玄海原発 原子炉鋼材に不純物6倍 配管溶接検査せず記録改ざん

原子炉鋼材に不純物6倍 早期劣化指摘も、玄海原発
(12/21 23:40 北海道新聞)

 老朽化が指摘される九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町、55・9万キロワット)の鋼鉄製の原子炉容器に、不純物である銅が同社保有の他の原発と比べ最大約6倍含まれていることが21日、九電への取材で分かった。銅の含有率が高いと、核分裂で生じる中性子を浴びた際、原子炉の劣化が早く進むとの指摘もある。

 九電によると、1975年に運転開始した玄海1号機の原子炉に含まれる銅の割合は0・12%。94年に運転開始した3号機は0・018%で約6・6倍に相当する。1号機は71年に着工しており、同社は「当時の技術ではこの程度しか不純物を取り除けなかった」と説明している。


玄海原発4号機、配管溶接検査せず記録も改ざん
(2011年12月22日20時34分 読売新聞)

 経済産業省原子力安全・保安院は22日、九州電力玄海原子力発電所4号機(佐賀県)で使用予定の配管の溶接検査で、九電から作業を受託した「発電設備技術検査協会」(東京)が電気事業法で定められた必要な検査を怠ったうえ、実施したかのように記録を改ざんしていた、と発表した。

 今年9月に保安院に情報提供があり、発覚した。保安院は協会と九電に厳重注意の処分を下すとともに、他の電力8社に同様の事例がないか調査を指示した。

 保安院によると、協会の検査担当者が今年8月、勘違いから検査の一部を実施しなかった。後日、誤りに気づき、書類を改ざんした。協会は「自主的に実施した検査項目もあり、誤記と判断して修正した」と説明したという。九電は不十分な管理体制を問われた。


九州電力株式会社玄海原子力発電所第4号機二次系配管に係る協力事業者による溶接事業者検査の一部未実施について(12月22日 経済産業省)

本件の概要

 原子力安全・保安院は、九州電力株式会社(以下「九州電力」という。)が、九州電力玄海原子力発電所第4号機において取替えのための施工を実施中であった二次系の低温再熱蒸気管(注1)について、電気事業法に基づく溶接事業者検査を実施したところ、当該溶接事業者検査の協力事業者である財団法人発電設備検査技術協会(以下「発電技検」という。)が溶接事業者検査の一部(溶接後熱処理)について、法令上の検査対象項目であるにも関わらず、検査当日は検査不要と判断し、検査記録には不要を示す斜線を記載していたこと、さらに、その後、検査当日に任意で記録確認等が実施されていたことを根拠として、当該検査記録の斜線を誤記として処理し、検査が実施されていたものとして処置がなされていたことを確認しました。本日、その内容について、原子力施設安全情報申告調査委員会報告書として公表されました。
 なお、当該蒸気管の溶接工事は、次回定期検査での取替えのために施工していたものであり、現時点において実際に設置されておらず、また、施工会社による施工及び必要な試験が適切に実施されていたことを確認しております。
 本件に係る調査結果を踏まえ、当院は、溶接安全管理検査制度の適正な運用の観点において、必要な検査が実施されておらず、また検査結果に係る不適合管理についても不適切な処理がなされたことは遺憾であり、発電技検に対して厳重に注意するとともに、本件を踏まえた根本的な原因を含む原因の究明及び再発防止対策を平成24年1月20日までに報告するよう指示しました。また、九州電力に対しても、協力事業者である発電技検に対する調達管理が十分ではなく、発注者として看過していたことから、調達管理を徹底するよう厳重に注意し、発電技検を協力事業者として実施した溶接事業者検査について、本件を踏まえ、実施されていない項目の有無を調査し、
平成24年1月20日までに報告するよう指示しました。
 なお、その他の電力会社に対しても調達管理の充実を図ることについて注意喚起を図るとともに、発電技検を協力事業者として実施した溶接事業者検査について、九州電力に対する指示と同様の調査を指示しました。
担当

原子力安全・保安院 原子力発電検査課
公表日 平成23年12月22日(木)


九電の原発耐震安全性データ、誤記載26件
(2011年11月1日 読売新聞)

 九州電力は31日、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)1?4号機と川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1、2号機の耐震安全性を評価した報告書について、計26件のデータに記載ミスがあったと発表した。九電は「安全性の評価結果に影響はない」としているが、ずさんなチェック体制が改めて浮き彫りになった形だ。

 報告書は、2008年12月?10年3月にかけて国に提出し、いずれも原発の耐震安全性に問題はないと結論づけた。ミスがあったのは、原子炉建屋の揺れやすさなどを表す数値で、「0・078」とすべきを「0・076」と記載したりしていた。耐震安全性の評価に使った値そのものは正しかったが、九電や業務委託先の担当者が評価結果を報告書に取りまとめる段階で、間違った値を記載したという。いずれも数値の打ち間違いなど単純ミスが原因だった。各担当者が個別に間違いの有無を確認し、他者などを交えた追加のチェックはしていなかった。

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