2012/03/11

原発なき韓国 実現を ソウル5000人集会 福島の被災者参加

原発なき韓国 実現を ソウル5000人集会 福島の被災者参加
(2012年3月11日 東京新聞朝刊)

 【ソウル=篠ケ瀬祐司】ソウル市中心部の市庁舎前広場で十日、東京電力福島第一原発事故から一年に合わせ、「脱原発」を訴える集会が開かれた。韓国内の七十余りの市民団体でつくる「核のない社会のための共同運動」が企画し、市民ら五千人以上が参加した。

 集会では東日本大震災発生時に福島市内に住み、現在は母親と京都市内で避難生活を送る阿部ゆりかさん(10)=小学校四年=も壇上でマイクを握った。

 ゆりかさんは原発事故発生後にガソリン不足で避難が遅れたことを説明。被ばくした不安や仕事で福島県内に残る父親と離れて暮らす寂しさを訴えた後、韓国語で「大人たちに聞きたいです。私は何歳まで生きられますか。私は結婚できますか」と問い掛けると、会場は重苦しい空気に包まれた。

 参加した環境団体の任昭姫(イムスヒ)事務局長は「事故から一年たった今も、避難生活を強いられている皆さんにお見舞い申し上げる。原発の事故や安全性は世界的な問題だ。子どもたちのために、韓国は原発推進の方針を転換すべきだ」と、脱原発を政府に働き掛けていく考えを強調した。

 韓国では二十一基の原発が商業運転し、電力の三割以上を原発に依存。福島第一原発事故後も二基の新設を許可するなど、原発推進を明確にしている。

2012/03/10

今、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」に注目したい

今、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」に注目したい。

「アメリカの軍事機密だったので内部被曝は無視され続けた

(2012/01/30 風の便り)

市民と科学者の内部被曝問題研究会(略称:内部被曝研)

結成のよびかけから抜粋

東日本大震災にさいして起こった東京電力福島第一原子力発電所事故は深刻な被害をもたらしています。広範な地域が汚染され、多くの人々が被曝していのちと暮らしを脅かされています。

原発事故による放射線被曝の主要なものは、呼吸や飲食を通しての内部被曝です。政府や政府に助言する専門家は、被曝影響の評価を主として測定しやすいガンマ線に頼っています。しかし、内部被曝では、ベータ線やアルファ線の方がガンマ線よりはるかに大きな影響を与えます。政府と東電は、ベータ線を放出するストロンチウム90や、アルファ線を放出するプルトニウム239などの測定をほとんど行っていません。彼らは、内部被曝の特性とその健康影響を意図的に無視し続けています。

その背景には、アメリカの核戦略や原発推進政策があります。これらの政策の影響下で組織された国際放射線防護委員会(ICRP)などの機関は、広島・長崎原爆の放射性降下物による被曝影響を無視した放射線影響研究所の研究に依存し、日本政府は福島原発事故の被曝に関しても、「100mSv以下では病気を引き起こす有意な証拠はない」とするなど、事実を覆い隠し、被曝限度に高い線量値を設定して、市民のいのちを守ろうとはしていません。

いま求められているのは、核兵器政策や原発推進政策に影響された研究ではなく、内部被曝を含めて、被曝実態に基づいた放射線による人体影響の真に科学的な研究を推進することです。これは国際的・全人類的課題です。そして今、福島の原発事故の被害について、市民の立場に立った民主的で科学的な対応が求められています。市民にとって必要なのは、被曝を防ぐ食品・食料対策と被害の補償、放射能にさらされない生活・労働環境などです。市民の安全に生きる権利が認められるべきで、そのためには、放射線被曝に関する正しい知識を持った主権者としての市民の力を確立しなければなりません。

2012.02.19 Sunday
「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について」

ご意見

  私たち「市民と科学者の内部被爆問題研究会」は、内部被曝を含む放射線による人体影響を科学的に明らかにし、現在の東電福島原発事故による放射線被害を避けるよう市民社会に訴え、行政にも反映せることをめざしています。放射性物質を含んだ食物が流通しているので、原則的な考え方、根本的な方法で、食物をとおしての被曝回避を図らねば、全住民が深刻な被曝を受け続けることとなり、子どもの「安全な環境で成長し教育を受ける権利」は侵され続けます。

 上記の視点で改正された「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」を読んだ結果、以下に述べる5点の問題点を指摘し、その問題点に関する意見と提言を行います。

問題点1. 「1.放射性セシウムスクリーニング法」に記載されているように「広範囲の食品に放射性物質が含まれる事態となっている」にもかかわらず、「分析対象」を「放射性セシウム(Cs-134及びCs-137)に限っていること

 測定にあたって「他の核種の影響を最小に抑える必要がある」、「環境・試料中に存在する他の核種の状況が変わった場合には、エネルギー範囲の設定を再確認する必要がある」と、セシウム以外の核種の存在を認めながら、測定に際して除外を指示していること。

問題点1に関する意見と提言

セシウムだけではない放射性物質:ストロンチウム、プルトニウムの測定を

福島原発から放出された放射性物質は放射性セシウム(セシウム137+134)だけではありません。物理学的半減期が約29年とセシウム137(半減期30.2年)とほぼ同等であり、骨に沈着して排泄されにくい核種であるために生物学的半減期が18年もあるストロンチウム90や、毒性が高いα核種であって半減期が24100年もあるプルトニウム239などを無視しています。これらを食品として摂取したことによる被曝線量を加えて計算するべきで、放射性セシウムだけで年間内部被曝線量1mSvとするのは間違っています。

チェルノブイリ事故と違ってストロンチウム90の放出が少なかったという見解には根拠が乏しく、ましてや今も続いている汚染水に含まれて海洋汚染をしたストロンチウム90についての調査もされておらず、その汚染についてはまったく把握できていない実態があります。魚などの水産物の汚染が最も危惧されます。ストロンチウム90についても、基準を設定し、測定をすべきです。都道府県の研究機関ではストロンチウム90の測定能力があるにもかかわらず生かされていません。

問題点2. 「対象食品」を「一般食品」に限定し、乳児用食品、牛乳、飲料水を除外していること

問題点2に関する意見と提言

早急に全食品の調査体制を
現状の調査点数はあまりにも少なすぎます。放射能汚染地ならびに汚染の可能性がある地域については、早急に、全食品の綿密な調査体制を構築するべきです。すなわち、1.農作物については各田畑の種類ごとの生産品を出荷前に複数調査する体制、2.畜産物については各生産者の種類ごとの生産品を出荷前に複数調査する体制、3.水産物については各漁港等の種類ごとの水揚げ品を出荷前に複数調査する体制、4.林産物、その他についても同様の体制を、早急に構築するとともに、汚染度の高い生産品については出荷制限を厳格に行うことを要求します。

大手流通業者の中には、独自に全品測定を行い、暫定基準の10分の1の自主基準を表明したところもあります。そうした動きを法的に支援し、助成していくことも重要です。

ベラルーシやウクライナでは国家予算のかなりの部分を割いて食品放射能測定体制を整えています。例えば、全国に2万4千校ある小学校の全てに食品放射能測定装置を配備して、小学校区単位で住民が気軽に食品の測定が出来るようにすることも決して難しいことではありません。

問題点3 「食品中の放射性セシウムスクリーニング法の考え方」「1.スクリーニング法」では「検査の目的は、食品衛生法で規制された食品を流通させないことである」と謳っていること

問題点3に関する意見と提言

流通生産の厳格なモニタリングを

新基準を決めてもそれが即座に実行されず、市民の健康よりも流通の混乱を危惧するということを根拠にモラトリアムが設けられるのは、市民の健康の軽視です。3月一杯は高い暫定基準を継続させ、米と牛肉は少なくとも9月まで、大豆は年内一杯まで、暫定基準が適用されるとなっています。基準が決定したなら即座に適応されるべきです。

さらに、新基準適用後に出るであろう大量の基準超過食品の行方を厳格にモニタリングする必要があります。万が一にも、偽装や検査漏れによる市場での流通や、あるいは途上国への援助物資に混入させるようなことがないよう、監視体制が必要です。

また、新基準の適用にともない、作付制限農地も大幅に拡大するはずで、この監視も必要です。これまでの作付制限基準、土壌5000Bq/kgは、土壌から作物への移行係数を1:10として、食品の基準500Bq/kgを根拠に決められていました。同じ計算なら、500Bq/kg以上の農地での作付が制限されることになるはずです。

問題点4 「1.放射性セシウムスクリーニング法」「5 検査結果の記載」に「スクリーニング結果の測定値は参考値として記載し、測定下限値以下の場合は測定か現地を明記した上で、その旨を記載する」と極めて不明瞭な文言(各食品に記載するのか、「その旨」が実際の計測値なのか不明)となっていること

問題点4に関する意見と提言

放射性物質の含有量を食品表示に

 政府は、今回の新基準案を見直し、少なくともICRP勧告の外部被曝と内部被曝の合計値としての年間被曝限度1mSv/年を一般公衆のぎりぎりの上限として、納得できる基準を再度設定するべきです。

その基準を実効あるものにし、食品含有放射性物質摂取リスクの自己管理を可能にするために、食品の全品検査体制を早急に整備し、放射性物質含有量の全品表示を実現することが急務です。特に、子どもたちの健康を考慮すれば、まずは汚染度の高い東北、関東、中部地方から順に、全小学校区に食品放射能測定装置を設置し、測定オペレーターを養成・配置することが必要です。

なお、念のため付言すれば、出荷制限を受けた生産者に対しては、十分な補償をするべきであることは論を待ちません。

問題点5 「1.放射性セシウムスクリーニング法」には「平成24年4月1日より施行されることとなった」食品衛生法の規格基準を受けて、「一般食品の基準値である100BQ/KGに適応できるようスクリーニング法の見直しを行った」とされていますが、もととされる新基準に問題があること

問題点5に関する意見・提言

新基準の被曝限度はまだまだ高すぎます

昨年12月22日、食品含有放射性セシウムについての新基準案が厚生労働省の審議会で了承されました。放射性セシウムについて、飲料水が10Bq/kg、それ以外の一般食品が100Bq/kg、乳児用食品と牛乳が50Bg/kgと、暫定基準に比べれば低くなったものの、放射性物質の人体への影響を考えれば、いまだ不十分です。

放射線リスクには閾値がないことはICRPでさえも認めるところであり、一般公衆の年間被曝限度を1mSvとしています。しかし、貴省は、新基準案では基準設定にあたって、生涯累積実効線量を100mSv(当初は外部被曝と内部被曝の合計とし、最終的には理由抜きで内部被曝だけとした)が基本となっており、かつ食品の摂取による内部被曝だけで一般公衆の年間被曝限度1mSv/年を充てていることは、非科学的であり認めることができません。

以上

氏名(法人名)市民と科学者の内部被爆問題研究会

代表者 澤田昭二

チェルノブイリ放出量の2~3割? 海外の見方は42%

海外の研究所が発表すると福島原発からのセシウム放出量(3万5800テラベクレル)は、チェルノブイリ原発事故の42%になり、日本の電力中央研究所などの発表では、チェルノブイリ原発事故の2~3割に「減少」する。おもしろい「現象」である。

ノルウェーの発表は「3万5800テラベクレルで42%」と明確だが、日本の発表は「3万~4万テラベクレルで2~3割」とあいまいである。しかし、以下の記事だけを見ると「チェルノブイリ原発事故で放出されたセシウムの2~3割」ということが印象付けられてしまう。

しかも、この数字は大気に放出されたセシウムだけの数字であり、福島第1原発の地下や海に放出された高濃度汚染水のセシウムは入っていない。


セシウム4万テラベクレル大気へ 第1原発から、気象研試算
(2012/02/29 19:06 共同通信)

 東京電力福島第1原発事故で大気に放出された放射性セシウムは、3万~4万テラベクレル(テラは1兆)に上るとの試算を、気象庁気象研究所や電力中央研究所などのチームが29日までにまとめた。

 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で放出されたセシウムは、計13万7千テラベクレルとの試算もあり、その2~3割に当たる。

