事故を起こさなくても原発をやめなければならない理由

原発は、事故を起こさなくても様々な問題を引き起こしている。

まず、燃料のウランを掘る段階で採掘地の環境を破壊し、放射能で汚染して、住民に被曝させている。

原発の運転が始まると原発周辺にガンや白血病を多発させている。

そして、原発で働く人たちの被曝労働や海の環境を破壊する温排水と吸水の問題

核燃料再処理工場からの膨大な放射能の排出問題。

さらに、100万年後まで毒性が消えない「放射性廃棄物」の問題などがある。


ウラン採掘の段階から、世界の先住民族は核被害を受け続けている
(2011年06月10日 原水禁大会)から抜粋、要約

世界で2,050回以上行われた核実験は、全て先住民族の土地で行われ、いろいろな被害を先住民に押し付けてきた。65年間、核の被害を先住民族に押しつけ、核を持つ国が豊かになり、原発を地球温暖化に対する切り札として推し進めようとしている。それら全ては、先住民族の住む土地のウラン鉱石を掘り出すところから始まっており、先住民に被害を与え続けている。私たちは今や加害者の側に立っている

<ニュークリア・レイシズム>

1992年にオーストリアのザルツブルクに世界の先住民族が集まって世界ウラン公聴会という大きな会議が1週間開かれた。その時、ウラン採掘、核実験、さらに核廃棄物を捨てる所も先住民の土地が選ばれてきた

一番最初は、カナダの北極圏にあるグレート・ベア・レイクで採掘されたウランが広島・長崎の原爆に中心的に使われた。そこに住んでいたのが、サトー・デネーと呼ばれる人々で、原爆の材料を掘り出す段階から被害を受けていた。

<ウランの採掘>

現在カナダは世界最大のウラン生産国で、サスカチュワン州でウランが採掘されており、デネーと呼ばれる人々が被害を受けている。

アメリカにナバホと呼ばれる先住民族がいる。正式な部族名はディネという、デネーというカナダの部族と兄弟のような関係。

ウラン採掘も、核実験も、核廃棄物の捨て場も、その多くは先住民の土地である。1910年代にウラン採掘が始まり、採掘にあたったナバホの人々は、ウランの危険性を一切教わらなかった。

ウラン坑夫の肺ガン率が一般の20倍~30倍で、5,000人のナバホがガンなどの病気に罹り、子どもたちは汚染した土地で遊び、家畜を汚染した草で育て、汚染した川の水を人も家畜も飲んでいる。

今日、米国のアコマには1,000を超えるウラン鉱山と多くのウラン精錬工場があり、60年間ずっと被害を受けてきたし、今も被害が続いている。様々な健康障害に皆が苦しみ、脳腫瘍、肺ガン、胃ガン、大腸ガン、骨のガン、皮膚ガン、乳ガンや子宮ガンが増えている

「核の平和利用」と言うが、見えない所で病気になり、多くの先住民が亡くなっている。これは核による人種差別である。「あいつらはインディアンだ。放っとけ。死んでしまっても構わない」そんな扱いを先住民は受けてきた。

「エコな原発」が増えるほどウラン採掘が増え、世界の先住民の土地が放射能で汚染されていく。空気、土、水、植物、全てが汚染され、人々が病気で倒れている。「核の平和利用」が先住民を殺し続けている。

このウラン鉱山の問題だけでも、原発はやめるべきだ。

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