第1話「山の中にあるオーツ農園」

ウインドファームが有機コーヒーのフェアトレードに取り組みはじめた頃に「紅茶で有機の良いものは扱っていないのか?」という問い合わせをいくつもいただきました。お客さまの要望にお応えするために、いろいろと調べた中で出会ったのが「オーツ農園産 南インド紅茶」なのです。

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オーツ農園は、南インドのタミルナドゥ州ティルネルベリという地区にあります。オーツとは現地の言葉で「水の湧き出る泉」という意味だそうです。トリバンドラムという都市から6時間ほど車で南に下ります。平均の標高は1310メートル、年間の平均降水量は3300ミリで、紅茶栽培には非常に適した気候です。

 オーツ農園を運営する会社が丸ごと山をひとつ所有していて、その山の中に3つの農園があります。そのひとつがオーツ農園の区画になっています。山の中に農園のコミュニティが現れるといった感じです。

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一般的には山を丸ごと切り開いて効率的に茶園を作るそうですが、オーツ農園は原生林や森を活かして農園をデザインしています。農園を作る時に、運営会社の方針として「母なる地球へお返ししていく」というものがあり、それが「森を守る」ことにつながっていると言います。ウインドファームとのやり取りの窓口であるラムさんは以下のように語ってくれました。

「一般的には森を切り開いて、プランテーション農園を作るんだよ。隣の農園との距離も近い場合が多いね。だから病気や虫、農薬なども飛散する。つまり、有機栽培は難しくなるってことだ。場合によっては、工場の近くであれば、そういった汚染も受けるだろうね。

ここオーツ農園では、全体の75%が森で25%が農園。こういったケースは他にはほとんどないと思うよ。

1927年に農園をスタートさせる時に、森をすべて切り開いて農園を作るか、森を残すかの選択肢があった。「地球にお返ししていく」という方針の下、会社の判断で森林を保全していくことを選んだんだよ。」

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農園の事務所

オーツ農園の他にも同じ山の中に、2つ農園があります。そこでは、一般的な慣行栽培も行われているとのこと。しかし、区画が分かれていること、森が間にあることで、オーツ農園での有機栽培が可能になっています。徐々にではありますが、有機栽培の耕作面積を広げています。ラムさんはこうも語ってくれました。

「ウインドファームと私たちの想いは同じです。地球をより美しくすること。そのためにも、オーガニックを広げること。」

オーツ農園を運営する会社は、自然エネルギーの活用も進めていました。インドは世界的に見ても風力発電が盛んなのですが、運営会社も数本の風車を風力発電地帯に持っており、そこで発電された電気をオーツ農園でも一部利用しているとのことでした。

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かなりの数の風車が回っている。このどこかにオーツ農園とつながる風車がある。

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