 チームは、昨年4~5月に北太平洋の79カ所で採取した海水のセシウムの量を分析。そのデータを基に、事故後に第1原発から放射性物質がどのように大気や海に拡散したかを示すモデルを使って逆算する形で、4月上旬までの放射性セシウム134と137を合わせた放出量を推定した。


福島セシウム137放出3万5800テラベクレル、政府発表の2倍超か
(2011年10月27日 ブルームバーグ)

東京電力・福島第一原子力発電所の事故に伴って放出されたセシウム137の総量が政府発表の2倍以上になる可能性がある、とのノルウェーの研究機関による調査結果が「アトモスフェッリクス・ケミストリー・アンド・フィジックス・ジャーナル」誌に発表された。

同研究調査によると、事故のピーク時に福島第一原発から放出されたセシウム137は3万5800テラベクレル(テラは1兆)。経済産業省原子力・安全保安院が6月に発表していた放出量は1万5000テラベクレル。

セシウム137の半減期は30年であるため、健康被害が懸念されている。同調査によると、3万5800テラベクレルのセシウム137は、1986年に起きた史上最大のチェルノブイリ原発事故時の放出量の約42%に相当する。

同調査によると、キセノン133も1670テラベクレル放出されており、「原爆実験を除くと、キセノンの放出量は史上最大」という。原子力安全・保安院はキセノンの放出量を1100万ベクレルと見積もっている。

原子力安全・保安院防災課事務室の古作泰雄氏は電話取材に対し事故当初に放出されたとみられる放出量に大量の追加の必要性はないようだとの見方を示した。さらに、6月の試算が確定的なものかどうかははっきりしておらず、修正の必要があれば総放出量の試算を見直す必要が出てくるだろうと述べた。

細野豪志原発担当相は8月に、要望があるので放出量の数字を最新のものにすることを考えているとしながらも、「率直に言って、当初の数字から大幅に増加することはないだろう」と述べた。

ノルウェー大気研究所のアンドレアス・ストール氏らの同調査は大気化学関係のウェブサイト上で公開されている。

日本政府と東電は最新の福島第一原発からの放射性物質の総放出量を公表していない。同調査では、3月11日にマグニチュード9の地震が起き45分後に大津波が福島第一原発を襲ったが、その前に放射性物質の放出があった可能性も指摘している。

同調査は「原子炉の自動停止直後にすでに放出が始まっていた強い証拠がある」とし、「地震発生時に原子炉に構造的なダメージがあった可能性を示唆する」と指摘した。

原子力安全・保安院の広報担当、小板橋忠重氏は地震が原発に大きな損傷は与えないとの立場を崩していないと語った。

同調査では、4号機の使用済み核燃料プールに放水した際にセシウム137の量が「急減」していることから「放射性物質の放出が破損した原子炉だけではなく4号機の核燃料プールからも出ていることを示唆している」と述べた。

更新日時: 2011/10/27 16:44 JST


放射性物質:85万テラベクレル…総放出量を上方修正
(2011年6月6日 毎日新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の総量について、これまでの37万テラベクレル(ベクレルは放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)から85万テラベクレルへと上方修正する解析結果をまとめた。内閣府原子力安全委員会の推計の63万テラベクレルに対し、過小評価との指摘が出ていた。安全委員会に報告したうえで、国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に提出する日本政府の報告書にも盛り込む。

 総放出量は4月12日、国際原子力事象評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発事故(総放出量520万テラベクレル)と同じ最悪のレベル7に引き上げた際に、保安院と安全委員会がそれぞれ発表した。

 安全委は原発周辺で計測された放射線量などから、事故直後から4月5日までの間の大気中への放出量の逆算を試みた。一方、保安院は炉内の状態から試算。今回の見直しでは、2号機、3号機の爆発後の放出量を加えるなどした。

 INESでは、数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出がある場合をレベル7と定めており、上方修正でもレベルは変わらない。【足立旬子】http://mainichi.jp/select/science/news/20110606k0000e040073000c.html


保安院がとっくに発表していた、放射性ストロンチウム、プルトニウムの大量空中放出量試算
2011年6月29日 (原発・放射能)

竹下雅敏氏からの情報です。

保安院がとっくに発表していた、放射性ストロンチウム、プルトニウムの大量空中放出量試算
Monday, June 27, 2011
転載元より抜粋)EX-SKF-JP( http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/06/blog-post_27.html )

去る6月6日、原子力安全保安院は「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」と言う題の文書を発表し、今まで福島第1原発から大気中に放出された放射性物質の量を4月に発表したときの2倍、77万から85万テラベクレルに引き上げましたが、その文書の中に、大気中に放出された物質の種類の一覧表が出ています。文書の13ページ目です。

これを見ると、放射性ストロンチウム、プルトニウムが大量に放出された、と保安院はモデル化しており、特に放射性ストロンチウムは2号機、3号機で、1号機とは1桁違う量が、プルトニウムはMOX燃料の3号機ではなく2号機で、他機とは2桁違う量が出た、とされています。

ストロンチウム89
1号機:8.2x10の13乗(82,000,000,000,000)ベクレルまたは82テラベクレル
2号機:6.8x10の14乗(680,000,000,000,000)ベクレルまたは680テラベクレル
3号機:1.2x10の15乗(1,200,000,000,000,000)ベクレルまたは1200テラベクレル
合計:2.0x10の15乗(2,000,000,000,000,000)ベクレルまたは2000テラベクレル

ストロンチウム90
1号機:6.1x10の12乗(6,100,000,000,000)ベクレルまたは6.1テラベクレル
2号機:4.8x10の13乗(48,000,000,000,000)ベクレルまたは48テラベクレル
3号機:8.5x10の13乗(85,000,000,000,000)ベクレルまたは85テラベクレル
合計:1.4x10の14乗(140,000,000,000,000)ベクレルまたは140テラベクレル

プルトニウム241
1号機:3.5x10の10乗(35,000,000,000)ベクレルまたは350億ベクレル
2号機:1.2x10の12乗(1,200,000,000,000)ベクレルまたは1.2テラベクレル
3号機:1.6x10の10乗(16,000,000,000)ベクレルまたは160億ベクレル
合計:1.2x10の12乗(1,200,000,000,000)ベクレルまたは1.2テラベクレル
(合計は、2号機のプルトニウム241の放出が突出しているので、残りは切り捨てられていますね。)

プルトニウムは他にも238、239、240が出ており、いずれも2号機が突出して2桁違います。

週刊誌アエラには載ったそうですが、何の注目も引かなかったのは何故なのでしょう?

それと、忘れてならないのは、これは空中に飛散した分だけ。福島第1原発内に溜まっている高濃度汚染水11万トンの中には、72万テラベクレルの放射性物質(ヨウ素とセシウム)が入っています。大気に出たのとほぼ同量の放射性物質が水の中にあるのです。2号機の海側ピットの「亀裂」(というより、普通の放出パイプに見えましたが)からでた汚染水の放射性物質は確か4000テラベクレルちょっと。単純に全部合計すると、150万から160万テラベクレルとなり、チェルノブイリの10分の1から一挙に4分の1以下になります。


海流出セシウム 東電発表の30倍 仏研究所 

放出放射能57万テラベクレル 原子力研究機構が試算
(2011年8月22日20時57分 朝日新聞)

★原発の爆発から1ヵ月後の記事
最大で1時間1万テラベクレル 国際尺度、最悪の7も
(2011/04/12 01:07 共同通信)

 福島第1原発の事故で、原子力安全委員会は11日、原発からは最大で1時間当たり1万テラベクレル(テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質が放出されていたとの試算を明らかにした。

 政府はこれを受け、原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」で最も深刻な、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に並ぶ「レベル7」とする方向で検討に入った。

 INESの評価によると、放射性のヨウ素131換算で外部への放射性物質の放出量が数万テラベクレル以上である場合は、レベル7であるとしている。

検出困難な放射性ストロンチウム、独自に分析 新潟県センター

検出困難な放射性ストロンチウム、独自に分析 新潟県センター

(2012/3/9 6:01 日本経済新聞)

 新潟県環境分析センター(新潟市)は水や食品、土壌などに含まれる放射性物質の検査対象にストロンチウム90を追加した。ベータ線しか出さない放射性ストロンチウム90の分析は手間と時間がかかるため、測定できる民間検査機関は限られていた。事故を起こした福島第1原子力発電所の周辺自治体を中心に、検査を求める民間企業などの幅広いニーズに応えたい考えだ。

 原発事故を受け、センターは昨年10月から放射性ヨウ素131、放射性セシウム134、セシウム137を分析している。今回、分析対象にストロンチウム90を加えたのは半減期が29年近く、体内に摂取されると、骨に蓄積されて深刻な内部被曝(ひばく)を引き起こす危険性が指摘されているため。

 原子炉内の核分裂反応ではセシウム137とほぼ同じ割合のストロンチウム90が生成される。セシウムと違いストロンチウムは原発事故によってあまり飛散しないといわれるが、ストロンチウムはカルシウムと化学的性質が似ており大部分が骨に取り込まれるという。

 センターは新潟県の委託を受けて年間数十検体の放射性ストロンチウムを分析してきた。今回、民間企業など新潟県以外からの依頼も受けられるようにするため、約3000万円かけて自前の分析設備を整備した。

 センターは国際的にも通用する放射性ストロンチウムの分析方法を採用した。簡易法と違って、天然でベータ線を出すラジウムや鉛などが含まれていることが多い土壌などの正確な検査にも使える。分析料金は1検体20万~25万円。センターでは「月に最大15件の試料を検査できる」(猪俣勝一理事長)という。

 放射性ストロンチウムの分析日数は1カ月半~2カ月。ガンマ線の放出を基に約1時間で測定できる放射性セシウムと違って、すぐに結果は出ない。例えば海水の検査では、5月ごろに始めないと7月の海水浴シーズンに間に合わないほど日数がかかる。

 一方、日本分析センター(千葉市)がストロンチウムの分析を一般からも受け付けていたが、昨年12月から中止している。受け付け再開は4月以降になる予定。依頼できる検査機関が限られるため、新潟県環境分析センターには大手水処理メーカーなどからの問い合わせがあるという

2012/03/07

しあわせに生きるヒント 「死ぬ前に語られる後悔」 

このことを知っていたら、多くの人がもっと自分に正直になり、大切なものを大切にして、しあわせな人生を生きられるかもしれない。たとえば、「子どもたちの健康や生命を脅かす原発はやめてほしい」と思っているのに、これまでは、会社や地域など「世間」を気にして意思表示できなかったことを勇気をもって表現できるようになったら、もっと社会が幸せな世界に変わるかもしれない。

ナースが聞いた「死ぬ前に語られる後悔」トップ5
(2012年2月6日 Pouch)から抜粋

もし今日が人生最後の日だったら、あなたは後悔を口にしますか。それはどのようなものですか。

人生最後の時を過ごす患者たちの緩和ケアに数年携わった、オーストラリアの Bronnie Ware さん。彼女によると、死の間際に人間はしっかり人生を振り返るのだそうです。また、患者たちが語る後悔には同じものがとても多いということですが、特に死を間近に控えた人々が口にした後悔の中で多かったものトップ5は以下のようになるそうです。
 
1. 「自分自身に忠実に生きれば良かった」
「他人に望まれるように」ではなく、「自分らしく生きれば良かった」という後悔。Ware さんによると、これがもっとも多いそうです。人生の終わりに、達成できなかった夢がたくさんあったことに患者たちは気づくのだそう。ああしておけばよかった、という気持ちを抱えたまま世を去らなければならないことに、人は強く無念を感じるようです。
 
2. 「あんなに一生懸命働かなくても良かった」
男性の多くがこの後悔をするとのこと。仕事に時間を費やしすぎず、もっと家族と一緒に過ごせば良かった、と感じるのだそうです。

3. 「もっと自分の気持ちを表す勇気を持てば良かった」
世間でうまくやっていくために感情を殺していた結果、可もなく不可もない存在で終わってしまった、という無念が最後に訪れるようです。
 
4. 「友人関係を続けていれば良かった」
人生最後の数週間に、人は友人の本当のありがたさに気がつくのだそうです。そして、連絡が途絶えてしまったかつての友達に想いを馳せるのだとか。もっと友達との関係を大切にしておくべきだった、という後悔を覚えるようです。
 
