電力9社、政界工作で連携 担当議員決め「資金協力」 役員「献金」

電力9社、政界工作で連携 担当議員決め資金協力や接待
(2011年10月9日3時0分 朝日新聞)

全国の9電力会社役員が業界団体主催の朝食会で、所管官庁の経済産業省と関係がある議員を中心とした自民党議員数十人と顔合わせしたうえ、担当議員を分担、選挙時の資金協力や飲食接待などを行っていたことが分かった。参加した議員秘書らが明らかにした。

 東京電力で組織的なパーティー券購入や、会社側が役員の個人献金を差配していたことが判明したが、新たに電力各社が連携して政界工作にあたってきた構図が浮上した。こうした工作は1990年代に盛んに行われ、顔合わせの朝食会は近年も続いていたという。

 議員秘書や電力会社元幹部によると、全国の電力会社でつくる業界団体「電気事業連合会(電事連)」主催の朝食会は、東京都内のホテルを会場に2?3カ月に1回のペースで実施。また、不定期で電力数社と議員らのランチ会もあった。


東電、役員の献金を会社側が差配 企業献金の代替狙う
(2011年10月8日3時1分 朝日新聞)

 東京電力が「会社は関知していない」としている役員個人の政治献金をめぐり、会社側が2009年ごろまで、自民党の政治資金団体の要請を受け、個人献金を差配していたことが分かった。会社側が役職ごとの献金額を決め、新任役員に案内していた。元首脳の一人は「1974年から企業献金を自粛したため、個人献金はその代替策だった」と証言している。

 朝日新聞の調べで、自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」への東電役員の献金総額は、95~09年の15年間で少なくとも延べ448人、計5957万円。東電をめぐっては、組織的なパーティー券購入が明らかになっており、個人献金もこれと合わせ、原子力政策を推進するため、政界に資金提供する手段ととらえられていたという。

 朝日新聞が複数の東電幹部や元役員に取材した結果、国政協からの要請を確認できたのは、東電元副社長の加納時男氏(76)が98年7月、参院選に自民党の比例区候補として立候補し、初当選した時期。政治担当の東電役員は国政協幹部から「加納氏が当選したこともあり、東電役員の献金額を増やしてほしい」という趣旨の依頼を受けたという。政治担当の東電総務部はこれを受け、献金に協力してもらえる役員数の増加などを図ったという。

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