2009/02/28

ナマケモノ倶楽部10周年とスロービジネス見本市

私が世話人を務めている環境文化NGO「ナマケモノ倶楽部」が今年10周年を迎えました。
そして、校長を務めている「スロービジネススクール」が5周年を迎え、大きなイベント
「スロービジネス見本市」を企画しています。
ウィンドファームが目指している「いのちを大切にする社会」をつくるためには、私たち
自身の「暮らしの見直し」と「仕事の見直し」が必要だと考え、22年間いろいろ模索して
きました。その中で、暮らしや文化を大事にする「ナマケモノ倶楽部」と、金儲けを優先
するビジネスではない「いのちを大切にする仕事(スロービジネス)」を学ぶための学校
として「スロービジネススクール」をつくりました。
このブログを読まれている皆さんに、その経緯をお伝えしたいと思います。


●ナマケモノ倶楽部(略称:ナマクラ)ができたキッカケ
今から11年前、南米からゲストを招いて「国際有機コーヒーフォーラム」を福岡で開催
したとき、エクアドルからアウキ知事とインタグコーヒー生産者を招待しました。
そのとき、アウキさんたちに同行してきた見知らぬ人が2人いました。
それが、歌手で環境運動家のアンニャ・ライトさんと文化人類学者の辻信一さんでした。
その後、意気投合した私たち3人は、それぞれの「専門分野」である「運動」と「学問」
と「ビジネス」の融合をめざす「ナマケモノ倶楽部」をつくろうと決めました。
環境NGOの中でナマクラが珍しいのは、自分たち自身の暮らしや文化を大事にしている
こととビジネス(仕事)を重視してきたことだと思います。
この9年間でナマクラの仲間と共にたくさんの会社をつくりました。
スロー
カフェスロー
スローウォーターカフェ
ゆっくり堂
そして、ゆっくり堂から「七色舎」が生まれました。
その分、世の中に「いのちを大切にする会社」が増え、そこで働く人も増えていきました。
●それでも働きたい会社が少ない
しかし、私の会社(ウィンドファーム)には、たくさんの若者たちが就職を希望して連絡
してきます。「給料は少なくていいので、環境を大切にしたり、社会を少しでもよくする
ような働き甲斐のある仕事がしたいんです」と。
その希望に、20人ほどの小さな会社は、応えることができませんでした。年に1?2人
しか雇うことが出来ないため、断るたびに彼らが失望していく姿を見てきました。それは
可能性の芽を摘み取り続けているような気分でした。そして、段々と「何とかしたいなあ」
という思いが強くなってきました。
そんなときに解決のヒントを与えてくれたのが、ブラジル有機コーヒーのパイオニアである
カルロスさんでした。
そのヒントを元に5年前、「スロービジネススクール(SBS)」をつくりました。
●学生自身がつくる学校 学びあう学校
辻信一さんとの言葉遊びから生まれた「スロービジネス」を「いのちを大切にする仕事」と
定義し、「入学する学生自身がつくっていく学校です」という呼びかけに130人以上が応募
してきました。予想の3倍以上です。
学生、主婦、会社員、教員、有機農家、自営業、会社経営者、ダンサー、医師、NPO代表、
サーファー、詩人、写真家など驚くほど多様な人たちが集まりました。年齢は20代が大半
だろうと考えていましたが、10代から60代まで幅広く集まり、なぜか女性が60%以上
を占めています。
この学校には「先生」がいないので、学生たちは知恵を出し合い、互いに学び合っています。
でも、みんなが何らかの先生であり、生徒でもあるという面白くてとても楽しい関係です。
保育アドバイザー深津高子さんが言われる「子育ち」。大人が主人公の「子育て」ではなく、
子どもが主人公の「子育ち」に似ているようです。
でも、年に4回くらい各地で行われる合宿に辻さんや深津さん、藤村靖之さん、田中優さん
など外部からも友人知人が話をしに来てくれます。
●学費でつくった会社で、学生がつくった商品を販売
「学生が支払う学費を元手にして会社をつくります」と公言していましたが、思ったよりも
難産でした。でも、2年ほどしてようやく「スロービジネスカンパニー(SBC)」という
中間法人(現在は社団法人)の会社ができました。
SBCは、通信販売のウェブショップもつくりました。
そして、学生がつくったり、開発した商品(原発や再処理工場の本やDVD、自然塩、褌、
パレスチナオリーブ、フェアトレード商品「マヤナッツ」など)を通販や卸販売しています。
本は好評で増刷され、DVDも全国から注文が入り、委託販売もしています。
学生内部では、地域通貨も活発に利用され、商品代として使えたり学費も地域通貨で支払う
ことができます。合宿では、地域通貨市場が開催され、手づくり品や学生が経営する会社の
製品やマッサージ、整体などのサービスにも利用されています。学生だけに限定して学生が
つくった米や農産加工品も地域通貨で販売されています。
●ゆっくり村
SBCはウィンドファームと提携して福岡県赤村に「ゆっくり村」という名のとても小さな
コミュニティをつくりました。「半農半スロービジネス」を掲げて、農的な営みとスローな
カフェ(クリキンディ)など「いのちを大切にする仕事」
を実践しながら、「こんな暮らし方、こんな生き方もあるよ」「ひと月に5万円もあれば、
らくらく暮らせるよ」といったモデルが少しずつできてきています。
今後は、そんな暮らしの実例を増やしながら、それを一般の人が体験できる仕組みをつくる
予定です。
「毎日旬の美味しいものを食べて、友と語り、汗を流し作物を育て、モノづくりをして、
音を奏で、共に学び成長し、安らかに眠る。そんな「ゆっくり村」があっても良いな。
問題ではなく答えを生きる。」とゆっくり村の住人・後藤君は言っています。
●スロービジネス見本市とは何か
これまでは、SBSやSBCは内部で学び合うことが中心でしたが、これからは外にも目を
向け、外部の団体や企業などとの連携やアウトプットに力を入れていこうとしています。
その一つがナマケモノ倶楽部や「六ヶ所あしたの森」との連携や
スロービジネス見本市です。見本市では、SBSの学生10人が、スロービジネスプランや
事業や想いを表現します。それは自分自身の心地よい幸せな働き方、生き方であり、同時に
それは、他者(人や自然や未来世代など)をも幸せにする仕事です。
詳しくは、以下をご覧下さい。
http://www.slowbusiness.org/article.php/200901_sbmihonichi
当日は、私もいろいろ話します。
ウィンドファーム22周年の結晶の一つがスロービジネス見本市です。
皆さんと会場で、お会いするのを楽しみにしています。

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