5. 「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」
「幸福は自分で選ぶもの」だと気づいていない人がとても多い、と Ware さんは指摘します。旧習やパターンに絡めとられた人生を「快適」と思ってしまったこと。変化を無意識に恐れ「選択」を避けていた人生に気づき、悔いを抱えたまま世を去っていく人が多いようです。
 

2012/03/06

「ママは原発いりません」 思いを聞いて下さい

毎週月曜日14:00頃から夕方まで福岡のカフェで、原発のことを中心に様々なことを学び合う仲間が増えてきています。その中には、東北や関東から福岡に「避難」してきた人たちがたくさんいますが、昨日、「ママは原発いりません」というグループで活動している方から以下のメッセージが読み上げられました。

とてもこころに響く内容でしたので、紹介したいと思います。

「ママ原」の思いを聞いて下さい

前回の会議後、団体紹介フローチャートで、他とのバランスを考えて
「脱原発」ではなく、「エネルギー問題」とマイルドに表現したいという打診がありました。
「脱原発」は一般の人に少しインパクトが大きいかもしれないから、
マイルドにした方が間口が広くなるのではというアドバイスもいただきました。
(その打診やアドバイスに反論があるわけではありません。
 各団体の垣根を越えて作り上げるという趣旨は
 理解をしていますし、賛同しています。)

ただその際に、あらためて相互の間の認識に隔たりがあることを認識し、
ミーティングに参加している私たち自身の伝える力の足りなさを反省しています。
ママ原の思いを伝えたい伝えたいとずっと言いながら、
きちんと皆さんに伝えることをしていなかったことに気付きました。
今日のミーティングではお互い団体について理解を深めあおうというお話でしたが、
私は移住準備で東京に戻っている為、参加できません。
メールという形になりますが、私なりの思いをお話させていただきたく思います。

「ママは原発いりません」がなぜ「脱原発」を叫んでいるのか

ママ原のメンバーの多くは放射能から避難してきた原発被災者です。
そしてそれに寄り添う者たち、で構成されています。
原発被災者の苦しみ、悲しみ、そこから立ち上がっていくこと、
それを経験してきたり、間近で見てきている人たちです。

私たちは帰る家を失いました。
生まれ育ってきた故郷に二度と戻れなくなりました。
避難場所を転々として地に足がつきません。
家族が離れて生活することになりました。
親に孫の顔を滅多に見せることができなくなりました。
クリスマスもお正月も誕生日も、家族ばらばらでした。
友人、親せきと疎遠になりました。
周囲からノイローゼ扱いされました。
長年誇りをもってしてきた仕事を捨てました。
子どもを泣かせて、それでも転校させました。
被曝の危険を理解してくれない夫と離婚しました。
たった1人で知らない土地で子どもを産みました。
住めない家のローンを払い続けなくてはいけません。
避難生活でもう貯金が底をつきました。
そしてなにより悲しいことに、
大切な我が子や自分の身体に異変が起こりました。
鼻血がでました。
血便がでました。
下痢が止まりません。
湿疹がひどくなりました。
風邪をひき続けています。
甲状腺にしこりができました。
血液の状態に問題があると指摘されました。
子どもの未来を考えると眠れません。
うつっぽくなりました。

これは、私自身や私が福岡で出会った友人たちの生の声です。

1年たってもまだまだ終わらない。
この先、一体どうしたらいいのか。
自分たちはどこに行くのか。
離れることで薄れていく家族の絆を取り戻せるのか。
そしてこの先、我が子が病気になるかもしれないという不安。

悲しい、苦しい、悔しい、さみしい、憤り、怒り・・・
心の中がぐちゃぐちゃになりそうなこともありました。

でも、自分たちはつらいんだと声高く愚痴ったりできないのは、
この悲劇を引き起こした原因の一端に
自分たちの無知、無関心があることに気付いているからです。
原発の事故がこんなことを招くなんて夢にも思わなかった。

私たちが何気なく使っていた電気を作るシステムは、
人口の少ない地方に危険な原発を押し付け、
そこで働く原発労働者に被曝を強いて病にさせる、
そういう誰かの犠牲の上に成り立っているものだった。

そんなこと自分たちに火の粉が降りかかってきて初めて知りました。
自分たちは間接的だけど加害者でもあるのです。
これまでの自分の無関心さに心から反省、後悔もしているのです。

福島では1年たっても、10年たってもその先もずっと
この苦しみと戦っていかなきゃいけない。
それは想像を超える苦しさではないかと思います。
もうそんな思いをする人をこれ以上増やしたくない。
またどこかで事故が起きて手遅れになる前に気付いてほしい。
九州は福島を、東北関東を助けられるところだから。

だからママ原は「脱原発」なのです。
イデオロギーでも自己満足でもなんでもないのです。
こんなひどいことになる原発、子どもの未来にはいらないよねって
親として、人間として、当たり前のことを言いたいだけなのです。

福岡の人たちに私たちの経験を、生の声を聞いて知って欲しい。
だから私たちは子どもを抱えて声をあげ続けてきました。
知っているのに沈黙することは罪だろうと思うから。
大人の、みんなの沈黙が子どもを虐げることになるのだから。

今、この瞬間も人がいてはいけない高線量地区で、
子どもたちが色んな事情でやむなく暮らしているのです。
家族が、友人が、恩師が、大切な人たちが暮らしているのです。
脱原発を訴えることは原発被災者と寄り添うことだとも思っています。

今回、東日本支援を核とする虹のひろばに参加しようと思ったのは、
以前の私たちのような普通の「知らない人たち」にこそ、それを伝えたいからです。
そして支援団体のみなさんにももっとリアルな実情を知って欲しいと思っています。

誰か困っている人たちがいるなら何かしようと身を削って日々動いてくださっている、
温かい気持ちを持ったみなさんにこそ、伝えるべきだと思っています。
また、3.11はデモでシュプレヒコールをあげるのではなく、
被災地への追悼の思いもあり、静かにそれを訴えたいという気持ちもあります。

私たちの思いが強く、また複雑で、実行委員の調和に
少なからずインパクトを与えてしまっていますよね。
なかなか上手に、大人な立ち回りのできないママ原に
温かく向き合ってくださっていること、心から感謝しています。
ありがとうございます。
長文になり、まとまらずすみません。
また、会議に参加せず、他団体の皆さんのお話を聞かずに一方的ですみません。
少しでも何か伝わればうれしいです。

2012/03/05

近藤誠著 『放射線被ばく CT検査でがんになる』の抜粋、要約

「『放射線被ばく CT検査でがんになる』近藤誠著」から抜粋したことを要約してみました。
近藤誠氏(慶応大学医学部放射線科講師)岡田正彦・新潟大学医学部教授高木学校医療被ばく問題研究会グループの崎山比早子氏、小児科医の山田真氏など医療被ばくや「低線量被ばく」問題に警鐘を鳴らしている方々の声に耳を傾ける市民や医師が増えることを願っています。

『放射線被ばく CT検査でがんになる』 近藤誠著 (亜紀書房)から抜粋・要約

日本のCT装置の台数は断然世界トップで、検査による被ばく線量も、検査が原因の発がん死亡率も世界第1位。これほど日本が医療被ばくに無警戒なのはなぜなのか。

医者たちは、検査被ばくの危険がないかのように偽るため、虚偽の事実をも公言してきた。これは、原発を推進するために電力会社が取ってきた原発は安全だ、放射線に危険はないとする洗脳政策とそっくり

放射線被ばくに関する医師の意識は低く、「とりあえず」「念のために」と安易にCTをオーダーする。問診や聴診より手っ取り早く、しかも使うほど儲かる仕組み

日本は放射線検査による国民被ばく線量が世界一。医者たちは、患者・家族が放射線被ばくについて正しい知識を持つことを嫌い、なるべく情報を伝えないか、伝える場合には健康影響を最小に見せかけようとしてきた。

原発事故後、中川恵一東大医学部准教授は「100ミリSv以下では、人体への悪影響がないことは分かっています」と発言。だが、15カ国の原発作業従事者40万人の調査で、平均被ばく線量が20ミリSvでしかないのに、発がん死亡の増加が認められた。

中川恵一氏の「100ミリシーベルト以下では何も起こらず、それを超えると初めて悪影響が出る」発言。そういう線量を「しきい値」というが、国際放射線防護委員会(ICRP)は、直線・しきい値なし仮説を採用すると、20年以上前に宣言している。(中村コメント:ICRPという原子力を推進している団体ですら「100ミリシーベルト以下で悪影響が出る」と宣言しているということ)

放射線検査によって、数十ミリシーベルト被ばくすることは日常茶飯事。特に問題なのはCTで、1回の検査で最低10ミリ。「造影CT」は1回撮影した後に造影剤を静脈に注射しながら再撮影が常態化している。その場合、2回撮るので、最低20ミリとなる。

最近、発がんリスクの証明度は格段に上がってきた。現在は10~50ミリシーベルトという低線量被曝で発がん死亡が増加する(Proc Natl Acad Sci 2003;100:13761)

現在は、1回のCT撮影で被曝する線量でも発がん死亡の危険性が生じると考えられている。欧米の専門家は、低線量被曝に発がん性があることを前提に、患者保護のために動いている。なぜ日本ではそうならないのか?

15カ国調査の実施期間(1991~96年)の93年に、日本のCT装置の設置台数は8000台でした。これは全世界の設置台数の3分の1以上にあたる。これでも異常だが、2003年には1万4000台と急増

CT装置の増加、最新鋭CTの増加、1日当たり検査件数の増加、1回の検査当たりの実効線量の増加により国民全体の被ばく線量は90年代に比べ飛躍的に増加。新聞報道「がん3.2%は診断被ばくが原因」という推計は、今は少なくとも2~3倍になっている。つまり、日本人のすべてのガン患者のうち6.4~9.6%は、CTなどの放射線検査が原因でガンになっているということ。

特に、子どものCT検査は危険。1回のCTによる1万人当り発がん死亡数(推定)は腹部CTで30~60代は1万人当り2~3人死亡。20代では約10人死亡。5歳だと約15人、0歳児は23人も発がん死亡すると推定されている。

「がん3.2%は診断被ばくが原因」という新聞報道の後、放射線学会関係者は、「低線量被曝による発がんの可能性についていまだ定説がない」と発表したが、原爆被ばく者調査により0~100ミリシーベルトの範囲でがん発症率が上昇することが示されている。

詳しく知りたい方は、ぜひ、本を読んでみて下さい。
           ↓
『放射線被ばく CT検査でがんになる』 近藤誠著

『放射線被ばく CT検査でがんになる』近藤誠著 これって原発事故くらい怖いかも(2011/08/15 11:18 共同通信)

岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
(2012年02月15日(水) 週刊現代 賢者の知恵)

「100ミリシーベルト以下の被曝量なら安心」はウソ
(2011年4月7日 日刊ゲンダイ)

エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク

世界一の医療被ばく国である日本では、X線検査によって 年間 1万人(全がんの4.4%)ガンになっている

2012/03/01

3月8日 東京の「保育者の専門性研究会」で話します

保育の仕事をされている方だけでなく、一般の方も参加できるそうです。

こんな話をしようと思っています。
1990年からチェルノブイリ原発事故被害者の医療支援に関わり、放射能汚染
地や病院を訪問し体験した話。その被害の実態がIAEA(国際原子力機関)などの
「国際原子力ムラ」に過小評価され、福島の原発事故もそれと同様に過小評価を
されていること。

原発は事故を起こさなくても、ウランを掘る段階から環境の破壊と汚染を広げ、
ウラン鉱山周辺の住民に病気を増やし、原発稼動中にも周辺住民の病気を増やし
「温排水」と「吸水」が海の生態系を破壊し、「放射性廃棄物」は100万年後の未来世代にまで問題を背負わせること

