がまもなく始まります。
カフェで提供されるコーヒー、スムージー、ジュースなどドリンクは全てオーガニックです。有機米粉と有機バナナ粉を生地にしたオーガニック・ヴィーガンクレープや有機野菜をふんだんに使ったオーガニック・ヴィーガン弁当、有機豆乳ソフトクリームなど全国的にもあまり見られないオーガニック&ヴィーガンの飲食を提供しているカフェです。カフェ内で、有機コーヒー生産農場での栽培方法(有機農業&森林農法)を動画で見たり、コーヒーの焙煎を店内で見学したり、お好みの生豆を選んで焙煎したてのコーヒーを購入することもできます。
(2022年5月3日 読売新聞)
途上国から有機栽培のコーヒーなどを適正価格で購入し、現地の人たちの自立を支援するフェアトレードに取り組んでいる水巻町の会社「ウインドファーム」が、カフェを同町猪熊にオープンした。環境保全に配慮しながら農産物の栽培を続ける現地農場の取り組みも紹介しており、代表の中村隆市さん(66)は「地球温暖化の問題や途上国支援に関心のある人に、気軽に訪れてほしい」と呼びかけている。 (柿本高志)
店名は「オーガニックカフェ ウインドファーム」で、広さは約170平方メートル。遠賀川に架かる御牧大橋の近くにある飲食店跡を改装し、4月22日にオープンした。
長年、ブラジルで農薬を使わないオーガニックコーヒーを生産している農場主にちなんで命名した「カルロスさんのコーヒー」や、エクアドルとメキシコの豆をブレンドした「ハチドリのひとしずく」などオリジナルのコーヒーを楽しめる。有機栽培した野菜をたっぷり使った筑紫野市の「オーガニックパパ」の弁当も販売する。
中村さんは、途上国のコーヒー農場で多くの子どもたちが働き、大量の農薬を使うケースが多いことを知り、「有機農法を広め、子どもたちの置かれた状況を改善したい」と、1988年に無農薬コーヒーの取引を始めた。国内外でフェアトレードの大切さを訴え続けており、現在は、中南米や東南アジア各国からコーヒーや紅茶、カカオ豆なども輸入している。
今回オープンさせたカフェの店内では、フェアトレードや有機農法など各国の取り組みを紹介する映像を流し、パネルも展示。メキシコを中心に中南米各国で広がっている森林農法も紹介している。
この農法では、樹木や多様な果樹、トウモロコシといった農産物を植えた農場でコーヒーなどを栽培している。多くの人々が農法を通じて生活しながら働いており、荒れた農場の再生と森を育てる取り組みとして注目されている。
カフェではこうした環境問題に関心がある大学生らもスタッフとして働いている。その一人、北九州市立大国際環境工学部3年の中牟田リラさん(20)は、地球温暖化や環境保全に関する啓発活動をする中で、中村さんと知り合い、スタッフとなった。
中牟田さんは「自分たちが考案した有機バナナの粉を使ったクレープのメニューもある。気軽に来店して、環境問題や森林農法への関心を持ってほしい」と願っている。
カフェの営業時間は午前11時から午後6時。月曜が定休日。今月5日までは、コーヒーやソフトクリーム、クレープなどの商品が割引価格となる。問い合せはウインドファーム本店(093・202・0081)へ。
]]>以前、本稿で美味しいコーヒー豆に出合ったと書いた。シンガポールにある「ナイロンコーヒーロースターズ」が焙煎した豆だ。翌年もシンガポール政府が呼んでくれたので、豆を買いに行くついでに講演もして帰国した。3年目を楽しみにしていたら、世界的なコロナ禍によって講演が中止になった。
仕方がないから国内で美味しい豆を探すことにした。各地で美味しいと言われるエスプッレソ用の豆を試したが、どれも苦味が強くてナイロンコーヒーに敵わない。「あのまろやかな味の豆は国内に存在しないのだろうか」と思っていたら、どうやらそれは豆の種類によるものではなかった。エスプッレソ用の豆はほとんどが深煎りなのだが、ナイロンコーヒーは浅煎りを使っていたのである。
「そりゃそうだよな」と思った。コーヒーが苦くて飲めない人間が、豆の種類による味の違いなど判別できるはずがない。単に浅煎りの豆が好みだったというわけだ。そんな間抜けな笑い話を、「コーヒー豆について」と題して自分のYouTubeチャンネルに公開した。
そんなYouTubeを観てくれる人がいたのである。先日、とある団体が主催する対談に出演したら、「お礼に浅煎りのコーヒー豆を送りたい」と申し出てくれた。なんと気の利いたプレゼントだろう。小躍りしながら自宅住所をお伝えした。
数週間後、自宅に豆が届いた。福岡県にあるウィンドファームという会社からだった。箱のなかには、この会社が扱うさまざまなコーヒー豆が入っていた。いずれも有機栽培、森林農法、協同組合による生産など、世界中の産地から届いた信頼できる豆だった。
なかでも目を引いたのは、真っ黒の袋に入った3種類のコーヒー豆。それぞれ「グアテマラ1」「グアテマラ2」「グアテマラ3」と書かれたマスキングテープが貼ってあるだけの袋だ。同梱された手紙によると、山崎は浅煎りが好きだというので特別に3種類の浅さで焙煎してみたという。
嬉しいじゃないか。浅煎りのなかにも深さがあるというのだ。さっそく最も浅い1を試してみた。これは浅い。というか、ほとんど煎っていない。手動のグラインダーだと豆が固すぎて取っ手が少しずつしか回らない。エスプッレソを淹れてみると、草木のような植物の香りが漂う。2は植物の香りに少し香ばしさが混ざる。そして3は完全に好みの浅煎りだ。今後はありがたく「グアテマラ3」を愛飲させていただこう。
となると1と2の使いみちを考えねばなるまい。いずれも考えうるなかで最も良い豆を使っているのだ。試しに1と同量の深煎り豆を混ぜてエスプッレソを淹れてみた。これがうまい。3の浅煎りとは少し違った香ばしさと柔らかさがある。2は少なめの深煎り豆を混ぜると絶妙な味になる。なお、この原稿は2をベースにしたエスプッレソにたっぷりの牛乳を足したカフェラテを飲みながら書いている。
