近藤誠著 『放射線被ばく CT検査でがんになる』の抜粋、要約

「『放射線被ばく CT検査でがんになる』近藤誠著」から抜粋したことを要約してみました。
近藤誠氏(慶応大学医学部放射線科講師)岡田正彦・新潟大学医学部教授高木学校医療被ばく問題研究会グループの崎山比早子氏、小児科医の山田真氏など医療被ばくや「低線量被ばく」問題に警鐘を鳴らしている方々の声に耳を傾ける市民や医師が増えることを願っています。

『放射線被ばく CT検査でがんになる』 近藤誠著 (亜紀書房)から抜粋・要約

日本のCT装置の台数は断然世界トップで、検査による被ばく線量も、検査が原因の発がん死亡率も世界第1位。これほど日本が医療被ばくに無警戒なのはなぜなのか。

医者たちは、検査被ばくの危険がないかのように偽るため、虚偽の事実をも公言してきた。これは、原発を推進するために電力会社が取ってきた原発は安全だ、放射線に危険はないとする洗脳政策とそっくり

放射線被ばくに関する医師の意識は低く、「とりあえず」「念のために」と安易にCTをオーダーする。問診や聴診より手っ取り早く、しかも使うほど儲かる仕組み

日本は放射線検査による国民被ばく線量が世界一。医者たちは、患者・家族が放射線被ばくについて正しい知識を持つことを嫌い、なるべく情報を伝えないか、伝える場合には健康影響を最小に見せかけようとしてきた。

原発事故後、中川恵一東大医学部准教授は「100ミリSv以下では、人体への悪影響がないことは分かっています」と発言。だが、15カ国の原発作業従事者40万人の調査で、平均被ばく線量が20ミリSvでしかないのに、発がん死亡の増加が認められた。

中川恵一氏の「100ミリシーベルト以下では何も起こらず、それを超えると初めて悪影響が出る」発言。そういう線量を「しきい値」というが、国際放射線防護委員会(ICRP)は、直線・しきい値なし仮説を採用すると、20年以上前に宣言している。

放射線検査によって、数十ミリシーベルト被ばくすることは日常茶飯事。特に問題なのはCTで、1回の検査で最低10ミリ。「造影CT」は1回撮影した後に造影剤を静脈に注射しながら再撮影が常態化している。その場合、2回撮るので、最低20ミリとなる。

最近、発がんリスクの証明度は格段に上がってきた。現在は10~50ミリシーベルトという低線量被曝で発がん死亡が増加する(Proc Natl Acad Sci 2003;100:13761)

現在は、1回のCT撮影で被曝する線量でも発がん死亡の危険性が生じると考えられている。欧米の専門家は、低線量被曝に発がん性があることを前提に、患者保護のために動いている。なぜ日本ではそうならないのか?

15カ国調査の実施期間(1991~96年)の93年に、日本のCT装置の設置台数は8000台でした。これは全世界の設置台数の3分の1以上にあたる。これでも異常だが、2003年には1万4000台と急増

CT装置の増加、最新鋭CTの増加、1日当たり検査件数の増加、1回の検査当たりの実効線量の増加により国民全体の被ばく線量は90年代に比べ飛躍的に増加。新聞報道「がん3.2%は診断被ばくが原因」という推計は、今は少なくとも2~3倍になっている。つまり、日本人のすべてのガン患者のうち6.4~9.6%は、CTなどの放射線検査が原因でガンになっているということ。

特に、子どものCT検査は危険。1回のCTによる1万人当り発がん死亡数(推定)は腹部CTで30~60代は1万人当り2~3人死亡。20代では約10人死亡。5歳だと約15人、0歳児は23人も発がん死亡すると推定されている。

「がん3.2%は診断被ばくが原因」という新聞報道の後、放射線学会関係者は、「低線量被曝による発がんの可能性についていまだ定説がない」と発表したが、原爆被ばく者調査により0~100ミリシーベルトの範囲でがん発症率が上昇することが示されている。

詳しく知りたい方は、ぜひ、本を読んでみて下さい。
           ↓
『放射線被ばく CT検査でがんになる』 近藤誠著

『放射線被ばく CT検査でがんになる』近藤誠著 これって原発事故くらい怖いかも(2011/08/15 11:18 共同通信)

岡田正彦・新潟大学医学部教授 長生きしたければがん検診は受けるな
(2012年02月15日(水) 週刊現代 賢者の知恵)

「100ミリシーベルト以下の被曝量なら安心」はウソ
(2011年4月7日 日刊ゲンダイ)

エックス線 CT検査 医療被ばくのリスク

世界一の医療被ばく国である日本では、X線検査によって 年間 1万人(全がんの4.4%)ガンになっている

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