また、日本人はCT検査などの放射線による医療被ばくが世界でも飛びぬけて多く、子どもたちには特に危険であること。

そんなトークのあとの対話をたのしみにしています。


P研<保育者の専門性研究会>第38回勉強会

「原発のこと、いのちを守るということ」
持続可能な社会のために 今、私たち保育者にできることを考える…Part2

 「3.11」以後、私たちの意識はどのように変化し、どこに向かおうとしているのでしょうか。特に、原発事故による放射能汚染の問題は、保育の現場や子育て中の家庭にたとえようのない大きな不安や混乱をもたらし、その影響は今も続いています。

今回の勉強会は、第19回:辻信一さん(「子どもたちとスローな未来を!」)に続き、チェルノブイリ事故被害者の医療支援や環境問題に詳しい中村隆市さんをお招きして、原発のこと、環境問題のこと、いのちを大切にするということなどを存分にお話しいただき、持続可能な社会のために、今ふたたび、私たち保育者にできることを考えてみたいと思います。    

<世話人> 朝比奈太郎 今井豊彦 木村明子 庄司みゆき 山田麗子

◆日  程 2012年3月8日(木)     
◆時  間 18時30分~21時00分
◆会  場 高田馬場・日本児童教育専門学校(校内会場は、エントランスに表示します)
東京都新宿区高田馬場1―32―15
JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線「高田馬場駅」戸山口下車 徒歩3分

◆定  員 100名(先着順)定員になりしだい締め切らせていただきます

◆話題提供 中村 隆市さん(写真左=セヴァン・スズキさん 以下★参照)
1955年福岡生まれ。19歳で水俣病と出会い環境運動に関わり始める。90年からチェルノブイリ原発事故被害者の医療支援を続ける。99年に辻信一、アンニャ・ライトと共に環境NGO「ナマケモノ倶楽部」を設立。

この10年はスロービジネス(いのちを大切にする仕事)を広めるために十数社の会社設立に関わり、04年に「スロービジネススクール」を設立。06年から福岡に「ゆっくり村」、また、08年から青森に「東北あしたの森」という名のエコヴィレッジをつくり始めている。
★セヴァン・スズキ 1992年リオデジャネイロで開催された「環境サミット」に参加。
子どもの立場から発した講演は、満場の拍手をもって迎えられた。
■『あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ』 学陽書房 2003年

◆参 加 費 1,500円(当日会場にて)

◆お申込み・お問い合せ
メールの件名に【P研第38回勉強会申し込み】と書いて、お名前、ご所属、ご連絡先電話番号、メールアドレス、参加者名簿への掲載の可否(お名前とご所属のみ。ご記入がない場合は原則掲載します)をご記入の上、下記までお送りください。お問い合わせについてもメールでお願いいたします。

お申し込み先: hoikusya_pken★yahoo.co.jp  ★を@に変えて下さい。

2012/02/29

『放射線被ばく CT検査でがんになる』 近藤誠著

今、多くの人に読んでほしい本です。
以下の共同通信の記事は「軽く」書いてありますが、本の内容は非常に重要なことが書かれているので、一部抜粋して紹介します。

『放射線被ばく CT検査でがんになる』近藤誠著 これって原発事故くらい怖いかも(2011/08/15 11:18 共同通信) 

 CT検査の放射線被ばくの量がこんなにすごかったとは! 原発事故で国が避難の目安にした年間被ばく線量20ミリシーベルトに対し、胸部CT検査1回の線量は10ミリシーベルト。エックス線撮影の200~300倍。これってヤバくないですか?

 著者は「抗がん剤は効かない」「がん検診は百害あって一利なし」と常識を覆す言説で物議を醸してきた放射線科の医師だ。昨秋、雑誌でCT検査の危険性を告発して大きな反響を呼んだ。本書でも医療現場の大量被ばくに警鐘を鳴らし、原発事故による被ばくと発がんとの関連について解説した。

 日本のCT装置の台数は断然世界トップで、そのぶん検査による被ばく線量も、検査が原因の発がん死亡率も世界第1位という。これほど日本が医療被ばくに無警戒なのはなぜ? 著者によれば、国も医療機関も患者・家族に正確な情報を伝えず、健康被害を最小に見せかけるように画策してきた。ん? この構図、最近見かけたような…。

 さらに放射線被ばくに関する医師の意識は低く、「とりあえず」「念のために」と安易にCTをオーダーする。問診や聴診より手っ取り早く、しかも使うほど儲かる仕組みになっている。いや、患者にしたって「最新機器」による検査をありがたがる傾向がある。

 放射線検査は「健康」を理由に生涯にわたって付き合いを迫られる。自己防衛のためには基本的な知識が必須だ。がん検診が原因でがんになったらブラックに過ぎる。

 (亜紀書房 1300円+税)=片岡義博


『放射線被ばく CT検査でがんになる』慶応大学医学部放射線科講師 近藤誠著
(2011年7月7日 第一刷発行 亜紀書房)

「はじめに」から抜粋

日本は、放射線検査による国民被ばく線量が世界一。検査被ばくによる発がん死亡リスクも世界一と(先進国の調査によって)推定されているのです。とりわけ、将来ある子どもたちや若者の発がん死亡が懸念されます。

医者たちは、患者・家族が放射線被ばくについて正しい知識を持つことを嫌い、なるべく情報を伝えないか、伝える場合には健康影響を最小に見せかけようとしてきた。

医者たちは、検査被ばくの危険がないかのように偽るため、虚偽の事実をも公言してきた。放射線科医の総本山である「日本医学放射線学会」その他の学会が率先して(患者・家族へ)ウソをつくことを奨励してきた事実を示します(92貢以下参照)。

これは、原子力発電事業を推進するために、東京電力その他電力会社が取ってきた、原発は安全だ、放射線に危険はないとする洗脳政策とそっくりです(東電のウェブサイトには、「200ミリシーベルト以下は安全」という記述があります<5月30日現在>)。

「第1章 原発事故による被ばくをどう考えるか」から抜粋

役割を果たさない政府発表

福島第一原子力発電所で生じた事故の後、枝野幸男官房長官は記者会見で、「人体に影響が出る可能性の生ずる」のは「100ミリシーベルト」と発言していました。その線量以下なら安全だから、国民の皆さん安心してください、という趣旨らしい。

しかし会見では、健康に影響を及ぼさないとする根拠やデータを示さず、「直ちに影響は出ない」と繰り返した。それでは「ウソを言っているのではないか」と疑心暗鬼がつのります。

その後政府は、年間20ミリシーベルト以上被ばくする恐れがある地域を計画的避難の対象にしました。
そうすると、100ミリシーベルト以下なら安全で、20ミリシーベルト以上なら危険ということなのか。国民はさぞ混乱したことでしょう。

原発事故で問題となるのは、100ミリシーベルト以下の(全身)被ばくで、発がん死亡が増えるかどうかです。これに関し専門家はどう考えているのか。事故後、テレビ番組で(頻出して)解説していたのが、中川恵一・東京大学医学部付属病院放射線科准教授なので、その発言を参照してみましょう。

「原爆の被害を受けた広島、長崎のデータなどから、100ミリシーベルト以下では、人体への悪影響がないことは分かっています」
「100ミリシーベルト以上の被ばく量になると、発がんのリスクが上がり始めます。といっても、100ミリシーベルトを被ばくしても、がんの危険性は0.5%高くなるだけです。そもそも、日本は世界一のがん大国です。2人に1人が、がんになります。つまり、もともとある50%の危険性が、100ミリシーベルトの被ばくによって、50.5%になるということです」(「毎日新聞」2011年3月20日付)と。

氏が語るのは「しきい値」です。100ミリシーベルト以下では何も起こらず、それを超えると初めて悪影響が出る。そういう線量を「しきい値」というのです。健康影響に本当にしきい値があるのでしょうか。

証明された「しきい値なし仮説」

発がん死亡にしきい値があるのか。
これについては、2つの見解がありました。前提として、100ミリシーベルト以上の線量では、被ばくによって発がん死亡が生じることに異論はない。意見が分かれるのは、それより少ない線量域の被ばくです(以下、低線量被ばく」)。

意見が分かれた原因は、低線量域では、直線関係があると断定するに足るデータがなかったからです。しかし、「データが足りないから安全だ」とはいえない道理です。また被ばく者防護のためには、なるべく安全を図れるようなデータ解釈が望ましい。

それで国際放射線防護委員会(ICRP。放射線防護に関する勧告を多々だしている。公衆の被ばく線量は年間1ミリシーベルト以下にすべしという勧告もその一つ)は、直線・しきい値なし仮説を採用すると、20年以上も前に宣言しています。

そして近年、低線量被ばくのデータが充実してきた。原爆被ばく者調査を継続したところ、10~50ミリシーベルト領域でも直線比例関係があることが示唆されたのです(ProcNatlAcadSci2003;100:13761)。

また、15カ国の原発作業従事者40万人の調査で、平均被ばく線量が20ミリシーベルトでしかないのに、発がん死亡の増加が認められました(BMJ2005;331:77)。これも直線比例関係の存在を支持します。

結局現在では、直線・しきい値なし仮説は、もはや仮説ではなく、事実ないし真実と考えられます。それなのに政府は、「100ミリシーベルト以下は直ちに健康に影響を及ぼす線量ではない」と強弁する。読み方によっては、直ちにではないけれども、将来発がん死亡がありますよ、との言明であるわけです。

・・・こうして見ると、中川氏が言っていた「0.5%」の死亡率の増加は、100ミリシーベルトに対応するのではなく、20ミリシーベルト未満の発がん死亡率に相当します。

危険か安全かは自分で決める

じつは放射線を用いる医学検査によって、数十ミリシーベルトを被ばくすることは日常茶飯事なのです。特に問題なのはCT(コンピュータ断層撮影)です。原発事故後、胸部CTの被ばく線量(6.9ミリシーベルト)がよく引き合いに出されていましたが、それは理想的な場合で、日常診療では最低10ミリシーベルトと考えた方がよい。しかも「造影CT」といって、1回撮影した後に、造影剤を静脈に注射しながら再撮影することが常態化しています。その場合、2回撮るので、最低20ミリシーベルト。

腹部・骨盤CTはもっと被ばく量が多く、最低で20ミリシーベルト。造影CTまでやれば(2倍で)40ミリシーベルト。頚部から骨盤までの「全身CT」で造影CTまで行えば、60ミリシーベルトを超えかねない。機会を異にして何度もCTを受けていけば、100ミリシーベルトなど簡単に超えてしまいます。

その上、日本で行われているCT検査は、その8~9割が不要なものです


「第二章 CT被ばくと発がん大国日本」から抜粋

明らかになったCTのリスク
日本は、唯一の被ばく大国なのに、診断用放射線による被ばく大国です。これに関しては、2004年2月に読売新聞が「がん3.2%は診断被ばくが原因」「15カ国で、日本がもっとも検査回数が多い」「発がん寄与度は、英国の5倍」という英国発の研究結果を、一面トップで報じたことが屈折点となりました。

この記事が出て、放射線関係者はあわてました。彼ら/彼女らの反応を言い表せば、「ああ、バレちゃった」でしょう。指導的立場にある者たちは、国民被ばく線量が多いことや発がんリスクについて、十分認識していたからです。

人体に照射されたX線のうち、臓器や組織で吸収される分を「(臓器)吸収線量」といい、その多寡が、発がんリスクを左右します。X線撮影の吸収線量は、体の厚みに応じて変わり、たとえば人体の左右の幅は、前後の幅より厚いので、胸部X線撮影だと、左右方向撮影(側面像)の吸収線量は、前後方向撮影(正面像)の2~3倍になります。

CTについて見ると、X線を通しにくい頭蓋骨が存在する頭部は、胸部・腹部に比べ、吸収線量が数倍になります。では、頭部に被ばくした場合の発がんリスクが高いかというと、そうではない。頭部には(原爆調査で判明した)発がんリスクが高い臓器が存在しないからです(小児のリスクは後述)。頭部CTは、臓器吸収線量は多いけれども、発がんリスクは低いのです。逆に、肺、乳房(女性)、胃、結腸など、発がんリスクが高い臓器が存在する胸部や腹部のCTは、吸収線量は頭部CTより少ないけれども、発がんリスクは高くなります。