これらの豆は、グアテマラの「フェセグ協同組合」が栽培したものだという。フェセグが特徴的なのは、女性の社会進出を後押ししている点だ。協同組合内に女性委員会を設置し、女性リーダーの育成に力を注いでいる。グアテマラでは女性に農地を相続させない習慣が残っているそうだが、フェセグでは生産グループの主要な役職を3名の女性が務めていたり、土地を所有してコーヒー栽培を行なう女性がいたりするそうだ。有機栽培であることなども嬉しいが、コーヒー豆を購入することで女性の活躍を少しだけ支援することができるというのも嬉しい。
南米にはかわいい動物の土偶もたくさんある。いつか当地を訪れてみたいものだ。
1973年愛知県生まれ。studio-L代表。著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ソーシャルデザイン・アトラス』(鹿島出版会)、『コミュニティデザインの源流』(太田出版)、『縮充する日本』(PHP新書)など。本連載をまとめた『地域ごはん日記』(パイインターナショナル)も絶賛発売中
]]>フェアトレード有機栽培や森林農法、マウンテンウォーター製法について紹介されています。
バランスがとれた味わいについての評価や、コーヒーに合うお菓子の提案も掲載されています。
今から300年ほど前の日本に三浦梅園という医者がいました。
「自然哲学者」ともいわれる彼が、こんな言葉を遺しています。
「枯れ木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」
枯れた木に花が咲くと人々は、奇跡が起こったといって驚く。だが、ほんとうに驚くべきことは、生きた木に毎年花が咲くことではないか、と梅園は言っています。
毎年、春がくると梅が咲き、桜が咲くことは、あたりまえのこと。
私たちが、朝起きて、目が見え、音が聞こえ、手足が動く、それもあたりまえ。
肺が働くから空気を吸える。胃や腸が働くから食べ物を食べられる。心臓が働くから血液が全身を巡ることができる。人間の心臓は、80年生きると、およそ30億回も鼓動を打ち、心臓を収縮させて、全心に血液を送る。それを昼も夜も寝ているときも続けている。これもあたりまえ。
あたりまえのことに対して、私たちはあまり関心を持たない。
だから私たちは、自分の身体に感謝することは、あまりない。
同様に、空気や水や食物を提供してくれる森や大地や海に対しても あたりまえだから、あまり感謝することがない。
しかし、こうした無数の「あたりまえ」が私たちのいのちを支えている。
「枯れ木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」というのは、「あたりまえのことに奇跡が宿っている」という意味でもある。
地球という星に空気があること、水があること、土があること。山があり、川があり、海があること。草があり、木があり、森があること。虫がいて、鳥がいて、魚がいること。多様な動植物が生きていること。
全ての生命(いのち)の母が地球であり、この星に生きる皆が私たちの家族であること。
そのことに気づくことができれば、これまでの人間の行為がいかに自己中心的であったか、理解できるだろう。
1979年に米国のスリーマイル島で原発事故が起きても
1986年にソ連のチェルノブイリで原発事故が起きても
日本は原発を増やし続けた。
2011年に日本の福島で原発事故が起きたとき、多くの親たち、特に母親たちは、子どもを放射能(放射線)から守ろうと福島県や関東、東北から避難した。
避難先でお母さんたちがこう言った。「ここに子どもたちと避難してきて初めて、窓を開けることができて、安心して空気を吸うことができました。そして、安心して水を飲むことができました。」「子どもに外で遊んでいいよ、裸足で遊んでいいよ、土にさわっていいよ、落葉もさわっていいよって言えるようになりました。」「安心して森に入ったり、川に入ったり、海に入って遊ぶことができるようになりました。こんなにうれしいことはありません」と。
原発はウランを掘るところから自然の破壊と汚染が始まり、稼働中も汚染を広げ、十万年以上も毒性が残る「放射性廃棄物」を未来世代に残す。
私たちにとって、本当に大事なものは何なのか、本当に大切なことは何なのか。
46億年前、広大な宇宙の中に誕生した「地球」という奇跡
その星に生まれることができた奇跡 その星で家族と共に生きている奇跡
そのことがどれほど幸せなことか
それを思い出すために、6月21日夏至の夜、でんきを消してキャンドルを灯したいと思います。
ナマケモノ倶楽部
共同創設者 中村隆市
*キャンドルナイト2020夏至
*原発事故から9年、福島で増えている病気
[Summer Solstice June 21st, 2020 Message for Candle Night]
About 300 years ago, there was a Japanese doctor called Baien Miura, who is also known as a natural philosopher.
He said like this. “It’s more amazing to see flowers blooming on a live tree rather than to see them on a dead one.”
People say it’s a miracle to see flowers blooming on a dead tree but, he says, it’s more miraculous flowers blooming on a ”live” tree every year.
We take it for granted to see plum or cherry blossom blooming every spring, equally as we waking up every morning and seeing things, hearing things and moving our hands and feet.
We can breathe air because our lungs work. We can eat food because our stomach and intestines work. Blood can flow throughout our body because our heart works.
