2005/02/21

サンパウロ新聞より 「有機コーヒー・キャピタル宣言(終) 心も体も豊かな生活づくり・大事にしたい新潮流「スロービジネス」」

以下はサンパウロ新聞に掲載された記事です。


中村氏は、ジャカランダ農場とのフェアトレードの活動をもとに、新たな動きを進めている。

中村氏たちがこのほど、日本で発刊した「スロービジネス」という書籍がある。市民運動が取り組んでいるような環境保護や平和の取り組みをビジネスという形で、日常的に実行していくものだという。

大手フランチャイズ・チェーン店などに代表されるハンバーガーなど、お手軽なファスト・フードに対して昨今、「スロー・フード」という手をかけた人間本来の食事が見直されている。

それらと同じように、「ゆっくり急がず、自分たちでできることを愉(たの)しみながら確実に進めていく」というのがスロービジネスの基本姿勢だ。

環境運動というと、悲愴で堅苦しいイメージがつきまといがちだが、中村氏は「いくら環境運動が大切だと言っても、愉しくなくては続かない」と強調する。 自分自身のペースで愉しんでやることが、自然に人々の共感を得ることにつながり、その輪が広がっていく。その場ですぐに結果が表れなくても、長い目で見た プロセス(過程)が重要になる。

中村氏は言う。「『スロー』という哲学は量ではなく、質を大切にするということ。単に遅いものではなく、時間を大切にし、自分のペースでできることを優先する。自分が大切にしていることを大事にすると、良い出会いがある」と。

現代は何事も競争社会に重きが置かれ、失敗が許されない状況となっている。そのため、自分自身のことや周りのことをじっくりと考えている余裕がない。中村氏は自給的な暮らしに戻ることで、精神的にも肉体的にも豊かな生活をつくり、学ぶことに重点を置いている。

「私自身、自給的な暮らしをしていましたが、一人で自給自足の生活はできない。逆に他人とのつながりが必要となり、助け合うことの愉しさが生まれてくる」

持ちつ持たれつのシェア(分かち合い)な関係が、さらなる人間関係を深める。

中村氏は昨年五月から「スロービジネス・スクール」という新しい動きを始めた。参加者が払う学費により、実際に会社をつくってスロービジネスを展開していくもので、同時に社会を良い方向に変えていく運動でもあるという。

応募して集まったのは若者のみならず、中年や五、六十歳代の人もいた。若い世代は、大学で勉強して知識や思いを身に付けても、それらを活かす職場がない。中年の人の中には、自分たちが行なってきた仕事に疑問を持っていたようだ。

中村氏は同スクールの実施により、学問とビジネスの要素を融合し、暮らしを愉しんだり、仕事を愉しむことを重要視している。

中村氏はこれらの活動のヒントを、カルロス氏をはじめとする様々な人々とのふれあいの中から生み出し、実践している。

「カルロスさんとは、取引というような関係ではなく、とにかくこの人と一緒に何かをやりたいという気持ちでした」と」振り返る中村氏。カルロス氏が実践し遺した熱い思いを胸に、今後も新たな活動を広げていく考えだ。

なお、「スロービジネス」など詳細については(株)ウインドファームのホームページで紹介されている。アドレスは、http://www.windfarm.co.jp/(おわり・松本浩治記者)

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