そうすると、吸収線量を比べるのでは、検査部位の違いによるリスクを把握できない。それで、「実効線量」が考案されました。実効線量が多いと、発がんリスクも高くなります。

1回のCT撮影での実効線量はどうか。日本の実測データを見ると、胸部CTが18ミリシーベルト、腹部・骨盤CTは男性が23ミリシーベルト、女性が29ミリシーベルトです。

放射線防護専門家の無責任

一部の専門家は、「100ミリシーベルト以下の被ばくで発がんリスクが増加する証明がない」と公言していました。
しかしこの発言には問題がある。従来、低線量域での発がんリスクは、100%の証明とはいかないけれども、十中八九程度には証明されていたからです。それで、原子力発電所作業従事者が低線量被ばくの後に発がんした場合、役所が労災認定しているのです。白血病を発症して1991年に労災認定された方の被ばく線量は、11ヶ月で40ミリシーベルトでした。

このような証明状況であるにもかかわらず、放射線(被ばく)防護の専門家が、先述のような発言をすると、それを聞いた医者たちは、証明がないならCTは無条件で許される、と思ってしまう。前掲新聞記事が出た直後、ある放射線専門医は「医療被ばくは、がんになると思い悩む線量ではない」と断言していたといいます。これは防護専門家の甘い言葉を受けてのものでしょう。私見では、彼女ら/彼らの発言が、日本でCT検査の濫用を野放しにさせた最大原因です。(一部の)放射線防護専門家は、患者ではなく、医者たちを擁護する専門家に堕落しているのです。

最近、発がんリスクの証明度は、格段に上がってきました。原爆被ばく者の経過観察期間が延びるにつれて、発がん死亡数が増加したからです。現在は、10~50ミリシーベルトという低線量被ばくで発がん死亡が増加するとされています(Proc Natl Acad Sci 2003;100:13761)。他方、15カ国の40万人におよぶ原発作業従事者の調査結果も報告されました。生涯の累積被ばく線量が、平均20ミリシーベルトでしかないのに、発がん死亡が増加しています。

発がん死亡のリスクは、具体的にはどの程度か。被ばくしたときの年齢によって変わります。被ばく時年齢が低いほど、リスクは高くなり、高齢になるほど、低くなります。推定では、45歳の1万人が全身のCTを一度受けると、8人が発がん死亡し、同じ人たちが75歳まで毎年CT検査を受けると(合計30回)、190人が被ばくにより発がん死亡するとされます(Radiology 2004;232:735)。

要するに現在は、1回のCT撮影で被ばくする線量でも、発がん死亡の危険性が生じると考えられている。10ミリシーベルト程度の被ばくに関し、100%の証明があったとはいえないのですが、99%程度の証明度があります。欧米の専門家は、低線量被ばくに発がん性があることを前提に、患者保護のために活発に動いている。ところが日本では、今日に至るまで、患者保護の動きは緩慢です。

CT装置は10年で倍近くに

15カ国調査の実施期間(1991~96年)の中間年である1993年に、日本のCT装置の設置台数は8000台でした。これは、全世界の設置台数の3分の1以上に当たり、この一事だけからも、日本の被ばく大国ぶりが推認されます。

設置台数はその後、大幅に増えており、2003年には1万4000台と、10年で倍近くに
なりました。その後も増え続けていますが、特筆すべきは、最新鋭のCT装置(多列検出器CT。以下、MDCT)が急増していることです。2007年が4700台で、2009年が6900台と、年1000台以上のペースで増加している。このMDTCの増加が、国民総被ばく線量の増加原因になっています。

装置が新鋭化すると、なぜ線量が増えるのか。一つには、撮影時間が短くなって、その分、検査件数が増えるからです。

そうすると、(1)CT装置の増加、(2)そのうちに占めるMDCTの増加、(3)MDCTによる1日当たり検査件数の増加、(4)1回の検査当たりの実効線量の増加があいまって、国民全体の実効被ばく線量は、1990年代に比べ、飛躍的に増加していると思われます。

したがって、前掲新聞記事中の「(日本の)がん3.2%は診断被ばくが原因」という推計は、今となっては時代遅れで、少なくとも2~3倍と考えておくのが安全です。

現在、タバコを除けば、放射線診断による医療被ばくが単一かつ最大の発がん因子になっていると考えられます。

このようにCTには危険がありますが、なかでも、子どものCTは危険です。子どもは臓器・組織が成長段階にあり、放射線の影響を受けやすいのです。発がんリスクのグラフ(※)からわかるように、年齢が低いほど、発がんリスクが高くなっている。(※1回のCTによる1万人あたり発がん死亡数(推定)のグラフ【中村注】腹部CTでは、30代~60代くらいまでは、1万人あたり2~3人死亡。それが20代になると10人ほど死亡。5歳だと約15人、0歳児は23人も発がん死亡すると推定されている(AJR2001;176:289)

「とりあえずCT」の危険性

このように危険をはらむCT検査ですが、被ばく線量を制限する法規やガイドラインは不存在です。医者は、いくらでも放射線検査をオーダーできるのです。放射線作業従事者については、被ばく線量が平均して年間20ミリシーベルトを超えないようにと法規で定められているのと対照的です。

なぜ被ばく線量に上限がないのか。放射線診断は患者にとって利益になる、というのが理由です。

しかし実際には、CTが必要といえない多くの場面で、安易にオーダーされています。(フィンランドの調査で)35歳未満の若者に実施されたCTを、あとで調査した研究によると、腰椎のCTは70%が、頭部CTと腹部CTは、それぞれ36%と37%が正当化できないとされました。それらCT検査の大部分は、放射線被ばくの心配がないMRI(磁気共鳴撮影)で代替できるというのです。臨床医学水準が日本よりはるかに高く、単位人口あたりの放射線検査数が日本の半分しかないフィンランドの話ですから、日本で調査すれば、これらの率はもっと高くなるはずで、私は現在日本で行われているCT検査の8~9割が正当化できないだろうと見ています。

なぜ不必要・不適切なCT検査が行われるのか。
医者のほとんどは、1回のCT撮影に発がん性がないと思い込んでいる
からです。そのうえ日本では、臨床医に対する放射線防護教育がほぼ不存在です(本稿を読まれた読者は、担当医を凌駕する知識を身に付けたはず)。

されに日本では、診察方式が変わってしまった。患者を診る医者は、話をよく聞き、触診や聴診をして診断をつけ、不明な場合にCTなどの検査をする、というのが従来の方式でした。ところが最新鋭のMDCTは、検査余力が大きいので、多くの病医院では、オーダーした当日にCTを実施できます。その結果、診断もそこそこに、「とりあえずCTをやりましょう」「念のためにCTを」ということになる。

受診なければ被ばくなし

「まずCT」「何でもCT」が蔓延するのは、一つには、日本の医学教育レベルは先進諸国のうちで最も劣り、臨床能力が育たないような仕組みになっているからです。また、あまりに外来が混んでいて、能力を備えた医者でも、患者の話を聞く時間的余裕がなく、先に検査を受けさせてデータ一式をそろえたい気持ちになってしまう。CT検査をすればするほど、病医院が経済的に潤う医療構造もあります。


「第4章 専門家たちの虚言」から抜粋

「リスクはきわめて小さい」

2004年の読売新聞スクープ記事後の専門家たちの反応
記事直後、日本医学放射線学会が、上記論文に対するコメントを発表し、医者たちに適切な診断を行うよう要請しました。一歩前進ですが、次のような記述がある。曰く、「診断による被ばく量は通常は少なく、個別の発がんのリスクはきわめて小さいことが最初に記されているが」
「個々のX線検査のリスクはきわめて小さいが」と。1000文字に満たないコメント中に、二度も「リスクがきわめて小さい」と述べていることから、被ばく問題を矮小化しようとする意図が感じられますさらに問題なのは、「X線診断のように、10~50mSv以下の低線量被ばくによる発がんの可能性、および発がん率の推定法には、いまだ定説がないことも事実である」という部分です。

この言明は、少なくとも二点において間違っている。
第一は、例えばCTを見ると、10~50ミリシーベルトの被ばく線量であることが多いのですが、それを超えることも少なくない。またほかの種類の放射線検査でも、50ミリシーベルトを超える場合がしばしばあります。それなのに、こう言明してしまうと、一般人はもちろん、現場の医者たちも勘違いしてしまう。

第二点は、低線量被ばくによる発がんの可能性についていまだ定説がない、という部分です。なぜならば、原爆被ばく者調査により、0~100ミリシーベルトの範囲でがん発症率が上昇することが示されているからです(Radiat Res 2000;154:178).
この論文は、放射線の基礎研究に関し最も権威ある医学雑誌に、読売記事の4年前に発売されており、放射線学会関係者がだれも知らなかったとは思われない。

要するに学会コメントは、事態を矮小化しつつ虚言を交え、放射線被ばくに関する世論を沈静化させようとしたものと評価できます。

「お子様に当たる放射線量は非常にわずかです」

しかし、これで終わらない。2005年2月に「日本医学放射線学会」「日本放射線技術学会」「日本小児放射線学会」は連名で、「小児CTガイドライン―被ばく低減のために―」を発表しました(日本医学放射線学会雑誌2005;65:291)。

内容は、小児の放射線感受性が成人の数倍高いことを指摘し、被ばく線量低減に努めるよう医者や技師に注意を促したものです。その点は評価できる、と思いながら読み進めると、最後の「付記:患者さんからの質問と回答例」で目を疑いました。

付記では、転倒して頭を打った5歳の女子がCTを受け、母親が将来がんになるなどの影響がないか質問してきたという、よくあるケースの回答例を挙げています。中にこういう部分がありました。曰く、

(1)「頭部CTでお子様に当たる放射線量は非常にわずかです。CTの被ばくが原因でがんになったと言う報告はありません」
(2)「放射線検査を受けた影響があとあとまで蓄積されることもありません」と。

どちらも間違いを含んでいる。(1)に関しては、5歳の子どもが頭部CTを受けると、がんになる可能性が0.05%上がると推定されている(AJR2001;176:289)。つまり、1万人につき5人が余計に発がん死亡するというのです。そういう線量を「非常にわずか」とはいわない。

また「CTの被ばくが原因でがんになったと言う報告はありません」は間違いではないが、正直でもない。なぜならば、仮に放射線が原因で発がんしても、がん細胞にその目印はなく、放射線が原因だということは不明に終わるからです。つまり、報告がないことは当然で、放射線が安全だとする理由にはならないのです。

(2)に関しては、放射線被ばくによって(細胞内に)変異した遺伝子が蓄積していくことが、放射線影響の主原因ですから、何をかいわんや。

こういうウソで塗り固めた回答を奨励するとは、不謹慎極まりないし、うわべを取り繕う方法を教え込まれた医者や技師は、被ばく低減努力の手を抜くでしょう。そもそも将来に備えて偽りの回答例を提示することは、患者を騙しながら不必要な検査を続けるためのガイドラインになっているとしかいいようがない。

「読者に重大な誤解を与える」

次に、私が月刊「文藝春秋」に「CT検査でがんになる」という論文を発表した後のリアクションにふれておきましょう。論文は大反響を呼び、医療現場ではCTを取りやめる患者が続出したと仄聞したのですが、医者や学会からの反論・批判は何もありませんでした。

ただ、「文藝春秋」編集部には、思いがけないところから抗議があった。「日本原子力学会シニアネットワーク」「エネルギー問題に発言する会」「エネルギー戦略研究会」という3団体の有志会員が抗議文を届けてきたのです。70余人にもおよぶ有志会員の肩書きをみると、医者は一人もおらず、かつて原子力関連企業に籍を置いた方々が大部分を占めておられた。

内容はというと、揚げ足取りに近かった。一例を挙げれば、論文タイトルの「CT検査でがんになる」は、「CT検査が直ちにがん発生に結び付くような表現で」「読者に重大な誤解を与える表現」でありケシカラン、というのです。

このリアクションは意外でした。医療関係者でもないのに、なぜCTの論文に抗議をしてくるのか、その背景がよくわからなかったのです。しかしやがて、世間の人々に低線量被ばくの危険性を知られたくないのだろうと思いあたりました。原子力産業関係者は、世間に登場する言説に目を光らせていて、少しでも都合の悪い主張に対して攻撃を加える。これは言葉狩りをするハンターです。


岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
(2012年02月15日(水) 週刊現代 賢者の知恵)

「100ミリシーベルト以下の被曝量なら安心」はウソ

エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク

世界一の医療被ばく国である日本では、X線検査によって 年間 1万人(全がんの4.4%)ガンになっている

2012/02/22

3月10日 チェルノブイリハート上映会&中村隆市さんトーク

3月10日に福岡県糸島市で話をします。チェルノブイリ原発事故被害者の医療支援のために放射能汚染地や病院を訪問して体験してきたこと。その被害の実態がIAEA(国際原子力機関)などに過小評価され、福島原発事故の影響も過小に評価されていること。そして、原発は事故を起こさなくても、最初のウランを掘る段階から、稼動中に周辺住民に病気が増えたり、海の生態系が破壊される問題、最後の「放射性廃棄物」まで様々な問題について話します。また、日本人はCT検査などのエックス線による医療被ばくが世界でも飛びぬけて多く、非常に危険であることなども話す予定です。

■いのちの映画祭自主企画上映会■

チェルノブイリハート上映会&中村隆市さんトークCafé

■とき:2012年3月10日(土)14:00~17:00

 13:30 開場
 14:00 上映会
 15:10 休憩
 15:30 中村隆市さんトークCafé
 17:00 終了

■ところ:糸島市人権センター 大会議室

■前売り:1200円 当日:1500円 (中学生以下は無料)

■チケット購入方法
  A)「お名前、人数、連絡先(メールかtel)」を明記の上、
問合せ・申込は、すべて itonanohana★yahoo.co.jpへ(★を@に変えて送信して下さい)

   代金(1200円)は当日受付にてお支払い下さい。

  B)チケット取扱店にて前売り券を購入、または当日清算券にてご予約下さい。 
  <取扱店>
  ・糸島くらし×ここのき ・のたり ・伊都安蔵里 ・RUSTIC BARN
  ・STUDIO KURA ・CADILLAC RANCH ・海辺YOGA-STUDIO LOTAS     
  ・和楽mama ・日と月  ・Banzo ・モバイルキッチン HINODE
………………

 映画「チェルノブイリハート」は、事故後16年後のベラルーシで、今なお続く被ばく被害の事実に迫り、その被害の多くは、何の罪もない子ども達であるという現実を痛切に伝えているドキュメンタリー映画です。
http://www.gocinema.jp/c-heart/

この映画を通して、同様のリスクを日本の子どもたちに背負わせてしまうかもしれないという「正しい危機感」を、私たち大人は持ち続ける必要があると考えています。単に不安をあおるのではなく、また、未来を否定するのでもなく、本当に描きたい未来を自分で選択するためには、まず、自分を取り巻く現実を直視し、それを自分事としてとらえ、多様な視点で検討しながら学び続けることが大切です。

そのために、映画上映後には、90年からベラルーシの医療支援に携わり、現地にも7回足を運ばれていらっしゃる中村隆市さんに、映像だけでは伝わらないベラルーシの姿や、今の日本が抱える様々な問題について丁寧に語っていただくことにしました。

今なお続く犠牲の数々。その痛みに寄り添いながら、そこから何を学び、どんな明日へとつなげていくことができるのか…集った皆さんと共に考える時間を作りたいと思っています。

■中村隆市さんプロフィール■
1955年福岡生まれ。(株)ウィンドファーム代表。環境NGO「ナマケモノ倶楽部」世話人。 スロービジネススクール校長。19歳で水俣病と出会い、環境運動に関わりながら山村に移住。無農薬で米と野菜をつくり、鶏を飼いながら有機農業の普及活動に取り組む。1986年チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品が途上国にまわされたと知り、「途上国の子どもたちが気になり始めた」。それが中南米やアジアの農民とフェアトレード(公正貿易)を始めるキッカケとなる。

1990年から チェルノブイリ原発事故被害者の医療支援を続け、98年から「有機コーヒー・フェアトレード国際会議」を日本、ブラジル、エクアドルで開催。2000年ブラジル初のオーガニックカフェを開店。2004年ブラジルのマッシャード市から有機農業とフェアトレードを普及した功績により名誉市民章を受章。同年「いのちを大切にする仕事」を広めるためにスロービジネス・スクールを設立。

2006年から福岡県田川郡に「ゆっくり村」という名のエコ・コミュニティをつくり始め、農的な暮らしをベースに「買う 豊かさ」から「つくる豊かさ」への移行を楽しみながら進めている。2008年からは、青森県六ヶ所村に「東北あしたの森」という名の大きな森があるエコビレッジをつくり始めている。著書に『スロービジネス』(ゆっくり堂)。 『考える絵本 しあわせ』のモデル。
ブログ http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze

・・・・・・・

■託児について
●要予約・6か月以上の未就学児に限ります
●料金:800円 (マクロビおやつつき)  ●定員:20名
●お子様の氏名、年齢(月齢)、緊急連絡先を明記の上 
itonanohana★yahoo.co.jpへ(★を@に変えて送信して下さい)まで
お申し込み下さい(*2月29日まで!)

*小学生を対象とした「こうもり先生のアートワークショップ」も別室で開きます。
 詳細はhttp://nanohana.aikotoba.jp にて…

■主催  いとしま菜の花プロジェクト 
■協力  グリーンコープ生協ふくおか
ウィンドファーム いのちの映画祭・実行委員会
*この上映会は「いのちの映画祭」の自主企画上映として開催されます。
      

草の根線量測定 広がる 9都県30市民団体 初会合

草の根線量測定 広がる 9都県30市民団体 初会合
(2012年2月20日 07時04分 東京新聞)

 福島第一原発事故後の食品や環境の放射能汚染を測っている団体が「全国市民放射能測定所ネットワーク(仮称)」をつくり、十九日に東京都内で初会合を開いた。測定所の運営態勢について意見交換し、高い数値が出た場合の多重チェック、研究者との連携などの提案が相次いだ。

 測定所ネットは、専門性が高い放射線測定の方法や検査データの共有を目的に昨年十月、父母らでつくる約三百団体が加盟する「子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク」の集会で、福島県の市民測定所「CRMS」が提案した。メーリングリストで北海道から福岡県までの約百六十人が、測定器選びや測り方のコツを話し合ってきた。

 初会合には、福島県や首都圏など九都県で測定所を運営したり、開設準備中の約三十団体の約五十人が参加した。測定の技術をめぐり「放射能は同じ検体を測るたびに数値がゆらぐので、どう見たらいいか」「測定器の汚染を防ぐ方法は」などと、放射能測定に独特な課題が出された。

 測定を希望する人のため、全国の測定所の場所が分かる地図を作るアイデアも出た。「測定依頼者にデータを説明するため、内部被ばくに関する学習が必要」「放射線の測定には限界があることを理解していただかなくては」といった意見もあった。

 CRMSの丸森あや理事長は「測ることが目的ではなく、例えば福島ならどうやって防護するかなど、その先にあるものを忘れないようにしたい。定期的に情報交換してレベルアップし、息の長い活動の助け合いの場に」と話した。

(東京新聞)

2012/02/19

米国環境保護庁 ダイオキシンの発ガン性以外の健康リスクを評価

米国EPA、27年ぶりにダイオキシンの発ガン性以外の健康リスクを評価
(掲載月日:2012年2月19日 独立系メディア E?wave)

池田こみち 環境総合研究所

 日本ではすでにダイオキシン問題は終わったかのように言われて久しいが、今週は全米の環境問題、医療問題に取り組むNGO、NPOにとって大きな節目となる発表があり、大いに盛り上がった。

 それは、日本ではすでに常識と考えられているダイオキシン類による発ガン性以外の健康影響がようやく米国環境保護庁(以下、EPAと略)によって評価され報告書が発表されたことに起因している。

 米国EPAはこれまでダイオキシンのリスクとして、発ガン性(癌の誘発と癌への変異)を最も重視し、それ以外の健康影響には明確に認めていなかった。27年の永きにわたり、多くの市民、市民団体が闘いを続けてきたが、化学工業界の強力なロビー活動により市民の訴えは阻まれてきたのだ。

 そのため、2012年2月17日のEPAの発表は、まさに彼ら活動家たちにとっての「闘いの勝利」であり、大いに盛り上がり、全世界の仲間たちに情報が伝達された。

 これにより、ますますダイオキシンの低濃度曝露による多面的な健康被害が大きな問題になると思われる。そんな中日本では依然として焼却主義が蔓延しているという状況を見るに付け、市民の意識の低下、市民活動の盛り上がりの欠如に忸怩たる思いがある。

 以下、簡単に国際POPS低減ネットワーク(IPEN)のダイオキシンWGのMLに送られてきた報告を翻訳したので報告しておきたい。翻訳は一部意訳となっていることをご承知の上ご覧いただきたい。

 池田こみち

全文はコチラ

放射能基準を緩めたタイ 「日本向け輸出缶詰は、日本産が95%」

福島原発の事故以前は、放射能汚染食品の輸入基準が厳しかったタイが、原発事故の翌月に基準を緩和し(6ベクレル/kg → 500ベクレル/kg)日本からの輸入量を大幅に増やした。そして、「タイの日本向け輸出缶詰は、日本産が95%」となっている。

<福島原発事故から1週間後>
日本からの輸入食品に放射能検査を開始―生産地など明記した書類が必要に(タイ)
(2011年3月18日 JETRO 日本貿易振興機構 バンコク・センター発)

保健省食品医薬品局(FDA)は3月16日、バンコク市内で食品輸入業者などを対象に説明会を開催し、日本から輸入される食品に対する放射能検査の実施を明らかにした。2段階に分かれる検査のうち、現在は1段階目にあり、検査結果を待つことなく通関できるサンプリング検査にとどまる。ただし、3月15日以降日本から輸入される食品は、輸入の際、輸入港のFDA事務所に生産地、生産日、食品の種類を明記した書類の提出が求められる。

<国内消費者の安全確保が目的>
「日本から輸入される食品の放射能汚染に関して」と題する3月16日の説明会で、FDAは今回の放射能検査の背景と内容を説明した。
冒頭、FDAのピパット長官は、日本の原子力発電所の状況に関連して国内の消費者から、日本の食品の安全性と放射能汚染の有無について、多くの問い合わせがあったことを明らかにした。
同長官は「現時点で、日本の食品に放射能汚染は確認されていない」としながらも、放射能による汚染は、食品に付着する直接的なものと、大気や土壌中の放射能を農産物が取り込む間接的なものとがあるとして、今回の措置は、国内の消費者の安全確保のために必要な対応だと述べた。

<食品中のセシウム137の量で汚染を判断>
FDAは、1979年食品法(Food Act B.E.2522)に基づき、輸入食品のモニタリング検査を実施している。放射能検査についても、86年のチェルノブイリ原子力発電所の事故を受け、保健省告示第102号「放射能汚染を受けた食品に関して」が、88年にはその改正告示第116号がそれぞれ施行されている。今回の検査はこれらの告示を根拠として実施される。
告示第102号の第2項では、放射能汚染を受けた食品の規制について、セシウム137(Cs?137)の検出量が以下の基準値を超えないことと定めている。

(1)生乳:7ベクレル/リットル
(2)粉乳、乳製品、幼児用食品:21ベクレル/キロ
(3)穀物およびその他の食品:6ベクレル/キロ

FDAは、基準値を超えるセシウム137を含む食品を輸入した者に対しては、5万バーツ(約 15万円)以下の罰金を科すことになると説明している。


<福島原発事故から1ヵ月後>
日本からの輸入食品に新基準等を導入(タイ)
(2011年4月12日 JETRO 日本貿易振興機構 バンコク事務所発)

保健省食品医薬品局(FDA)は4月11日、放射性物質に汚染された食品に関する新基準と、放射性物質による汚染の可能性がある食品の輸入条件に関する保健省令をそれぞれ官報告示した。これらの保健省令は翌4月12日より施行されている。福島、群馬、茨城、栃木、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉の12都県で生産された食品の輸入に際しては、食品の種類、生産地のほか、放射性物質の量が明記された書類の提出が求められる。