Out heart beats 3 billion times and pump blood all over our body during our 80 years life span. It keeps working days and nights.
We take that for granted too.
We don’t care much about ordinary things. So we rarely thank out body.
Similarly, we take it for granted that the ocean and earth that provide us air, water, and food. We rarely appreciate it.
However, these “ordinary things” support our lives.
“It’s more amazing to see flowers blooming on a live tree rather than to see them on a dead one.” means that we can see miracles in these “ordinary things”.
The earth holds air, water, and soil. There are mountains, oceans, and rivers. There are grasses, trees, and woods. There are insects, birds, and fish.
Diverse creatures live in this world. All lives belong to the Mother Earth and they are our family.
If we are aware of this fact, we can start seeing how we, human beings, behave egotistically on the planet of earth.
Even after The Three Mile Island accident happened in 1979, and even after The Chernobyl disaster in 1986 happened, more nuclear
power plants have been built in Japan.
Then, when Fukushima nuclear power plant was burst in 2011, many parents, especially mothers, evacuated from Fukushima,
the Tohoku Region and the Kanto Region in order to protect their beloved children from the radioactive contamination.
These mothers said to me after they settled in a safe place.
“I couldn’t open the window until I evacuated with the children here. Finally, I could inhale air, and drink water without any concern.
I could tell our kids to go to play outside with barefoot, okay to touch the soil and leaves on the ground. We could let them walk into
woods, rivers, and beaches. There is nothing happier than this! ”
Destruction and contamination of nature by the nuclear power plant starts from the point of digging uranium out of the underground, and spreads pollution even during the operation.
It leads to the creation of radioactive wastes that will remain toxic for more than 100,000 years in future generation.
What is really important thing for us?
4.6 billion years ago, the mother Earth was born miraculously in the vast universe.
We are so fortunate to be able to be born on this planet and be able to live with our family here.
Is there anything happier than this for us?
On the night of June 21st, the summer solstice, I would like to turn off electric lights and light up candles instead, remembering and thanking this miracle.
https://bit.ly/2ABwMDR
The Sloth Club
Co-Founder Ryuichi Nakamura
https://www.facebook.com/theslothclub/posts/3057798944308801
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