2005/02/21

サンパウロ新聞より 「有機コーヒー・キャピタル宣言(2) 大切にしたい相互扶助精神・人類滅亡に繋がる環境汚染」

以下はサンパウロ新聞に掲載された記事です。

幾度となく日伯間を往復している中村氏は今回初めて、昨年十一月下旬に南アフリカから「ピースボート」に講師として乗船。リオ(ブラジル)までの約二週間の船旅の中で、環境問題などについて講演とワークショップを開いた。

「ピースボート」とは、世界各地に向かう国際交流の船旅を企画・実施するもの。船内や各寄港地で世界各地のゲストと互いに話し合う各種講座が設けられている。

ピースボートの中で中村氏は、「フェアトレード」をはじめ、今後の新しい動きとなる「スロービジネス」などについて講演。二十代、三十代の若者たちからの好評、支持を得た。

中村氏が強調するのは自分たちでできる環境保全の大切さ。「テロよりも環境問題の方が世界的に大きな問題」と指摘する。昨年は日本国内でも台風や地震の被害が相次いだ。地球温暖化などによる影響が、目に見える形で表面化してきているようだ。

中村氏が船内で講演中に出したクイズで、「日本世界の化学物質は、一日に何種類登録されているか」との質問があった。答えは四千種類にもおよぶというから驚く。化学物質の大半環境ホルモンの半分は農薬に関するものだとも。

特に、日本は単位面積あたりの農薬の使用量は世界一と言われる。その影響を一つの例に見れば、七五年当時、ガンでの死亡率が五人に一人の割合だったのが、現在では三人に一人と増えていることからも分かる。

「以前は、ガンは老人病と言われていましたが、今では決して、そうとは言えません」と中村氏は、農薬による人体への影響を危惧する。自身も農薬と見られる影響で肝臓障害を患い、生死をさ迷った経験を持っているため、その恐さを充分に知っている。

FAO(国際食糧農業協会)の発表では、農薬による急性中毒死亡者は年間五百万人に上るという。統計は急性中毒者のみのため、慢性中毒者などを入れると、さらに増えることになる。

中村氏はまた、地域通貨「スローマネー」についても説き、船内でも実践した。その根底には、人間関係を保つ中で重要な「相互扶助」の精神があるという。

「例えば、マッサージできる人がいるとして、他の人にサービスすれば地域通貨がプラスとしてもらえる。やってもらった人はマイナスとなるが、マイナスになることも他人のためになるため、決して悪くはないという考えです。自分たちが地域通貨を作って、親しい関係をつくることが目的です」と中村氏。より対等な関係を築くことを強調する。

地域通貨については実際に、エクアドルやアルゼンチン、ブラジルでも行われた実例があるという。大恐慌や戦後などの混乱した時代に、より効果を発揮するようだ。

物々交換との違いについては、物であればその特定物を持っている人としか交換できないが、地域通貨なら多目的な用途に使用できることにある。また、地域通貨の大きな特徴は利子が付かないことだ。「利子を払っている多くの人は貧しい人たち。すでに元本は返しても、利子がどんどんと膨れ上がる」と、その社会悪を中村氏は懸念する。

「途上国にも私腹を肥やす連中はたくさんいます。依存型の支援でなく、自分たちの状況が回復していくような自立型の支援の仕方を考えていく必要があります」

中村氏は、今回のピースボートでの経験を踏まえて、若者たちからの確かな手応えを感じ取ったようだ。(つづく・松本浩治記者)

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