<食品中のヨウ素131、セシウム134および137の量で汚染を判断>
今回施行された保健省告示「放射性物質汚染食品の基準」(注1)では、放射能汚染を受けた食品の規制にあたり、これまで食品の汚染の判断に用いてきたセシウム137のみならずセシウム134とヨウ素131も加え、これら放射性物質の検出量が以下の基準値を超えないことと定めることになった。

(1)ヨウ素131:100ベクレル/kgもしくはリットル
(2)セシウム134とセシウム137の合計:500ベクレル/kgもしくはリットル

今回の新告示の施行を受け、86年のチェルノブイリ原子力発電所の事故以来、食品中の放射性物質検査の根拠となってきた保健省告示第102号「放射能汚染を受けた食品に関して」およびその改正告示第116号は廃止されることになった。


★タイの日本向け輸出缶詰は、日本産が95%(2003年)>4月にタイの、放射性物質の食品輸入基準が緩和されていた、輸出の激増
(2012/02/17 portirland)

班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」

班目委員長 1次評価のレベル疑問「原発再稼働と関係ない」
(2012年2月18日 東京新聞)

 原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は十七日、定期検査で停止中の原発を再稼働する条件とされている安全評価(ストレステスト)の一次評価について「再稼働とは関係ない。二次評価まで終わらなければ、安全性の判断はできない。一次評価は安全委が要求している(安全性の)レベルに達していない」との見解を示した。 

 安全委で一次評価結果が妥当か否かを審査中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題に影響を与えそうだ。

 民主党の原発事故収束対策プロジェクトチーム事務局長の川内博史衆院議員との会談の中で述べた。

 経済産業省原子力安全・保安院は十三日、関電が提出した大飯原発3、4号機の一次評価結果を「妥当」とする審査書を安全委に報告。安全委も妥当と判断すれば、政府は福井県など地元自治体の同意を得たうえ、首相と関係閣僚の判断を経て、早期に再稼働したい意向だ。しかし、班目委員長が「一次評価は再稼働に関係ない」との認識を示したことで、安全委に再稼働の可否を判断する権限はないものの、福井県が一段と再稼働への慎重姿勢を強める可能性がある。

 安全評価には、定期検査で停止中の原発の再稼働の条件となる一次評価と、全原発対象の二次評価がある。一次評価は核燃料の溶融を防ぐ対策のみ、二次評価は核燃料が溶融する深刻な事故の対策までを対象とする。

「原発安全審査、不十分だった」 班目・寺坂両氏が謝罪
(2012年2月15日21時1分 朝日新聞)

 東京電力福島第一原発事故の原因を検証する国会の事故調査委員会は15日、参考人として、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長から、事故時の対応や原発規制などについて聴取。両氏は原発の安全審査指針が不十分だったと認め、謝罪した。

 班目氏は、原発の立地基準や設計についてまとめた原子力安全委員会の安全審査指針について、津波や長時間の電源喪失に対する十分な記載がなかったことに言及。「瑕疵(かし)があった。誤りがあったと認めざるを得ない」と陳謝。寺坂氏も「安全規制担当者として、本当に申し訳ない」と語った。

 事故調の黒川清委員長は聴取後の記者会見で「(現在の)審査指針は全面的な改定が必要。緊急時の備えができていない」と述べた。


原発安全指針に「明らかな誤り」…班目氏が陳謝

(2012年2月15日20時49分 読売新聞)

  内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は15日、国会の「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」(委員長=黒川清・元日本学術会議会長)に参考人として出席し、原発の津波対策や全電源喪失などに関する国の安全指針について、「瑕疵(かし)があったことは認めざるを得ない。おわび申し上げたい」と陳謝し、指針の抜本的な見直しが必要との認識を示した。

 班目氏は従来の指針の問題点に関して、「津波に対して十分な記載がなかったことや、原発の電源喪失は『長時間は考えなくていい』と書くなど、明らかな誤りがあった」と指摘した。

 そのうえで、「諸外国で(厳しい安全指針が)検討されている時に、日本ではそこまでやらなくていいという言い訳ばかり時間をかけて、意思決定ができにくいシステムになっている。そのあたりに問題の根っこがあるのではないか」と語り、構造的な問題があるとの認識を示した。

 今回は事故調査委にとって初の本格的なヒアリングとなった。班目氏のほか、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長も参考人として出席し、「(原発事故への)備えができていないままに今回の事故が生じてしまった。規制当局としても問題があった」と述べ、安全対策が不十分だったと認めた。
(2012年2月15日20時49分 読売新聞)

保安院の専門性「不十分」=前院長が認める?福島原発事故の国会事故調

 東京電力福島第1原発事故で、国会の事故調査委員会(委員長=黒川清・元日本学術会議会長)は15日、4回目の会合を開き、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長と内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長から事情を聴いた。寺坂氏は保安院の能力について「専門性、知見、習熟度において、米国などと比較すると十分なものではない」と認めた。
 当時の保安院トップが能力不足を認めた発言は、事故の背景に規制制度の欠陥があることを改めて浮かび上がらせた。(2012/02/15-20:21)


【原発】トップ2人謝罪…脆弱な事故対応浮き彫り

(02/16 05:50 テレ朝NEWS)

 福島第一原発の事故で、原子力安全委員会の班目委員長ら2人が国会の事故調査委員会に参考人として呼ばれ、謝罪しました。当時の脆弱(ぜいじゃく)な対応振りが浮き彫りになりました。

 原子力安全委員会・班目春樹委員長:「(安全審査の指針に)瑕疵(かし)があったことは認めざるを得ない。(電源喪失対策は)言い訳というか、やらなくていいという説明ばかりで、抵抗があってもやるんだという意思決定がしにくいシステムだ」

 班目委員長は、「過酷な事故が日本では起きないという言い訳が通用しないのは明白だ」と規制を強化する考えを示しました。保安院の寺坂前院長も、「安全規制担当者として、本当に申し訳ない」と謝罪しました。また、事故直後に官邸を離れた経緯について、「私は事務系なので、技術的に分かった人間を残した」と説明し、委員からは「トップが原子力の知見を持っていないのか」と揶揄される一幕もありました。官邸とは電話で数回連絡しただけだったということです。

斑目委員長陳謝“安全指針に瑕疵”
(2月15日 18時59分 NHK)

国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は、国会に設置された原発事故調査委員会に参考人として出席し、原発の安全対策を示した国の指針について「瑕疵(かし)があったことは、はっきり認めざるをえない。おわびする」と陳謝したうえで、見直しを進める考えを示しました。

15日に開かれた国会の原発事故調査委員会には、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長と、原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長の2人が参考人として出席しました。
この中で班目委員長は、原発の安全対策を示した国の指針について「いろんな意味で瑕疵があったことは、はっきり認めざるをえない。津波に対する十分な記載がなかったり、すべての電源の喪失も『長時間考えなくてもいい』とされていた。原子力安全委員会を代表しておわびする」と述べたうえで、見直しを進める考えを示しました。
また、班目氏は、放射性物質の拡散を予測する「SPEEDI」と呼ばれるシステムのデータの扱いについて「迅速に公開されていたらもっとうまく避難できたというのは、全くの誤解だ。しかし、データの公開は早い時期にされてしかるべきものだった」と述べました。
一方、原子力安全・保安院の寺坂前院長は、政府の原子力災害対策本部の議事録が作成されていなかったことについて「事故発生当時の事務局長として、大変申し訳ないと思っている。概要的なものは途中からは残されているので、復元する作業を行っている」と述べました。
国会の原発事故調査委員会のあと、黒川委員長は記者会見し、「班目氏が、原発の安全対策を示した国の指針が不十分であったことを認めるなど、今後の調査に向けて極めて参考になるヒアリングだった。緊急時の備えが、極めて出来ていなかった。原発事故を引き起こした日本としては、国際的に認識されるような安全基準をつくる責務がある」と述べました。

SPEEDI:班目氏「避難に使えぬ」…国会事故調
(毎日新聞 2012年2月15日 22時02分)

原発事故調の第4回委員会で、参考人として答弁する班目春樹原子力安全委員会委員長=国会内で2012年2月15日午後2時、手塚耕一郎撮影
原発事故調の第4回委員会で、参考人として答弁する班目春樹原子力安全委員会委員長=国会内で2012年2月15日午後2時、手塚耕一郎撮影

 東京電力福島第1原発事故に関する国会の事故調査委員会(委員長、黒川清・元日本学術会議会長)は15日、東京都内で第4回委員会を開いた。会合には原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長が出席。班目氏はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)に関し、「計算には1時間必要で、風向きが変わる場合がある。SPEEDIが生きていたらうまく避難できていたというのが誤解だ」と述べ、住民避難に生かすのは困難だったとの見解を示した。また、原発に関する国の安全指針について「瑕疵(かし)があった」と陳謝した。

 政府のマニュアルでは事故の場合、保安院が緊急時対策支援システム(ERSS)を起動して放射性物質の放出源情報を把握。SPEEDIで放射性物質がどこに拡散するか予測することになっている。しかし、今回の事故では、地震による原発の外部電源喪失により、ERSSからのデータ送付ができなくなって拡散予測はできず、避難区域設定への活用もできなかった。

 班目氏は「SPEEDIの予測結果に頼った避難計画にしていること自体が問題で、直ちに避難するようなルールにしておくべきだった」と述べた。

 安全委によると、仮にERSSからデータが届いていたとしても、今回の事故では水素爆発や炉心溶融などシステムの想定外の出来事が起きていたため、正確な計算ができず間違った予測結果になっていたという。

 また、班目氏はこれまでの国の安全指針について「津波について十分な記載がなく、長時間の全交流電源喪失も『考えなくてよい』とするなど明らかに不十分な点があった。おわび申し上げる」と謝罪。その要因について「諸外国では検討しているのに、我が国ではそこまでやらなくてもいいという言い訳ばかりに時間をかけ、意思決定がしにくい状況にあったことが問題の根底にある」と指摘した。

 一方、寺坂氏は事故に関する政府の議事録が作られていなかった問題について、「事故当初に対応できていなかったのは申し訳ない。公文書管理法上も問題がある」と陳謝した。【岡田英、比嘉洋】

毎日新聞 2012年2月15日 22時02分(最終更新 2月16日 0時47分)

2012/02/18

「日本は災害瓦礫処理でも『焼却主義』の大愚」 青山貞一

がれき受け入れ問題:黒岩知事が現行案撤回、地元拒否で「ほかの知恵を」/神奈川
(2012年2月17日(金)23時40分配信 神奈川新聞)

県最終処分場(横須賀市)への震災がれき焼却灰の受け入れ問題で、黒岩祐治知事は17日、「前に出した提案は撤回せざるを得ない。同じことを繰り返しお願いすることはない」と述べ、現行の計画をいったん撤回する意向を表明した。一方で「何らかの形で受け入れたいという思いは変わっていない。ほかの知恵を出さなければいけない」とも述べ、引き続き受け入れを模索する考えを示した。

処分場周辺町内会から撤回を求める要請を受けた後、県庁内で記者団に述べた。

また同趣旨の要請を受けた吉田雄人横須賀市長は、受け入れを拒否する姿勢を鮮明にした。

撤回要請は周辺10町内会でつくる大楠連合町内会(長谷川俊夫会長)の総意として提出。県と協定を結んでいる芦名町内会も名を連ねている。

要請書は放射性物質に対する処分場の管理・除去能力や農水産物への風評被害などを問題視。「被災地支援の思いは同じだが、子どもたちの未来に不安を残す選択はできない」として、計画の撤回や芦名町内会と結んでいる協定書の改訂断念などを求めた。知事の唐突な受け入れ表明や記者会見での発言も批判している。12日付の決議文も添えた。

長谷川会長ら6人が県庁を訪れ、非公開で約40分間、知事らと会談した。

知事はその中で、発言に対する反省のほか「地元にじっくり話す機会を逸して申し訳ない」と陳謝したという。

会談後、知事は記者団に、撤回の対象について「(放射性セシウム濃度が)1キログラム当たり100ベクレル以下などと説明したパッケージ」と表現。搬入物の条件を見直す考えを示唆した。一方、長谷川会長は今後の県との話し合いについて「百パーセント拒否ということはない。知事の気持ちを聞くことはやぶさかではない」と述べ、県側の新たな提示内容次第で協議に応じる姿勢を示した。

