第5話 「美味しい紅茶の向こう側」

現在、大量生産する紅茶のほとんどがCTC製法と呼ばれる方法で製茶されています。CTCとは押しつぶし(Crush)、引きちぎって(Tear)、丸める(Curl)という3つの工程を一挙に機械で済ませる製法です。作業効率はとても高く、大量に製茶ができます。製茶のプロセスを合理化し短時間で済ませることができ、味や色が濃く出るのが特徴です。世界で流通している紅茶の半分以上がCTC製法によるものと言われています。ちなみに、南インド紅茶の地域ニルギリでは、90%以上がCTC製法によるものだそうです。

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これに対して、オーツ農園で収穫されたお茶は、オーソドックス製法と呼ばれる方法で製茶されています。これは、CTC製法と比べると、香りの成分がより多く出るとの研究データもあり、美味しさに差が出るとの評価もあります。南インド紅茶のすっきりとした雑味の無い美味しい味わいは、オーソドックス製法によるものではないかとウインドファームでは考えています。

 

オーツ農園がある山の中には3つの製茶工場があります。CTCの工場もあるのですが、オーツ農園の有機栽培紅茶は他の紅茶と混ざらない有機専用の工場で製茶しています。

収穫された茶葉はその日のうちにすぐに製茶工場へと運び込まれます。

 

オーソドックス製法による製茶の工程としては、以下の丁寧なプロセスがあります。写真でご紹介したいところですが、工場内は撮影禁止となっていました。

 

*葉っぱをしおらせて水分を飛ばす萎凋(いちょう)

 

*機械で揉むことで細胞を壊し発酵を促進する揉捻(じゅうねん)

収穫してからなるべく早いうちにこの処理を行います。

理想的には16?18時間以内とのこと。

収穫から長くても生葉は48時間以内には揉捻されています。

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*揉捻が済んだ茶葉をほぐして、選別しつつまだ大きな葉は揉捻機に戻していく玉解き(たまとき)

揉捻が済んだお茶をふるいにかけて、茶葉の大きいものを再び揉捻にかけます。

最大4回ふるい掛けと揉捻を丁寧に繰り返します。

こうすることで、発酵プロセスに入れる茶葉の大きさを揃えるのです。

大きい茶葉はそれだけ発酵に時間がかかるため、ばらつきがあると発酵にムラが出てしまうのです。

 

*茶葉を寝かせての発酵

ひざ下ぐらいの高さのコンクリートの塊に揉捻が済んだ茶葉を広げていきます。

この際に厚みを均一にすることも発酵を揃えるポイントとのこと。

このゾーンでは扇風機が回り、湿度を保つために霧(ミスト)を振りまいています。

こうして温度と湿度が管理されているのです。

発酵自体は1時間半?2時間半の間で済ませます。

茶工場の職人が、発酵のピークを匂い、茶葉の色、経験で判断しているのです。

発酵のピークで止めるて乾燥プロセスへと移します。

発酵させすぎると酸味が出てしまい商品にはならないと言います。

発酵にかける時間は気象条件(雨か晴れかなど)、温度、湿度、茶葉の状態などによっても変わるとのこと。

 

*発酵を止めるための乾燥

発酵を止めるために、高温にしてから乾燥させます。

 

*茶葉の等級を選別

最後に等級の違いを選別して仕上がりです。

 

製茶工場の中は、揉捻によって出てくる茶葉の汁と発酵のなんとも不思議な良い香りが充満しています。

 

紅茶の揉捻や発酵プロセスは、茶葉の状況、気象状況、季節などによって違ってくると言います。いろいろな条件を総合的に判断しながら紅茶が一番良い味と香り、色を出せるように製茶をしています。この辺が、機械で全てやってしまうCTCとの違いで、人の勘が働くところなのです。

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左:弊社代表・中村 右:オーツ農園ラムさん

プロの紅茶テイスターでもあるラムさんは「CTCと比べると、香りに一番違いが出ますね」と言っていました。

森に囲まれた茶園で有機栽培で育てられ、人の手で丁寧に摘み取られた茶葉。オーソドックス製法で製茶されたからこそ、オーツ農園産・南インド紅茶の美味しい味と香りが生み出されるのです。

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