連合町内会はその後、横須賀市役所で吉田市長に面会。吉田市長は、受け入れ拒否の姿勢かとの記者団の質問に「地元に寄り添うとはそういう趣旨」と述べ、早い時期に知事と面会したい意向を示した。

日本は災害瓦礫処理でも「焼却主義」の大愚
青山貞一 東京都市大学大学院
(2012年2月19日 独立系メディア E?wave Tokyo )
         
 3.11の東日本大震災・津波とそれに続く福島原発事故は、私たち日本国民にとって、いまだかつてない多くの問題を突きつけてきた。とりわけ前代未聞の原発事故がもたらした放射性物質に汚染された災害廃棄物の国による広域処理推進の方針は、現在、日本の津々浦々の基礎自治体であらたな問題を引き起こしている。

 周知のように、3.11直後から国や東京電力は、「想定外」という言葉を乱発し「千年に一度の自然災害」を強調してきた。しかしながら、歴史をひもとけば誰でも分かるように、比較的甚大な津波ものだけをとっても、次のようなものがある。

  869年 貞観三陸津波
 1611年 慶長三陸津波
 1896年 明治三陸津波
 1933年 昭和三陸津波
 2011年 東日本大震災・津波

 このように我が国では、千年に一度ではなく、百年に一度は類似の大震災や津波が三陸及びその周辺地域で起きてきたと言える。国や東京電力がことさら千年に一度あるいは想定外を繰り返すのは、その後の国家賠償や民事の損害賠償の免責をねらうレトリックであることは容易に分かるというものだ。

 ところで筆者らは3.11の大震災以降、昨年末までに都合9回、被災地を現地調査してきた。また福島県にも6回、放射線測定ででかけた。そこで見たこととして、「3.11」が過去の震災・津波と明らかに異なるのは、災害廃棄物(以下単に瓦礫)の量と質のすさまじい多様さにある。

 福島県を中心に被災地の瓦礫にはコンクリート片、木材等の建材、プラスチック類、金属類、生ごみ(魚類、水産加工物等)、油類など、まさに現代経済社会を象徴そして反映する多種多様なものが含まれている。

 初期段階での環境省調査によれば、内訳は可燃ごみ(柱、壁、家具)23%、不燃ごみ(コンクリート等)66%、不燃ごみ(金属くず)2%、不燃ごみ(家電等)4%と報告され、本来その多くは家庭から出る一般廃棄物として処理されるものである。

 だが現地を子細に調査すると、多くは産業廃棄物の様相を呈している。加えて問題解決を複雑かつ困難としているのは、福島原発事故により周辺に移流、拡散、飛散し沈降した大量の放射性物質が瓦礫、下水汚泥、浄水発生土、通常の焼却炉の焼却残渣(主灰、飛灰など)に高濃度に濃縮され含まれていることである。

 これら瓦礫の量は太平洋沿岸域で2011年8月30日現在、岩手508万t、宮城1,584万t、福島228万t、青森22万t、茨城50万t、千葉12万tと実に2,400万トン超に達しており、その後も増え続けている。平成21年度の日本の一廃の年間排出量が4,625万tなので瓦礫の総量はその半分に相当する。

 さらに、実際には上記に加え膨大な数の船舶、自動車などの廃棄物もある。また保管されていた農薬類、PCBを含む化学物質、重油・石油・ガソリンなどの燃料・油類が津波で流出し、海水と共に瓦礫に付着ししみ込んでいる。また古い建築物が破壊され、そこからアスベストが流出している可能性も高い。川や海の底質から高濃度の砒素が検出されているという調査報告もある。

 もともと日本は人口で約4倍、面積で約40倍の米国よりも廃棄物の焼却量が多く、先進諸国のなかで飛び抜けた「焼却主義」をとってきた国である。こうした多種多様な汚染物質が渾然一体となった災害廃棄物を通常の一般廃棄物と同様に全国各地の基礎自治体で焼却処理そして処分することには極めて問題が多い。

 歴史を見れば明らかなように、先進諸国はゴミを燃やせばダイオキシン類などの有害物質が生ずるとして早くからゴミの焼却量を減らし、厳しい規制基準を制定してきた。しかし、日本はと言えば、1999年に起きたいわゆる所沢ダイオキシン大騒動に至るまで法規制をせず、ゴミ処理を優先しまさに野放図としてきた。

 いうまでもなく、瓦礫を焼却すれば、飛灰、焼却灰、煙、下水に、浸出水などに放射性物質が濃縮されて残る。

 もとより、廃棄物の焼却は、焼却しない場合と比べて非意図的な有害化学物質が多数生成される。この研究分野の国際的第一人者である宮田秀明大阪工大教授(元摂南大学薬学部教授)によれば、プラスチックを含む廃棄物を焼却すれば、「短時間で1種類の化合物から千種類もの非意図的物質が生成される」と述べている。

出典:プラスチック焼却の問題点、宮田秀明摂南大学薬学部教授
    (現在、大阪工業大学教授)

出典:プラスチック焼却の問題点、宮田秀明摂南大学薬学部教授
    (現在、大阪工業大学教授)

 同様のことをゴミ弁護会長の梶山正三弁護士(理学博士)も東京都日の出町広域最終処分場に関して東京地裁八王子支部で開かれた行政訴訟の公判で述べている。さらに、この分野で

 このようにさまざまな物質が付着、混ざった災害廃棄物を被災地から各地の市町村の焼却炉で安易に焼却処理することは、セシウム137などの放射性物質のみならずダイオキシン類などの有機塩素系化合物、多環芳香族炭化水素類(PAH)、水銀など重金属類、また、がん発生との因果関係が明確となっているアスベストなどを未汚染地しかも人口の超密集地域に広め新たな問題を作り出すことになりかねない。

 またライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた残飯はじめ下水汚泥など有機廃棄物の処理方法毎の環境負荷比較でも、焼却処理が最も環境負荷が高いという東京都市大学大学院環境情報学研究科湯龍龍氏(現在博士課程)の研究論文がある。

 さらに温室効果ガスに関して、日本政府は京都会議(COP3)以降、廃棄物焼却由来の二酸化炭素を総負荷量から除外しているが、焼却した場合は、しない場合に比べ二酸化炭素の排出がかなり増えること、また有機物を堆肥化した場合に発生するメタンガス量を考慮したとしても、廃棄物の焼却による温室効果ガス量が多くなるという東京都市大学大学環境情報学部環境情報学科の佐藤直樹氏の卒業研究論文もある。

 このように、国がさしたる根拠もなく、放射能レベルが低いことのみを理由に瓦礫を広域処理しても問題ないと結論づけたことは、熱力学第二法則など物理学の原理からしても過ちであると言える。また放射性物質が最終的に海に流れ込めば、食物連鎖、生物濃縮により魚介類が高度の汚染されることを知らねばならない。

◆青山貞一: 福島原発事故で、本当に怖いのは魚介汚染 You Tube

 にもかかわらず環境省は2011年5月以降、非公開の「災害廃棄物安全評価検討会」を重ね、途中からは議事録も公開せず、さらに最新の情報開示では環境省は議事録もつくっていないと情報開示請求をしている鷹取敦氏に通知している。その上で、さしたる根拠なく広域処理を正当化してきたことはきわめて遺憾であり、およそ民主主義国家にあるまじき行為であると思える。

環境省「災害廃棄物安全評価検討会」委員名簿

井口 哲夫
 名古屋大学大学院工学研究科教授
大垣 眞一郎(座長)
 独立行政法人 国立環境研究所理事長
大迫 政浩     
 独立行政法人 国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長
大塚 直
 早稲田大学大学院法務研究科教授
酒井 伸一
  京都大学環境科学センター長
杉浦 紳之
 独立行政法人 放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長
新美 育文
  明治大学法学部専任教授
森澤 眞輔
  京都大学名誉教
出典:環境省公式Web

 これについては、環境総合研究所の鷹取敦調査部長による一連の論考を見て欲しい。科学的根拠がない、あるいは乏しいことを無理矢理強行しようとするから国の検討会を非公開にし、議事録を出さず、あげくの果ては録音をせず、議事録をつくっていないなどと鷹取氏の正規の開示請求に「堂々」と回答してきているのである。

 まさに設置、委員選任などまったく正当性がない検討会が、非公開できわめて重要な事項を審理し、その結果を細野大臣らが国民や基礎自治体に押しつけるという、民主主義国家であるまじき対応、態度である。

◆鷹取敦:議事録作成をやめた「災害廃棄物安全評価検討会」
◆鷹取敦:環境省への議事録開示請求の経過報告(2012/02/17現在)
◆青山貞一:立法府が本来の機能を取り戻すために You Tube

 最後に、毎年冬、スイスで開催されている通称ダボス会議、世界経済会議で今から10年前、米国のエール大とコロンビア大が世界各国の「環境保全力ランキング」を公表した。

 日本は何と62位であった。エンド・オブ・パイプあるいはバック・エンド・シンキングと呼ばれるように、日本は本質的な問題解決をせず、巨額の税金と巨大な装置(技術依存)で事後処理的に焼却に依存し対応してきたこと、すなわち何でもかんでも燃やして埋めるの愚をしてきたことが、現在の国の苦境に繋がっていることを厳しく反省しなければならない。

 さらに環境省の検討会を非公開にし、議事録を公開しないことで分かるように、そこにいる委員はおよそ科学者や研究者に値しないだろう。

 ひとことでいえば、この検討会はどうみても非科学的なことを国民や住民に押しつける、いわば政治家がすることをしているのである。こんな環境省に原子力規制庁を設置しても到底国民の理解など得られるはずもない。
 
 環境省の前身、環境庁(当時、総理府)は、もともと人材不足で各省庁からの出向が幹部を占め、いわば他省庁の植民地であった。しかし、人材不足、力量不足は今まででも変わっていない。

 その環境省やつくばの研究所(国立環境研究所)は、3.11以前は、法的にだけでなく研究や実務面でも無関係だった環境省が、誰が見ても経済産業省の暴走をとめられるはずもない。これはまるで自民党から民主党に政権が移っても政治主導も利権構造も変わらなかったことと酷似している。

 結局、新設される環境省の原子力規制庁は、人材の多くを経済産業省、その独立行政法人はじめ「原子力村」に依存せざるを得ず、巨額をかけても肝心なときに何一つ役に立たないSPEEDIと同じ運命をたどるだけだ。元も黙阿弥である!

 せめてトップを米国の原子力規制委員会(NRC)のヤッコ氏のように民間からの政治任用とすればと思うが、それも期待薄である。

 いずれにせよ、上述のように原理的に間違ったこと、すなわち世界に類例のない廃棄物をもやし埋め立てる危険きわまりない「焼却主義」をとり続ける環境省に将来はないだろう!

原子力規制庁、独立果たせず?経産省と「同居」
 (読売新聞 2012年2月7日)

 環境省は、4月に同省の外局として発足する原子力規制庁について、経済産業省別館で業務を始める方針を固めた。原子力安全・保安院の看板を掛け替える。原子力行政を推進する経産省から移転し、規制官庁として、新たな場所での船出を印象づける狙いだったが、入居先選びが間に合わなかった。転居は早くても夏頃になりそうだ。

 原子力行政を推進する経産省と、規制する保安院が経産省内に同居し、互いに人事交流もあることが、東京電力福島第一原発事故を招いた一因と批判された。規制庁の大部分は、経産省から移転してくる保安院が占めることになるだけに、環境省は国民に独立性をアピールするためにも、新たな入居先を探した。

 その条件は、首相官邸に近く、十分な耐震性を備え、低層階に入居できること。さらに、規制庁の定員は約500人で、事故調査を担う原子力安全調査委員会も新設されるため、最低でも6000平方メートルの広さが必要になるという。これに合う有力な民間ビル候補が近くの汐留地区でいったん浮上したが、最終的にはまとまらなかった。

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